ただひたすらアスカを愛してみた   作:たっちゃん☆

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NERV親バカトリオ

 第5使徒 ラミエルの襲来と、それを撃破するため日本中を停電させて電力を集める大規模作戦。ヤシマ作戦から数日後。

 壱型を強制回収するために爆砕ボルトを起爆させて一部にぽっかりと穴が空いてしまった第三新東京市だったが、元々兵装ビルが多かったブロックということもあり、特に市民の生活には影響が出ずすっかり日常に戻っている。唯一変わった点と言えば、山が融解したことで地図を書き換えたくらいだろうか。

 

 そんな中、タロー、レイ、シンジの三人もエヴァパイロットと中学生としての生活を再開させていた。第3新東京市立第壱中学校に通う三人は、現在中学2年生。中学生のこの時期から始まるとある一大イベントを控えていた三人は、午前中に授業を終わらせ他のクラスメートとその瞬間を待っていた。

 一大イベントとはそう、進路相談。まだ中学2年生の半ばということもあって本格的なものでは無いが、ここからの一年間でどれだけ内申点を上げられるかで卒業後の進路が変わる大事な時期なのだ。

 

「タローくんも今日なんだよね? 進路相談」

 

 隠してはいるが、既に博士号取得済みでそんなものとはおよそ関係がないタロー。退屈そうな顔で前の席のレイと一緒に外を眺めていた彼に、シンジが話しかける。

 

「おお、そうだよ。綾波もでしょ?」

「ええ。私は白露くんの後、碇くんの二つ前」

 

 ヤシマ作戦の後、三人は基本的に行動を共にする仲になっていた。これまではタローがレイとシンジの間に居るような関係性だったものが、今は一つの輪の中に三人が居る関係と言えばわかりやすいだろうか。

 故にレイはシンジのことを『碇くん』と呼ぶ。彼女に名前で呼ばれるまでに時間を要したタローが『オレのときなんてめちゃめちゃ時間かかったのに......』と悲しんでいるが、レイが『白露くん』と呼ぶ時のトーンが明らかに高いことには彼以外の全員が気づいていた。

 

「じゃあオレが最初か。そうだ綾波、リツコさんから終わった後に食事行こうって話は聞いてる?」

「聞いているわ。白露くんも?」

「オレも行くよ。元はと言えばミサトさんが提案したことだしね」

 

 進路相談の期間は授業を午前中で終わらせるため、第壱中学校ではお昼を各家庭の判断に任せている。タローやレイ、シンジの様にすぐ進路相談が始まる生徒はお弁当を持ってこなかったり、すぐでも部活がある生徒は持ってきていたり、一度帰宅してからまた来たり。

 購買もあるため、後ろの順番でも残る生徒も居る。それがタロー達三人に近づく二人の男子生徒、トウジとケンスケだ。

 

「あいっかわらずラブラブやのおティーチャーと綾波は」

「家族ぐるみの付き合いってやつだね。全く、ミサトさんに飽き足らず同年代にまで手を出すなんて」

「おいおい、綾波を困らせるような事言うなよ」

 

 茶化すトウジとケンスケに苦笑するタロー。会話の途中に割り込んできた二人に対し感情の無い目を向けているレイを見て、気を利かせトウジとケンスケの注意を自分に向けようとしていたシンジは『触らぬ神に祟りなし』と一人小さく諦めの頷きをする。

 

「しかしええよなあティーチャーは。ミサトさんに保護してもろてるなんて」

「本当だよ。あれでNERVの作戦部長だっていうのがまた凄い!」

 

 ミサトの話題で盛り上がるトウジとケンスケ。何故二人がミサトと面識があるのか、事の発端はトウジが妹のサクラとその友人、ミドリと共にタローを訪ね葛城家を訪問した時から始まる。

 葛城家の玄関においてある10歳のころのタローとアスカ、そしてミサトの三人が写っている写真を見たトウジがケンスケに『ティーチャーのやつエラいべっぴんさんと同棲してるで!』と教えたことをキッカケに、何度かタローと一緒に登校するという名目のもとミサト目当てで朝の時間に葛城家に顔を出していたのだ。

 

 学校に行く前に洗い物をしているタロー、となれば朝の時間に鳴らされたチャイムに反応するのはミサトしか居らず。脱走騒動を起こしたとはいえトウジとケンスケの両者とも親がネルフ職員ということもあり、ミサトは特に警戒することなく普通に接していた。

