異世界緋想天 ~天子と衣玖の異世界旅行紀~ 作:火也(かや)
「夜まで寝ていると言ったな、あれは嘘だ」
「まさか翌日の朝までぐっすりとは……」
窓から覗き込むのは月夜の光ではなく、白くまぶしい朝日の輝きだった。
どうやらよほど疲れていたようだ。夜まで寝ると言っていたのだがたっぷり翌日の朝まで寝ている羽目になってしまったのだ。
「昼過ぎにここに来たから……げっ、軽く半日寝ていた計算になるわよコレ。天界でもそんなに寝たことないわよ私」
「それだけ疲れていたってことでしょうかねえ……」
半日以上も寝ていたおかげか、疲れは完全に吹っ飛んでいた。それどころか寝すぎたせいで少し体がだるいくらいだ。
天子と衣玖は軽く体を回して体をほぐしたあと、朝食を食べに行くために一階へと降りて行った。
既に食堂には何人か泊り客が朝食を食べていた。一人の人は黙々と食事に手をつけていたし、何人かのグループは今日の予定はどうするー的なことを話していたりした。
天子と衣玖はカウンターで食事を受け取り、適当にテーブルに腰かけた。
「ロビンのとこと似た感じね」
「この感じがこちらの朝食なのでしょうか」
朝食のメニューはトーストの上にハムと目玉焼きを直接乗せたダイナミックなものと牛乳だ。エインズワース家ではただのトーストが朝食に並べられていたが、こちらの料理はそれ以上に大胆だった。
しかし、食えれば何でもいいやという雑食精神の二人には特に不自由に感じることもなく、大して多くもない朝食をさっさと平らげてコップの牛乳を飲み干して食べ終わった。
「んで、今日の予定どうする? 流石に依頼は受けないとして」
「昨日言ってた通り帽子を買いに行くんでしょう。わざわざ言わせないでくださいよ。それと、依頼を受けに行くときに持って行く大きな鞄と、あと回復薬も切れてしまったので補充しに行きましょう」
「ティアの店よね?」
「総領娘様が贔屓にするって言いましたからね。あと……そうですね、服も買わないといけませんね」
「そう言えば私たちずっと同じ服着てるわよね」
「一度寝巻を着させてもらいましたがね。お金をギルドで下ろしてから買いに行きましょう」
「はーい」
そのあとは他愛もない雑談が続いた。この世界のことだとか、幻想郷のことだとか、依頼のことだとか、とにかく話題に尽きることはなかったので思わず話し込んでしまった。
朝食を食べ終えてから二十分ほど経ったとき。
「……あ」
「どうしたの衣玖。急に変な声出して……」
「総領娘様……あれ」
「ん?」
衣玖が指さした先には、二階から降りてくるスキンヘッドの男の姿があった。その後ろにはその仲間と思わしき男たちもいた。
「アイツ………………………誰だっけ」
「“E”ランク冒険者のゲンですよ、いい加減に覚えましょうよ」
「そういやそんな名前だったわね。アイツ、同じ宿だったの……反吐が出るわね」
「それには大いに同意せざるを得ませんね」
ゲンとその仲間は他に客がいるというのに馬鹿に大声で騒いでいていた。他の客はその大声に迷惑しているようで、不快そうな視線を向けたり小さく舌打ちしているものもいた。
ギルドだけではなくて、こんなところでも迷惑行為に勤しんでいるようだ。ご苦労なことである。
「あそこまでいくともはや清々しいわね」
「気づいてやっているのか、それとも無意識でやっているのか……どちらにせよ、傍迷惑なのには変わりありませんね」
ゲンたちはどやどやと騒ぎながらテーブルにどっかりと座り、朝食をとりに席を立った。
「「あ」」
席を立った瞬間、ゲンと目が合ってしまった。そりゃもう言い逃れはできないほどばっちりと。
「………チッ」
目が合ったゲンは露骨に不機嫌そうな顔をして、わざとらしく舌打ちをして唾を地面に吐き捨てて朝食をとりに行った。
そんなわざとらしい行為に、天子と衣玖は怒りを通り越してもはや溜め息を吐くことしかできず、部屋に戻るために席を立った。
「……もうさっさと行こうか」
「そうですね……」
朝から若干気分がダウンした二人であった。
◇
さて、朝の一件を完璧に頭の奥底に追いやった二人はギルドで五万ほど金を下ろし、今日のメインイベント(?)である天子の帽子を買いにやって来た。
場所は大抵何でも揃う大通り。本当に大抵の物は揃ってしまうので二人は今後この場所を頻繁に利用するつもりでいる。
ティアの店による際にざっと一通り眺めていたので大体の店の種類は把握している。しかしその中に帽子を専門に扱う店はどこにもなかった気がする。
