序盤で死ぬ当て馬モブの俺、インフレ激しい百合エロアニメにて最強を目指す   作:霧夢龍人

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第13話

「見ててねサラカ、私がこのいけすかない顔した男をぶっ飛ばしてあげるから!」

 

訓練場とかいう場所に連れ去られていく俺(と気になって着いてきたクラスメート全員)は、殺る気マックスの金髪ツインテール(エル)から物凄く睨まれていた。

助けてとサラカを見れば、困った顔を浮かべながらエルに話し掛ける。

 

「えーっと、その、お手柔らかにしてあげてね?」

「勿論よ!身体がやわやわのデロンデロンになるまでボッコボコにしてやるわ!」

 

が、失敗。

女の子が吐いていいレベルの言葉じゃないが、エルからすれば俺はサラカに話しかける不純物(モブ男A)と変わらないわけで、幼なじみとして昔から一緒にいた自分の方が話し掛けたいから邪魔だ!と感じるのはおかしいことではない。

 

でもなぁ、勝つ負ける以前にこの勝負を受けても何のメリットないんだよなぁ。勝ったところで更に強い奴らに狙われるだけだし、負ければ本当に唯のモブに成り下がる気がしてならない。

強くなるのは大歓迎だが、悪目立ちするのも良くないと思うのが心情だ。

 

「くっそ、どうにかして中断出来ないか?」

「エルは頑固だからねぇ、一度やるって決めたら徹底的にやる子だから」

「はぁ・・・そうだよなぁ。よく知ってるよ」

 

原作でもエルという少女は、頑固で一度決めたことは貫き通す芯の通った人物だった。ともすれば、この世界でも原作通りの性格であるというのは想像に難くない。

 

ならどうするべきか、とため息と一緒に漏れ出た言葉に、何故かサラカが反応した。

 

「・・・ふーん、僕よりエルに興味あるんだ?」

 

「はっ?な、何でそうなるんだよ!?」

 

どこか拗ねたような声色で俺の顔を見つめる薄桃色の瞳。映っているのは困惑した表情の俺と、その後ろで見つめ合っている俺達を睨む金髪ツインテールのエルだ。

 

いや、待て待て。落ち着けよ俺。

今のサラカの呟きは危うい雰囲気(恋愛フラグ)が混ざったものじゃない・・・はずだ。多分、きっとそう。

どちらかと言うと揄いのようなニュアンスだしな。

 

「ふふっ、そんなに慌てると思わなかったから許してあげるよ。で、どう?勝算はあるの?」

「おいおい、舐めてもらっちゃ困るぞ?・・・まぁ、ないんだけど」

「もー、そんなんだったら負けちゃうよ。一応言っとくけど、エルは遠隔型の【天啓】持ちだから警戒しておいた方がいい。これ以上はエルが不利になるから言えないけどね。でも君なら多分、エルに勝てると思うな」

「充分だ。てか、随分と高く買ってくれてるんだな俺の事」

 

原作のエルは炎を操る【天啓】を所持していた。名前はイマイチ思い出せないが、ゲロ天賦以外の遠隔攻撃を持たない。

 

今の俺の持ち得る攻撃手段は、ビームサーベルによる完全なインファイト。【マサムネ】による『読心』で攻撃する瞬間に回避する案もあるが、“慣らし”が終えていない段階で実戦投入したら不利になるのはこちらだ。

 

ワンチャン負けるかもな。

 

「当たり前さ。むしろ勝ってくれないと僕のライバルとして張り合わないよ」

「ライバルなんて一度も名乗った覚えはないんだが。まぁ、やれるだけやってみるさ」

 

いつの間にかここまでサラカに気に入られていたことに驚きだが、インファイターの俺とエルが相性が悪いのは事実だ。

 

勿論俺の間合いに入れば勝てる自信はあるが、そもそもエルは自分の間合いにまで持ち込めさせないことだって出来るはずだ。何故なら彼女は、後に第三部のボスを倒すキーパーソンであり、タイマンなら作中においてサラカに並ぶと称される化け物である。

 

そんな相手に俺が勝てるわけが───。

 

「んー、もしキミがエルに負けたら・・・幻滅しちゃうかも?」

 

ニヤリと笑いながら幻滅すると答えるサラカ。

これはもしや、俺に期待しているというのだろうか?