 彼女が溺愛するタローとアスカの二人は別格として、誰にでも分け隔てなく接するしっかり者の人懐っこい綺麗な女性。外から見ればミサトはそんな女性に映るだろう。それが年上のお姉さんに夢見る健全な男子中学生のドツボにハマり、トウジとケンスケはすっかりミサトの虜になっていた。

 

 尤も、先のヤシマ作戦終了後に全速力でタローの元へ駆けつけたミサトを見て『こいつはやべえ』と確信したシンジや、タローが来日する以前から『口を開けばプライム・チルドレンの話ばかりする』という認識だったレイからしてみればそれは共感し難いものであった。

 彼らからしてみれば、確かに使徒撃破という難しい仕事を最大限にこなす優秀で気遣いも出来る非常に出来た人ではあるが、私生活を溺愛する存在に管理してもらってるちょっと残念な人。という認識なのだ。

 特にレイはここ最近、葛城家でリツコやマヤと共に食事をする機会があるため『葛城一尉は頼りになるけれど、白露くんの事以外は赤木博士に聞いたほうが無難』という何とも難しい評価を下していた。それでも彼女が最も信頼する一人であることに変わりは無いのだが。

 

「大人の魅力っちゅーやつやな。あーあ、ああいう人が彼女やったらなぁ~」

「まあ、毎日が刺激的で楽しくなることは確かかな......色々な意味で

 

 小さく付け加えるタロー。色々な意味で、とは主にこっそりビールを開けていないか確認したり、定期的に部屋掃除をしてそのたびに脱ぎ捨てられた下着と遭遇したり、風呂に突撃してくる大胆さに動揺したりという意味。

 だがその小さなつぶやきはトウジとケンスケの耳に拾われることは無く、タローの言った『刺激的で楽しくなる』という発言に興奮しイヤラシイ赤ら顔をして追求した。

 

『し、刺激的~!?』

「なんやティーチャー、大人の階段登ったんか!?」

「いや~んなことしたの!?」

「え? どゆこと?」

 

 良からぬ妄想をして大興奮のトウジとケンスケ。二人の発言に周囲の女子生徒からは『気持ち悪い!』や『変なこと吹き込まないで!』と非難の声が上がる。とくにヒカリはトウジを見て『バカバカしい』と語気を強めていたが、すっかり妄想の世界に入ってる二人にはそんな言葉は届かず。

 シンジも釣られて余計な事を考えてしまったが、どう考えてもタローが被害者になる状況しか想像出来ずに頭の中でミサトに襲われるタローに同情していた。

 その状況でタローが頭の上にクエスチョンマークを浮かべているのを見て、トウジとケンスケは自分達の妄想が的はずれだったことに気付く。

 

「はぁ~あ、なんやティーチャーは意外とお子様やったんやな。あんな綺麗な人と一緒に暮らしてるいうのに」

「ほんとほんと、勿体ないなあ。ってわけで」

 

 ドンッ、とタローの肩に手を置くトウジとケンスケ。二人はそれはそれは素晴らしい笑顔をしてみせた。

 

『地球の平和はお前に任せた! だからミサトさんはワシ(俺)らに任せい!』

「へ? ヤダよ普通に」

 

 タローの返事にバタン! と崩れ落ちるトウジとケンスケ。しかしすぐに立ち上がり、恨めしそうな顔をして詰め寄る。

 

「それは欲張りやぞティーチャー!」

「そうだそうだ! ミサトさんくらい僕らにチャンスがあっても」

 

 ケンスケが『ミサトさんくらい』と言った瞬間、ゾワリと悪寒を感じる二人。横から見ていたシンジが自身もヤシマ作戦前に似たようなことを言ってしまったことがあり、この後どうなるかを想像して『やっちゃったなあ』とつぶやくのにレイは頷いて同意していた。

 

「ミサトさんくらいっちゅったなぁお前ら?」

『ヒィ!?』

 

 青筋を立ててパキパキと拳を鳴らすタローに、トウジとケンスケは抱き合って震える。急いで釈明しようとするが、今更遅いと言わんばかりに聞く耳を持たないタロー。

 確かにミサトのタローへの溺愛具合はシンジをしてやばいと言わせるレベルだろう。しかし、それ以上にタローがミサトに対して抱く思いの強さをシンジは身を以て知ったし、レイもミサトと一緒にいる時は常にニコニコしているからと薄く理解していた。

