神の代行者(自称) 全てはあのお方の思し召すままに……と言いまくってたら引くに引けなくなった   作:ユタシ

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第37話 終わり始め……ない世界

 私はずっと世界を救うために頑張ってきた。

 

 

『私達と共に来い。イルマ』

 

 

 

 学生の時、ゴルザ君に誘われ、真神を知る七人の賢者(セブンクラウン)に入った。

 

 当時の国王、現在の魔法学園の学園長。沢山の天才がいた。

 

 私達はその場所で世界の真実を追い続けた。天明界と言われる、神源教団から派生して生まれた神の力を我がものにしようとする集団。

 

 

 そして、復活の兆しを持つ神々。それに対抗するために戦い続けたが私達は分たれた。

 

 

 内部分裂、膨大な敵への絶望、やる気の喪失。

 

 

だけど、私は世界の救済を諦めキレず、真神を知る七人の賢者(セブンクラウン)が消えてしまい、学生を卒業しても、

 

 

 

──世界の知り続けようとした

 

 

 

 

 

「その結末が……これだというの」

 

 

 

 空は黒に染まり、雨が降り始めた。自然に恵みを与える雨ではなく、世界を滅ぼす恐怖の雨だった。

 

 

 

「これが神の力……いえ、殻だけの力でこのスケール……。本物はもっと強いだなんて」

 

 

 

 破滅、破滅、破滅が世界と私に降り注ぐ気がする。世界は終わるしかないというの。

 

 

 あの時、最初から諦めていればよかったのだろうか。世界や神に対抗するなど思わなければ……

 

 

 海面から、異様な化物が出現し始めた。水が黒い羽を持つ怪獣のようになり空に飛び去っていく。あれは現存する全ての人間とその歴史を焼き尽くしてしまうだろう。

 

 

 神とその使い。その使いが空に飛び去っていく中で神が語り出した。

 

 

「私は神に最も近い、その配下である。遂にこの世界を滅ぼす日が、神を解放する日が来たのだ」

 

 

 

 海上に現れた球体。大きな瞳が私を見ていた。瞳の周りからは大きな海龍の口が触手のように接合している。

 なぜ、このタイミングであれは現れたのだろうか。

 

 

 その疑問にゼロ君のメイドが語り出した。

 

 

 

「あれが現れた理由は、何者かが神とその眷属を適合する魔法を開発したのでしょう」

「……天明界?」

「そうでしょう。彼等は神の力を自分の物にしたいと考えていた。神と融合し、存在そのものを喰らってしまうと思いついたのでしょう」

「神との融合魔法……?」

「古代にあった魔法ですが、それは不完全でした。古代の不完全を現代で使えるようにしたのでしょうね」

 

 

 

 

 なぜ、そんなことを彼女は知っているのか……メイドのレイナだったっけ? なぜ、こんなことを当然のように語れるのか?

 

 

 疑問が尽きない。

 

 

 

「過去にも神の力を自分の物にしたいと思う輩はいました。天明界はその頃存在はしていませんが、結局、人間の気質や欲望は変わりないのですね」

 

 

 

 彼女は少しだけ悲しそうな顔をしていた。世界が滅んでいく光景を彼女も私も、絶望し見ることしかできない。

 

 希望の光が消えていく……

 

 

 

「まぁ、昔なら滅びを悟り、虚しい戦いをするしかなかったでしょうね。私にできたのはせいぜい封印のみ……しかし、時代は変わったのです」

「え?」

「──来ますよ。聖神の夫が」

 

 

 

 聖神? 聖神アルカディア!? まさか、神に夫がいたというの!?

 

 

 

──るーるーるるるるるるるー

 

 

 

 

 暗黒の空に更に深い漆黒の黒鳥が羽ばたいてた。数は50羽ほど。それぞれが何かの降臨を讃えるように鳴き声を発する。

 

 不気味で自然と息を呑むような声だ。心胆から凍えてしまうような、別次元の、超域を超越した存在の気配が辺りに満たされた。

 

 

 

 

「来ました……代行者が」

「代行者ですって?」

 

 

 

 

 ──滅亡と破滅しかない世界と私の目の前に、代行者が現れた

 

 

 

 

 

◾️◾️

 

 

 

 

 かーみ、かーみ、私はかーみ! 神様!! 神様!

 

 

 さて、海底に来たのですが懐かしい場所であるなぁと思ったのです。昔、3000年前くらいでしょうか。

 

 祭りをやりましたね。まぁ、私の祭りなのにぼっちになってしまって、端っこで海鮮を一人で食べていたの覚えてました。

 

 

 

 本当に懐かしい……海王神も封印しましたねぇ。倒すのは無理だったので封印がギリギリだったんですよねぇ。

 

 

 その殻が深海にあるとは。まぁ、海の神であるわけですからね。あっても不思議ではないと言えますけど

 

 

 その殻に入り込んで神に近づこうとするとは考えましたね。古代、3000年前も神と融合しようとする悪魔や人間はたくさんいました。それが実際にできたのかは別問題ですらからね。

 

 

 あの海王神の眷属、私の封印を解く為に擬似的な神になったのでしょうね。全盛期の私の封印を解くには、【封印を解く特級魔法】、【その特級魔法を扱えるほどの実力】との二つが必要ですからねぇ。

 

 今回は後者を手に入れたのでしょう。全く、神の眷属も困った物ですね。

 

 

 

 

 

 

「あぁ、世界が終わってしまう」

 

 

 

 

 

 なーんて、考えていたらイルマ様が顔を絶望させて空を見上げています。確かに空に多数の化け物がいて大雨降って、擬似的な神がいたら絶望してしまいますよねぇ。

 

 分かります、分かります。嘗ての私も六大神がずっといるから、ストレス半端なかったです。ちょっと、髪の毛抜けたりしてましたしね。

 

 

 

 まぁ、封印してやりましたけどね。その頃って、ストレスで意味もなく泣いたり笑ったりしてて、人間から不気味がられてましたけど。だから、祭りでもぼっちだったんですけど?

