ふむ、私に喋れと言うのだな!?   作:хорошо!

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だがしかし、奴は四天王の中でも最太…

 

 

むかしむかし というには さいきんのおはなし

 

 

げーむかいはつぶは へいわにくらしていました

 

 

いまではふるいと そういわれるような

 

 

なつかしさのある げーむをつくって いたのです

 

 

ところが あるひ じけんがおきます

 

 

それは あくのせいとかいによる しゅうげきです

 

 

してんのうの ひとりである はやせゆうか

 

 

かのじょのてにより つきつけられた

 

 

「最後通牒!!」

 

どんっ、とその場で地団駄を踏むモモイ。

つまりはドスモモイ、語感がなんだかFATALITY…

肝心な部分を色々と話していないので一方的に悪役にされる生徒会、本当に可哀想。

それはそれとして生徒会という組織自体がそういう役回りにならざるを得ないので、何とも言えないけれど…

まあ残念ながら仕事なので、是非もないよね。

 

「これが、私達の身に襲い掛かる困難…っ!!」

 

「…まぁ、色々と端折ってますけど…」

 

端折っているというか、そうなった根本の理由を説明してないというか…

そこを指摘する事は出来るんだけど、私は無言を貫き通す。

いやこれは喋りたくないって訳じゃなくてぇ…実際あんまり喋りたくはないんだけどぉ…

だって私が言葉を発さなくても、この話にはオチがあるし。

つまり、この話の不足している部分は…

 

「………」

 

“ヒノ?”

 

私が付け足さなくても、今来た彼女が説明してくれる。

 

「その“端折られた部分”に関しては、私から直接ご説明いたしましょうか?」

 

ドアの開く音は聞こえなかった、意識してたから気付く事自体は出来たけど。

姿を見せたのはブルーアーカイブにおいて“初めて”を奪う少女、語弊なんてありませんよ!!

多くの先生方に愛され、今は先生ではない方々であろうと少なくとも彼女の事は知っている。

その程度には、ブルーアーカイブの顔の一人である少女。

 

「出たな!生徒会四天王の一人!“冷酷な算術使い”の異名を持つ生徒会の会計、ユウカ!!」

 

「勝手に変な異名を付けないでくれる…?」

 

生徒会ことセミナー所属、早瀬ユウカ。

名誉ゲーム開発部員、太ももの擬人化、100-125-135-20-20-70。*1

散々な異名ばかり付いているが、色んな意味で先生方に愛されている少女である。

 

「それよりも、先生…」

 

彼女は先生に対して、向き直る。

 

「と、そっちの貴方は初対面ね」

 

で、予想出来ていた私への反応。

 

“やあ、ユウカ”

 

「………」

 

先生はまだしも私はここでユウカとコンタクトを取る理由がないので、返事代わりに軽く頭を下げる。

 

「…はぁ、こんな形で会うなんて…」

 

まあ確かに、あんまり望ましい会い方ではないよね…

生徒会執行モードの姿を先生に見られるんだから、あんまり良い気はしないだろう。

 

「先生とは色々と話したい事もありますが、それはまた後にするとして…」

 

そこら辺のメリハリを付けられるからこそ彼女は真面目で、良い子なんだと思うけどね。

 

「本当に諦めが悪いわねモモイ、廃部を食い止めるためにわざわざ“シャーレ”まで巻き込むだなんて」

 

正直シャーレ側として動いてる以上あまり感じづらいが、最近はどんどん話題になるシャーレ。

主に先生の活躍により、その名は噂話から確かな実力を持つ組織への評価へとシフトしていた。

 

「部活の運営については概ね各学園の生徒会に委ねられている事は、貴方も分かっているでしょう?」

 

つまりだ、彼女から見ればモモイ達が『先生ならどうにかしてくれる!』と適当に助けを求めたように見える訳だ。

実際に“どうにか出来る”という希望自体はあったんだろうけど、それを打ち砕かんとする言葉。

シャーレの力は底知れず、それはそれとして根本のルールとしてこの場の決定権は生徒会にあるのだと。

 

「異議あり!!異議ありだよ!!」

 

ビシッ、と人差し指を突き付けるモモイ。

つまりはビシモモイ、語感がなんだかFATALITY…

ってくだりはさっきもやった気がするんだけど、きっと恐らくめいびー気の所為だろう。

 

「言ってたでしょ、部員が規定人数に達するかミレニアムの部活として見合う成果を出せれば…」

 

「貴方達は部員数も足りない上に成果の証明も出来ないまま、もう何ヶ月経っているのか分かってる…?」

 

“ルール”相手には同じ“ルール”で殴る!!

