【完結】機動戦士ガンダムSEED Infancy   作:丹寺 錯視屋

55 / 84
 オリジナル機体出てきます。ちょうどいい機体がどうしてもなかったので出します。


奏でられた鎮魂歌

 レクイエム。ダイダロス基地にある大量破壊兵器。月の真裏に建設された巨大なビーム砲である。凄まじい威力を誇るそれは砲塔のようなものが一切なく、ただ真上に撃つことしかできないという致命的な欠点を抱える。だがこれが直上しか撃てないポンコツ兵器かといえばそんなことはなく。月周辺に秘密裏に存在する円筒形の廃棄コロニー……その中心部は巨大なゲシュマイディッヒ・パンツァーとなっており、中を通ったビームを屈曲させることができる。

 複数の屈曲用円筒形コロニーを中継することで、本体は月の裏側にありながらもありとあらゆる場所に巨大ビームを照射できる戦略級の兵器である。

 

 ――そして、ジブリールの指示で放たれたその一射は。

 

 直撃したヤヌアリウス・ワンからフォーの4つものプラントコロニーを貫いて完全に崩壊させ、崩壊に巻き込まれる形でディセンベル・セブン、エイトの二つを失わせる未曾有の事態に陥った。

 ――円筒型中継コロニーの存在を嗅ぎつけたザフトが戦わなければ、プラント首都、アプリリウスがそうなっていたのだ。

 プラント全市民にとっての悪夢、血のバレンタインを上回るほどの死者。ジブリールに言われるがままにその引き金を引いたのはやはり、大西洋連邦の大佐だった。

 

 ――オーブ港。一時的に停泊しているドミニオンの隊長室で、ミーシャは暗い顔をしていた。はぁ、と重々しいため息を吐く。

 

「なにもかんがえたくない」

「――同感だ」

 

 ナタルも珍しく椅子に座ってぐったりしている。ネオも同じように背もたれに背を預け、天井を見上げている。3人とも一様に生気がない。

 

「……ミーシャ、あの兵器、レクイエムって言ったか。わかるか?」

「なにもかんがえたくない」

「……そうはいかねぇだろう……」

 

 はぁ、と3人してため息を吐く。

 

「……状況を改めて整理するぞ」

「ヤダ」

「ジブリールが月基地……ダイダロス基地に向けて通信をした。基地司令に向けて、内容は大雑把に言うと『月には行けなくなったから騒ぎを起こせ。鎮魂歌が我らを導く』だったか」

「ヤダっていったのに……! むだにポエミーなのむかつく。しねばいいのに。――ころしたんだった」

「で、そのレクイエムってのが……」

「ダイダロス基地にある巨大ビーム砲。直上にしか撃てぬ代わりに絶大な威力を誇る。そのビームをゲシュマイディッヒ・パンツァーを搭載した中継コロニーを何度か屈曲させてプラント6基を完全に崩壊させた。

 

 生き残りはゼロだ」

 

「ううううう……!!」

 

 ミーシャは頭を両手で掻きむしる。信じられない。信じたくない。ほんの一瞬で途方もない数の人が死んだ。たった一条のビームが何十万人という人を殺した。それを大西洋連邦の人間がやった。頭がおかしくなりそうだ。また悲鳴が。また悲劇が。しかも直撃で死んだ人は少ないはず。空気が抜けていって窒息したり宇宙に投げ出されて漆黒の海の中凍えて死んだり。残酷で苦痛に満ちた死に方ばかりだっただろう。

 取り乱すミーシャに悲痛な顔をしながら、ナタルは続ける。

 

「ギルバート・デュランダルはこの無差別攻撃に対して地球軍大西洋連邦を強く批難。該当兵器の無力化を掲げダイダロス基地へ侵攻……ミネルバを中心に攻め込まれダイダロス基地が完全に掌握された。これが今の状況だ」

「……さいあく」

 

 ミーシャはそう言うと机の上にべしゃりと潰れるようにして脱力した。

 

「……レクイエム……ザフトが掌握してるよね」

「まぁ……デュランダルならやるだろうなぁ」

 

 ネオとミーシャの推論に、ナタルも頷く。

 

