ただひたすらアスカを愛してみた   作:たっちゃん☆

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31話 ドイツの技術力(者)は世界一ィィィィーーーーッ!

 エヴァ壱型及びパイロットのタローが第12使徒 レリエルに取り込まれてからおよそ10時間が経過した。

 取り込まれる直前、12時間後に行動すると語った彼が何かをするまで残り2時間弱。すっかり日も落ちて夜になった第三新東京市では、レリエルの分析及び考察を任されたリツコがホワイトボードを背に導き出された答えについてミサトたちへ説明していた。

 

「直径680メートル、厚さ約3ナノメートル。あの影こそ、まさに使徒の本体よ」

「タロちゃんを取り込んだあの影が?」

「ええ。その極薄の空間を内向きのATフィールドで支え、内部はディラックの海と呼ばれる虚数空間。おそらく、別の宇宙に繋がっているんじゃないかしら」

 

 様々な方程式の書かれたホワイトボードを、指示棒で指し示しながらリツコは言う。

 とはいえ、普通ならば滅多に聞くことの無い単語が羅列しているその説明を完璧に理解している者は、いくらネルフ本部で使徒殲滅に関わる職員と言えど多くない。

 しかし、アスカはことの重大さを理解しており。ネルフの電気装甲車に寄りかかって立つレイの横で、電気装甲車を充電している発電機の上に座りながら呟いた。

 

「それじゃあどうしろってのよ」

 

 そのつぶやきは誰にも拾われることは無く。代わりに、注目は挙手したミサトへ集まった。

 

「あの球体は?」

 

 誰しもが疑問に思っていることの一つ。影が使徒の本体だとするならば、シンジが攻撃をすると突然消え、かと思えば急に姿を表し。今もなお上空に浮かぶ球体は一体何なのだ。

 リツコは用意していた回答を言った。

 

「本体の虚数回路が閉じれば消えてしまう。上空の物体こそ、影に過ぎないわ」

「......タロちゃんと壱型を取り込んだ黒い影が目標、か」

 

 その回答には、流石の作戦課長であるミサトも思わず眉を落とす。

 球体が使徒で取り込まれた壱型がそこに存在するというのならばまだしも、黒い影が目標であるのならいかにして救出するのか。

 早い段階で今回の救出作戦が困難を極めることに気付いていたアスカと同じように、その場にいる全員が視線を落とした。

 

「......私の計算が正しければ、方法はあるわ。しかし、それではエヴァの強制サルベージになってしまう」

「どういうことですか」

 

 視線が一人のパイロットに。腕を抱いて黙って聞いていたレイの方に集中する。

 同じように食いつこうと思っていたアスカとミサトは、先を越されたことに一瞬放心するが。レイと同意見だと頷きながらリツコに続きを促した。

 

「現在実現可能と思われる唯一の方法よ。しかし、パイロットの命は保証できない」

「どんな作戦内容なの、それ」

 

 何であれ助け出せるのなら、とアスカが目を細めながらリツコに言った。

 

「目標に飲み込まれる前、生命維持モードに切り替えたタローくんは12時間後に全てを賭ける、と言ったわ。おそらく彼はATフィールドを全開にし、目標に干渉するつもり。電源から考えると、壱型に残された時間は数秒程度」

「その間にどうにか出来るってわけ?」

 

 流石に今回ばかりは科学者であるリツコのほうが適任だと、彼女に指揮権を託したミサトが言う。

 リツコは、ややためらいがちに頷いた。

 

「タイミングをあわせて現存するN2爆雷992個全てを中心部に投下。同時に残存するエヴァ3体のATフィールドを使って使徒の虚数回路に干渉。その瞬間に爆発エネルギーを集中させ、使徒を形成するディラックの海ごと破壊するの」

「......だから、パイロットの命は保証出来ないってわけね」

「ええ。いくらエヴァと言えど、電源切れでATフィールドも使えないとなれば992個のN2爆雷に耐えきれるかどうか。ボディの大破は免れないわ」

 

 指示棒を握る手に力を込め、言葉一つ一つを噛みしめるように言い放つリツコ。

 普段、抑揚なく淡々と話すことの多い彼女のその様子が、他に方法は無いのだと全員に思い知らせる。

 

(現実は、そう甘くないわね......)

