不死の聖杯のヒーローアカデミア 作:不死身の寿司
試験が終わって数日が経ち、試験結果が返ってきた。
届いた封筒の中には小型の機械が入っている。
なにこれ、どうすればいいの?
『私が投影されたぁ!!』
あれこれイジってみると、立体映像が投影された。
映し出されたのはオールマイトだった。
いつ見ても画風が違うなぁ。
というか紙で通知すればいいのに。
お金かけ過ぎじゃない?
……じゃなくて、何でオールマイトが?
『なぜ私がここに居るかって? それは私が今年度から、雄英で教師を務めることになったからさ!』
へぇ~、それは凄い。
No.1ヒーローが教師か、かなり話題になるだろうな。
マスコミが押し寄せそうだ。
『それでは天杯少年。早速試験結果を発表するとしよう。筆記試験! 平均92点! ケアレスミスが多かったぞ! 気をつけよう!』
うわっ、やっぱりかー!
試験終わった後に気づいたんだよなー。
やっぱ見直ししないと駄目だよね。
『そして実技試験! ヴィランP192点! 素晴らしい! 100点超えは雄英初だ! 君以外にも100点超えはいるが、君が成績トップだ!』
よし!
成績トップだ!
100点超えは雄英初なのか。
確かに他の人達は倒す速度が遅かったよね。
デクやかっちゃんに比べてかなり弱かった。
『先の入試、見ていたのはヴィランPのみに非ず! 実は審査制の
よっしゃあ!
やっぱり首席だ!
試験自体は簡単だったけど、それでも嬉しいものは嬉しい。
そんな風に喜びに浸っていると、突然スマホが鳴り響く。
僕はそれを手に取り通話ボタンを押した。
『久遠くん! こんにちは!』
「トガちゃん、どうしたの?」
電話をかけてきたのは現在デクと同棲中のトガちゃんだった。
トガちゃんは小学生のころ、なんやかんやあってデクの家で引き取ることになったのだ。
そんなトガちゃんが電話をかけてきたということは……。
『出久くん受かったのです! 今出久くんと代わるので!』
『久遠くん! 受かったよ! かっちゃんと同率2位だって!』
「おめでとう、デク。本当に良かったよ」
無個性だからって諦めずに、あれだけ特訓したかいがあったね。
きっと、デクのお母さんも泣いて喜んでいるだろう。
デクが個性発現した時とか噴水みたいな量の涙出てたしね。
割と最近まで【水生成】的な個性か何かと勘違いしてたレベルだし。
「あり得ないことだけど……万が一にでも落ちてたら、訓練をもっと厳しくしないといけない所だったよ」
『ヒエッ』
「冗談だよ。1割ぐらい」
『殆ど本気じゃないか! 鬼畜だよ!』
「へへ、そんな褒めないでよ」
『褒めてないよ!?』
やっぱりデクはツッコミが上手いなぁ。
『あっ、ごめん。今から夕飯だからもう切らなきゃ』
「オッケー。じゃあまたね」
『うん!』
その一言を最後に電話が切れた。
ようやくだ。
ヒーローへの道、その第一歩を踏み出したのだ。
ああ、僕は絶対にヒーローになるんだ。
《side 雄英高校》
雄英高校のとある一室。
そこでは、実技試験の成績について話し合いが行われていた。
「実技総合成績が出ました」
大画面に、受験生の成績が映し出される。
1位 天杯久遠 ヴィランP192 レスキューP64
2位 爆豪勝己 ヴィランP118 レスキューP20
2位 緑谷出久 ヴィランP78 レスキューP60
4位 切島鋭児郎ヴィランP39 レスキューP35
5位 麗日お茶子ヴィランP28 レスキューP45
6位 塩崎茨 ヴィランP36 レスキューP32
7位 拳藤一佳 ヴィランP25 レスキューP40
8位 飯田天哉 ヴィランP52 レスキューP10
9位 鉄哲徹鐵 ヴィランP49 レスキューP10
10位常闇踏陰 ヴィランP47 レスキューP10
「100P超えが3人……やべーな今年……」
例年を遥かに上回る好成績に、教師陣は一様に驚愕していた。
3人を除いた最高得点である4位の成績が74P。
それと同率2位の2人は64P、1位に至っては182P差と実に3倍以上の成績を誇るのだ。
いかに桁外れか分かると言うもの。
