ふむ、私に喋れと言うのだな!?   作:хорошо!

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私にはもうブルアカ(それ)が…よく分からんのよ…!

猫吸いとかさ、犬吸いって言葉があるじゃん。

ストレス発散に良いとされ、近い未来に万病に効くとも言われているその行為…

マジレスすると身体にはあんまり良くないみたいで、推奨されている事ではないんだけどさ。

そもそも私は何も飼ってなかったし、身近に飼ってる人もいなかったから経験した事がなかったんだけど…

 

「おぅ、目覚めたかい嬢ちゃん」

 

「…ングッ、ゲホッゲホッ!?」

 

こんな形で経験する事になるとは夢にも思わなんだ…

聞こえていますか過去の私よ、貴方は近い未来犬吸いとやらを実際に経験する事になりますよ…

ただこの身体になって呼吸器官の類も貧弱になっている私には少々キツい経験だったのだ!!

んっ…あっ、 なんか変な所に毛入った気がする。

待って、ちょっ…息、息がッ…!!

 

「っ…っぅ、んッ…!?」

 

「大丈夫か…って、早速駄目そうだが…」

 

…なんでっ、こんなっ、変な所でっ、私は死にかけてるんですかっ…?

それに関してはあまりにも身体が弱いからっていう一言だけで片付けられるんだけども、あまりにも滑稽無糖な理由で死にかけるとかいう状況に陥ってたから…

もはや病弱だとか貧弱だとか、そういうレベルを軽々と超えそうになってたよ今の私…

 

って、違うのよ、ちゃうねん、ちゃうんすよ。

今はそんな事を話してる場合じゃないし、もっと焦るべき状況だった筈なのよ。

意識がぶっ飛ぶ直前の記憶は正直曖昧だけども、流石にあのゴタゴタの事は忘れてない。

そして恐らく、柴関に対しての攻撃が行われて衝撃と共に店が崩壊したという出来事が…が…

 

…起きて、ないなぁ…!?

 

アロナバリアか、アロナバリアが『その時、不思議な事が起こった!』して防いだんじゃな!?

…じゃあなんで私は今の今まで倒れてたんですか…?なんで私ァ倒れてンだァ…?

もしかしてあの衝撃部分だけで気絶したと…?

どうせ今までも無能を晒して来たこのボディーだから、今回のもマトモに耐えられなかったんだろ…!!

言い訳なんて、もう分かってんだよ!!(自虐)

 

まあ何と言うか、私がクソ焦りながら先生に覆い被さったのはほぼ無意味だったと言う訳ですね…

押し倒した末に何かを得られたなら良いものの、これじゃ私はただ先生を押し倒した人じゃんか…!!

理由があったって?『結果』だけだ!!この世には『結果』だけが残るッ!!

とかまあ何とか、私の尊厳と一部過激派からヘイトを買いそうな行動に関する話は一先ず置いておいて。

 

「…先生、は…」

 

「おい、あまり無理はしない方が…」

 

声が!!出ないのです!!精神的な話じゃなくて物理的に声が出ないのです!!

声は出ないし視界は歪むし、何ならちょっとした動作をする度に身体に結構な痛みが走るし…

…やっぱりこの症状の原因、別であったりするんじゃないの…?

とは言ったものの、仮にその原因が他にあったとしても私には何も分からないのですが…

 

「先生なら、少し前にアビドスさんとこのお友達と一緒に外へと出て行ったが…」

 

え〜…つまり便利屋と一緒に外へ向かって…

…便利屋と一緒に!?外へ出て行ったと申すか!?

何故アビドスじゃなくて便利屋と一緒に外へ…

いや、この中に籠っていたところで起きるのはどうせ二次被害だし正しい行動なのかもしれない。

となると先生はあの状況から便利屋の事を懐柔したと…いや、うん、先生なら出来るだろうけども。

 

…さて、私が意識を失ってから今の今までどれくらいの時間が経ったんだろうか。

一応あの攻撃が来る直前に先生がアビドスへの連絡は送った筈だし、仮に送れてなかったとしても何らかのトラブルが発生したという報せを聞けば此方へ向かってくる筈…

正直な話、外からどったんばったんな大騒ぎ状態の銃声が聞こえるから交戦中なのは確実なんだけども。

 

…店から出るべきか、出るべきだよなぁ…

出たところで何が出来るかって話ではあるんだけど、もしかしたら何かしらの行動が起こせるかもだし…

…何と言うか、柴関爆破に先生を巻き込みかけた責任とか色々感じてるし…

足手纏いにはなりたくないから出張るような真似はしないけど、少しでも役に立つ場面を…場面を…

…見つけられるかは知らんけど!!うん!!