そう言わんばかりにユウカが以前言ったであろう台詞を繰り返すモモイ、だけどこの争いは分が悪い。

しっかり生徒会としての管理は行っているユウカである、屁理屈で理屈に敵う訳がないと。

それはそれとして、いつもお疲れ様です…

 

「廃部になっても、何も異議はない筈だけど?」

 

「異議ありなの!!私達だって全力だもん!!」

 

モモイは反抗する、そりゃあ反抗するだろう。

だって認めたくないもん、自分達の大切な居場所を否定されるような真似はされたくないもん。

って気持ちは分かるけど、彼女相手にそういう形でのレスバを挑むのは悪手というか…

データなんかねぇよに対してデータと拳で的確に殴ってくるのが、ユウカだから。

 

「…校内に変な建物を建てたと思ったらまるでカジノみたいに装飾して、ギャンブル大会を始めたり…」

 

例を出す、彼女達の起こしたトラブルを。

 

「レトロゲームを探すとか言いながら、古代史研究会を襲撃するし…」

 

例を出す、彼女達の行ったトラブルを。

 

「“全力”で迷惑をかけてどうするのよ!!全く!!」

 

彼女達は結果を残しているのだ、悪い意味で。

 

「ミレニアムでは“結果”が全てよ」

 

過程も重要かもしれない、しかし結果が伴わねばそれは意味がない。

実力主義の学校なんだから、何一つとして結果を残せていないというのは責められるだけの理由になってしまう。

結果として、部費泥棒になってしまってるんだから。

 

「結果ならある!!私達はゲームを開発してる!!」

 

「そ、そうですよ!『テイルズ・サガ・クロニクル』はちゃんと“あのコンテスト”で受賞も…」

 

“テイルズ・サガ・クロニクル?”

 

彼女達が提示してみせた、一つの功績。

 

「…『テイルズ・サガ・クロニクル』はこのゲーム開発部における、唯一の成果です」

 

それをユウカが、把握していない筈もなく。

 

「ゲームそのものもさる事ながら、レビューが大変印象的なものでした」

 

『私がやってきたゲーム史上、ダントツで“絶望的”なRPG』

 

『いやシナリオの内容じゃなくて、ゲームとしての完成度が』

 

『正気を疑うね、最初から正気なんて無かったけど』

 

苗木君、ここまで言えば分かるわね?

 

「私達は、インターネットの悪意になんて屈しな…」

 

「残念ながら、民意なのよ」

 

そうか分かったぞ、と閃く時間すら必要ない。

確かに“功績”である、確かにその名は“結果”として一定以上の人に知れ渡っている。

しかしそれは、悪い意味で。

つまるところ、とんだ皮肉も良いところってワケ…

 

「貴方達はその“今年のクソゲーランキング1位”という結果だけで、これから活動していくつもり?」

 

“そのゲーム、凄い気になるね!!”

 

先生、それ多分ダウン追い打ちになってる…

 

「…とにかく、今貴方達が行っている活動はこの学校に何のメリットも生まないもの…」

 

活動内容と生み出す成果が釣り合っていない、彼女の言う事は的を射ている。

というかクリティカルすぎてミドモモのライフが可哀想な事になっている、多分マイナスまで入ってる。

でもフォローを入れる必要はない、彼女達はそんなに弱い精神で生きていないから…

ってのもあるし、他にも理由が一つ。

 

「だから、証明しなさい」

 

ここまでユウカがずかずかと踏み込む理由が。

 

「自分達の活動にも、意義があると言うのなら」

 

明らかに、彼女達を煽るような。

 

「功績や成果を、証明してみなさい」

 

あからさまに、彼女達の思考を誘導するような動きだから。

 

「それともお互いに楽な形で済ませる?この部屋に散らかるガラクタを今すぐにでも片付けて…」

 

「が、ガラクタとか言わないで…!!」

 

と、半分くらい他人事だからこういう視点から見ている私と当事者の彼女達の見え方は違う。

先程から自分達の活動を否定されるような発言ばかりをされたモモイは、必死の抵抗をする。

怒り半分悲しさ半分、そういった表情で反論する。

 

「…じゃあ、なんなの?」

 

その言葉に対して、返せる文句は何もない。

だからこそ、それは最後の一押しになった。

 

「…分かったよ、全部、ぜんぶ、結果で示す…!!」

 

絞り出したかのような声を、徐々に徐々に明るく染めてそう宣言する。

そういう宣言は、自信過剰なくらいが丁度良い。

 

「私達には切り札がある、私達には秘策がある…」

 

希望が見えれば、それは諦めない理由になる。

 

「その秘策を使って私達は“ミレニアムプライス”に」

 

希望がなくとも、それは諦めない理由にはならない。

 

「『テイルズ・サガ・クロニクル2』を出すんだから!」

 

ばにたすばにたす、不屈の精神は時に全てを凌駕する。

追い詰められてからが本番、これが本当の火事場力…

最初からやれって言われたら、それはそう。

だけど!!それが出来たら苦労しねェ!!

 

「…そう、せいぜい楽しみにしてるわ」

 

そんな言葉を言い残して部屋から退出する彼女、全く甘いんだか厳しいんだか…

まあ少なくとも、素直ではないけれど。

 

「…お姉ちゃん…」

 

「…もう!!悔しい〜!!」

 

残された彼女達はそう、口にするのだった。

*1
イシヘンジンの種族値。

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