俺の刃がエルに届きうるモノだと、そう言ってくれているのだろうか?

 

あぁ、なんでだろうな。

普通、人の期待とは重いモノだ。裏切ったらどうしようとか、期待に応えられなかったらどうしようとか、そんなくだらない物が重しとなって苦しめてくるものだ。

 

だがどうだろう。サラカの場合は重しというより、それ以上に期待に応えたいという思いにさせてくれる。

 

「───っはは、そりゃあ勝たないとなぁ」

「勿論。期待してるよ、トオル君!」

 

サラカに激励?された俺は訓練場の中心まで赴いた。

周りには、最底辺(ドベ)VS靂楼ノ天凜(ヴォルフガング)所属の祓魔師(ヴォイド)である天霧=R(ルヴァン)・エルビアーナという不相応な対決を聞き付けて、同級生から上級生にかけて多くが見に来ていた。

 

そんな中でただ一人、金髪ツインテールの少女エルが俺を指さしながらこう宣言する。

 

懋舞(モブク) トオルッ!あなたは私のサラカと引っ付いた挙句、仲良さそうに話していたわ!その所業、万死に値する!よって私と決闘しなさい!」

「随分とサラカ・・・さんに気があるんだなぁ〜?嫉妬してて可愛いと思います」

「僕は別にエルのモノになった覚えはないけどなー」

 

「っ!?い、言い間違えただけよ!!それと嫉妬なんてしてないからっ!!」

 

あら可愛い。これはもうサラカにぞっこんだわ、間違いない。ここまで完璧なツンデレだともはや感動すら覚えてくる。

 

だがそんな好意を向けられているサラカはいざ知らず、目線を向けると「頑張ってね」とヒラヒラ手を振って俺を応援していた。幼なじみなのにそれでいいんか・・・。

 

因みに俺のゲロ天賦に関しては、乙女の尊厳の危機とやらでサラカが学園長に許可を取ったおかげで、一時的に俺の天賦の効果を弱める首下がりを渡された。何でもこの学園の理事長お手製のものらしく、“訓練場の中だけ”は自身の好きな天賦の効果を弱められるらしい。

普通なら他人の天賦に干渉するなんてこと中々出来ないが、あの学園長ならこの程度造作もないことが想像出来る。

 

ともかくとして、現在は頬を赤くして涙を目に浮かべながら魔法杖(ステッキ)を準備するエルと、フォンフォンと某宇宙戦争のような音を立てるビームサーベルを掲げる俺の構図だ。

 

傍から見れば魔法少女とジ○ダイの対決である。夢の対決だね!(白目)

 

「行くわよ───“花の如く舞い散れ(オルスヴェール)”」

「ッ!来たか!」

 

暫くの空白の後、薔薇のように咲き誇る炎が身を焼かんと散り乱れた。原作では小手調べ代わりによく使う技だ。だが例え予備動作を原作で知っていようと避けれるものではない。

 

「あづっ!?」

 

紅蓮に燃える花弁達はビームサーベルに触れるとチリッと焦げた音を出したかと思うと、ポップコーンのように四方八方に飛び交う爆発物と化す。熱にやられて我武者羅にビームサーベルを振り回すが、勿論効果は無い・・・それどころか更に散り広がるため、余計に被害を拡散させるだけにとどまった。

 

無傷のエルに対して、二の腕と太腿に火傷を負った俺。

どう見てもどちらが優勢か分かる目に見えた大きな差だ。

 

「おいおいあの新入生大丈夫か?」

「へん!男はああいう姿がお似合いよ!」

「うわぁ可哀そう。でも身の程知らずの底辺には、丁度いい薬なんじゃない?」

 

