メダロットHERMIT   作:CODE:K

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7-7 見つめる CAT Eye4

 

『といった経緯で』

 

 メダロッチからスタッグは言った。

 

『気がついたら、すでにロボロボ団は逃げた後でして。申し訳ありません』

 

 この言葉を前に、博物館の職員は、

 

「なるほど、それは参ったわね」

 

 と、これは困ったとポーズだけ見せるように腕を組んで言った。

 

 他の職員と同じユニフォームの上に白衣を羽織った若い女性で、髪は肩に触れる長さのツインテール。

 瞳は虚ろのようにも挑発的にギラギラ輝いてるようにも映り、魔性のような魅力と身が竦むような恐怖を同時に感じる。

 

 現在、アズキは聞き取りのため館内の事務室で事情聴取を受けていた。場所はチケットカウンター裏の立ち入り禁止エリアから地下の階段を下りてすぐの場所だ。

 

「ごめんなさい」

 

 アズキは言った。

 嘘は言ってない。脱出経路を用意したのがTMZで、自分たちが館内の混乱に対応してる間に逃げてくれと伝えただけで。

 

「いや、館内の安全を優先してくれたのは正しい判断だからね。むしろ、あれだけの中で怪我人を出さなかったTMZの手腕には感嘆する程よ」

 

 女性職員は言った。実は怪我人は出てるのだけどロボロボ団なのでノーカウント扱いなのだろう。

 

「改めて、協力に感謝するわ」

『ロボロボ団が今回は人的被害を出すのを避けてたのが助かりました。後半の別問題にも協力的でしたし』

「暴走メダロットね」

『それと、犠牲者を出すのも躊躇わずにそれを止めようとした過激な乱入者も。だからといって、どちらも逃がしてしまったのは私たちの落ち度ですけど』

 

 会話を前にして、

 

(スタッグがいて助かった)

 

 アズキは思った。もし自分の口で説明していたら、ロボロボ団を警察やセレクトから逃がした事がきっとバレてしまう事だろう。

 と考えてたら、まさにアズキに向かって女性職員が、

 

「ところで、君は事件の直前は何をしてたのかしら?」

「えっ?」

 

 何か疑われてる? アズキは焦りながら、

 

「え、えっと、土産屋で買い物を。ちょうどレジに出す寸前でした」

 

 アズキが言うと、職員は監視カメラのモニターからフロアの様子を映して、

 

「このカゴのこと?」

「はい、これです」

「だったら、せめてもの礼として代金はこちらで払わせて頂戴。今すぐ部屋に持ってきてもらうよう手配するわ」

「え、それは」

 

 そこまでしなくても、とアズキは恐縮するも、

 

「悪いけどお互いの口止め料として受け取ってもらうわよ」

『お互いの?』

 

 スタッグが違和感を覚えて反応。

 職員は、

 

「ええ、博物館側としては展示物がメダロットの暴走を促した失態を無かった事にしたい。対して君たちはロボロボ団の逃走を協力しなかった。どうかしら?」

 

 こういう風にメダロットの暴走は揉み消されていくのだなとアズキは実感した。

 

 本来アズキは心情的にこの類のもみ消しには加担したくない。けど今回はシラタマというより神宮寺さんを護るためにも首を縦に振るしかない。

 あと、アズキの本能が「この人に歯向かったら駄目だ」と言っている。

 

 スタッグが言った。

 

『口止めは私たち二人に向けたものでよろしいですね?』

「構わないわ」

 

 ふたりの高度な会話に、アズキは居心地の悪さを感じた。

 

 

 口止め料を受け取り、博物館を後にしたアズキは周囲の森林を探索していた。博物館から逃走したロボロボ団ふたりと合流するためである。

 

(たしか、報告だとこの辺りに)

 

 って探して数分。

 博物館の裏側に位置する茂みでロボロボ団のスーツを脱いだふたりを発見した。

 

「ふたりとも、無事?」

 

 アズキが声をかけると、まず浅黒い肌に無精髭とサングラス姿のタコスが、

 

「よう」

 

