京極正宗に甘やかされたり、首を絞められたりしながら愛される話。

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薔薇の愛寵

電気が消された暗い部屋、私は京極ちゃんに首を絞められていた。

「あるじさま、とてもかわいいですよ」

馬乗りにされた状態で、優しい声で囁かれる。 

私の本丸に京極ちゃんが来てから3ヶ月。いつのまにかこんな関係になっていた。

 

「深窓の薔薇にて、正宗の銘を刻むもの。わたくしが京極正宗。あなたが新しいあるじさま?」

と言って顕現した京極正宗こと京極ちゃん。その華奢で可愛い見た目から初めて見た時は女の子かと思ってしまった。

「どうしました?あるじさま」

どうやら見惚れてぼーっとしてたみたい。

「いや、なんでもないよ!これからよろしくね!」

初めは可愛い京極ちゃんとメイクやファッションの話をして過ごす程度だった。ところがある日、忙しくて疲れていた私はつい京極ちゃんに泣きついてしまった。

「もう疲れたよ〜!何もしたくない!!甘やかして〜!!!」

「あら…あるじさま、どうされました?」

「仕事するの疲れたの…なんか甘やかして!」

「あらあら、何をしたらいいかしら」

京極ちゃんはとても困った顔をしている。私も勢いで泣きついたので、具体的なことを何にも考えてなかった。

少し考えた後、私は言った。

「膝枕して…あと寝かしつけてほしいな…」

「あらあら…まるで赤子みたいなお願い。いいですよ?あるじさま、わたくしの膝の上に頭をどうぞ」

京極ちゃんは少し困りつつも嬉しそうな微笑みを浮かべている。

なので遠慮なく頭を膝の上に乗せた。とても柔らかくて暖かい。本当に男子の膝なのか不思議に感じてしまう。

「どうですか、あるじさま。わたくしの膝の具合は」

「とても暖かくて安心する…顔が見えるのも幸せ…」

「ではもっと安心させて差し上げますね」

そう言って微笑みながら頭を撫でてくれた。

「よしよし…よしよし…愛おしいですねあるじさま…毎日頑張っててえらいですね…」

そうして甘やかされていたら、いつの間にか眠りについていた。

 

それからというもの私は毎日京極ちゃんに甘やかされて寝るようになった。

でも人というのは満ちれば満ちるほど新たに幸福を求めてしまうようで、それだけでは満足できなくなった私は、隠してた願望を京極ちゃんに打ち明けてしまった。

「京極ちゃん。実は私…首絞められると落ち着くんだ…。だからお願い…私の首を絞めて甘やかして欲しいな…」

こんなはしたないお願い、名族の京極ちゃんには引かれるかと思ったが、意外にもすんなり受け入れてくれて驚いた。

「あるじさま、とてもかわいいですよ」

首を絞められながら囁かれる。

私はこれに今までにないほどの幸福を感じていた。

 

