「......ごめん、もう一回言ってくれる?」
故に、少女に対して名前を再び問いかける。彼女は怒ったのか、目をカッと大きく見開いて言った。
「だから! 惣流・アスカ・ラングレー!」
オレと変わらないほどの背丈の幼女は、ぐっと一歩前に出てきて勝ち気な表情を浮かべる。......まて、オレと変わらないほどの背丈?
寒気がして自分の体をペタペタ触る。胴は丸々としており、手足は短い。それを実感した途端に、なぜだか異様に体が重く感じた。それだけでなく、頭になにかの音楽のようなものが流れてくる。
......残酷な天使のテーゼ? 一体何を......!?
「ッ!」
幼女。惣流・アスカ・ラングレーを再び視界に捉えたとき、頭痛が走る。そして、フラッシュカットのように頭の中で切り替わり続ける映像。その瞬間に、すべてを理解した。
「......アスカ。これからは、オレが守るから」
「......は?」
突然の守る宣言に、幼女。アスカは戸惑いを隠さなかった。だが、瞳がかすかに揺らめき、彼女の肩から力が抜けていくのを確かに感じ取る
「名前」
「ん?」
「あんたの名前! まだ聞いてない!」
更に距離を詰めてきたアスカの頬は、叫んだからなのか、先程の守る宣言のせいか。若干赤くなっていた。
「可愛い......」
「んなっ!?」
思わず口からこぼれ落ちた言葉に、アスカは更に頬を赤くしてのけぞる。
あ、これ叫んで罵倒されるやつかも。不意にそう感じ耳を塞ごうとしたが、その反応は全く持って異なるものだった。
「いきなり何言うのよ、バカ......」
「!?」
な、何なんだこの可愛い生物は......オレの知ってるアスカは癇癪を起こしがちな自信満々で勝ち気な女の子だぞ!? ここは「はあ!? 何言ってんのよこのアホ!」とか言ってぶん殴ってくるとこじゃないのか!? いやでも、このしおらしい幼女アスカちゃんもアリ! 大いにアリだ!!
などと考えていると、アスカはオレを指差し、弱々しい声でそっぽを向きながら言う。
「あんたの名前、さっさと教えて......」
「あ、うん。オレは」
そこで、言葉が詰まった。待てよ、オレの名前って何だ? そもそも、ここはどこだ?
あたりを見回す。どこかの部屋の中心で、窓は十字窓が真ん中に一つ。ベッドは部屋の両端にあり、おそらく廊下の先には玄関があるだろう。
うん、どこだよここ。んでここでのオレって誰だよ。まずアスカってオレが見てたアニメの世界の女の子だよな。仮にアスカをアニメで見てた世界をAとしよう。ここが世界Aであれば、オレの名前は
だが、ここはアニメで見ていたアスカ。その幼少期、別名アスカちゃんが目の前にいて、オレも彼女並みに幼い。仮にここを世界Bとしたときの名前がそれと全く同じであるかはわからない。どうしようかと返答に困っていると、世界Aの記憶とは別。世界Bの記憶が流れてくる。
「......オレは、白露・タロー・ドレッドノート。よろしく」
アスカに、右手を差し出す。そうだ、オレの名前は白露・タロー・ドレッドノート。母親は知らない、父親も知らない。唯一の記憶は、この世界での両親の名字がドレッドノートだったこと。世界Aの両親、元気してっかな。
「......よろしく、バカタロー」
ファッ!? ば、バカタロー!? これあれだよな、いわゆるバカシンジ的なやつ! やべえ興奮してきた!
「うん、よろしく」
それを悟られないように、アスカには爽やかな笑みを向けた(つもり)。
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