「デュランダルはもう後がない。勝てるはずのオーブ攻めに失敗し、まんまとレクイエムを撃たせてプラントを崩壊させた。ヤツがどこまで知っていて、どこまで手のひらの上なのかはこの際どうでもいい。だが今奴は政治的にもうギリギリのはずだ。追い詰められた人間が大量破壊兵器を持てば何をするかもはや言うまでもない」

「使うに決まってるじゃん。もしデュランダルがレクイエムを脅しに使わず綺麗さっぱり解体したって言ったら私地球軍辞めてデュランダルの犬になる」

 

 ミーシャはため息を吐く。酒を、切実に酒を飲みたかった。麻薬でもいい。とにかくこのどうしようもない不快感と嫌悪感を拭うなにかであればそれでいい。

 

「……またキラに抱いてもらおうかな」

「そういうことを冗談でも口にするな」

「ごめんなさい。ラクスに悪いか」

 

 ミーシャはそれもそうか、と思った。2年も甲斐甲斐しくお世話して付きっきりで付き添ったのにいきなり昔の女が出てきて関係を迫る……ラクスがどんなに優しい人でも刃物が出てくるかもしれない。ミーシャなら戦闘中に誤射ってしまうかもしれない。

 

「……そういう意味ではないのだがな」

 

 ナタルはため息を吐く。レクイエムという虐殺兵器が使われたかと思うと瞬く間にザフトに奪われたと知ってからこっち3人のため息は尽きることがない。

 

「……そして、だ。アスハ代表は正式にメディアを通じ先の一方的な侵攻の件でザフトに対して抗議の放送をして……」

 

 ここからの話は頭が痛くなる。ナタルは痛む頭を押さえながら言う。

 

「ラクスの偽物が放送をジャックして『ジブリールを庇うんだから撃たれても仕方ないんじゃないか』みたいなことを言おうとしたところでもう一回放送がジャック。本物のラクスが出てきてそいつが偽物だって糾弾したと。あの放送、右下に偽物の様子がずーっとワイプで表示されてたのにはプロの手口を感じたね」

 

 あれはあまりに憐れだった。消すこともできただろうに、狼狽するしかない偽物の様子を映していたのだ。まぁ、ミーシャも今ならラクスの気持ちがわかる。自分と同じ声で同じ顔で、そして自分を名乗られる。徹底的にどっちが本物かを周囲に喧伝したくてたまらないだろう。むしろ放送で済ますあたりやはりラクスは優しい。ミーシャなら何が何でも殺しにかかるだろう。

 まだミーシャのクローンは世界に出ていない。だが、もうすぐミーシャは自分のクローンをどうするのか考えなければならなかった。考えてくれる上はもうほとんどいない。戦時任官の限界が佐官までと決まっていなければ少将への昇進が考えられていたらしい。絶対に阻止してやる。

 ――勝手に作られていた自分のクローンの処遇を考えなければいけないのだ。頭痛がしそうだった。人の死に、自分のクローン。そしてどこにでも撃てる大量破壊兵器。狂いそうだ。

 

 ミーシャはバッと立ち上がると部屋から出る。

 

「ミーシャ?」

「もううじうじするのやだ! キラに会いに行く! ついでだし、あの子達も顔合わせさせとく!」

 

 ミーシャはネオとナタル、二人の返事も聞かずに駆け出した。

 残されたナタルとネオはお互いに顔を見合わせる。

 

「……俺、実はアークエンジェルの艦長殿に話があるんだ」

「その話実に興味深い。私も同行しても?」

「……了解」

 

 ナタルとネオも連れ立って部屋を出た。

 

 ミーシャは部下3人を連れてアークエンジェルに乗り込んでいた。

 

「わー! なっつかしいー! 本当に久々!」

「ここが隊長が初めて戦った艦か……」

「なんていうか、当然だけどドミニオンとあんま変わんねぇな」

「うん……」

 

 ミーシャは格納庫で待ち合わせをしていた。別に、キラとはそんな畏まった関係ではないと思っていたし、相手もそう思っていた。

 

「あ! キラー!」

 

 格納庫の向こうからキラ……と、ラクスとカガリ、それからアスランが歩いてきた。ミーシャがげ、と気まずそうな顔をした。今カノと元カノの邂逅である。修羅場の予感がする。

 

「ミーシャ……こうして会うのは久しぶりだね。元気だった?」

「うん、まぁ……」

 

