ふむ、私に喋れと言うのだな!?   作:хорошо!

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ヒノが禁足地でモンスターをハンターしていたので、更新が遅れました。
主人公がだいぶコミュ症なせいで本当にヒノっぽかったのは、ここだけの秘密です。



やる時はやるし、やらかす時にやらかす女

スムーズかと問われれば何とも言えないけれど、比較的平和に帰って来る事が出来た勇者御一行。

帰り道では銃弾は受けなかったけれど、諸々のダメージが響きすぎていて私の体力は瀕死寸前。

頼むから休ませてと嘆く身体に鞭打ち、少女達の会話を見守る。

 

「ねぇ…どうするの…!?」

 

「ミッ、首しまっ、ミド…ッ!?」

 

とんでもなく物騒な現場のように見えるが、見守る。

どちらかといえば常識人寄りの妹が、結構はっちゃけ気味な姉の首にダイレクトアタックを仕掛けているが。

きらら系だってこれくらいの喧嘩は日常茶飯事ダモンニ、いたって可愛い日常風景ですよ。

キルミーベイベーは死んだんだ…

 

「げほっ、げほっ…」

 

首締めも、またロックだね…(カスのナツ)

世の中には首締めに色んな意味で興奮する方々がいらっしゃるようですが私は別にそうではないので…

いや、別に守備範囲内ではあるっちゃあるけどそういう事ではなくて。

 

「確かに、行き当たりばったりな感じはあるけど…」

 

確かにはっちゃけてるし、後先考えてないし、とても賢いとは言えないしなんならゲーム脳すぎてアレだしえとせとら…

そりゃあ探せばちくちく言葉をいっぱいぶつけられるような子だけれど。

というか、パヴァーヌ編に入る前に何をやってたんだってくらい問題を起こしていた子だけど。

それでも彼女が主人公体質で、光属性だと言われるのにはしっかりとした所以がある訳だ。

 

「乗りかかった泥舟だもん、放っておけないよ」

 

しかしやはりアホの子なので、やらかすところは綺麗にやらかすアホガール。

 

「泥舟だと、沈む」

 

「あれ!?そうだっけ!?」

 

そんなところが好かれるんだけどね、後方腕組みわかるマン。

当事者からしたらたまったもんじゃない時もあるとは思うけれど、それでもやっぱり愛される。

モモイは私の母になってくれるかもしれなかった女性だ、なんてユウカも言ってるし。

 

「…でも、私達が保護するよりもヴァルキューレや連邦生徒会に連絡した方が…」

 

「それはそうなんだけど、少し考えがあって…」

 

しかしまあ、今回“拾った”問題は…

文字通り“拾った”少女は、ノリと勢いで済ませてはいけない香りのする案件。

見た事のない技術、見た事のない姿、未知との遭遇、未知は罪なり。

一応ミレニアムの生徒である2人からしても、首を傾げるような謎の女の子。

 

どこまでも冷静なミドリは、やはり安定を取る。

でもまあそれも“安定”かと言われると正直怪しいし、どれが“安定”かと言われるとまた難しい。

正史の時点でなんか噛み合って上振れて良い感じに収まった、っていう話ではあるから…

 

「“アリス”、私の話を聞いてもらえるかな?」

 

しかし、そこに立つ勇者“アリス”と。

その仲間達がいれば、あの奇跡を何度だって起こせるんじゃないかと私は思うのだ。

そう、私は思うのだ…(モブのナレーション)

 

「…本機の名称、“アリス”、確認をお願いします」

 

AL-1Sだか名もなき神々の王女の王女だか知らないが、私は呼びやすいからこの名前で呼ぶぜッ!

量産型っぽい機械っ娘に独自の名前を付ける展開って、やっぱ燃えるものじゃん?

やっぱ萌えるし、燃えるじゃん?

TYPE-SAKUYA A9だとかエルマ型製造番号317だとかね。

 

「…肯定、本機、アリス」

 

「よし、やっぱりこっちの方が呼びやすいもんね!」

 

「本当にそれでいいのかな…」

 

いいんです!ややこしいから!色々と!

名前が与える影響っていうのはとても大きいんだよ!教育論的な話でも世界観的な話でも!

 

じゃあ、即興の私の名前カスすぎない…?

 

あー!あー!聞こえないもん!!私の溢れ出るネーミングセンスが作り出した最高の名前だもん!!