周りの野次馬達も酷い言い草だった。

 

「まだまだ行くわ───“豪炎滾る花を摘み取れ(フェグマイズ)”」

 

「っ!クソ!!」

 

一メートル台の火球が十数個以上がエルの背後に出現したかと思うと、それらが続々と途轍もない速度で遅い掛かってくる。右へ左へ避けること自体は難しくないが、どうやら追尾式らしい。とことん実践的だ。

 

『受け身』と『逃走』の才覚によって何とか逃げきれているものの、攻めきれない。だが逆に言えば、何とか被弾は避けられている。こういう時に基本的な才覚を取って良かったと思う・・・が、うじうじ避けているばかりじゃジリ貧だ。

 

「───待て、焦るな。しっかりと『観察』するんだ、俺」

「くっ、ちょこまかと逃げてばっかり!正々堂々と戦いなさい!」

 

『観察』の才覚を発動させ、エルの動きの機微を見入る。だが視覚に入る情報は、全く隙のない行動ばかりだった。

正確には、被弾せずに様子を伺ってばかりだと隙を作れない行動ばかりだ。

 

被弾覚悟で飛び込むべきか?

だがそれはあまりにもリスクが高すぎる。もし失敗した時のリカバリーが効かない。追い詰められてる状況で後にも引けないからといって、短絡的な行動に出る訳には───いや、何を躊躇ってるんだ俺は。

 

ここで負ければただのモブだ。それ以上でも以下でもない。なのに被弾を恐れて前に進まないのは愚策だろ。

それにサラカは言ってくれたじゃないか、ここで負ければ幻滅する、と。

 

思い出せよ俺。

サラカの剣閃はそんなに遅いものだったか?

フェイントと視線誘導を混じえた剣戟はそんなに易しいものだったか?

並外れた筋力と体幹から放たれる強烈な一撃はそんなに軽いものだったか?

 

答えは否。断じて否。

 

「ふんっ!正々堂々と戦わないならもういいわ。この炎で終わらせてあげる!───“百花繚乱(フレズベルク)”」

 

「あーあ、あの一年生終わったなぁ」

「何でサラカさんってあんな底辺をライバルにしてたんだろ」

「さぁ、気の迷いじゃない?」

「私は勝って欲しいと思うけどなぁ・・・でもこれで終わりそう」

 

一度だけ、しかも手加減されていたとはいえ、サラカの斬撃を受け止めた俺だからこそ分かる。

 

「俺は───この“炎”を切れる」

 

そう分かった瞬間、眼前の蒼い炎の塊が真っ二つに“断ち切れた”。

 

「・・・え?」

 

「「え?」」

 

「ふふっ、さっすがぁ♪」

 

「「えぇぇぇぇ!?!?」」

 

驚く観客席をよそに、俺は歓喜を隠せずにいた。

切れる予感がしたが、まさか本当に切れるとはって感じである。正直、サラカと戦って引き分けに持ち込めたのが奇跡だったから、この勝負は流石に負けるんじゃないかと思っていた。

 

だが切れた。

だから分かる。俺はこの先のインフレに着いていけると。モブだからこの戦いに着いていけない、みたいな展開になることがないと。

 

それを成してくれたのは、俺の持つ独自才覚(オリジナルスキル)の『一閃』のお陰だ。

原作にも登場しない、完全に初見の才覚である『一閃』。天上の塔(バベル)でオーク先輩と戦った時に手に入れたモノだが、コハルが俺の進んでいた階層にいたのもこいつを探していたからじゃないか?という予想を立てていた。

予想が合っているかどうかは分からない。というより、合っていようが間違っていようが関係はない。

 

「ハハッ、俺は強くなれるみたいだなァ」

 

この物語に着いていける。その事実が嬉しくて、どうしようもない歓喜と笑いが込み上げて止まない。我ながら酷い笑顔になっていると思う。

 