 仮にミサトに対してタローやアスカを小馬鹿にするような発言をしたとしても、彼女はそれを笑って流したり否定する程度に留める。ミサトは二人を胸に抱くだけでそんなことは忘れられるし、寧ろ自分だけが二人の良さを知っているんだという優越感に浸るほど進んでしまっている人だから。

 

 だがタローの場合はそうはいかない。普段温厚な彼を確実に怒らせる方法、それがミサトとアスカを軽視する発言をすることなのだ。

 とはいえ彼はイェーナやマヤといった『推し』の女性陣のみならず、シンジやレイはもちろん顔見知り程度の仲でしかないネルフ職員や、今まさに自分が怒りを向けているトウジとケンスケなど含めた数多くの『名前を知っている人』が馬鹿にされれば、表には出さずとも心の中で苛立ちを覚える程度には沸点が低いのだが。

 ただそれとミサトくらいという発言は別。タローは奥歯をカタカタと鳴らしているトウジとケンスケに笑顔のままゆっくりと近づけ、両手を目一杯広げた。

 

「お前らにミサトさんはもったいなさすぎる!」

『ブベェッ!?』

 

 勢いよく広げた両手を閉じ、両手のひらでトウジとケンスケの顔を挟み込んだタロー。その圧の強さに歪ませた二人の顔を見てタローは高笑いする。

 

「っははは! 見てよ綾波、シンジくん。馬鹿のサンドイッチが完成したよ!」

「変」

「体に悪そうなサンドイッチだね」

 

 二人にボロクソ言われたトウジとケンスケは涙を流して悲しむ。だが何処かからか聞こえてきた車の豪快なエンジン音で一気に元気になり、タローの手を飛び出して窓際に駆け寄る。

 その後をタローとシンジが追い、タローの後をレイが追う。五人が視線を向けた先は駐車場、徐々に車のエンジンが近くなると、真っ赤なボディをしたフェラーリ社初の4ドア4シートモデルの車がエンジン音に恥じない豪快な運転技術で猛スピードのままドリフトして180度回転、駐車してみせた。

 

「いらっしゃったでえ!」

 

 トウジとカメラを構えたケンスケが身を乗り出す。車の中からある人物、ミサトが出てくるのを今か今かと待って。

 そしてついに運転席......と助手席の扉が開かれ、二人の女性が姿を現した。

 ジャケットスタイルにサングラスをかけ、ミニスカートからヒールを履いた長い脚を伸ばす女性。長髪をなびかせたその人がサングラスを外すのを、学校中の生徒が見ていた。

 

「カッコイイ! 誰あれ!?」

「白露の保護者!?」

「なに白露ってあんな美人に保護されてんの?」

 

 学校中の男子生徒の注目の的となったのはミサトだけではなかった。

 運転席の隣、助手席から出てきた青色のノースリーブシャツに、ミニスカートからはミサトとは異なりタイツを纏った長い脚。短い金髪の女性、半休を取りいつもの服装から白衣だけを脱いできたリツコは髪の毛をかき上げてため息を付いていた。

 

「うわあっちもカッケエ!」

「白露の保護者と一緒にってことは......碇か!?」

「色気すげえ!」

 

 窓から顔を覗かせる男子生徒達の盛り上がりは駐車場にいるミサトとリツコにも当然伝わっている。しかしその黄色い歓声を無視し、リツコはミサトに注文をつける。

 

「ミサト、あなた運転がダイナミックすぎよ」

「うっ、悪かったわねえガサツで。遅れるよりマシよマシ」

「ま、車を出してもらっているのだからこれ以上とやかく言うつもりは無いわ。レイとタローくんが酔わないようにしてもらえれば」

「当然よ。私のドライビングテクニックに期待してなさい!」

 

 そう言ったミサトとリツコは歩き始める。途中、ミサトは視線と自身に向けられたカメラに気が付き、サービスと言わんばかりにピースをしてみせる。

 

「やっぱええなぁ~ミサトさん!」

「うんうん! ところで、隣の人は碇の保護者?」

 