 歯切れの悪い挨拶をすると、アウルがずい、とキラとミーシャの間に割り込んだ。二人の年はそんなに変わらないように見える。

 

「……?」

「あんたが、キラ・ヤマト?」

「……そうだけど……君は?」

「僕はアウル・ニーダ。……あんた、どんなヤツかってずっと想像してた」

「想像の僕はどんな人だったの?」

「頭のねじが2、3本外れたイカレ野郎だと思ってたよ。隊長に近づいたら撃ってやろうと思ってた」

「君は……ミーシャのこと、ちゃんと大切に思ってるんだね」

「あんたよりはね。……思ったよりなよってしてて……拍子抜けしたなぁ」

 

 アウルはそれだけ言うとキラから離れてスティングとステラの傍に戻った。

 

「……ごめんねキラ、ウチの部下が」

「ううん……。ちょっと安心した。君を心配してくれる人、いるんだって」

「ま……それくらい私にだっているよ。えっと……その、ラクス」

 

 ミーシャは恐る恐る、キラの後ろで不安そうな顔をしているラクスに声をかける。ミーシャが近づくと、ラクスは表情を取り繕ってほほ笑んだ。

 

「はい、お久しぶりです、ミーシャさん」

「久しぶり。その、言いたいことがあって。私、もうキラに未練はないし……もうまた言い寄ったりしないからさ。その、不安にならなくて大丈夫だよ」

「……そうですか。ミーシャさんは想いを寄せる方はいらっしゃるのですか?」

「え、私? いないいない。恋愛はしばらくいいかな。なんかクラスメイト達は手をつないだりデートしたりで一喜一憂してるのに……私なんか、すぐエッチなことまで頭行くからさ、恋愛観全然男子と合わないんだよね。男子まだ全然ガキっぽいし」

 

 あはは、とおどけてミーシャは言うが、キラは表情を曇らせた。自分がこんな風にしてしまった。そう傷ついている顔だ。

 

「キラ、自分を責めないでよ。あんときはあれが私の救いだったの」

「もっと、やりようが……」

「なかったと思うよ。もう、相変わらず暗いんだから。もっとしゃきっとする!」

「ごめんね、ミーシャ」

 

 もう、とミーシャは腕を組んで不満をあらわにする。自分はこうしていいって言っているのにいつまでも引きずって。ミーシャはラクスとカガリの傍に近づくと、二人を見上げる。

 

「今後のこと、話したい。まず、これからのデュランダルの動きについてだけど……」

「ああ。私はおそらく確保したレクイエムを使って何かをするのだと思う」

「――参考になるかどうかはわかりません。しかし、『デスティニープラン』という計画を、議長は研究者だったころに考えていたようです」

「デスティニープラン? 運命……『俺が世界中の人間の運命を規定する!』とか? ……そんなマッチョで支配的なこと考えるかな」

 

 ミーシャはそう言いつつ、内心では苦い思いをしていた。かつて議長に聞かされた『恒久的和平のための計画』。ミーシャが聞かされた計画は大雑把に言うと以下の通り。

 ロゴスをスケープゴートに民衆をまとめる。バレンタイン派以外のロゴスメンバーを捕縛、殺害した後にデュランダルが全人類を導く政策を以て恒久和平に導くと言ったものだ。その具体的な政策は教えてもらえなかった。やはり、思想だけの、形だけの同盟など子供だましにすぎないのだろう。

 

「マッチョって言うのかこの場合? ……だが確かに議長はそう言う事考えてそうには見えないな」

「人は、誰しも見えない闇を抱えているものですわ」

「アイドルが言うと説得力あるね」

 

 ミーシャが言うと、ラクスは曖昧にほほ笑んだ。ミーシャの言う通り、芸能世界はちょっと足を踏み入れると闇が溢れている。ラクスはその持ち前の歌唱力と魅力で闇に囚われずに済んだが、実力不相応な地位や名声を求め深い闇に落ちていった人の話を何人も聞いた。

 

「彼は数日中に行動を起こすと思います。その際に私たちがどう動くか……あらかじめ決めておいてもよいのかもしれませんね」

「オーブとしては宇宙に上がって即応体制を取りたい。今のザフト宇宙戦力は脅威だ」

「地球連合大西洋連邦としても宇宙行きかな……。地球の戦力はボッコボコにしたから攻勢には出れないでしょ。宇宙の地球連合戦力はガタガタだから支援しないと。あー、一旦ワシントンで補給受けてビクトリア基地で宇宙かな」