「ッ!サラカみたいな事して・・・絶対に許さないわ!手加減なんてしてあげないんだから!」

「おっし、ドンと来いよォッ!!!」

 

胸を叩いて微笑むと、エルは悔しそうな顔を浮かべながら次々と【天啓】を発動させた。

 

「“灰すら遺さず消えよ(レミンバルク)”、“上がる悲鳴は煙の中へ(フィルメ二ール)”、“弔いの花ごと燃え滾れ(デ・ロクサンティ)”!どう、三連発よ。存分に喰らいなさい!」

 

灰ごと消えてしまいそうな程の熱量を誇る大炎と、悲鳴すら届かないほどの熱気を放つ重厚な白煙。そして陽炎のように揺らめいて存在を感知できない、透明な炎が俺を襲い来る。

 

だがそれも───一撃だ。

 

「“一閃”」

 

瞬き程もない刹那の時間で、あっという間に霧散していく膨大な熱量のエネルギー達。

炎を断ち切るというのは字面にすれば摩訶不可思議だが、実際に現実になっているのだから面白い。

 

「うそ、でしょ・・・?」

「嘘じゃねぇ。悪いが俺に期待してくれてる奴がいるんだ、負けたくねぇ」

「っ、それってサラカのこと?」

「それだけじゃないけど、理由の一端だな」

 

勿論サラカもそうだが、今は学園の保護者説明会に駆り出されてるミカも俺に期待してくれている。なんならあんまり話さない姉さんだって、俺に期待してくれているのをヒシヒシと感じる。男なのに、だ。

 

だから俺は期待に応えないといけない。きっとミカにまた無茶したんですか!?って怒られるのが確定しているけどな。

 

「・・・そう。羨ましいわ、そうやってサラカに期待を寄せて貰えるの。幼なじみなのに、向けられるのは友達みたいな視線ばっかりで・・・はぁ、鈍い人って困るのよね」

「おいおい、惚気か?特に羨ましがられても、俺もなんでサラカが期待してくれんのか分かんねぇよ。けどまぁ、いつか結ばれると思うぞ俺は」

「根拠は?」

「ない!強いて言うなら男の勘だな」

 

落ち込んだ表情を浮かべるエルに、俺なりの慰めを送る。未来のことを言うなら、彼女とサラカは結婚して子供を授かるのが確定している。それは、エロ百合ハーレムゲーの世界での運命みたいなものだ。

 

だからエルの悩みなんてのは、将来サラカと結婚してイチャラブ百合百合してる時にでも解して貰えばいいと俺は思う。百合は大好きだが、百合を押しすぎて滅茶苦茶になるのはヲタクとして避けたいところだしな。

 

「・・・ぷっ、男の勘っ!アハハッ!あ、あんたって、人前じゃ喋れないクールぶったコミュ障だと思ってたけど、以外と良いこと言うじゃない!」

「んなっ!?そこまで言うか普通ぅ!?」

 

大声で笑うエルの表情は少し吹っ切れたように見える。迷いを打ち明けて克服する女の子っていいよね。お兄さん大好きです。

とはいえ今は試合中である。入学式の合間にやっているのだから、そろそろ終わらせないと保護者説明会が終わってミカが帰ってくる。かなりやばい。

 

「あー、久し振りにこんな笑ったわ」

「そりゃどうも───それじゃ、最後だ」

 

「えぇ。お詫びにとっておきを見せてあげる───“獄炎花(ヘルフレシア)”」

 

エルの手元に現れたのは、黒く小さな炎の玉。それがポンッと頭上に弾け飛ぶと、三十メートルはあろうかという大きさまで膨れ上がった。その形はさながら、巨大な花の花弁のように派手である。

 

「な、なにあれ・・・」

「うそ?あれって人が制御出来るものなの?」

「あんなのをぶつけるの!?死んじゃうよあの男子!」

 

その熱気はもはや常軌を逸しており、訓練場の施設が熱気だけで溶け始めていく。やり過ぎだろ、と目配せすれば、早く切ってみなさいよと催促してくる始末。

 

なら、俺は応えなければならない。彼女の想い(期待)に!

