松田さんのイマジナリーフレンド()な私 作:ネギトロたべたい
ピクシブで投稿していたものをこちらにも載せています
ーー皆さんは、幽霊の存在を信じていますか?信じているか否か、これには様々な意見があると思うが、私は信じていなかった。なんならお盆は茄子とキュウリに爪楊枝をブッ刺す行事でしょ?それでご先祖が帰ってくるわけねーじゃん、茄子とキュウリが勿体ないからさっさと浅漬けにでもしよーぜ的な何と言うか…すごく罰当たりな認識をしていた。この状況はお盆を馬鹿にしていた私への罰なのかもしれない。
何故このような話をいきなり始めたか、だって?そりゃ、誰だって夜帰ってきて普通に寝たハズなのに起きたら知らない赤ちゃんを抱っこした女の人が目の前にいたらビビるし知らない誰かでもいいから思わず話を聞いてほしくもなるわ。しかも死んだ覚えも無いのに体が透けてるしフヨフヨ浮いているっていうね。後何か赤ちゃんの方と繋がり?的なものを感じる。
…これはあれか、赤ちゃんが大きくなったら「ーー問おう。貴方が私のマスターか?(キリッ」とかやるやつか?もしかしたらファンタジー要素がある世界かもしれないと壁を通り抜けるという新鮮な体験をしながら外に出てみると冬木大橋が存在しない普通の現代の日本の光景が広がっていた。そういえば病室の設備も近代的でしたね…。現実は非情であることを思い知り、落ち込んで元の場所に戻ろうとすると目に入ってきたのは「米花中央病院」というこの病院の名前。…察した。
「嘘やろ工藤……」
ーー拝啓、お母さんへ。
死んだ覚えはありませんが、先立つ不幸をお許し下さい。
この度、私は異世界転生でもしたのかと思いきや、名探偵コナンの世界にトリップ?してしまったようです。何故か幽霊状態になって。生きている状態でこの日本のヨハネスブルグにトリップした場合すぐに殺されそうなのでそれは別に良いのですが。とりあえず、幽霊なりに頑張っていこうと思います(白目)
……ちょっと待って。戻ってきて気付いたけど、病室のネームプレート「松田」ってまさか…警察学校組の1人で、最期は市民を守るために観覧車で爆弾とランデブーしたあの松田さんの関係者!?…いや待て落ち着け私。松田という名字の人は全国に何人もいるし、この女の人が私の知っている松田さんの関係者とは限らな「陣平ちゃん、オムツ替えようねー」…おうふ。
「マジかよ工藤……」ヤベ、このままだとどこぞの高校生探偵みたく語尾が工藤になりそうだ、気を付けよ。
フルネームが松田陣平で、天パで、幼いながらもものすごく整った顔立ち。間違いなくあの松田さんですねありがとうございます!ショタ状態の推しが育っていくのを近くで見守ることが出来るとか幸せ過ぎない?これも私の日頃の行いが良かったからだよね!…え?さっきはこの状態は私への罰かもしれないとか言ってたのに手のひらを返しすぎって?あははー、何言ってるか分かんなーい!…キッツ、柄でもない台詞言うんじゃなかったわ……
「あー」ん?何か松田さんがこっちに手を伸ばしているような…まさか、見えている?
「どうしたの?」松田さんのお母さんには見えていないのか。
「だぁ!」近づいて手を近付けると私の人差し指を握って花が満開に咲いたかのような笑顔を見せてくれた。推しが、私に笑顔を向けてくれている!やっべ、尊すぎてやばい。普通に嬉しすぎるわ。…あれ?私は幽霊状態なのになんで指を握ることが出来たんだろう…もしかして、さっきから感じている松田さんと何かの繋がりがあるから?やっぱり松田さんはマスターなのか?聖杯戦争とかしちゃう感じ?
ーーそして月日は流れ。その間に色々試した結果、
・霊体だと陣平以外には視えないし触れないし聞こえない
・ずっとは無理だが実体化できる。(一度霊体に戻れば再び実体化できるし、年々実体化できる時間が増えている)
・実体化しているときにモノ(人間を含む)に持った状態で霊体化すると持っているモノも霊化する
・霊体でも実体でも陣平とテレパシーができる(サーヴァントとマスターの念話的な)
上記の性質が判明した。私にとって一番衝撃だったのは実体化して鏡を見るとそこに陣平が映っていたことだ。目の錯覚を疑ったが私の頬をつねると鏡に映った陣平が頬をつねっているので目の錯覚という可能性は消え失せた。私が実体化して陣平の隣に並ぶと双子にしか見えない。ちなみに私の服装は霊体だと自動的に陣平と同じになるので私が実体化して着替えない限りいつもお揃いだ。嬉しいけど少し照れる。
ん?なんで名前呼びになったか?…いくらなんでもショタな推しに松田さん呼びするのはちょっと…。そもそも私の名前「松田 陣」になったし。陣平に名前聞かれた時に(今の体は)名前無いって言ったら「じゃあおれの名字と、名前を1文字あげる!おまえは今日から松田 陣だ!」ってさ!カッコよすぎにも程がある!尊すぎて鼻血が出るかと思った。未来のイケメンはかわいいショタの頃からイケメンだったよ…。喜んでその日から私は「松田 陣」と名乗っている。今のところ名乗る相手いないけど。
元々、私も陣平も私が実体化出来ることは分からなかったから、自分以外に私が見えないことを知ると陣平は誰にも私の存在を明かさなかった。ところが、ある日陣平が階段で足を踏み外して落ちかけて、焦った私が必死で後ろから陣平の襟を掴んで事なきを得たので私が実体化できることが分かった。まあ、今さら「ぼくは陣平の双子の兄でーす!」とか出来ないので今のところ陣平と2人きりのとき以外に実体化したことはない。
いつも霊体で陣平の近くを浮いているから実体化するのは楽しいけど、主人公の前では絶対実体化したくないな…だって名前呼ばれたらアウトじゃないか?黒の組織随一のポエマーの本名(?)と名前が同じだし、なんなら漢字まで同じ!絶対怪しんで色々聞いてくるよ!原作見ていて思ったけど、プライバシーという概念を知らないのか??もれなく盗聴機と発信器もついてくるというオチなんだろ俺は支部によくある展開には詳しいんだ。
ちなみに、原作で何故松田さんがサングラスをかけているかは分からないが(ベビーフェイスを隠すためだと私は勝手に推測している)、陣平がサングラスをかけている理由は、「視線がバレないように」だ。今でこそ陣平は私と念話するときに目線を向けることは無くなったが、昔は声こそ出していなかったが目線がこっちに向いていた。そのため、学校で松田くんにイマジナリーフレンドがいる説が浮上してしまった。その説を消し去る解決法として陣平が選んだのがグラサン装備だった。確かに視線を遮ることできるとは思うけどさ、少し崩した制服と斜に構えた態度、そして今回加わったグラサンが合わさって不良にしか見えないんですけど……先生も前以上に陣平と目を合わせないようにしている気がするよ!