「では……エターナルはアークエンジェルと連携して動くことにします」

 

 ラクスの言葉にカガリは頷く。

 

「私はここに残るが……ラクス、ミーシャ。議長が何を考えているのかはわからんが、警戒してほしい」

「あー、確かにせっかく掌握したのにまた宇宙ってなるとね」

「そういうことだ。私だって戦えるっていうのに」

「いやいや、国家元首が最前線とかないんじゃない?」

「むう……」

 

 カガリは少し悔しそうだった。みんなが戦う中自分は安全な後ろで座っているだけ。もどかしいったらない。だが今カガリがオーブを離れるわけにはいかない。ミーシャと共に守ったとはいえ被害は出ているのだ。復興を優先するべきだとわかっているのだが、それでも……逸る気持ちが、置いて行かれるような気持ちが、悔しくて辛い。

 

「カガリさん。戦うことをできる人はたくさんいます。しかし、オーブを指揮し、オーブを護るために政治を動かせるのはカガリさんしかいないのです。私は宇宙で、カガリさんはここで。お互い、役目を果たしましょう?」

「ん……そうだな。ありがとう、ラクス」

 

 二人はほほ笑み合う。どうやらミーシャが見ないうちにラクスとカガリは仲良くなったらしい。なんだか微笑ましく思う。

 

「ん。じゃあ、そんな感じで。難しい話は終わり。楽しい話しようよ。ラクスってキラとどこまでいったの?」

「……あの、ミーシャさん。私、そう言った話は……」

「えー? 気になる! ずっと一緒に暮らしてたんでしょ? ……あ、でもキラの両親と一緒じゃ手も出せないか。――っていうかキラって()()の? 鬱病ってそういう欲が減るって――」

「――あの、ミーシャさん、私そういう話をこういう場所でするのは……」

 

 ラクスがやんわりと断ると、ミーシャはしまった、という顔をした。

 

「ごめんね、ラクス。じゃ、また暇なとき……ううん、今回の件が落ち着いたら、一緒に話そう? そういう話、ラクスとたくさんしたいな」

「ええ。……是非」

 

 ラクスが言うと、ミーシャは笑う。嬉しそうな、弾けるような笑顔だ。

 

「……ミーシャさん、お願いがあるのです」

「ん? 何?」

 

 ラクスはそれを言うのを物凄く躊躇った。自分の事情に彼女を巻き込むのは非常に辛い。だが、彼女なら……。

 

「私の声と名前を使っていた人……ミーアさんとおっしゃるのですが、彼女を――」

「殺すの?」

「――保護したいのです。ですから、どうか私たちが彼女を保護するのを手伝っていただいてもよろしいでしょうか?」

 

 ミーシャは頷く。

 

「まぁ、要人警護くらいなら……」

「私からも頼みがあるんだ。大西洋連邦との同盟についてなんだが」

「そっちはアズラエルさんか大統領に言ってね」

「……ムルタ・アズラエル……ブルーコスモスの盟主か」

 

 気が重いな。カガリはそう呟くと頷いた。

 

「えーっと……じゃあ行動の整理をしよっか。これからラクスたちはアークエンジェルで宇宙に行く。宇宙で私と合流してミーアっていう人を助ける」

 

 ラクスは頷いた。

 

「カガリはオーブで復興支援」

 

 カガリは頷く。

 

「私は一旦ワシントンへ行ってからビクトリアで宇宙に上がってラクスと合流、って流れかな。……で、そのミーアさんって人どこにいるの?」

「月面都市、コペルニクスですわ」

 

 ミーシャの顔が苦いものに変わる。ラクスの表情は揺るがない。

 

「月面都市……? 今月に近づいて大丈夫かな……」

「ええ。ですから、アークエンジェルで共に参りましょう」

「まぁ、ザフトとオーブは直接戦争してるわけじゃないから……見つかっても大丈夫かな」

 

 ザフトがオーブを攻めたのはロゴス打倒という大義名分があったからだ。仮にザフト戦艦に見つかったとしてもいきなり攻撃されるということはないだろう。

 