「まさか三人もデカいのをぶっ飛ばしちまうなんてな」
「爆豪勝己、緑谷出久。同率2位で138点」
「どちらもセミプロに近い能力の高さですが、特に爆豪勝己、彼の強さは規格外ですね。最後まで疲労した様子が無かった、凄まじいタフネスです。少し口が悪いのは欠点ですが」
本来なら2年生で取得する仮免。
それを入試の段階で取得可能なレベルの実力の持ち主というのだ、驚くほかない。
「もう1人は強さでは劣るけど、積極的に人助けをしているね。正にヒーローの卵だよ」
「で、問題なのが……天杯久遠、256点」
「個性【不死】……これってホントなのか?」
人類の八割がなんらかの特異体質を有した現在の超人社会においても、異常とも言える個性に、プレゼント・マイクは信じられないと言った様子だ。
「ええ、と言っても死なないというより、死んだら生き返るの方が正しいけれど」
「どちらにせよ規格外の個性であることには変わりません」
「だから表向きは個性【肉体復元】ってことになっているのさ。不死なんて個性、大騒ぎになるに決まっているのさ」
「ん? ってことはこの身体能力は素の力ってことか!? そこらの増強系個性よりよっぽど強いぜ!?」
「どうやら自分が死なないことを利用して無茶な訓練をし続けていたらしいのさ」
「生き返るからって痛みがないわけじゃないんだろ?」
「彼は両親から虐待を受けていたの。何度も死を経験し、慣れてしまったのでしょうね」
「なっ……!」
ミッドナイトの言葉に、他の教員は絶句する。
虐待による死。
例え一度であっても耐えられない程の苦痛を伴うであろうそれを、何度も経験しているのだ。
心が壊れてしまうのも当たり前だろう。
「虐待発覚当時、私もいましたが酷い有り様でした。部屋は血塗れ、千切れた手足が転がっていました」
「小学校、中学校共にキチンと通えていたのが、何よりヴィランにならずヒーローを目指せているのが奇跡みたいな状況ですね」
「本人曰く、『虐待の結果壊れたのか、もともと壊れていたのか僕にも分かんないけど、全然何とも思って無いんだよね。まあ、どちらにせよ壊れててよかったよ。多分壊れてなかったらヴィランに堕ちてただろうし』だそうよ」
「それは、なんというか……」
「天杯くんは相澤くんの担当にする予定さ。それでいいね? 相澤くん」
「ええ。ですが他の生徒と同様に扱います。見込みが無ければ除籍も遠慮なくしますよ」
1人だけ特別扱いはしないと、相澤が言う。
「そういえば、他人を回復させてなかったか? 不死の個性なんだろ?」
「死から蘇る超再生。それを他人に付与してる、といったところだろうな」
「そこまで応用できるもんなのか?」
「他人に付与なんて普通は無理だ。だが、そもそも不死の個性自体常識から外れているんだ。あり得ないとは言えない」
「個性の考察に関しては後でやるのさ。1人に時間を割きすぎたのさ。次に行かないと間に合わないのさ」
「そうですね。次は4位の──」
会議はまだまだ続く。
個性解説
個性【不死】
何度死んでも蘇る。
ただし死体は消えずに残り続ける。
蘇生の際は完全な状態で蘇り無痛症などにならない。
代償としてどれだけ鍛えても防御力が上がらない。
副次的な効果として脳が吹き飛んでいようと思考可能になり痛みも感じる。
個性【聖杯】
どんな願いも叶えるが、対価として自分は死ぬ。
自分の力では不可能なことはそれが可能になるスキルを手に入れる。
他人の回復もスキルによるもの。
USJ編まで出番なし。
他人に願われた場合は条件を満たせば自分の意志と関係なく叶えてしまう。
条件とは個性について知った上で願うこと。
クールタイムがあり叶える願いが大きい程クールタイムが長くなる。
叶えれる願いには制限があり、死者蘇生は死後一時間以内、死体が七割以上残っていれば半日以内なら可能。
自分の願いを叶える際は叶えれる願いが更に制限され、クールタイムがとても伸びる。
この個性について知ってる人物は
*自分
*両親(死亡済み)
*AFO
一話の後書きには書き忘れたが、ヴィラン側にも強化が入っている。