ふむ、私に喋れと言うのだな!?   作:хорошо!

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転生特典的なのくれても良くない?

日光がしんどい!!足痛い!!マヂムリ!!

 

ハイ、天才的な閃きをした私はあの煙が上がってる場所の近くに先生がいるんじゃないかという結論に至って歩き始めた訳なんですけどね。

私の身体、弱すぎるんだが!???

いやね、流石に例の超天才清楚系病弱美少女ハッカーレベルじゃないよ?

でも少し歩いただけで息切れして両足が悲鳴上げるのは違うじゃん、ポーカーフェイス保つのしんどいよ。

 

幸い…幸いか分からないけど、マジのアルビノって訳じゃないのか日光で大ダメージを受けるような状況にはなってないけど…いやそれでも日光辛いんだが?

引きこもりボッチしてた前世の方が体力も身体の強さも上だったってどういう事なんすかね…

いや、キヴォトス人補正を抜きにしても前世は男だったって事を考えると妥当な事なのか…?

 

うん、妥当じゃないわ、妥当な訳ないわ。

どうするんだよ、こんな身体スペックでキヴォトスでやっていける訳がないだろう!?

よくある転生チート特典とかあったらさ、誰にも頼らないで名もなき孤高の生徒みたいな感じで謎の助っ人的な事やろうとしてたのにさ!!

あぁ、そうだね、現実って残酷なんだね…

よくよく考えたら理由も分からずにゲームの世界にTS転生させられてる時点で物凄い残酷だと思うけどね…

 

そもそも歩きづらいんだよこの格好!!

身長は前世と大差無いからなんとかなってるけどさ、服があまりにも邪魔すぎるんだわ。

スカートとか履いた事ないんすけど!?

なんか凄いスースーするんですけど!?

ふっ、ミニスカだったら既に死んでいたぜ…

 

普通さ、TSしたら元の身体との違いに戸惑いながらパニックになるじゃん、よくある創作だと。

うん、ある意味で戸惑ってはいるけどさ?

戸惑うポイントが違うじゃんコレ、ただただ虚弱体質になった事を嘆いてるだけじゃんコレ。

もっとさぁ!!TSした事に対する葛藤とかをする時間をくれても良くないかなぁ!!

 

…実際その時間があった所でそうなるのかって?

う〜ん…いや、ならない気もするな、私って結構切り替えと現実逃避が得意なタイプだし…

何がどうなってこうなったのかは分からないけど、普通にこの世界でもエンジョイ出来る気がするな…

虚弱体質のせいで全部台無しだけどな!!どうせならもっと強くしてくれよ!!

ここキヴォトスだぞ、戦闘力ないと終わりだぞ!!

 

私をキヴォトスに転生させたのが神様的な上位存在だったら私はソイツを一生恨んでやるよ…

どうしてこんなスペックで転生させたし…!!

いや顔はハチャメチャに良いんだけどね、ぶっちゃけそこは満足してるんだけどね。

顔の良さだけで何とかなる程キヴォトスは甘くないんだぜ上位存在(仮)さんよぉ…!!

 

というかキヴォトスの生徒、みんな面が良いしな…

面が良くて戦える生徒達、面は良いけど戦闘力と対人能力がドブカスしてる私…

ざけんなや…下位互換やん、ドブカスが…

今の私よりよわよわであろうヒマリには天才的な頭脳があるし私ってマジでダメダメなのでは…?

いや、私には原作知識があるし…あるし〜・・・?

…その原作知識を活かす事が出来ないレベルのコミュ症だってのが玉に瑕だがな、ガハハ!

 

笑い事じゃないわ、マジでどうするんだ。

 

あの人なら何とかしてくれるやろ!的な希望的観測で先生を訪ねて三千里してるわけだけど、ぶっちゃけ会った所で何も出来なくないか???

私は先生に何も話す事が出来ない、何も伝える事が出来なくてただただ挙動不審になる。

しかも私ってば突如スポーンした身元不明の謎生徒なんすよ、怪しさの塊じゃないっすか、やだ〜・・・

憑依転生の方が楽だったまである気が…いや、コミュ症にそのキャラのエミュは無理っすね、ハイ。

 

う〜ん、そう考えると逆に先生に会わない方が良い気もしてきたな…

優柔不断な男は嫌われるって?…ふっふっふ…残念ながら私は今は女の子なんですよ〜!!

