ふむ、私に喋れと言うのだな!?   作:хорошо!

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いつか赤バーに戻る事を目指して頑張りたい…



説明しましょう!空気感が地獄です!

アビドス高等学校の一室、いつもは生徒達がてんやわんやして賑わっているその教室。

そんな場所に今いるのはたった二人の生徒、私という生徒を名乗って良いのか怪しい不審者さんと正真正銘アビドスの生徒であるアヤネ…

言ってしまえば、留守番組の二人である。

 

他の生徒と先生がブラックマーケットに行く中で、教室に残ってサポートに回った方が良いだろうと自主的に教室に残ったアヤネ…

そして、普通に戦力外通知された私です!!

いや本当に戦力外だから何も言えないんだけどね、盾にすらなれないから本当に邪魔でしかない…

まぁ、私が現地にいても邪魔だし、現地でも通信越しでも私が対応出来るトラブルなんか変わらないだろうから拒否せずにこうして残ってる訳なんだけど…

 

「………」

 

「………」

 

くっそ気まずいんだなぁ!!これが!!

アヤネが悪い訳じゃない、私達二人しか教室にいないという状況がまずいのだ…

当然私から話を切り出す事なんて出来ないし、彼女も彼女で話を切り出しづらいのだろう。

多分私が無意識に威圧感を出しているからである、ただ顔が強張ってるだけなんだけどね…

 

「…ぁ、あの…お菓子とか、いりますか?」

 

そんな対面が一時間近く続いたところでついにアヤネが切り出した!!

この状況で言葉を発するの、だいぶ勇気がいる行動だった筈なのに…

私が単純に人と会話出来ないっていうのもあるけど、普通にこの状況で何かしらの話題を出しにいくっていうの割と難しいと思うの。

だから会話のパスを…パスを繋がなきゃ…!!

 

「遠慮しておく」

 

バカです!!!!!!!!!!

私は!!!!ドアホです!!!!

 

今のは絶対に受け取っておく場面だった、無理矢理話題を作ってくれたんだから乗るべきだった…

なのに私は…ッ!!私は何を…ッ!!

お前ってヤツはいつもそうだ!!助け舟を出されてもそれを自ら沈めに行く!!

誰も私を愛さない、そもそも私が悪いし…

 

「………」

 

「えっと…その…」

 

余計に気まずくなった気がする…!!

というかなった…!!明らかになった…!!

いや、むり、完全に私のミスだから責任とストレスで胃が悲鳴を上げている…!!

 

「外」

 

「は、はい?どうなされたんですか?」

 

「外の空気、吸ってくる」

 

ちょっ…一回、一回リセットさせてください…!!

空気感を、この終焉と化した空気感をどうにか少しでもマシにさせてください…!!

あと私に落ち着く時間をください、ちょっとパニックになって正常な判断が出来なくなってきてる。

普段から正常な判断なんて出来てないだろうと?ははっ、よく分かってんじゃん…

 

「…ぁ、行ってらっしゃい…?」

 

その言葉が聞こえた途端、早歩きで教室から出る。

…っはぁ!!マヂムリ!!息が詰まる!!

コミュ症はね、二人っきりという状況に恐怖を感じてしまう生き物なんだよ…

それはそれとして三人だと相槌しか打てなくなるし、四人だとそもそも存在が忘れ去られる。

結局何人でも同じようなものでは???

 

と、悲しい現実から目を背けながら外へ出る。

やはり所々に砂は溜まっているが、見る限りは何処にでもあるような普通の学校である。

なんというか安心するよね、別に学生時代が楽しかった記憶がある訳でもないけどさ。

知らない場所ではあるんだけど、見知った場所と似た雰囲気を感じるからなのかも…っと。

 

「…うげ、砂入った…」

 

うわぁ…口の中じゃりじゃりする…

風に乗って砂が飛んでくるから不用意に口を開けちゃうと砂が襲いかかってくるなぁ…

なんなら目にも襲いかかってくるし、わりと気を付けなきゃいけないかもしれない…

 

「水道…水道…」

 

気持ち悪い感触を感じる口の中を水でゆすぐ。

ぬわっ…割と想像以上の量入ってたな…?

身体に害とかはないと思うけど、もう少し入念に…

 

「…貴方、実は結構喋るタイプだったりする?」

 

「カヒュッ」

 

待っ、ちょっ、変なところ入った!!

咽せっ…死っ…ぇっ、あっ!?

 

「………」

 

「…いや、この反応じゃ流石に違うか…」

 

カヨコサン!?カヨコサンナンデ!?!?!?

…私の記憶違いだったりする!?今の時間には便利屋はブラックマーケットの銀行にいる筈では!?