 

 震える拳を必死に抑えるリツコは思う。

 現状この作戦でしか目標の撃破は出来ない。しかし、N2爆雷922個投下など、国を丸ごと一つ消滅させてしまうほどの威力。それを電源切れのエヴァが受けてパイロットが無事で居られると確率は限りなく低い。

 リツコの言うエヴァのサルベージとは、壱型のコア部分だけ。胴体部分が残っていれば御の字という意味だった。

 

「他の方法は?」

「アスカ」

 

 とはいえ、はいそうですかとリツコの作戦を全員が受け入れられる訳ではない。

 真っ先にアスカが他の方法を模索しようとする。それには、ここまで無言を貫いていたシンジも同意した。

 

「リツコさん......他には無いんですか。他の方法は」

「......あることにはあるわ、シンジくん。でも、これは貴方たち三人では不可能に近いわ。いいえ、アスカやタローくんが三人揃っていたとしても難しい」

「私たちでは出来ないというのは、なぜですか」

「レイ、気を悪くしたなら謝るわ。でも、これが実現できるのならすぐにでも貴女たちに指示しているの。目標のディラックの海を支えているATフィールドごと破壊してしまうような強力なATフィールドで干渉するだなんて、そう簡単な話ではないわ」

 

 思わず眉間にシワを寄せるリツコ。

 言っていることは簡単であるのだが、その難しさは他の誰よりも三人のパイロットたちが理解していた。

 

「目標のATフィールドを破壊するなら、どれくらいのATフィールドが必要なの」

「ディラックの海を支えているATフィールドは尋常じゃない規模よ。先程のN2爆雷を用いる作戦で言ったように貴女たち三人が全力で中和しても、干渉出来るのは600分の1秒がいいところ。その僅かな時間、僅かな亀裂から電源の僅かな壱型とタローくんが這い出てこられるとは思えない。這い出てこられたとしてもどうなるか」

「でも白露くんは私たちに、待っていると言ったわ。それに賭ける価値はあると思います」

「そうよ。あいつなら少しでも光が見えたら、そこから這い上がってくる。あたしは何度も見てきた!」

 

 確実に使徒を倒せるが、パイロットの命が保証されない作戦よりも。不確定要素しかないが、パイロットの命が保証される作戦を実行すべき。

 アスカとレイはそう言っているのだ。もちろん指揮権を握るリツコも、見守るミサトも、シンジも、他職員たちも心の中では二人の言うことに同意している。

 しかしここはゲームの世界ではない。ゲームオーバーになったらチェックポイントからやり直し、とはいかない。必要な犠牲というのは付き物。

 

(今回は、それがタローくんになってしまったのね......)

 

 唇を噛んだリツコは、僅かな望みに全てを賭けようとしているアスカとレイの肩に手を置いた。

 

「レイ、アスカ。気持ちはわかるわ。でも......もうこれしか方法が無いの」

「あら、それは諦めが早すぎるのではなくって? 赤木博士」

 

 リツコ以外全員が背を向けている方向から聞こえる馴染みのない声に、場の空気が一気に固まる。まるで全てを見透かしているような、不可能など無いとでも言いたいような自信に満ち溢れた声。

 誰も知らない。いや、アスカとミサトはその声に確かに聞き覚えがあった。しかし、違和感がその記憶を鈍らせる。

 なぜなら二人の記憶では、その声は日本語ではなく。ドイツ語を喋っていたのだから。

 

「目標を残存するエヴァンゲリオン三機で外部からATフィールドごと消し飛ばす手段は確保したわ。まだ一時間半以上も時間があるのだもの、結論を急いでは視野が狭くなるわよ」

「......貴女は......」

 

 リツコの声で、全員の視線が彼女の目線の先に向かう。

 そこに、彼女は居た。

 

「イェーナ・レーマン、今日付けでネルフドイツ支部からネルフ本部へ移動してきたわ。詳しい自己紹介は程々に、どうぞよろしく」

 

 ミサトやリツコ以上の背丈、まっすぐ伸びた背筋と威風堂々とした佇まいはまるで王者。

 日本の夏は熱いからと、特注で作った純白に黒、赤、黄の差し色が映えるジャケットを身に着け。透き通るほど白い肌を守るように、これまた特注品で冷感仕様の黒いタートルネックとタイツで長い首と足を隠し。