「はい。ドミニオンとエターナルはこの近傍で待機していただくことになりますわ」

「そっか。まぁ……ミーアさんって人保護出来れば議長への切り札になるかな。政治的に人殺すのは初めてだね。よし、やろう」

 

 デュランダルが今どこにいるのかミーシャにはさっぱりわからない。だが、ミーアを確保さえできれば、デュランダルに対して有効打を与えることができるはずだ。まるで手札がない今、藁をもつかむ思いだが……やった方がいいのは間違いないように思う。

 ミーシャは頷くと二人と別れる。

 

「よし、みんな帰るよー、宇宙に行くよ!」

「宇宙!? なんだよ海ねえじゃん」

「地面もない……」

「はいはい、みんな仲良くウィンダム乗るの。時間あったら好きな色に塗っていいからさ」

 

 ミーシャ達はそんな会話をしながらドミニオンに戻っていく。その背を見ながら、キラとラクスが話す。

 

「――彼女は、変わらないね」

「はい。彼女はとても明るくて……あの時のままでした」

 

 ラクスとキラは二人、寄り添って話す。肩と肩が触れ合うほどに近く。しかし、二人は男女の仲ではない。

 ……ミーシャが不思議に思うのも無理はない、複雑な関係だった。

 

 ――ワシントン基地、地下格納庫。

 

 ミーシャはアズラエルに連れられて、秘匿された格納庫に来ていた。

 

「なんで教導隊基地にこんなのが?」

「ミーシャのお膝元ですからね。それに教導隊基地となると各国の目も甘くなりますのでちょうどいいんです。――『コレ』、思いっきり条約違反なので」

 

 ミーシャの目の前にはディアクテブ状態のモビルスーツが一機、佇んでいた。ミーシャ専用の新しい機体である。

 

「なんとか間に合ったようで本当に良かった……。説明は必要ですか?」

「うん、お願い」

 

 ミーシャが頷くと、アズラエルは目の前の新型に対して説明をしていく。全く新しい装備を持った、ミーシャの為に作った機体を。

 

「名前は……『バスターフリーダム』。基本はフリーダムのスペックアップです。肩部にはファントムペインで使っていたヴェルデバスターの肩部パーツを改造して装備しています。そのままだと羽が広げられないのでね……。フリーダムに加えて二門、砲塔が追加されています。ミサイルポッドもです。大きな変更点はこの辺ですね」

「……腰回りのこれ、何? スカートみたいに見えるけど」

 

 細長い板のようなパーツが複数個、バスターフリーダムの腰部をぐるりと囲んでいて、それは遠くから見たらスカートに見える。板のようなパーツの数は10個。

 

「宇宙用装備です。シールドドラグーンと開発中は呼んでいました」

 

 ごにょごにょと、アズラエルからその装備の使い方を説明されるとミーシャは怪訝な顔をする。

 

「……マジでそんなことでき……るからアレがあるのか」

「そういうことです。これがあればあなたは本当の意味で『魔弾』と呼ばれることになるでしょう」

「……いいね、それ。でも私にできるかな」

「ドミニオンのシミュレーターにデータをインストールしてあります。慣熟訓練はそれでお願いします」

「スペックは最強レベルに仕上げくれてるんだよね?」

「もちろんです。今の地球連合最高峰の機体ですよ」

 

 ミーシャはその機体を見上げて、頷く。

 

「……これで負けない」

 

 彼女の脳裏にはデスティニーとレジェンドが浮かんでいた。彼らとは戦うことになるだろう。

 

 ――戦いたくなくても、ミーシャは戦う。新しい機体、バスターフリーダムと共に。




 バスターフリーダム

 大半のフォルムはフリーダムそのままで、肩パーツだけはヴェルデバスターのものを使って火力向上を図っている。ヴェルデバスターの肩部スラスターをカットして背面部に対する干渉部分を減らし、追加された追加のビームライフルと散弾砲は肩パーツの上部ではなく横に備え付けられているなど細かい変更点がある。
 追加兵装として、腰部をぐるりと囲むようにシールドドラグーンという、細長いドラグーンがある。このドラグーンに武装はなく、開発中はミーシャの防御能力向上のためにと作られた。アズラエル曰く、独特の使い方があるらしい。
 見た目はベージュ色で、細長い板のように見える。

 感想評価お待ちしております。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。