おじさんとショタと、たまに女装   作:味噌村 幸太郎

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46 脱いで……

 

「やっぱり、暑いから脱いじゃおうっと!」

 

 どうやら航太はアルコールを飲んだせいで、身体の血流が良くなったようだ。

 顔を真っ赤にして、ヘラヘラと笑っている。

 

 今、俺の部屋は暖房など、一切つけていない。

 年末に入ったし、寒いに決まっている……。

 だが、目の前に立つ少年は、体操服を勢いよく脱ぎ捨てる。

 

「あ~ すっきりした。おっさんも脱いだらぁ~?」

 

 そう言って、胸を張る航太。

 畳で座っている俺からすると、どうしても二つの蕾が目に入ってしまう。

 小麦色に焼けた肌とは違い、ピンク色の小さな蕾だ。

 

 ダメだ!

 見惚れている場合じゃない。

 早く彼の体内から、アルコールを出してあげないと。

 このままでは、危険だ。

 

「こ、航太……あのな、お水でも飲まないか?」

 

 下から彼の小さな顔を眺めていると、なんとも変な気分だ。

 まあブルマ姿で、上半身は裸だものな。

 今、誰かにこの場を見られてしまったら、言い訳できない状況だ。

 

「えぇ~? いらなぁ~い! それより、もっと楽しいことをしようよ!」

「へ?」

「待ってて……今、持ってくるからぁ……」

 

 

 恐らく、生まれて初めて飲んだお酒だったのだろう。

 千鳥足で部屋の中を歩いている。

 

 しばらく待っていると、先ほど壁に飾りつけをする際に使った、トートバッグを持って来た。

 

「あのね……この中にいいもんが入ってるんだ」

 

 トートバッグの中を見るために、しゃがみ込む。

 

「ごくん……」

 

 それを見た俺は、思わず生唾を飲み込む。

 両脚を左右に大きく広げているため、ブルマがよりフィットしているからだ。

 もちろん、小さな”彼のシンボル”もだ……。

 

 おまけに酔っぱらっているから、ブラウンの大きな目はとろんとしている。

 まるで……俺を誘惑しているような。

 

 

「じゃ~ん! これだよ!」

 

 彼の声を聞くまで、我を忘れていた。

 

「ど、どうした? 航太?」

「見て見て~ この前の喫茶店のマスターからもらった、”紙風船”だよ!」

「……」

 

 そうだよな、中身はまだ子供だから。

 いくら酔っぱらっても、大人の俺みたいな考えには至らないよな。

 だって、クリスマス・パーティーだし……。

 

  ※

 

「おい、航太! そんなに走り回ったら危ないぞ!」

 

 泥酔した航太は、俺の声が聞こえていないようだ。

 

「ははは! この紙風船ってけっこう頑丈だぜ!」

 

 自身の唇で膨らませた紙風船を、手の平で叩いて遊ぶ。

 もう、かれこれ10分ぐらい遊んでいると思う。

 航太も中学2年生だというのに……脳内はまだまだ子供だな。

 

 しかし、着ている格好が良くない。

 体操服は脱いだままだし、下半身は紺色のブルマだ。

 

 最近、見かけないが……。あのクラスメイトに、この場を見られたら通報されるだろう。

 そろそろ、彼に体操服を着させるか。

 畳に落ちていた上着を拾うと、ゆっくり立ち上がる。

 その時だった。

 パンッ! という破裂音が部屋に響き渡る。

 

「あっ……割れちゃった」

 

 どうやら、彼が気に入っていた紙風船が割れてしまったようだ。

 驚いた航太はその場で、呆然としている。

 

「割れたなら仕方ないさ。また買えばいいだろ?」

 

 そう言って、彼の頭に体操服をかけようとした瞬間。

 いきなり航太が振り返る。

 じーっと俺の目を見つめて、何か考えているようだ。

 

「どうした?」

「あのさ……おっさんの口にも息を吹きこんだら、紙風船みたいに膨らむと思う?」

「なっ!? 何を言って……」

 

 彼は酔っぱらっている。

 だから急に変なことを言いだしたんだ……だって、おかしいだろ。

 唇を使って、息を吹きこむなんて。

 

 戸惑う俺を無視して、航太はゆっくりと近づいてくる。

 頬を赤くして、微笑みながら……。

 気がつけば、俺の首には褐色の細い腕が回されていた。

 

「こ、航太……?」

「いいじゃん、試そうよ」

 

 身長も低いし、華奢な体型だ。

 嫌だったら突き飛ばせいい……のに、出来ない。

 彼に言われるがまま、俺は身を任せてしまう。

 

「んん……」

 

 第一印象は、酒臭かった。

 でも、それよりも彼の唇が柔らかくて……。

 小さくて愛らしい。

 

 元カノの未来よりも、甘いキスだと思った。

 ここまでやったら、止めることが出来ない。

 

 今まで、抑えていた感情が湧き出る。

 小麦色に焼けた背中へ手を回して、優しく抱きしめる。

 それだけじゃ我慢できなった俺は、手を腰へ下してしまう。

 

「っさん……」

 

 唇を重ねて、初めて航太の声を聞いた。

 あまりの気持ち良さに、彼を無視していたことに気がつく。

 

「悪い、航太……これは、その……」

「あのね……なんか、頭がフワフワして……」

「え?」

「もう無理かも……」

 

 そのまま、立って眠ってしまった。

 胸の中で眠る航太を見て、ようやく理性を取り戻す。

 

「なにやってんだ、俺は!」

 

 とりあえず、自身の頬をビンタしておいた。

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