NESIERU/どこでもいる真祖の世界大戦   作:ネシエル

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第三話 最大風速

 

燃え上げる町の中。

 

 全速力と魔術のブーストの恩恵により、

 音速の速度を出したアルバート。

 

 戦闘機を超える速度を持って

アルバートは遂に孤児院にたどり着いた。

 

 周囲はかつての災害で無人となった街。

 

 孤児院の周りには廃墟となった家に囲まれたおかげで、

 幸いまだ、孤児院に着火していない。

 

 それでも、危険な状態に変わりないとアルバートは判断しフェンスを開け、

 急いでドアに行き鍵で開けた。

 

 脱出するため靴を抜くことなく急いで2階にいき、

 アルベラの部屋に入る。

 

「アルベラ!無事かァ」

 

「お、お兄……」

 

 アルベラの無事を確認した。

 アルバートはアルベラの異変に気が付いた。

 

 呼吸が早く、全体的に顔が赤い。

 火がこちらにも映ることなく、

 また、部屋は煙臭くない。

 

 アルバートは火災の煙のせいではなく、

 元からの病気のせいだと判断する。

 

「どうした。病気か!。

 熱っ!。」

 

 

 手をおでこに当て、その温度を測ると、触れた瞬間、熱さが伝わってきた。

 確かめるように手を引っ込め、額に触れた感触が熱いことを確信させた。

 

 身体の温度が普段よりも高いことが、おそらく病気の悪化を示しているのかもしれないと、

 不安が心をよぎった。

 

 急いでアルベラをおんぶして、

 アルバートは隣に置いてある薬を取って家から出ようとしたら。

 

 「!っ風よ。」

 

 巨大な魔力を察知したアルバートは風を纏い、

 妹を背負って部屋の窓から飛び降りた。

 

 ゴウッと言う音と共に孤児院は何かによって完全に潰れた。

 

 炎が上がり孤児院は完全に火に包まれた。

 

 アルバートは状況を把握するため空中に高く飛び

 孤児院を全体を把握するまで飛んだ。

 

ギイイイ!

 金属同士が削り合う不愉快の騒音と共に

 孤児院を襲ったものが現れた。

 

 それは、一言で言うとタコ型ロボット。

 猫型ならぬタコ型。

 

 白い光に輝く、純白のタコ型の巨大ロボがそびえ立つ。

 その全体は巨大なタコの姿を模しており、

 八本の触手が空に舞い、その先端からは灼熱の炎が噴き出している。

 不気味な見た目が周囲に畏怖を与え、

 その巨大な姿は、旧世界で言うところのエイリアンのようだ。

 

 その名はTXーS。

 政府が昔に開発した対真祖用の特殊戦闘ロボだ。

 

 ギイイイ!

特徴的な八本の足のうち、三本がアルバートに向かってきた。

それは、伸び縮みする能力を備えた機械的な触手。

しなやかに伸び、迅速に収縮することできる代物で初速は何と音速を超える。

 

触手は音速を超え、ソニックブーストが生じてアルバートに迫った。

 

「嵐よ、我が意思に従え。エアリアル。」

 

 

アルバートの周りには、巨大な風の渦が勢いよく発生した。

 その風の勢力は時速数百キロにも及び、

 風の勢いにより、鉄は瞬く間に鉄屑と化した。

 

 先程まで使っていた魔術をそよ風と例えば、

 これは、竜巻、自然災害と表現できよう。

 

 塵となった自身のかつての足を目の当たりにし、驚嘆の念が心を襲った。

 その隙に巨大な鎌鼬を放ち、

 TXーSに直撃した。

 

 しかし、

 

「やはり、効かんかぁ」

 

 TX-Sは、八本の足を持つタコ型のロボット。

 

 本体と触手は完全に分離しており

 体の一部と思われる触手は実は体内の魔力を使って生成されたものであり、

 破壊されても即再生可能。

 

 また、特徴的な頭部には魔術を分散させて無効化する特殊金属が使われている。

 

 その防御性能はアルバートの固有魔術をも防ぐ。

 

 TXーSは触手を再生し空中のアルバートに向けて触手から火炎放射を出して攻撃した。

 

 アルバートは背中に竜巻を発生し、

 超高速で移動。

 

 向かっていく炎を避けながら、

 火炎放射してくる触手を風の刃で破壊。

 触手は本体と違い魔術耐性は低く簡単に破壊できる。

 

 このまま、孤児院に離脱してアンダーと美咲がいる学校に向かおうとするアルバート。

 

「!結界か。」

 

 見えない壁にぶつかってしまい、

 動きが止まる。

 

「しまった!」

 

 その隙を注いでしまい、

 襲ってくる一本の触手には反応できなかった。

 

 急いで風の防護壁で防ぐが

 音速で襲ってくる鉄の塊によってアルバートとアルベラは横向きにぶっ飛んだ。

 

 当たれば高層ビルや並みの吸血鬼すらも粉砕する威力。

 アルバートはゴロゴロゴォンと燃える建物を突っ込み、

 巨大なクレーターを形成した。

 

「くそっ!?」

 

戦闘ロボット。

 

 かつて、真祖に対抗するため。

 政府主導の下で多くの期待を込めて開発された本機は非常に高い戦闘力を見せ、

 対真祖用の吸血鬼さえも退く戦闘力を見せたが

 後の研究によって真祖に対し決定打を持たないためプロジェクトは中止。

 

 以後、サポート用として開発することにシフトした以降、

 急激に使用が減ってしまった。

 

 そんな、機械がなぜ、ここに。

 

 アルバートの思考とは裏腹に

ギイイイ!と触手を出しながらこちらに向かってきた。

 

『奴の弱点は知っている。

 魔力を分散して魔術を無効化する特殊金属。

 だか、耐久性は従来の金属と変わらない強度。

 物理攻撃さえ当たれば勝てる。』

 

「お兄ちゃん。」

 

「アルベラ。ちょっと待ってくれ。

 直ぐに終わらせるから。」

 

 

△▼△▼△▼△

 

 ギイイイ!

 

「エアリアル。最大加速。」

 

 軍人であった父から教わった魔術を使い

 飛行しながらアルバート。

 

音速を超えソニックブーストを出しながらTXーSの周りを飛び続ける。

 

「ゴゴゴゴ」

 

触手を出し、火炎放射をしながら

攻撃するTXーS。

 

 音速の金属の鞭をアルバートは避けて避けて、

 TXーSに近き殴る。

 

「ギイイイイ!」

 

 先程と違い攻撃は効き。

 特殊金属に覆われたTXーSに殴打痕を残すほどのダメージを負わせた。

 

「詰みだ。」

 

 殴った部分の金属は脆く、

 手で突き刺し掴んで空中に投げ飛ばした。

 

「ギイイ!?」

 

「エアリアル。最大瞬間風速。(ガレオンルピーウィンド )

 

 その瞬間全ての音が消えた。

 エアリアル。

 風を支配する固有魔術。

 

 風を操る。

 ただそれだけのシンプルの能力。

 

 

 

その最大出力を出して発動させたのが最大瞬間風速。(ガレオンルピーウィンド )

風が生命を宿したかのように、舞い散る風の粒子が金属を壊す。

 

 「ギイイイイイイイイイイイイ!」

 

 断末魔を上げ、空中分解するTXーS。

 人間おろか吸血鬼すら苦戦する化け物を軽くあしらう。

 

 政府上層部すらも驚愕する才能。

 これが、アルバート。

 才能の怪物である。

 

 

 

 

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