普通の人間がガイアメモリを使った場合、
その力の強大さやメモリの毒素ゆえに地球の記憶に飲み込まれたり、精神と肉体を蝕まれることで、暴走・依存症になってしまい、言い換えれば一種の麻薬といっても過言ではない。より上位の強力なメモリになるほど比例して毒素も強くなる。
これらの毒素は怒りや憎しみといった負の感情を助長・増幅させやすく、最終的には暴走に結びついてしまう。
メモリに内包された記憶の性質等に中途半端に耐性がないなどで使用者が死亡するとメモリは自動的にコネクタから排出される。
(Wikipedia参照)
コックローチドーパント「中々やるな、だがここで止まる私では無い。」
私は青い粘液を出して足元から封じようとするが、
それを跳躍して躱したカマキリドーパントにそう言い、
私はコックローチ特有のスピードを活かし、
近くにある誰かが落とした物であろうタオルを拾い、
それに粘液を塗り込み、出来たそれに石を数個入れ、
簡易的なブラックジャックを作成する、
これがカマキリドーパントに効くか分からないがね。
コックローチドーパント「フッ…!やっぱり登るのは体力を使うね。」
私はコックローチメモリでスピードが上がっている事は分かるが、運動を碌にしていないこの身体ではそれを補える程の体力が無い為、疲労は出るし、力は殆ど無いのだ。
だがドーパントになった事で力の面においては問題は解消された。
お陰で絵空事として今も語られている仮面ライダーの様に戦える。
そして現在の私は近くの壁に張り付き、
即席のブラックジャックを振り回して、様子を伺っている、
カマキリはその鎌を持ってして私を切り裂くだろう、
だがそれにはリーチ…その鎌の範囲内でしか切り裂けない、
だから様子を伺い、隙をついてこの頼りないブラックジャックで攻撃する、それで失敗したのならこの青い粘液で呼吸器官を狙う、その算段だ。
カマキリドーパント「狙って下さいとッ!言ってるもんだろ!」
カマキリドーパントはそう言い、
鎌を構えた状態で向かって来るのだが、
その動きはフラフラとしている。
コックローチドーパント「まるで寄生されたカマキリだな。」
その動きや俺から視線を離そうとしないその姿は、
まるでハリガネムシに寄生されたカマキリのようである。
俺はそう考え、ならばと手にしていたブラックジャックを上に軽く投げ私は壁に張り付くのを辞めて地面に着地する、
その間にもカマキリドーパントが迫ってきていたが、
私は焦る素振りすら見せずに次の行動に移る。
カマキリドーパント「喰らえぇぇ!!」
獣のような叫び声を上げて突撃してくるカマキリドーパントは、鎌を振るい、接近してくるが、
私はゴキブリのスピードを活かし、
バックステップでその攻撃を躱しながら、
ついでにある方向にカマキリドーパントを誘導していた。
コックローチドーパント「毒素に侵されたのもあるが、君は暴走し、周りが見えていない、幸せそうにしている人達がほんとに幸せなのか、それが分かるのか?」
カマキリドーパント「うるせぇッ!!どうだって良いッ!!」
カマキリドーパントはそう言い鎌を振るい、
頬を掠めた、少し意識を向けていなかったな。
コックローチドーパント「はぁ…もう一度言う」
私はバックステップで避けていたのを辞め、
姿勢を低くすると、
横に鎌を振るっていたカマキリドーパントの脇を通り抜け、
後ろに回る、流石はゴキブリと言うべきか、
ほぼ一瞬でカマキリドーパントの後ろを取る事が出来た。
コックローチドーパント「君は周りが見えていない。」
そう言い私は落下してきた先程放り投げたブラックジャックを勢いを殺さずにそのままカマキリドーパントの頭に叩き付けた。
直後
《バキッ》というカマキリドーパントの頭にブラックジャックが直撃した音が、
この人々が闊歩し、騒々しく思えるこの街に響いた。
カマキリドーパント「てッんめ…ェ…」
カマキリドーパントは右手に握られた鎌を振るおうとしたが、
この攻撃が脳に響いたのか、その動きを止め、
音を立てて倒れ込んだ、
そして数秒経つと、
そのカマキリドーパントが姿を変えて青年に変わり、
先程鎌を振るおうとした右手からメモリが排出された。
私は静かにその排出されたメモリ、
何故かは分からないが回収した方が良いと、
そう思ったからだ。
ゴキブリドーパント「君はメモリに支配されたのかもしれない、だが、だからといって等しい生命を奪う事は私が許されない、家族と共に
私はそうカマキリドーパントであった青年に言い放つ、
流石にそのままに出来なかった為、
警察に連絡し、ついでに逃げない様にとブラックジャックに使用したタオルで括った。
そうして私はメモリを排出して家に帰った。