いや優柔不断な女でも結局駄目だわ、物事はハッキリ決めた方が良いに決まってるわ。

だとしたらどうするべきか、一か八かに賭けて先生に会いに行ってみるべきか…

 

…このキヴォトス、どの世界線なんだろうなぁ…

 

私が…私達プレイヤーがプレイしてた時空のキヴォトスならきっと先生が全部解決してくれる筈…

でもここがバッドエンド時空のキヴォトスだったら?

無数にあったバッドエンドスチル、起こり得たかもしれない選択によって生み出された幾つもの失敗…

そして、プレナパテス先生がいたであろう世界線。

詳しい事は分からないけど、きっとほんの僅かな失敗で崩壊してしまったハッピーエンド…

その存在を知った上で、それらを避けてハッピーエンドを迎えられると知った上で…

私は、何の行動も取らないというのか?

 

…というか、場合によっちゃ私も死ぬし。

ここがプレ先時空だったりでもしたら何の抵抗も出来ずに私も殺されちゃうじゃん。

嫌だ、それは嫌だ、私は死にたくない。

前世…前世かもよくわからないけど、以前の私が果たしてどうなったのかは分からない。

だけど、私には少なくとも『死』の記憶はない。

人ってのは未知な事が怖い、理解出来ない事が怖い。

私だって一緒だよ、一度も経験していない死を経験する事がたまらなく怖い。

 

なら、出来るだけ生き足掻いた方が良いじゃん?

他人のために、なんて立派な事は言えないけど自分が生きるために行動するならいくらでも頑張れる…

そうやって私が生きるために頑張った行為で他の人も救う事が出来れば万々歳じゃないか。

とは言え、その行動をするためにはまずシャーレに所属しないといけないなぁ…

物語の主人公を担うのは先生なんだから、いつでも彼…彼女かもしれないけど、先生の事を手助けできる立場にいなければならない訳で…

 

…ぬおおおおお!!頑張るんだ私よ!!

いくらコミュ症を拗らせまくったボッチだとしても

 

『シャーレに所属したい』

 

の一言くらいは言えるだろう!!てか言え!!

身元不明のクソ怪しい生徒をそう易々と所属させてくれるかは知らないけども…まぁ、相手があの先生なんだからどうにかなる気もする。

だから頑張れ、少しで良いから頑張れ私…!!

というかぶっちゃけそろそろ体力が限界なんだ、早くシャーレに辿り着かせてプリーズ…

 

 

◇◇◇

 

 

「先生、ではまた!」

 

“うん、また今度”

 

歩き去っていく彼女達に別れを告げ、シャーレのオフィスに戻ろうと足を踏み出す…

そのタイミングで、物陰から此方を見つめている一人の視線に気付く。

真っ白な髪にこれまた白い肌、赤みがかった瞳の少女が無言で此方を覗いていたのだ。

 

“えっと、君は…?”

 

「………」

 

ゆっくりと私の目の前まで歩いてきた彼女は、一切表情を変えずに小さな声で呟く。

 

「先生」

 

“そうだね、私が先生だよ”

 

私の事を見て呟かれたその名前…名前ではないけど、その言葉に対して肯定の意を示しながら頷く。

彼女が一体何者なのかは分からないが、まだキヴォトスに来てから間もない私の事を知っているのを見るに関係者の類なのだろうか…

 

「シャーレ」

 

“…うん、確かに此処はシャーレだけど…?”

 

「………」

 

続いて呟かれた言葉も、短い単語。

彼女が私に何を伝えたいのかは分からないが、私達が今いる場所はシャーレのビルの前。

この場所がシャーレで合っているのか尋ねているのだろうか、そう思って言葉を返すが彼女は相変わらず微動だにせず表情を変えない。

 

“ぅ、う〜ん…?”

 

意図が読めない、何が目的なのだろうか…

一つ分かるのは、彼女が見つめているのはシャーレのビルや他の場所ではなく私である。

あくまで予想にはなってしまうが、恐らく…

 

“私に用事がある、って事で良いのかな…?”

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