 

「………」

 

「…お前さんも、行くのかい?」

 

はい!!気合い!!入れて!!逝きます!!!!!!

まあ、そうは言ってもみすみす死ぬつもりはないけど…メメントモリってヤツです。

ぶっちゃけこんな場所なんだからいつ死ぬかなんて分からないし、今すぐに死んだっておかしくないし…

とは言え私みたいなヤツでも生徒である以上、先生の庇護対象として認識されてるワケで…

 

…なんというか、死ぬのってだいぶ怖いんだよ。

 

それでもさぁ!!私ってば不安なの!!必要とされたいんだよ!!

都合の良い我儘だってのは分かってるけど、無力感に苛まれるのも凄い怖いの!!

…発言だけ切り抜くとすっごい面倒くさいタイプのかまちょみたいな事言ってるな私…

いや、今までの行動とか私の性格を加味するとあながち間違いでも無いんだろうけど。

 

カヨコからの助言もあるし、私の中でもまだまだ纏められてない葛藤とかがあるし。

それを吐き出すっていうか、整理するって意味でも此処に留まるという選択肢は取りたくないというか…

まだ自分の立ち位置も感情も、何が成したいのかすらハッキリとはしていないのが私なんだから。

そんな訳で、薄っぺらい理由だけどさ。

 

「行く」

 

「そうか、気張って行って来な」

 

大将の対応があまりにもベストコミュニケーション過ぎて逆に心が痛くなって来た件について。

いや…うん…大丈夫、大丈夫じゃないけどそう言っておけば大体の事は大丈夫。

自己暗示と現実逃避は得意技だって前々から言ってるし!!なんとでもなる筈だ!!

というか今更こんな事で躊躇ってちゃぁ、これからどうするのって話になってくるし?

 

丸太は持ったか!!残念ながら銃も何も持ってない無防備な私なんですけども!!

暴力の手段を持っていようが持っていまいがどうせソレを振り翳す事は出来ないんだから関係ない!!

頑張ろうと思ってもね、人間ってのは急に戦闘が出来るように脳を切り替える事は出来ないんだ…

それは別に私が貧弱だからとかじゃなくて、一般的な精神論としての話なんだけど。

それが出来るのは多分、身体が闘争を求めているようなお友達だけだから…

 

まあつまり、私の頭の中には『闘争』の二文字は全く刻まれてないというワケでして。

自分に出来る事をしよう、他人の手の届かないような事をしようくらいの気持ちしかない…

生半可な覚悟に見えるかもしれないけど、今の私にはこれくらいが丁度良い塩梅なの!!

即ち我が心は不動、推して参る———

 

「………」

 

“………”

 

「………」

 

そんな風に考えながらさ、扉を開けたんだよ。

流れ弾とか飛んで来ないかなとかちょっとビクビクしながら、それこそ生半可な覚悟で目の前の景色を一望したんだよ。

先生の姿もアビドスの姿も、便利屋の姿も無事な状態で視界に入って来たし、こっちへ急に流れ弾が飛んでくるような事態にもならなかった。

うんそうだね、実に素晴らしい事だね、思い描く限り最高の展開って言うヤツだね!!

 

それを踏まえてさ、少し言わせて欲しいんだ…

…あんなにさ、無駄に長くだらだらと自語りしておきながらこう言うのはちょっとアレだけどさ。

 

「別の勢力?それとも…お仲間?」

 

わざわざ時間帯を調整した訳でもないのに、笑えるくらいここまでピンポイントに…

 

「…空崎、ヒナ…」

 

ヒナと登場のタイミングが被るのは、違うじゃん…?

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