ただひたすらアスカを愛してみた   作:たっちゃん☆

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短いです!


2話 オマケ

「こちら、非常用電源ソケットの仕様書です」

「あ、ああ......」

 

 大型空母、オーバー・ザ・レインボーの甲板で一通り自己紹介を終えた一行は、艦橋内部にて艦長へと挨拶をしていた。

 それが終わった後、ミサトはタロー達が乗ってきた輸送ヘリで持ち込んだ弐号機の電源ソケットの仕様書を艦長に手渡すが、受け取った艦長はソレよりも気になることがあった。

 

「アスカ、くっつきすぎだよ」

「良いじゃない。狭いんだもんここ」

「......」

 

 信じられん。といった様子で口を開けた艦長が見ているのはタロー。そして全く狭くないのにもかかわらず密着し、彼の腕をガッチリとホールドするアスカ。

 それまではエヴァンゲリオンというものを『ただの人形』としか捉えていなかった艦長だったが、輸送途中にそのパイロットであるアスカから垣間見えた軍人としてのプロ意識。そしてサキエルとタローが操縦する壱型の戦闘記録からその認識を改めていた。

 だからこそ海の漢であり歴戦の戦士である自分自身が見ても軍人らしいと思えるアスカ、そして初陣を完璧にこなしてみせたもう一人のエヴァパイロットが年頃の男女らしく。言ってしまえばイチャついていることが信じられなかったのだ。

 

「一体どれだけの経験を積めばあのような戦い方が出来るのだと思っていたが、まさかこちらも子供だったとは」

 

 苦笑しながらアスカのホールドを受け入れているタローを見た艦長は小さく呟く。しかし、いくら艦長自身がエヴァのことを多少認めているとはいえ誇り高き国連軍というプライドがある。

 斜め後ろの副艦長から向けられるエヴァへの疑問符を受けた艦長は、一芝居うつ。

 

「念の為言っておくが、あれを動かす要請など聞いてはおらぬが?」

 

 返答次第で艦長のネルフという組織への認識が変わることになる問いかけに、ミサトは眉一つ動かすこと無く極めて冷静に応える。

 

「万一の事態に対する備え。と理解していただけますか?」

「そうか。だがその万一の事態に備えて我々太平洋艦隊が護衛しているのだ。そして、エヴァ弐号機及び同操縦者はドイツ第三支部より本艦隊が預かっている。海の上で勝手は許さんッ!」

 

 他の乗組員もいる中で、彼らが疑問視している組織にどうぞご自由にと丸投げするようでは艦長としての面目が潰れる。

 だからこそ語気を強めた、いわばプロレスのようなセリフ。その意図を汲み取ったミサトは、それならばこちらもと応戦する。

 

「わかりました。ただし有事の際は我々ネルフの指揮権が最優先であることをお忘れなく」

 

 ビシッと決めたミサトに、艦長はヒゲで隠れた口元を緩ませた。

 

「かっこええなぁ~」

「まるでリツコさんみたいだ......」

 

 相変わらず夢見ているトウジに、シンジも仕事モードのミサトに思わず関心する。

 だがタローとアスカはお互い目を見合わせて笑うのを堪えていた。

 

「懐かしいわね、あれ。最初の二日......じゃないわね、一日と四時間だけあんなんだったわ」

「そうそう、二日目のお昼に『吸わせて!』とかって襲われたよね」

「正しくは『もう無理! お仕事辛い! 二人のこと吸わせて!』よ。七歳児より七歳だったわよ」

「っくくく、それだ。それだったよ」

 

 二人なりに気を使ってドイツ語でコソコソと会話をしているが、ミサトには聞こえており目を閉じた彼女の頬が徐々に赤くなっていく。

 そんな様子を外から見ていた一人の男が声を掛けてきた。

 

「よっ! 相変わらず二人は仲良いなぁ」

「ぁあ!」

「げっ!」

「うあぁ!」

「おいおい、そんな顔するなよ。悲しくなるじゃないか」

 

 苦虫を噛み潰したような顔のアスカと、見たくないものを見てしまったような顔のタロー、そしてミサト。

 三人の様子を見た艦長がその男に釘を刺した。

 

「加持くん! 君をブリッジに招待した覚えは無いぞ!」

「それは失礼。古い付き合いの友人達が来たと聞いて、つい先走ってしまいました」

『誰があんた(お前)と友人か!!』

「......らしいが?」

 

 タロー、アスカ、ミサトの三人が息を合わせて否定すると、艦長が加持にやや同情的な目を向ける。

 加持はそれも慣れたものだと笑いながらタローに近づく。

 

「釣れないなあ。タローくん、この短期間でずいぶんと男前になったじゃないか」

「ちょっと。あたしのタローに近づかないでよ」

「しっしっ! あっち行け!」

 

 それをアスカとミサトに阻止され思わずお手上げ。相変わらずの苦笑いをみせた加持に、タローが声を掛ける。

 

「どうも、くっつき虫さん」

「せめてオマケにしてくれるとありがたいんだがな。まあ、タローくんにとって俺はアスカのオマケにもならないことはわかっていたが」

「よくご存知で」

 

 そんな会話の後に、艦長が咳払いをする。

 

「輸送品の仕様は確認した。あまり長居されると仕事に差し支えるのだが」

「失礼いたしました。ですが、部外者が簡単に上がってこれるのは問題では?」

「全くだ」

「相変わらず凛々しいな」

 

 加持の一言に『余計なこと言うな』と心の中でとどめたミサトは艦長との会話を切り上げ、タロー達を率いて艦橋を後にする。当然のようについてくる加持だったが、先頭に立つタローの左腕を離さないアスカ、その二人を両手で覆い隠すミサトに思わず圧倒され、ターゲットをシンジに変えた。

 

「いつもこんな感じなのかい? 碇 シンジくん」

「ええ、まあ。この前なんてミサトさんは陸上選手並の速度でタローくんに駆け寄ってましたし......って、あれ? どうして僕の名前を?」

「君はこの世界じゃ有名だからね。碇司令からよく話を聞いているよ、頑張っているそうじゃないか」

「父さんが......けど、僕はタローくんに比べたらまだまだですよ」

 

 ゲンドウが自身のことを話すのならば少なくとも完全な不審者では無いだろう、と加持を判断したシンジは謙遜する。

 

「ずっと訓練を受けてきたタローくんと比べちゃあ駄目さ。突然エヴァに乗れと言われて普通に動かせるだけでも凄い、君には才能があるんだ」

「才能、ですか。別に、自分に自信が無いっていうわけじゃないですよ。ただ才能も努力も並外れた人が居るから、参考にしたいってだけで」

「そ、そうかい。それは良いことだね」

 

 思わぬシンジの返答にたじろぐ加持。聞いていた話と違うが、碇司令が言っていたのはこれかと以前にゲンドウと交わした会話を思い出す。

 『最近息子がやる気に満ちあふれている』といつものトーンで語った過去のゲンドウに、加持は『やる気に満ち溢れているどころか熱血男子の一歩手前ですよこれ』とツッコんだ。




6000字目安にして書いているいつもの半分以下ですが、書かなすぎて文章力が低下するのが怖いので投稿します。
時間の合間を縫って投稿すると短くなりますが、後々短い2話を1話分にまとめたりすると思います。
ぶっちゃけ短くても自分が読んで納得いくやつをネットにさらけ出したいからちょっと時間がかかるっていうね

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