 色素の薄く、ライトの光に照らされて銀色のようにも見える、肩に掛かる程度のストレートの金髪。それを手でなびかせ、切れ長の青い瞳でリツコを見つめながら自信満々に言った。

 

「イェーナッ!?」

「......う、嘘......な、なんでイェーナさんがここに!? 私もしかして気づかぬウチに電話かけちゃってました!?」

 

 アスカとミサトが思わぬ人物の登場に飛び上がる。

 期待通りの反応だったのか、イェーナは口元を隠してクスリと笑った。

 

「直接会うのは久しぶりね、アスカ、ミサト。電話はかかってきてないわよ」

「そ、そうですか......」

「いやそれよりも! あんた日本語いつの間に!」

 

 イェーナのことを指さしながらアスカが言う。

 今までは彼女は、ドイツ語と英語程度しか話しているところを見ていなかったためだ。ミサトもうんうんと頷き、どうして日本語を話せているのかと目を丸くしている。

 そんな二人に対して、イェーナはあっけからんとした様子で。さも当然のように言った。

 

「2週間前くらいから仕事終わりに少し勉強をしたの。漢字の読み書き、カタカナとひらがなの使い分けには少し苦労したわ」

「いや、は......? に、2週間前ですってぇ?」

「ち、ちなみにですけど。どうして日本語を?」

「だって」

 

 ミサトが問うと、イェーナは先程までの凛とした雰囲気から一変。少しすねたような顔になった。

 

「だって貴女たち、時々私が居る時に日本語で会話をしていたでしょう? やましいことじゃないとはわかっているけど、私も会話に混ざりたかったのよ」

「乙女かッ!? あんた前々から思ってたけど、タローの前とあたしとミサトだけの前とでナンデそんなに雰囲気変わんのよ!?」

「それは、彼の前では格好いいお姉さんで居たいもの。愛しのタローの前ではね」

「相ッ変わらず愛が重いですね、イェーナさん! 私も負けてられません!!」

 

 ドイツ史上最高の天才、人間MAGIと呼ばれた女博士の突然の登場。それもドイツ語とは文法も語順も全く違う日本語を、2周間前くらいから勉強しただけで話せるだけでなく読み書きも出来るようになったと言い。

 更には僅かに赤らめた頬に右手を添えながら、滅多に見ない敬語で話すミサトにまで重いと言われる愛をタローに向け始める始末。もしここにタローが居たら愛が重いと言ったミサトはイェーナにぶん殴られていただろう。

 驚きと困惑が、硬直していたた場を包んだ。

 

「れ、レーマン博士! は、はじめまして」

「はじめまして、赤木博士。いつもミサトとタローから話しは聞いているわ」

 

 その中で一人すぐに復帰したリツコは、憧れに近い尊敬の念を向けるイェーナに駆け寄る。

 ミサトとタローから話しを聞いている、と言われた彼女は思わず身構えたが。イェーナはリツコに対してそっと右手を差し出した。

 

「いつもパイロットたちのことを第一に考え、整備にも余念のないその姿勢。本当に感謝します」

「い、いえ。とんでもありません......」

 

(パイロットたちって、それタローくんとアスカだけじゃないのかしら?)

 

 感謝の言葉とともに差し出された右手を握りながら、リツコはそんなことを考える。

 実際、イェーナとしてはパイロットたちの中には愛する二人と仲の良いレイとシンジも含まれている。

 リツコとイェーナ、二人の科学者が揃った。この事実に、ようやく復帰した他職員たちの目に希望が見えてきた。

 

「あれが噂のレーマン博士......」

「タローくんと惣流ちゃんに脳細胞の一部を移植したって聞いたぞ」

「裏ではドイツ支部を牛耳ってるんだよね?」

「ベルリンのMAGIって彼女なんだろ?」

 

 根も葉もない噂話だが、あまりにもバカバカしいため本人もその周囲も気にしていない。だからこそまた新しくとんでもない噂話が作り出されているのだが、イェーナは『人の想像力はやっぱり面白いものよね』とむしろ楽しんでいる始末。

 彼女はポケットからスマートフォンを取り出すと、どこかに電話をかけ始める。数秒後、ネルフドイツ支部所有のヘリコプター三台がコンテナをそれぞれ一台ずつ持ってやってきた。