もしこの名前を名乗ったせいで悲惨な運命を辿っているのだとしたら、私は己を恨むぞ!!

 

「じゃあ、次のステップだね!」

 

オロオロするミドリから目を逸らして、ノリノリで話を続けるモモイ。

一度突っ込んだ彼女は、もう止まらんよ…

この後の展開は説明せずとも分かると思うので、私の意識は一時的に他のところへ向くのです。

なんでかと言われれば、肩ポンを受けたから。

 

“ヒノ、本当に大丈夫?”

 

やめるのだ先生、私にボディタッチをするのは。

それとも私がセクシーヒノだから、思わず触れたくなってしまうのかい?

ぁ冗談だからやめるのだ、やめてほしいのだ、やめるのだ、ずんだもんを虐めないでほしいのだ!!

 

無実の先生をセクハラ魔として仕立て上げたところで、彼の言わんとする事に返答しよう。

彼のこの“大丈夫?”という言葉には色んな意味が込められすぎてて、ある意味で情報過多。

というのも、一旦シャーレに戻らないといけない用事が出来たらしく彼は一時帰宅するのだ。

 

でも、今まさにとんでも状況になっているゲーム開発部を放っておけるのか?

否、下手したらミレニアムに混乱を招く羽目になる。

技術者っていうのは碌でもないからね、いや善悪的な意味じゃなくて文字通りちょっと…

だから私はこれでもシャーレの一員として、ここに残る義務がある。

 

「…大丈夫…」

 

この陰キャを名乗る、陽キャ2人の隣に。

なんなら最悪、泊まり込みで。

 

「では、ない」

 

無理ですね!!!!!!

 

“そこは言い切って欲しかったかも…”

 

色々とまずい、私の感情的にも精神的にも物理的にも。

メンタルよわよわ(元)弱者男性の私を、陽キャ2人と俗世を知らぬ機械っ娘の元に置いていくと!?

あれ、この時点だと既にユズもいるんだっけ?

ふーん、ロッカーチラチラ…

 

「………」

 

返事はないな、いないものとして扱う!(いる)

だからまあ、心底残りたくないし肉体も帰りたいと言ってるし本能も撤退の指示を出しているけど。

無理と無茶は違う、逃げてるだけじゃ結局何も改善しなかったんだから。

能動的に、前に出ないといけない。

 

「私にも、必要」

 

他ならぬ、生徒達に教えられた事だから。

 

「向き合う事」

 

”…そういう事なら、心配はいらないかな”

 

ごめん、心配はしてほしいかも!!

私って実は無理に前出て耐久減らして、後ろに下がるタイミングで狙撃を喰らって死ぬタイプだから!

そんな完璧超人じゃないから、私!!

 

“私の方からも調べておくよ、何かあったら…”

 

まあ、今のところ“未知”としか言えないアリスの存在。

秘密を握るのは彼女自身と、強がってるだけの部外者コミュ症のみ。

終わってる後者からは目を逸らしつつ、先生が何か情報を得る可能性に賭けて…

本当にまずくなったら、私の曖昧かつ雰囲気でしか理解出来てないブルアカプレイヤーの小並知識を…

 

“連絡、を…”

 

連絡、で…

 

“…いい加減、連絡手段は確保しないとね…”

 

「………」

 

どうして私は、スマホを持っていないのだろうか?

そりゃあ、買ってないからですけどね!!

 

“…じゃあ、後はよろしくね?”

 

ひぃん!!私まだ死にたくないよ!!

だから部室のドアを閉めないで先生!!やめて!!そんな無慈悲な事はしないでくださいな!!

ひぃん!!!!!!(絶望)

 

私が閉まる扉を眺めながら一人で脳内命乞いをしている間に、背後の会話も決着目前。

世間一般的にレトロゲームと言われるようなゲーム機を齧るアリスを必死に引き剥がそうとしながら。

徐々に顔を青ざめるミドリに対して、モモイは正反対のドヤ顔をキメる。

 

「お姉ちゃん、もしかして…!?」

 

「我が妹よ、察しが良いじゃないか〜」

 

まあ、連れ帰ってきた時点で予想は出来ていたよね。

 

ゲーム開発部廃部の危機、その原因は彼女達の功績と部員の数が足りないから。

 

重ねて言うけど、連れ帰ってきた時点である程度の予想は出来ていたよね。

 

「この子を“ミレニアムの生徒”に偽装する気…!?」

 

こうなるって!!!!!!

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