 

「───“一閃”」

 

ビームサーベルを構え、【筋肉強化】と【肉体強化】をフルで回す。全身が軋み、骨が悲鳴を上げる。

 

そんなの今更だ。

身体が異変を感じとったのか、鼻から血が垂れ、視界が真っ赤に染まる。

だが一切たりとも天上に咲く花から目を逸らさずに、俺は思い切り振り抜いた。

 

そして───キンッという軽い音と共に、両断した感触が腕に走る。

 

「きれ、た・・・?」

 

真っ赤に染って見えなくなった視界を凝らした。見えたのは、紅色の花に微かな切れ目・・・小さな空間が、天井を覗かせている。

 

ということはつまり?

 

「あーあ、私の負けよ。完敗だわ」

「・・・勝った、んだな」

 

「「うわぁぁぁぁぁぁぁ!?!?」」

 

瞬間、轟く歓声。

鋭くなった五感にはきついものだが、それ以上にやってやったという気持ちが溢れた。

ボロボロの俺に対してエルは全くの無傷。だが勝敗の天秤は、何とか俺の方に傾いてくれた。

 

「とおるくーん!」

「うぉっ!?」

 

「んなっ!?サラカァ~~~!」

 

フラフラな身体に鞭を打って立ち上がった途端、後頭部にふにょんという柔らかい何かが押し付けられる。その正体がサラカであることに気付くのは、そう難しい問題じゃなかった。

 

おいおいおい、なんで俺に抱き着くんだよ!ここはヒロインが悲しんでるんだからヒロインに抱き着く場面だるぉ!?

 

という俺の嘆きは届かない。

身体が限界だったからだ。なんなら、こうして今も立っている、だけ、で───。

 

☆★☆★☆★

 

えと、はい。皆さんこんにちは。

俺の名前は懋舞(モブク) トオル・・・であってるよな?

 

訓練場でボロボロになった俺は意識を保てずに、恐らく医務室?的な場所に運ばれたんだが・・・。

 

「へぇ、まさか僕の【絶対切断(In this world, there is only something that I can cut.)】が通用しないなんて、キミってもしかして結構強い?でも今、そんなことはどうでもいいんだ───僕の友達から離れてくれるかな?」

「あらあら、冗談はよしてくださるかしら?トオルさんは私と家族になる人なのよ。それなのに離れるだなんて・・・酷いと思わないの」

 

えと、なぁにこれぇ〜(白目)

 

金髪の碧眼巨乳な女性(コハル)と、プラチナホワイトパールの目をした薄桃色のこれまた巨乳な女性(サラカ)が目の前で騒いでるんだけど、どういう状況よこれ。

 

しかもサラカのやつ、医務室で【絶対切断(In this world, there is only something that I can cut.)】使おうとしてたの?えぇ、こわぁ・・・。

 

ていうかコハルさん?貴女なんでここにいるの?登場時期があと半年くらい早い気がするんですがそれは。

それに家族って、ミカと結婚するから義弟みたいな関係になることを言ってるんだよな?その言い方だと、まじで誤解を招きかねないんだが?

 

「ふうん、家族ね・・・それにしては嫌がってるみたいだけど」

「部外者には関係ないお話ですから首を突っ込まないで貰える?」

「・・・分かった、じゃあこうしよう───トオル君がどっちに看病されたいか決めてもらおうじゃないか」

「はぁ、それで貴女が納得するなら良いですけど。間違いなく私の圧勝ですよ」

 

なんで俺?え、なんで俺?

正直どっちでもいいし、なんならミカにして貰った方が心情的にありがたいんだけど、この空気的に俺はどっちの味方をしても地雷を踏み抜きそうである。

 

ならばもう、伝家の宝刀を使うしかないか。

俺はそう覚悟を決め、勢いよく息を吸い込んで大声で言い放った。

 

「俺のために争わないでぇ!!!」

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