首を絞めてくれるようになってから少し経って、慣れからか私は、京極ちゃんにこんなことを言ってしまった。

「京極ちゃんになら首絞められても安心だね。京極ちゃん華奢だから本当にダメな時は抵抗できるもん」

「あら、あるじさま、それは心外ですね」

そういうと、京極ちゃんは私を押し倒して馬乗りになった。

「京極ちゃん、いきなりどうしうぐっ…」

いきなり首を絞めてきた。こんな無理やりされたのは初めてだ。

「ぐぅぅぅ…あ、がぁ、ぁ…」

いつものこっちを気遣うような優しい首絞めと違い、とても乱暴だ。このままだとまずいと思って咄嗟に首に掛かってる手を離そうとする。が、びくともしない。

「あら、抵抗するのではなくて?」

そう言った京極ちゃんはとても悪い笑みを浮かべていた。

今まで見たことがない顔に驚くとともに、必死に手を引き剥がそうとしてもがく。

「ふふふ、体がビクビクしてきましたよ、もう少しで死んじゃいそうですねあるじさま」と耳元で囁かれた。

どうやら私の体は震えているらしい。近くにいるのに、声が遠くに聞こえる。このまま殺されちゃうかもといった考えが頭をよぎった直後、首が解放された。

「はあっ、はあっ、はあっ…」

首の異物感がすごい。気づくと顔も涙で濡れていた。

「落ち着きましたか?あるじさま」

その声に必死に頷く。

「じゃあもう一回、行きますね?」

えっ?と声を出す間もなく、再び首を絞められた。

「さっきより力を弱めてますよ、あるじさま?抵抗するのですよね?」

と言われたが、さっきと変わらないくらい力は強く、とても離せそうにない。

その後も手を離してはまた絞めるといった行為が繰り返された。

私はその度に抵抗しようとするが全く敵わない。それに度重なる首絞めによって脳に酸素が回らなくなり、何も考えられなくなる。耳元では朧げに「愛おしい」や「かわいい」などの言葉が聞こえてくる気がする。

………気がつくと意識を失っていた。

起きたら布団に寝かされていて、横には京極ちゃんが正座して座っていた。

「申し訳ありませんあるじさま。わたくし…つい度を越してしまって…」

「いいよ、煽っちゃった私も悪かったし。でもしばらくは首絞めはいいかな…首が変な感じがするし」

 

首絞めを禁止してから1週間。私の首の調子もすっかり元通りになった。

なので久しぶりに甘やかし首絞めをしてもらうことにした。

「いきますよあるじさま。無理でしたらわたくしの腕を叩いてください」

この前の反省か京極ちゃんも慎重になっている。

「いいよ気にしなくて、それより早く…ぐうっ」

この前と違いとても優しい首絞めだ。一方的な愛ではなく、相互的な愛を感じることができる。

しばらくして手が離された。

「大丈夫ですかあるじさま?」

「大丈夫だよ、それよりもっと強くして…ぐぅぅ」

おかしい。しっかり愛されているはずなのに物足りなさを感じる。

「まだ足りない…もっと…!もっと強く絞めて!」

首にかかる圧迫感がより大きくなった。それでもまだ満足した気がしない。

だから私は京極ちゃんにお願いをした。

まず京極ちゃんの腕を叩く。するとすぐに絞めている手を離してくれた。

そして伝える。

「もっと強く…殺すくらいに首を絞めて欲しい…」

「よろしいのですか?また先日のようなことをしてしまうかも…」

「大丈夫…大丈夫だから…。私はあなたに、殺すほどに愛して欲しい。」

そう言いながら私は首に京極ちゃんの手を導いた。

「分かりましたあるじさま。縋るものがあるならば、手を差し出すのが名族たるものの役目。謹んでそのお役目お受けします」

京極ちゃんは真っ直ぐな目でこちらを捉えた。同時に首が絞められる。

さっきまでとは比べ物にならないくらい力が強い。血管を押さえられているだけなのに、気道にまで触られている感覚がしている。

「あるじさま…上手くできていますか…?」

少し控えめに尋ねてくる声を肯定する。

「ふふっ、嬉しいです。体が震えているのとても愛おしいですよあるじさま」

体は死の危険を感じているのか、震えて逃れようとしているらしい。でも離れたくない、離してほしくない。

前は聞こえにくかった、こちらを可愛がる京極ちゃんの声もはっきり聞こえる。

「落ち着きますか?あるじさま」

朦朧とした意識の中、私は優しく頷く。

見た目が華奢な京極ちゃんが、人を殺せるほどの力を出していることにも興奮してしまう。みたいな無意識に頭の中に浮かんでくる考えを消化していたら、いつの間にか意識を失っていた。

 

「ごめんね、こんな変なことさせて」

目が覚めた後、今日は特別に布団の中で寝かしつけてもらった。

「大丈夫、大丈夫ですよあるじさま。わたくしはあるじさまがどんな人間でも嫌いになりませんから」

布団の中で抱きしめられながら背中を撫でられる。私が苦手な私を肯定されるのがとても心地よい。

「あら、あるじさま。涙が溢れていますよ」

「あれ、おかしいな……ごめんね綺麗な服が汚れちゃう」

「大丈夫ですよ。それより…ほら、もっと強く抱きしめて差し上げますね。よしよし……よしよし……大丈夫ですよ……」

体にかかる圧迫が強くなった。

そして私は幸せの中眠りに落ちるのだった。


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