 

「あれは」

 

 ミサトがそのヘリコプターとコンテナを見て言った。

 

「あれこそ、目標を残存するエヴァンゲリオン三機で外部からATフィールドごと消し飛ばす手段よ。その名も」

 

 ガシャッ、とイェーナの声に合わせてコンテナの一部が開かれる。

 そこに格納されていたのは、いぶし銀のハンドガンのような見た目のもの。銃身に5つの黄色い輪っかが備え付けられ、銃口に当たる部分はまんまるに。

 早い話が、映画等で出てくる宇宙人が持つレーザー光線銃のようなものだった。

 

「ATフィールド圧縮放出銃、A.T.Fアトマイザーよ」

「ATFアトマイザー......」

「おお! レーマン印の最新作ですね!」

 

 またしてもとんでもないものを作り上げ持ってきたイェーナ。

 名前を聞いたリツコは唖然とし、ミサトは興奮する。確かにこれならば、レリエルのディラックの海を支えるATフィールドを消し飛ばせるだろうと。

 とはいえ、流石に無条件で何度も使えるものでは無いようだ。

 

「A.T.Fアトマイザーなら、エヴァンゲリオンとパイロットの発生させたATフィールドを極限まで圧縮し、放出させられる。その強大なATフィールドをもって、目標のATフィールドを消し飛ばす。ただ、エネルギーは無からは生み出せない」

「......ATフィールドを圧縮するためのチャージ時間。そして、そのATフィールドを生み出すための電源、ということですか」

「御名答、流石よ赤木博士。コレを使うためにはアンビリカルケーブルとエヴァンゲリオンとの間にA.T.Fアトマイザーから伸ばしたコネクタを挟み、なおかつATフィールドを充填する必要がある。形としてはATフィールドの衝撃波に近いから、ヤシマ作戦のような狙撃や短期決戦には向かないのが欠点ね」

「それでも十分すぎるくらいです。ありがとうございます」

 

 頭を下げるリツコ。イェーナはニッと、どことなくタローを思わせる笑顔で「顔を上げて」と言った。

 

「感謝はいらないわ、いま私に必要なのはタローを取り戻すことだけ。善は急げよ、早速パイロットたちにはA.T.Fアトマイザーを装備し、時間一杯ATフィールドを充填して貰いましょう」

「は、はい! レイ、アスカ、シンジくん。早速エヴァに乗って頂戴」

「あ、すこしいいかしら」

 

 エヴァへの搭乗を促したイェーナが、それを制する。

 リツコが不思議そうに視線を送ると、イェーナはコツコツと足音を立てながらシンジへと近づいていく。

 

「サード・チルドレン。エヴァ初号機のパイロットね」

「はい......ッ!?」

 

 かと思えば、彼の首を右手で掴んだ。

 暴力とも取れる行動に、リツコが間に入ろうとすると。ミサトがそれを手で抑えた。

 

「ミサト」

「大丈夫よ。タロちゃんの発破のかけ方はね、イェーナさん譲りなの。今のシンジくんなら大丈夫」

 

 イェーナを深く知らないリツコは、ミサトにそう言われては引き下がらざるを得ない。

 黙って見守ると、イェーナがゆっくりと口を開いた。

 

「誰の失敗、なんてものは関係無いわ。私から貴方に言うことはただ一つ......この作戦、必ず成功させなさい。朝を迎えたいのならね」

 

 鋭い眼光、しかし瞳はまんまるで闇のようと相反する視線をシンジに向けながら言うイェーナ。

 見守ることを選んだミサトたちは、各々で思うことがあった。

 

(あれ、なんか私情入っちゃってないですかイェーナさん? 頑張って抑えてるけど、昔私が酔って淹れたての紅茶こぼした時とおんなじ雰囲気が僅かに)

 

(朝を迎えたいなら、というのは私たちにも言えることね。運命共同体だと示すのは確かにタローくんそっくりだわ)

 

(あーあー。イェーナ普通にブチギレてるじゃない、隠した青筋がうなじに立ってるし)

 

(レーマン博士も、白露くんが大切なのね)

 