ーーとまあ、色々ありつつも大学まで卒業し、陣平は警察学校に入学した。ーーそう、皆さんお待ちかねの警察学校編スタートです!!…まあ、最初から警察学校組で仲が良いわけではないので降谷さんと陣平の殴りあいも間もなくスタートしたけどね……。私は陣平に手当てをしたり組み手の自習…というより降谷さんとの殴り合いに向けてのステゴロ練習に付き合ったりしてる。
あ、ここまで全然話に出てこなかったけど陣平はちゃんと萩原さんと出会って仲良くなってるよ!萩原さんはいつもスコッ…諸伏さんと伊達さんと一緒に降谷さんと陣平の殴り合いを仲裁してくれてる。仲裁をしつつフォローまでしてくれる伊達さんの包容力半端ない。パパと呼びたいレベル。ただ中身が私でも松田さんがふざけている時でもないのに、パパとか呼ぶのは解釈違いなので諦める。
ーーそして。運命の11月7日が訪れた。このまま何もせずにいれば、今日萩原さんが爆死してしまい、松田さんはその仇を取ることに執着するが、4年後市民を守るために爆死する。その後も爆処の2人を始めとして、警察学校組は次々と降谷さん以外死んでしまい、その結果、原作の降谷さんのメンタルは頑丈になったのだろう。…でも、私は誰にも死んでほしくない。だから、今日、私は運命を変える。目指すは、原作時にポアロで働くあむぴの下に突撃する警察学校組を見ること!!安室さんをからかう警察学校組が見たいし安室透の皮がはがれかけてる降谷さんが見たいんだ!!
「いらっしゃいま…せ…」
「よう、ふr…安室サン」
「ハムサンド2つね」
「お前ら…コホンッ、ハムサンド2つですね!しばらくお待ち下さい!……後で覚えてろよ(小声)」
原作では見ることが叶わない、こんな感じのやり取りが見たいんだ!ちょっと安室さんの中からゴリラ成分が醸し出されすぎな気がするけど多分こんな感じだよね。これ公案件になりそうだけど。
…おっと、考え事に没頭している間に陣平の方の爆弾の解体が終わったようだな。
『陣平、お疲れ様』
『おう』
『じゃ、オレはまた防護服脱いでそうな萩原のところ見に行ってくる』萩原が防護服を暑いだの重くて動きにくいだのと言い出して脱ぐようになってから、私は陣平の爆弾処理が終わった後すぐに萩原が爆弾処理しているところに向かっている。警察学校組の命日は日付が原作に無い諸伏以外は確実に覚えているが、それまでに何か起きてからでは遅い。
もっとも、萩原は早さを保ちつつ正確に解体することが売りの陣平とは対照的に爆弾処理の丁寧さ、慎重さ(暑いからという理由で防護服を脱いでしまう上に爆弾の目の前でタバコを吸い始めるような人間だが爆弾の解体自体は慎重に進めている)が売りなのでそれこそ原作のようにタイマーが復活しない限り失敗はなさそうだが萩原も人間だし、失敗することがあるかもしれないと思うと11月7日でなくても見に行くことを止める気はしなかった。
『ああ。…何か今日は嫌な感じがするからいつも以上に気をつけろよ』
『…了解。行ってくる』陣平の勘が鋭いのは知っていたが、まさか親友に死が近づいていることまで感じ取れるとは……直感スキルでも持っているのか?
もしかしたら、原作でも松田さんは嫌な予感がしていて、だからこそ萩原さんに電話して「さっさと解体しちまえよ」とか「いつものところで待ってるからな」とか早く萩原さんの解体を終わらせようとしていたのかもしれない。揺れる警視庁のアニメを思い出したら涙が…あ、今霊体だから涙出ないな。
「その時は、お前が仇を取ってくれよ」…思い出してる場合じゃなかった!萩原、その台詞死亡フラグだから!死亡フラグ立てるんじゃねェ!立てるなら生存フラグにして……というかその仇を取ってくれ発言が松田さんが萩原さんの仇を取ることに執着する一因になっている気がするんだよなー…本人は軽い気持ちで言ったのかもしれないけど。
ピッ…ピッ…
「タイマーが復活した!逃げろ!!」
ーーさあ、運命を変えに行こうじゃないか