 ケンスケの問いかけに、シンジは困る。綾波の保護者、と言って良いのか? と。

 言葉には出さなかったが、彼がタローと一緒に窓に張り付くレイの方を見たことでトウジとケンスケは何となく察した。

 2年A組でそんなやり取りが行われてるなか、ミサトは立ち止まってタローに向けて両手を大きく振り、自身の存在をアピールしていた。

 

「タロちゃ......タローく~ん!!」

「やめなさいよミサト、恥ずかしい」

 

 それにタローが微笑みながら手を振り返すと、ミサトはそれを見ていた女子生徒以上に乙女な悲鳴を上げた。

 

「もう、ミサトさんは......」

「......」

 

 仕方ないなあと困り笑いのタロー。レイはその横顔とミサトを眺め、今の彼らはポカポカしているのだろうかと思う。

 そして自分の手を見る。もしこの手を赤木博士に振れば、彼女はどんな反応をしてくれるのだろう。

 そんなレイの気持ちは拾うことが出来るタローが、レイの背中を押す。

 

「ほら、綾波。リツコさんに挨拶しようよ。きっと喜ぶから」

「喜ぶ......」

 

 レイは考える。赤木博士が喜ぶ、ポカポカしてくれるなら私も同じ気持ちになれる。それきっと良いことだから。

 控えめにリツコに向かって手を振るレイ。どんな反応をするだろう、ポカポカしてくれるだろうかと自身も気付かないうちに期待を込めながら。

 その思いがリツコに届いたのか、リツコはレイに向かって優しく笑いかけながら手を振り返した。

 

「あらぁ~リツコ、あなたも愛されてるじゃない?」

「......そうだと嬉しいわね」

「絶対そうよ、レイのあの顔。自信持ちなさい」

 

 ミサトに言われ、リツコはレイの顔をしっかりと見る。胸の前で振る手のように、小さく上げた口角が印象に残ったはずだった。

 

「駄目だ、号泣してるタローくんにしか目がいかないわ」

 

 明らかにレイとは空気感が違うタローが涙を流しながら自身に向けてサムズアップしているのを見て、リツコは苦笑する。そう言えばこの子、綾波 レイを見守り隊の副隊長だったわと。同時に相変わらず隣でパシャパシャと写真を撮っている同僚から後で撮った写真を貰おうと心に決める。

 その時だった。耳をつんざく轟音が学校中に響きわたったのは。

 

「な、なんや!? なんの音や!?」

「ま、まさかこの音は!!」

「なんだこの音......タローくん、綾波、何か連絡来てる?」

「私は来てないわ」

「いやぁ~オレも連絡は来てないけど......まあ、大丈夫だよ。うん」

 

 軽くパニックになる教室の中で、シンジとレイは何かの訓練だろうかと冷静を保つ。

 しかしタローとケンスケはこの音に聞き覚えがあった。前者は来日する時に、後者はミリオタなのが幸いして。

 

「とりあえず、シンジくんは外を見といた方が良いかもね」

「え? 僕が?」

 

 シンジの声をかき消すように、ケンスケの興奮した叫び声がこだました。

 

「ぶ、VTOLだ! すげえ~!! こんなところで、こんな近くで見れるなんて!!」

 

 カメラを向け、夏の空に陽炎を作り出すVTOLを撮影するケンスケ。大きくNERVと文字が書かれたそれを見て、タローと駐車場にいるミサトにリツコは頭を抱える。この日にこの時間、この機体で現れるのは一人しか居ないからだ。

 ざわめくクラスをヒカリがなんとか鎮め、そこに誰が乗っているのかを知らないシンジとレイが不思議そうな顔でVTOLの様子を見る。想定外の見慣れた顔に、シンジが叫んだ。

 

「え、ええぇぇぇぇ!? とと、父さん!?」

 

 叫ぶと同時に、シンジはマズイと思った。学校までVTOL、一般人からみた戦闘機を乗ってくるような人物が自分の父親だと知れたらどうなるだろうか、と。

 急いで他人のフリをしようとしたが遅かった。VTOLからゲンドウの声が響いたのだ。

 

「シンジ、屋上に着陸している。時間になったら案内してくれ」

「ち、ちょっと父さん! 恥ずかしいから次からは普通に来てよ!?」

 