 さらに今日学校で着てた私服姿と全く同じ格好、ワンサイドアップのセミロング髪が特徴の神宮寺シルコさんが、

 

「あ、先生」

 

 とこちらに手を振る。

 近寄ると彼女が抱き着いてきたので、アズキは顔を赤くしながら、

 

「えっと、神宮寺さん大丈夫? 攻撃された足とか」

 

 先ほどまでロボロボ団のスーツ姿だったせいか、熱っぽい吐息と汗で張り付いた衣服で神宮寺さんの色気がやばい。

 ただ、やはり中身は神宮寺さんなので、

 

「平気です。軽い霜焼けみたいになってた程度で」

「本当に? 痛くない?」

「先生、心配しすぎですよ。ほらっ」

 

 って神宮寺さんはその場で下着を脱ごうとして、

 

「わわっ、分かった、分かったから」

 

 アズキが必死になって止める。確かにお尻も攻撃されてたけど、躊躇いなく見せようとするなんて。

 メダロッチからスタッグが、

 

『タコスさんは平気なのですか?』

「お子様が脱いだところで色気も何もないだろ」

 

 タコスが言うと神宮寺さんが、

 

「ひどーい」

 

 って反応。とはいえ、たしかに先ほどの行動は年齢以上にお子様過ぎる。あれで反応してしまうアズキが本来おかしいのだろう。

 今にして思うと、出会った頃の神宮寺さんはよくもあれだけ色っぽくアズキを誘惑できたものである。

 

 アズキは、神宮寺さんのメダロッチに向かって、

 

「マゼンタキャットはどう、大丈夫そう?」

『問題ないわ』

 

 彼女のメダロッチからマゼンタキャットが言った。

 さらに神宮寺さんが、

 

「先生、ありがとうございます。マゼンタちゃんを助けてくれて」

 

 と、涙を浮かべながら笑顔をみせた。

 

「でも怖かったです。もし先生があのメダロットに撃たれちゃったらと思ったら」

「ま、まあ三原則で撃てないって計算もあったから」

 

 本音は今でも思い出しただけで恐怖のあまり発狂しそうなのだけど。

 改めて、あんな命がけの行動よくやろうと思ったものである。

 

「ところでだ」

 

 タコスが話を切り出した。

 

「お前一体何者だ。シラタマは先生と言ってるが、本当はただの教師じゃないんだろ?」

「え?」

 

 となる神宮寺さん。しかしタコスのほうはスタッグが身分を明かしてしまった瞬間を聞き逃してはいないのだろう。

 さらに自分たちが円滑に博物館から脱出できた背景に第三者の介入があった事にも気づいてるはず。

 

 アズキは頷いて、

 

「黙っててごめんね神宮寺さん。私はTMZエージェント。言ってみればTMZ直属の調査員とか警備員とか、そういう立場」

「え、普段はあまり頼りなさそうな紅下先生が?」

 

 驚きながら言う神宮寺さんの言葉に、アズキは心を抉られながら、

 

「で、今回ふたりを警察機関やセレクトから助けたのも、TMZの立場から話をしたかったからなんだけど」

「いいぜ。俺もちょうど他所の組織と接触する必要があると思ったところだ」

 

 タコスは返事。

 

「ありがとう」

 

 アズキは言ってから、

 

「まず」

『単刀直入に言います。御萩ユスグが行方不明になった原因はロボロボ団ですか?』

 

 スタッグが言った。

 アズキが相手の反感を買わないよう言葉を必死に探してたのに対し、スタッグからは「この問題はさっさと済ませて次に進もう」という意思を感じる。

 

「ちがっ」

 

 案の上、神宮寺さんは疑われてショックを受けた様子だけど、

 

「答えはノーだ。これに関してだけは俺の関わってない作戦に参加したロボロボ団の分も含めて断言できる」

 

 タコスが言った。スタッグは分かってたって声で、

 

『分かりました。では次に入ります』

「いや、スタッグ? その、御萩さんの問題はさらっと流していい話でも」

『少なくともおふたりと、おふたりの目が届く範囲のロボロボ団は犯人ではないと聞けただけで十分です』

 

