青い空、白い雲、照りつける太陽!!
いやぁ、まさに今日も良い天気って感じの素晴らしい天候をしている訳なんですよ。
こんな日にはお子さん連れの家族さん方はピクニックにでも行くんですかね、私には分からないけどさ。
それくらいカンカンと照りつける太陽が私達の事を照らしている今日此の頃なんだけども…
「ヒューッ…ヒューッ…」
数日前の私の事を一発ぶん殴らせてください。
そもそも十数分歩いただけでバテるような人間が数日単位で遭難して耐えられる訳がないよね!!
私の事をあまり
照りつけてくる日差しと舞ってくる砂埃が忌々しい事この上ないんだよ私からしたら…!!
“ヒノ…大丈夫…?”
そんな言葉に頷く気力すら今の私にはないです。
私はもう疲れたよパトラッシュ、もう疲れたんだ…
さっきから足がガクガク震えてるし、視界がどんどん歪み始めてるんだよ…
アビドスに辿り着く前に詰みかける転生モノってなんだよ、逆に笑えるわ。
いや実際そうなってるんだから笑い事じゃないけど。
“駄目だ、とうとう反応が返って来なくなった!”
ぁ〜・・・先生がなにか言ってるように聞こえるけど耳鳴りのせいで何言ってるか分かんないや。
意識が遠のいてきたなぁ、もう耐えられぬ…
先生を手助けするなんて意気込んでおきながらお荷物になるなんて誰が予想出来ようか…いや冷静に考えればこうなる事は予想出来た筈なんだけどね?
あっ、マズい、本格的に前が見えなくなってきた。
めのまえ が まっくらになった!じゃないけどね、リアルでコレが起こるとパニックになるわ。
私、パニックになる元気すら残ってませんけど。
“ねぇ、大丈夫!?ヒノ!?”
あぁ、先生、もう私の事は放っておいてくれ…
いやマジで、このまま行くと共倒れっすよ、えぇ。
それでも先生は生徒を見捨てないんだろうなぁ…いや、私の事を見捨てずにアビドスに辿り着けなかったらそれこそ詰みになるのでは…!?
先生!!マジで!!私を置いてけ!!
私の屍を越えてゆけ、先生よ!!
ぁ駄目だ、ムリ、一単語すら呟けない、軽く死ねる。
すまない先生、私のガバでキヴォトス崩壊RTAが始まっちゃうとかマジで笑えない、よ…ぁ〜・・・
ごめ、ちょっと…眠くなって、きた…
◇◇◇
ん、んん…んんッ!?!?
「ぁ、起きた」
ぇっ、ちょっ、此処は何処だ、私は誰だ、誰が生んでくれと頼んだ…!?
いいや落ち着け、大丈夫、素数を数えよう…
2、3、5、7、よし、落ち着いてきたぞ、ありがとう素数、助かったよ孤独な数字…
頭上確認、ヨシッ!!ヘイローある、ヨシッ!!
つまり私は死んでないって事だね、多分だけど。
「………」
うわぁ、目の前に面の良い美少女がいるなぁ…
なんだかメインヒロインを騙って…んんっ、語ってそうな見た目の可愛い生徒さんですね。
何処となくあっち向いてホイを強制してきそうな…
ハイ、そうです、彼女はアビドススナオオカミという学名を持った肉食動物ですね。
嘘です、そんな名前じゃないです、彼女は…
“ありがとうシロコ…ヒノ、大丈夫?”
…先に言われたわ、うん。
でも気に入らないので私の方でも説明します、説明と解説なら私の出番だからね!!
彼女の名前は砂狼シロコ、アビドス高等学校に所属する2年生の生徒でありブルーアーカイブのアプリアイコンを務めるメインヒロイン(笑)ですね。
そこの貴方、なんで(笑)なのかって?
う〜ん、ヒロイン力ぅ、ですかねぇ…
いや彼女もヒロイン力は十分高いんだけどね、如何せん他の部分がぶっ飛んでるというか…
って、シロコが私の目の前にいるって事は…
…背景絵で見慣れたホワイトボード、此方を見つめてくる先生、そして私の周りに立つ5人の生徒…
…なるほど、無事アビドスに辿り着けたんだね。
…どうやって!?私どうやって辿り着いたの!?