 

 ぼっちの神ですけど、今はゼロ様いますし? 婚約決めちゃってますし?

 

 

 

 

「あぁ、この世界が終わってしまう……」

 

 

 

 

 すっごい落ち込んじゃってますけど。この人……確か旦那様の同級生の方でしたか。

 

 つまり、ゼロ様と私は結婚しますから……義理のお父様のご友人ということになる……結婚式呼ぶ範囲の人ですか。ならば、放っておくわけにはいきませんね!!!!

 

 

 

 ついでに色々と吹き込んで聖神アルカディアの信徒にしてあげましょう!!!!

 

 

 

 

──そんなこんなで、いつものようにゼロ様が登場しました!!

 

 

 

 

 

「あれが、代行者? 聖神アルカディアに夫が居たというのは聞いたことがないけど」

「知らないのも無理ありません。歴史は隠蔽されてますからね。あれが聖神の夫なのです」

 

 

 

 まぁ、未来で私と結婚しますからね、嘘は言っていません。嘘はついてはいけないと思っています。

 

 

 

「夫だなんて……代行者とは何者なの?」

「神の意志を代行している存在です」

「結婚をして夫だということは、古代の人間よね? 聖神アルカディアは3000年前に存在していたのだから」

「あ、え、えっと。私が神です」

「こんな世界が滅びそうな時に、冗談を言っている暇があるだなんて……」

 

 

 

 う、嘘じゃないのに!!

 

 

 

「まぁ、代行者は現段階で聖神の意志を代行し、他の六大神や天明界、教団と戦っているのですよ」

「そうだったのね。代行者……ゴルザ君がやっていたと思っていたのだけど……違ったのね」

 

 

 

 そういえば、元を辿れば代行者はゼロ様の父だったんですね。父子供揃って、私の代行とは関心ですね。

 

 

 

 

「代行者……ゴルザ君ではないとしたら……いや、まさか二代目?」

「代行者。あれは嘗てのとは違います」

「やはり、あの代行者は二人目なのね……。あの代行者、とんでもない魔力量……ゴルザ君よりも上だなんて見たことがないわ」

「旦那様ってやはり、そこまで?」

「それはそうよ。ゴルザ君は文字通り最強。神童とまで言われたの。学生時代だなんて凄かったんだから……入学初日で生徒会全員と決闘し、勝ってたわ」

 

 

 

 

 ゼロ様の父親だけありますね。因みにゼロ様は入学初日、向かっている馬車で天明界と戦ってましたし。

 

 適当に受けたバイトが偶々、天明界の実験場につながっていたり……やはり親子? 

 

 

 妹のイルザ様もトラブルメーカーですし、姉のアルザ様もなにやら行動が読めない時がありますし、母親のエルザ様も異様に体柔らかくて丈夫ですし、気配がなくて急に後ろから話しかけたりしてきましたし

 

 

 あれ? この家族やばいのでは……

 

 

 

 

 

 

「代行者……それに加えて、あの黒鳥。閃光のような速さで空をかけているわ……」

「あれは神鳥。聖神アルカディアの力を宿している鳥です」

「そんな存在が!?」

 

 

 

 

 まぁ、私は力与えてないですけど。ゼロ様の魔力食べたら化け物になっただけのカラスですけど。

 

 

 

 がっつり嘘ですけどね。私の力が元になっている凄い鳥という設定なら、私の信仰も上がりそうですし。

 

 

 あ、でも嘘って良くない……いや、ゼロ様の妻ですからね。実質一心同体です!!!!

 

 これは方便!! 嘘ではないのです!! 聖神アルカディアは嘘はつかないのです!!!

 

 

 

「神鳥だなんて……聞いたことないわ」

「歴史とは常に捻れるのです。歴史とは勝者が語ります。聖神は六大神を封印しましたが、眷属は残り、戦いには敗れたと言っても過言ではありません。故に歴史は変えられてしまった」

「そう……確かにそうかもしれないわ」

「しかし、今まさに聖神は再び息を吹き返しています。代行者の活躍により……」

「そう、そうだったのね」

 

 

 ここだ! 今ここで聖神アルカディアの信徒に!!

 

 

「今なら! 聖神を信仰すると代行者の仲間になれるかもしれません! 聖神を信仰しましょう!! 入信票とかいります?」

「いや、私はいらない。もう少し、見ていたいの」

「え、あ、そうですか」

「あの代行者……神の代行を名乗る者の輝きを。それを見てから決めるわ」

 

 

 

 

 っち、少し焦りましたか。まぁ、ゼロ様の活躍見たら信徒になることは間違いないでしょう。

 

 

 さぁ、ゼロ様、やっておしまい!

 

 

 

 

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