 何か考えがあるのだろう。ここはスタッグに任せたほうがよさそうだ。

 

『今回おふたりが博物館の鉱石を狙った理由を教えてくれますか?』

「少し別の話から入るが構わないか?」

『理由の説明に必要でしたら』

 

 スタッグの言葉に頷いてタコスは、

 

「知っての通りロボロボ団は世界征服を企む組織だ。しかしここ数年、俺たちとは別に何かきな臭いものが動いてるのを感じていた」

『セレクトの治安維持ともロボロボ団の悪事とも違う第三者の動きという事ですか?』

「ああ。規模の不明な人々の平和を脅かす事態だ。変な話だが世界征服を目指すロボロボ団にとって、第三者による人々の危険は俺たちにとっても脅威である」

『ロボロボ団にとっても、同盟を組める相手ではないという事ですね』

「上はそう判断した。元々俺はそんな奴らを調査し、野望を未然に食い止める任務を主に行っていたんだ。シラタマの管轄は別だが」

 

 タコスは言った。

 

「FSLイベントの襲撃、先日プールでの調査活動、そして今回のは全て、俺が主になって動いたものだ」

『では、夜の校舎にロボロボ団が潜入したのは別の人の活動という事ですか?』

「あれも俺だ」

 

 と、タコスは言ってから、

 

「そうか。ピスケスのパーツはあの時俺の部下から回収したものだったのか。まさかそっちにも関わってるとは思わなかったが」

『では、どうしてその学校に神宮寺さんが通われて』

 

 スタッグの疑問に神宮寺さんは、

 

「え? それって変なことなの?」

「悪いが完全に無関係だ。シラタマは学校では本当にただの生徒で、偶然こいつと関係のない任務で俺が部下を学校に送り込んだ。ただそれだけだ」

『信じていいのですか?』

「疑う理由しかないのも分かるが、俺からしたら女でも子供でもあるシラタマを夜に外出させるわけないだろ」

 

 君、もうロボロボ団やめたほうがいいよ。そう思いたくなるほど理由が正しすぎる。

 

『つまり、TMZが学校の関係者にロボロボ団がいる事を突き止めた結果、本来繋がってない点と点を勝手に繋げてしまったわけですか私たちは』

「待って」

 

 アズキは慌てて、

 

「その事実が上に伝わったら、私たち教師でいられなくなるという話よね?」

「どういう事ですか?」

 

 と反応する神宮寺さんにスタッグが、

 

『元々私たちは、校内のロボロボ団がユスグさんの事件の犯人という前提で、教師として潜入して内部から皆を護衛し、ロボロボ団を捕まえる任務でしたので』

「え、そうだったの?」

 

 驚く神宮寺さん。けど、

 

「この話は後にしないか?」

『そうですね』

 

 タコスが言いスタッグも同意した事で、一旦この流れは後回しとなり、改めてタコスは言った。

 

「今回俺たちが鉱石を狙った理由は、奴らが鉱石のナノマシンを散布する機能を何らかの方法で悪用し、大規模破壊兵器として使う疑惑があったからだ」

「は、破壊兵器?」

 

 アズキが驚く。ロボロボ団がそんな可能性を掴んでたなんて。

 

「実際はメダロット暴走装置だったようだが。つまり俺たちが装置から鉱石を外して盗み出してなければ」

『あの場所のメダロットが一斉に暴走していた可能性があったという事ですか?』

「そうだ」

 

 スタッグに向けてタコスが頷く。

 オーロラクイーンだけ暴走した理由は不明で、これから調べるという話だったけど、

 

「校舎、プール、イベント会場も破壊兵器を探すために潜入した結果だ」

 

 夜の校舎に潜入したのは校内図書室から機密資料を漁るため。

 

 イベントの襲撃はステージイベントでファンシーベールを使って何か企んでると情報を掴んだので、先にメダロットを強奪してイベント自体を潰そうとした結果。

 プールに関しては人工の夏を作る装置がヤバいと踏んで盗み出す予定だったらしい。

 