 短く『ああ』とだけ返事したゲンドウを乗せたVTOLは屋上に向かっていく。普通の学校の屋上ともなればVTOLのエンジンが発する熱で表面が溶けるだろうが、ここは使徒迎撃専用要塞都市。学校の屋上には空母と同じように鋼鉄が使われておりその上から熱で溶けないように特殊コーティングがされているため、VTOLが着陸、離陸しても問題はない。

 

「碇司令なのね」

「っ、っ、っ、っ、っ!」

 

 それを見ていたレイはゲンドウが乗っていた事に納得し、タローはとんでもない親子の会話に声にならない笑いを上げお腹を抱える。

 シンジは『どうして普通に来てくれないんだよ』と文句を言いつつも、父親が来てくれたことが嬉しく頬を緩ませていた。

 

「マジで碇司令最高だわ。ぶっ飛びすぎでしょ......っくく」

「笑い事じゃないよもう」

「でもシンジくん、嬉しそうじゃん。ねえ綾波、ポカポカしてそうだよね?」

「ええ。そう思うわ」

「や、やめてよ。からかわないでよ!」

 

 かくして三人のエヴァパイロット、その保護者2名と実父1名。計3名の親バカトリオが第壱中学校に揃った。

 三人は登場の仕方もさることながら、進路相談でも凄まじいインパクトを残した。先鋒、ミサトの場合。

 

「いや~タローくんは非常に出来た子ですね。教師として言うのもなんですが、非常に助かってますよ」

「でっすよねえ根府川先生!? うちでもひっっっじょーに素晴らしいんですよ!」

「そうですねえ、彼ならどんな高校でもいけますよ。非の打ち所がありません」

「うちのタロちゃんにあるわけないでしょうそんなもの! 例えば、ふとした瞬間の笑顔とか『もう恥ずかしいですよミサトさん!』恥ずかしがる必要ないのよタロちゃん! 良い印象を残して内申点を上げないと!!」

「それ言っちゃってる時点でもう駄目でしょ!?」

 

 後に担任の根府川はこう語る。あそこまでタローくんが動揺しているのは始めて見た、頭が良いが故に問題を起こす生徒も数多く見てきたが、あれじゃあグレようが無いから将来も安心ですな、と。

 そして次鋒、リツコでは。

 

「レイくんは一年生の頃から同じクラスのタローくんとは特に仲が良いようでしてね。彼と切磋琢磨して成績も良く伸びてきていますし、この調子で行けば進学校にも容易く行けると思います」

「それは良かったです。ところで普段はどんな様子でしょうか? 問題を起こすようなことは無いと思いますが、巻き込まれない可能性はなくありません。なるべくタローくんとシンジくんが一緒に居てくれてるので大丈夫だと思いますが、 問題児とは距離を取らせるようにしていただけると幸いです」

「普段はとても物静かな子ですね。タローくんとシンジくんと一緒にいることが多いです」

「それなら安心です。もし席替え等があった場合、なるべく二人の近くの席に配置していただけると助かります」

「赤木博士、先生が困っているわ」

 

 その時の様子を根府川は、三者面談の時は代理で黒スーツの人だったから彼女が来たことに安心したが、まるで尋問を受けているのではないかと思うくらいにレイくんの行動を聞かれた。ただレイくん思いの良い人なのは伝わったし、初めてレイくんから先生と呼ばれたので問題はなし。

 そして二人の一般生徒をはさみ、大将 ゲンドウ。

 

「シンジくんは真面目で勉強も難なくこなしてますね。当たり前のことを当たり前にできる、とても良い子なので校内でも人気があります」

「そうか。他には何かないか」

「成績が良いですし、掃除や提出物もしっかりと取り組んでいますので高校は広く選択肢を持てると思いますよ。希望の高校がありましたら今から対策をすれば第一志望をしっかりと掴み取れるかと」

「ああ。君達の働きに期待しよう」

「父さん、ここネルフじゃなくて学校だよ......」

 

 相変わらずのゲンドウポーズを取るネルフ最高司令との進路相談に、根府川はまるで50年近く振りに面接を受けているような気持ちだった。教師として身が引き締まる思いだと語るのであった。

物語の密度と1話ごとの文字数について

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  • 少し書き込む(5000~6000字)
  • ガッツリ書き込む(7000字以上)
  • サクサク書き込め
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