剣になれる銀髪美少女を助けた俺は何でも屋を始めることにしました 作:加藤あきら
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結論から言って、いつも通りの日常――いや、いつも以上にオブライエンさんは頭に血が上っていたと思う。
今日行われた
だけどオブライエンさんはどうもこの変化魔法が苦手らしく、猫ちゃんの毛並みはそのままにグラスの形を模っていた。しかも尻尾が残っていてフリフリ振るっていたから、ちょっと気色悪い物が出来上がってしまったからもう大変。
いつもにもない絶対的な敗北に、オブライエンさんは涙目になっていた。本当は悔しくて泣き出したいんだろうけど、そんな無様な姿を人前に晒す事などできるはずもなく、その授業は静かに過ごしていた。
一体、私はどうすれば良かったのかな?
手を抜いてオブライエンさんに勝たせてあげるのも、上から目線で相手を侮辱してるに他ならないし……。
だから私はいつも通りに魔法を使った。
そしてたまたま、今日の授業がオブライエンさんが苦手な魔法だっただけ。
だったら、私が取れる選択肢は?
サカイさんたちは、なんて言ってたっけ?
――何なら、マクファーレンさんがオブライエンさんに魔法を教えてあげたらどうだい? 提案の仕方とか教え方に気を付ければ一気に距離を縮められるかもしれないよ。
そうだ。私がオブライエンさんに今回の変化魔法について教えてあげればいいんだ!
ただ、どうやってオブライエンさんに言うかだよね。下手するとオブライエンさんの感情を逆なでして怒らせてしまうかもしれない。
うーん。うーーん。うーーーん。
もう分からないよ! 当たって砕けろ!
だけど学校内にはオブライエンさんの姿が見当たらない。どうやらもう帰ってしまったらしい。
しょうがない。教えるのは明日にして、今日はあいさつについて何でも屋にクレームを入れに行こうっと。
その道で、私はとんでもないモノを目撃してしまった。
「え、何あれ……」
そう呟くだけで体が動かなかった。
私には魔法の才能がある。どんな魔法だって使える。攻撃魔法も、治癒魔法も、飛行魔法も、難易度の高いゴーレム生成だってできる。
私は魔法については誰にも負けない自信があった。
だけど、今この瞬間――私はまだまだ見習いだって事を実感した。まだまだケツの青い半端者だったんだ。
だって。
オブライエンさんが襲われているのを、私はただ呆然と見ているだけなのだから。
「な、なんで? 私、なんで立ち止まったままなの? なんでオブライエンさんを助けようとしないの?」
ガクガクと足が震えて、口の中が苦くなって、涙があふれてくる。
どうにもできない自分に腹が立って、余計にどうすればいいのか分からなくなる。
オブライエンさんは抵抗し、暴れようとするが、男たちはそれを力づくで抑え込み、大きな車へと押し込んだ。
あれは間違いなく誘拐だ。魔法使いの名家、オブライエン家の娘となれば、それはそれは良い身代金を要求できるだろう。
そこまで冷静に考えることが出来て、なんで私は彼女を助けることが出来なかったのかな……。
白い車が動き出すまで、私はただ物陰に隠れて震えていることしか出来なかった。
オブライエンさんを助ける力はあるのに、体が動かなかった。
最低だ。
ゴミクズ以下の存在だ、私は。
何が友達が欲しいとかぬかしているんだろう。友達になりたいと思った人を助けられもしないのに、そんな事を求める私は自分勝手すぎる。
……このままじゃダメだ。
私ひとりじゃ、どうすることもできない。だけど、あの人たちなら、何とかしてくれるかもしれない。