 で、鉱石にしろプールの装置にしろ、盗み出したものをロボロボ団の研究チームで解析し対抗策を練る予定だったとか。

 ちゃっかりタコスは鉱石の破片を一部回収していた。

 

「俺が話せるのは以上だ」

 

 タコスは言った。スタッグは驚きながら、

 

『想定以上に深く色々教えてくれましたけど、立場は大丈夫なのですか?』

 

「本来悪の組織であるロボロボ団が民間人を護るには限界がある。信頼できる人を伝って事態を警告する必要があった」

『それが私たちですか』

「日吉と若鶏によると、警察機関やセレクトは話を信じてくれなかったそうだ」

 

 ふたりの名前が出たという事は、FSLイベントで逮捕された時にセレクトに情報を流そうとしたのだろう。

 

『分かりました。信頼できる味方に伝えます』

 

 スタッグは言った。

 

「で、だ」

 

 タコスは言う。

 

「他にも聴取したい内容はあると思うが、悪いけど後日改めてシラタマと時間を作ってくれないか?」

「え?」

「こいつを病院に連れて行きたい。女性に怪我が残ると大変だろう?」

「あっ」

 

 アズキたちはタコスの提案を受け入れた。

 

 

 夜、二三時。

 

「かっ、可愛い! すすす、スタッグ。キュートすぎて鼻血出そう」

 

 アズキはついに拝む事のできた彼女のカメオスタッグ姿に惜しみない興奮の言葉を贈った。

 スタッグは咄嗟に距離をとって、

 

「一瞬で後悔しました。アズキ、怖くて気持ち悪いです」

 

 逃げた先に偶然置かれていたティッシュ箱を投げつける。

 

 細身の肢体にうるわしき水色ボディの外骨格。

 博物館で見た時も小柄に映ったが、実際に目に光を灯した状態でそんな動作をされたら、スタッグが中身まで一回り幼くなったようにしか見えない。愛らしい。

 

「そんな事言われても、こんなに遅くなるとは思わなかったから、その解放感もあって」

 

 今晩は想定してた以上にやる事が多かったのだ。

 

 まずエージェントとして事件に関わったので報告書の作成。

 これが、ロボロボ団の逃走にTMZの力を借りた手前、ロボロボ団からの報告を完全に隠すわけにはいかず、頭を悩ませた。

 

 次に学校から持ち帰った仕事。

 主として明日の準備であり、教えるためにアズキ自身が小学校の授業内容を事前に勉強し直す事も含まれる。

 

 さらにアズキ自身も本来高校生。

 任務で高校に通えないからといって必要以上に成績を下げるわけにもいかないので、受けれない授業に追いつくため、やはり毎日真面目な勉強は必要不可欠。

 

 帰りが遅くなった中、こういった日課を片付けた頃にはもう日付が変わるまで一時間もなくなってしまったのだ。

 

「こんな時間まで頑張ってたのは知ってます」

 

 スタッグは言った。けど、

 

「でも鼻息荒くして興奮してる人に近づきたいと思いますか?」

「そう言わないで。えっとほら、安全だから、膝の上、膝の上ほら」

 

 疲れもあって、変なテンションになってるのだろう。

 アズキはベッドに腰かけると、自分の膝をぽんぽんと叩いてスタッグを呼ぶ。

 

「嫌です」

 

 と言いつつスタッグは座ってくれた。同じベッドの、アズキの隣ではあるけど。

 

(うわっ)

 

 アズキはカメオスタッグを視て気づいた。正面からは外骨格の突起で目立たないけど、横から見ると胸元の肌部分がまったく隠れてないデザインをしてるのだ。

 しかも意外と、

 

「ねえスタッグ?」

「何ですか?」

「もしかしてカメオスタッグって、意外と普段のスタッグより()()?」

「え?」

 

 きょとんとするスタッグ。

 最初は分かってない様子だったけど、次第にアズキの視線に気づくと、

 

「見ないでください」

 

 両手で自らの胸を隠し、スタッグは顔を赤くして言った。

 