おおおおちつけ…まだ慌てるような時間じゃ…いや慌てるような時間だね!?

 

「そんなにあからさまに驚いた顔してどうしたの?何か不思議な事でもあった?」

 

ポーカーフェイス崩れてるって言われても知らないよ、だってそれどころじゃないから…ッ!!

貴方が此処にいる事が!!不思議なんです!!

バタフライエフェクトうんぬんの話してたら急に原作から乖離し始めるとは思わないじゃん…?

これで何か問題が起きたとしたら『お前のミスでした』されても文句言えないよ私…

 

「…他のアビドスの連中は外出中、今校内に残っているのは非戦闘員であろう生徒と貴方だけ…」

 

「前回の戦闘で貴方の戦闘力が無いであろう事も把握してるし、今ならすぐに制圧出来る…」

 

「………」

 

お前のミスでした(超速フラグ回収)

待って?やばい?もしかしてだいぶやばい?

予想してなかったタイミングでキヴォトス終焉√入った?

 

「…注意深く見てれば、視線の動きだけでもその人が戦えるか否かくらいは判断出来るんだよ」

 

そうだねぇ!!全く目で追えてなかったもんねぇ!?

そりゃあ座学出来てかつ本人も戦える人が、私みたいにヤムチャ視点してる人をちゃんと観察すれば戦闘出来ない事くらい分かるよね!!

ごめん先生、私思いっ切りガバったかもしれな…

 

「…なんて言ってみたけど、仕事とプライベートは分けるタイプだからさ」

 

セーフ!!セーフっぽいです!!

 

「今回は別件でここまで来てるから…って、信じる方が無理があると思うけど」

 

っぶなぁ…危うくキヴォトス崩壊まっしぐらかと…

…待てよ?本来原作だったらこの場にいない筈のカヨコが何らかの理由でこの場に立っている…妙だな…

と、誰でも思い付くようなガッバガバ推理をしているヒノさんな訳ですけども…

 

「信じる」

 

私はね、ちゃんとその言葉を信じますよ…

 

「…どうして根拠のない言葉をそう簡単に信じられるんだか…」

 

A.カヨコだから。

…なんて事が言える訳がないのでダンマリを決め込みます、ゲームの中で散々見てきたからとか言えないし…

ただの不審者になっちゃうからね、怪しい人よりグレードが上がっちゃうよ…

 

「で、その別件の話なんだけど」

 

はい!!その別件とは何なのでしょうか!!

 

「貴方に少し、用事があってね」

 

「…私…」

 

…やっぱり割と深刻な原作乖離は起きてるな?

それも私のせいで起きてる感じだし、内容によっては私のミスでした案件になっちゃうのでは…

 

「用事って程じゃないかもしれないけど…」

 

溜息を溢し視線を晒しながら、彼女は続ける。

 

「勘違いされてるって自覚があるなら、仲間にくらいそれを打ち明けても良いと思うよ」

 

「………」

 

「…確かに表情は変わってないけど、こうして見ると案外分かりやすいね…」

 

悲報『私はポーカーフェイスが下手くそだった』

マジかぁ…一回取り繕ってる事がバレたら普通に分かりやすいんだ私って…

いや別に問題ないから悲報って訳じゃないんだけど、何だか変な感情になるというか…

まぁ、それはそれとして。

 

「どうして?」

 

カヨコが私にそれを言う理由が、わざわざそれを言うために此処に来た理由が分からない。

仕事とプライベートを分けているにしても、一応敵対している組織の私にそれを言いに来る理由が…

 

「それ、わざわざ言う必要ある?」

 

眼光がッ!!視線が怖いですカヨコさんッ!!

…よし、何もなかった、何も聞かなかった、いいね?

私は何も聞かなかった、全て忘れよう…

 

「仲間内でもギスギスしてちゃ、目の前の問題にもちゃんと向き合えないんじゃないの?」

 

「まぁ、余計なお世話だと思うなら聞かなかった事にしてもらって良いけどね」

 

と、恐らく電話の着信音と思われる音楽が鳴る。

それに出たカヨコ…電話している相手は…

 

「…はぁ…分かった、今から向かう」

 

…まぁ、便利屋の中の誰かだろうね。

この様子を見るに他のメンバーは原作通りブラックマーケットにいるって事で良いのかな…?

 

「…今回のはお節介、次に会う時は仲良くお話しなんて事しないからね」

 

「………」

 

…いやぁ、それでも、だとしてもさぁ…

 

「ありがとう」

 

私から見れば、凄い甘く見えるけどなぁ…

 

「…私に言う事じゃないでしょ、それ」

 

小走りで去る彼女の背中を見送り、そう思った。

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