シロコが私達を発見してくれたとして、私をどうやって此処まで運んで来たんですか!?
ぁ〜・・・原作より先生の体力に余裕ありそうだったし一旦私を連れて行った後にもう一往復したとか、いくらでもやり方はある、のか…?
“銃声でも起きなかったから…うん、良かった”
…ほむほむ、銃声、とな?
つまり私が疲れて爆睡している間にヘルメット団が襲撃してきて、既にその対処は終わったという事か…
うん、やっぱり私ただのお荷物なのでは!?
アビドスの救援要請を聞いて助けに来たとか言いながら何もせずに爆睡してる戦犯とか、えぇ…?
これじゃアビドスの皆様が怒りのあまり卓上調味料を全て倒してしまっても私は文句言えませんよ…
いいや、まだだ、まだ終わらんよ!!
原作通りに進む筈ならこの後にヘルメット団の本拠地を潰そうとみんなで乗り込む筈!!
そこで私が良い所を見せればさっきまでの酷すぎる体たらくも挽回できるっていう事よ!!
まさにかんぺき〜♪な計画だな、ハッハッハ…
私が役に立てるのかって問題を考えないっていう前提がある上での話だけどね、コレは。
私に戦闘指揮をしろと、無理でござるよ?
そもそも私に戦闘の経験がある訳ないだろう、多分シッテムの箱を使ってアレコレ出来る先生の方が数百倍役に立つよ私よりさぁ…!!
いや、先生が有能なのは素晴らしい事なんだけどね。
私が役に立たなくても先生はそんな事気にしないだろうから勝手にダメージ受けてるのは私なんだけどね。
“それでヒノ、今から私達は手紙に書かれてた地域の暴力団の本拠地を叩きに行くんだけど…”
そうこう考えている内に時間は過ぎていく訳で。
ですよね〜・・・、展開的にそうなりますよね〜・・・
やめてくれ皆、私の事をそんな目で見ないでくれ。
特にセリカちゃん、明らかに『コイツ役に立つの?』みたいな目で私の事を見ているな!!
うん、私が一番思ってるよソレ、私って役に立つの?
残念ながら私は頭がつよつよな人ではないのでね、原作知識をフル活用して先生のソレすら凌駕する戦闘指揮とかそういうのは一切出来ないのだよ。
しかも身体もよわよわだからね、戦闘力も皆無と言って差し支えないレベルなんだよなぁ…
「うへぇ〜・・・それで、君…戦えるの〜・・・?」
ふっ…ふふふっ…えぇ、戦えませんが?
彼女達の目線から私がどう見えてるのかは知らないけどね、私は内心ビックビクだよ。
だってさぁ!!平和な平和な日本で暮らしてた私が銃なんか持って戦える訳ないじゃん!?
いや死ぬのが怖いとか撃たれるのが怖いとかそういうんじゃなくて、そもそも戦闘の『せ』の字も知らないようなペーペーが不良相手に戦える訳ないじゃん。
というか私だって生徒の事を撃ちたくないよ、死なないにしても精神的に嫌じゃん?
「…返事くらいしなさいよ!?」
やめて、それを言わないで心が痛いから。
いや、でもここらで私は戦闘力が皆無だと伝えておかなきゃ後々大変な事になるかもしれないし…
よし、言うぞ、長くは語れないけど戦えるのかっていう質問に対しての否定の言葉くらいなら頑張れば言えるだろう私、てか言えなきゃ困る。
…いける、今なら一言くらいなら喋れる筈…!!
“まぁまぁ、まだ疲れてるんだよ…”
フォローありがとう先生!!でも今じゃない!!
さっきのでメンタル相当擦り減っちゃったよ、覚悟を決めた所でソレを打ち砕かれた気分だ…
…ぁ、わっぴ〜!的な覚悟じゃないからね?
うわ〜ん!!これじゃ私がただただ戦わないだけの性悪生徒みたいになっちゃいます!!
いや実際さっきの対応は誰がどう見てもカスだと思うようなクソ対応だったけどさ!!
言い訳をさせてください、だって私本当に戦えないんですよ、比喩とか冗談とかではなく。
…というか、私そもそも銃自体持ってないじゃん?