「い、一応言いますけど軟質装甲は使われてませんから、セクハラしても無駄ですよ?」

「膨らみは?」

「こんなものはマネキンと同じです」

 

 一応あるにはあるらしい。どうやらアズキの見間違いではなかったようだ。

 アズキはおずおずと、

 

「それで、どうしても駄目?」

「駄目です。触らせません」

「え、いやそっちじゃなくて。膝の上に座るほう」

「ぁっ、っ」

 

 スタッグは改めて恥ずかしそうにそっぽを向いて、

 

「駄目です」

「なら」

 

 アズキはメダロッチを操作。

 スタッグの姿がいつもの見慣れたセーラースタッグに変わると、

 

「え、アズキ?」

「こっちなら大丈夫かなって」

「嫌です」

 

 けどスタッグに断られる。

 

「この姿だと、ある意味ユスグさんを膝に座らせる事案になりますよ」

「あの子はスタッグほどお尻大きくないから」

「それはそれでセクハラです」

 

 ですよね。

 

「なら、ピスケス。あの姿ならさすがにセクハラになり様がないでしょ?」

「どうしても膝に座って欲しいのですか?」

 

 スタッグは一度呆れたように言ってから、

 

「分かりました」

 

 って、アズキの膝に座ってくれた。

 アズキは、セクハラとかそういう意図一切抜きに、彼女のボディをそっと抱きかかえ、

 

「あったかい」

「メダロットですから、人肌なんてありませんよ?」

「それでも、稼働する熱で温かい」

 

 実際は冷却機能が働いてるので、熱くも冷たくもない常温ではあったけど、関係ない。

 

 スタッグがここにいる。

 アズキは両腕から彼女の命を感じて、もっと欲しくて求めたくてぎゅっと抱きしめた。

 

「今日は頑張りましたね、アズキ」

 

 スタッグも今回は抵抗せず、アズキの胸の中でやさしい言葉をかけてくれる。

 アズキは頷く。

 

「うん」

「でも、二度と相手に自分の心臓を狙わせるなんてしないでください。もし撃たれたら、残された人がどんな気持ちになるかアズキは誰より分かってるはずです」

「知ってる」

「それに、いまも震えてますし」

「だって怖かったから」

 

 スタッグは、アズキが満足するまで抱きしめられてくれて、

 

「ありがとう。もういいよ」

 

 と、両腕を離し解放しても、まだ膝の上に座ってくれた。

 それどころか、体が自由になると自分からもたれかかってきて、

 

「嫌です。まだ私が満足してません」

「そっか」

 

 アズキはもう一度スタッグを抱きしめ直す。

 

「あ、そうだ」

 

 忘れるところだった。アズキは買い物袋から博物館で買ったペンダントをスタッグの首にかけてあげる。

 スタッグは驚いて、

 

「アズキ、これって」

「これでしょ? お土産売り場でスタッグが欲しそうにしてたアクセサリー」

 

 ペンダントはトップの飾りを真ん中で割って二本でワンセットにした物だった。

 合わせるとメダロットのクワガタメダルを模した形になるが、本物と異なり角がハートマークになっている。

 

 飾りには遺跡で発掘された鉱物が使われてると商品説明に記載されてたが、学生が手軽に買える価格だったので本当かどうかは分からない。

 アズキがもう片方のペンダントを自分の首にかけると、

 

「気づいていたのですか」

「うん」

 

 アズキはうなずいて、

 

「私もなにかスタッグと絆の証が欲しかったから、ちょうどよくて」

 

 証が無くても、と言えればいいけど。

 

 アズキの過去を知ってから、さらにはセーラースタッグの秘密を知ってからスタッグの様子がおかしいのは明らかだったから。

 何かしないとって思ってはいたのだ。

 

「アズキ」

「余計なお世話だったらごめん。でも」

「いえ、ありがとうございます」

 

 スタッグはペンダントの鎖をぎゅっと握った。

 

「私、大事にします」

 





これで第7話は終了になります
今回は三つ巴の戦いを書こうとした結果、ロボトルシーンがものすごく長くなってしまいました
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