 イェーナをよく知るドイツ支部出身の二人は、彼女が静かに怒りつつもそれを良い方向へ作用させようと努力していることに気が付き。

 よく知らないリツコはますますイェーナを尊敬し。レイはやはりマイペース。

 肝心のシンジはと言うと、イェーナにタローの面影を感じ。かつてヤシマ作戦前にあわや大怪我スレスレの壁ドンパンチを受けた時の気持ちを思い出していた。

 

「......はい。必ず、救い出してみせます。僕がタローくんのことを!」

「そう、それは良い返事が聞けたわ。行きなさい」

「はい!」

 

 イェーナの手から首を解放されたシンジは、力強く頷くと回れ右をして初号機へと向かう。

 これもまた教育の一つだ、と黙認する初号機に向かう彼の背中には慢心ではなく。自信がみなぎっていた。

 それを見送ったイェーナは振り返ると、アスカとレイにも声をかける。

 

「貴女たち二人は、言わずとも大丈夫そうね。頼んだわ」

「任せなさいよ。つか本当にイェーナってとんでもないわね......」

「はい。白露くんは、私たちが」

 

 ATフィールドを補填するのなら早いほうが良いと、アスカとレイも即座に弐号機と零号機のもとへ。

 イェーナはそれも見届けると、ミサトとリツコの元へ向かった。

 

「事前に情報は仕入れているわ。タローの言った時間まで三人にはA.T.FアトマイザーにATフィールドを充填してもらい、時間と同時にディラックの海、その入口であろう黒い影に一気に放出する」

 

 急遽変わった作戦内容。しかし、ミサトもリツコもそれに異論はなく頷く。

 イェーナは一息ついたあと、どこからかガラガラと飛行機内でCAが押すようなミールカートを持ってきた。

 

「とりあえず、一杯お茶を飲みましょう。落ち着くわよ。そこにいるあなたたちも、紙コップとお茶を用意するから少し待っていて」

 

 その中から複数の電気ポットと様々な茶葉とを取り出したイェーナは、ミサトとリツコだけでなくこの場にいる全員に声をかける。

 あのイェーナが淹れたお茶を断れる人間などネルフには居ないのだ。

 

「キャラが濃いのね、レーマン博士って」

「そりゃそうよ。にしてもイェーナさん、最後に会ったときよりも背が伸びてるしなんだか綺麗さに磨きがかかってるのよね。私より二年先にゲヒルンに入ってるから、少なくとも二個上なんだろうけど......私が言うのもなんだけど色々やべー女よ、あの人」

「なにか言ったかしら」

「いえ! なんでもありませんイェーナさん! このミサト、誓って何も言っていません!」

 

 ピンと反り返るほど背筋を伸ばし、見たことがないほど綺麗な敬礼でイェーナに答えるミサト。

 イェーナにビビッている、というのは見て明らかだが。表情は曇りのない笑顔だった。

 

「作戦が終わったら教育が必要ね。赤木博士、手伝いをお願いするわ」

「わかりました」

「そ、そんな......ご容赦をォオーーーーッ!!」

 

 実は以外とパワー系のイェーナ、言葉で精神的ダメージを蓄積させるリツコ。

 二人の怖さを身を持って知っているミサトは、希望に満ちた現場で一人絶望のどん底に叩き落とされることになった。




初号機:あの女ヤベー、コエー。シンちゃんが逞しく育って嬉しい限りだわ。

イェーナさんはドイツ支部の職員からタローくんが使徒に取り込まれたと聞いて、用途をあまり考えずに作るだけ作っていたA.T.Fアトマイザーと一緒にすっ飛んで来ました。
オリキャラでやりたい放題なので知性と行動力がぶっ飛びすぎてる作中屈指のヤバいキャラになってます。ちなみにドイツ支部全体でヤベー組織になってます。

A.T.Fアトマイザーはチャージ時間中は安定してATフィールドを補填するため動きが制限される上に、常に片手が塞がるので万能ではありません。
じっくりじっくり準備すれば、新劇で初号機がATフィールドの左腕でゼルエルくんを吹っ飛ばすのを再現できるくらいのスペックです。

次はタローくんの精神のお話になるので一人称になる予定です。

物語の密度と1話ごとの文字数について

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  • ガッツリ書き込む(7000字以上)
  • サクサク書き込め
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