「帽子って、どこに売ってるのかな?」
「一応体に身に着ける物ですし、服屋に行けばあるかもですね」
「そのプランいただき」
天子と衣玖は早速服屋に向かった。
服屋は通りに数えきれないほど存在したので、とりあえず一番大きな店に入ってみることにした。
「いらっしゃいませ」
ドアを開けばそこには広い空間に服が所狭しと並べられていた。これが全部売り物かと思うと二人は若干尻込みしてしまった。
目の前にはきちっとした服を着込んだ男性従業員が非常に丁寧な対応で深々とお辞儀していた。
「本日はどのようなご用件でしょうか、お嬢様方?」
「お、お嬢様……(テレテレ)」
「二着ほど替えの上下を。一着が普通の上下で、もう一着が寝巻で。できれば安いものを」
「かしこまりました。何かご要望はございますか?」
「二人とも今と似たような服があればお願いしたいのですが。寝巻は適当でいいです」
「ふむ……そちらの青い髪のお嬢様の服は白色のカッターシャツに赤色の蝶ネクタイと、濃紺色のロングスカートですか。探せばありますね。貴方のその服も、少し特殊ですが似たようなものはあるでしょう。探してきます」
「お願いします」
衣玖は従業員にセレクトを任せ、褒められて調子に乗っている天子の頭に向かって拳を振り下ろした。当然文句を言ってきたが、衣玖は思い切りガンを飛ばして強制的に黙らせた。
天子がいじけて飾られている服をジロジロ見始めてしばらくしたとき、先程の従業員が戻って来た。
「お待たせして申し訳ありません。お嬢様方のリクエストを考慮させて勝手ながら選ばせていただきました。試着室へどうぞ」
「えっ、試着できるの!?」
「はい。わが店舗ではお客様に試着していただいて納得できるまで商品を選んでいただくシステムを取り入れております。このシステムは他店にはないものとなっております」
さり気なく自分の店をアピールしてきたことを衣玖は商売熱心だなあ、と感心しつつ、二人を連れて従業員は試着室へと向かった。
「ここで自由に試着してください」
「やったー! 私から着替えるね!」
従業員から選んでもらった服を受け取り、試着室に入ってカーテンを閉めて天子はウキウキ気分で着替えを始めた。どこの世界のどの時代の人でも、女性にとってファッションとは大事なものなのであろう。
やがて布擦れの音も止み、カーテンが勢いよくバッと開かれた。
「どう!?」
これ見よがしに体を見せつけてくる天子。従業員は店側である以上「よくお似合いですよ」と言っていたが、衣玖は特に何かを感じることはなかった。
何故ならその服はさっきまで着ていた服とほとんど変わっていないからだ。
白色を基調とし、前面のボタンが付いているところに縦に一直線に黒色が走っていて袖口にも同じ黒色が入っていたカッターシャツは、前面の一直線の黒色が無くなっているだけである。濃紺色のロングスカートは全く同じ。ただ、エプロンのように端が丸みを帯びていた前掛けが長方形の角ばった形に変わっているのは大きな変化で、あと背中にあった大きなリボンが綺麗さっぱりに消えているのは大胆であった。
まあ、元々可愛らしい顔をしている天子なのでどんな服でも似合うのが正直なところか。無理に大人っぽい服をチョイスしないだけマシだ。
「まあ、可愛いですよ。普通に」
「そ、そう? 私もこれ気に入っちゃって! これは買いね! アンタ、いいセンスしてるわね!」
「ありがとうございます」
同じような服を買うのはショッピングとしてどうだろうかと思うが、と衣玖は思ったが天子が喜んでいるので余計なことは言わないことにした。
しかしこの従業員、一目見ただけでサイズを正確に測るとは良い腕をしている。目利きは悪くないかな、と衣玖は少し安心した。
もう一着天子の寝巻を買ったが、それは普通一般のものであった。これも殊更天子は喜んでいたので従業員も鼻高々であろう。
「さて、次は私ですか」
「衣玖、どんな感じになるんだろ(ワクワク)」
「私よりもワクワクしてますよね総領娘様……」
衣玖は同じように従業員から服を受け取り、カーテンの奥で着替えを始めた。
天子のときよりもカーテン越しの影の凹凸が激しいのは、言わないお約束である。
「こんな感じですかね」
「……あんまし変わんないわね」
「そういう風に注文しましたから」
衣玖もほとんど変化のないコーディネートだった。紅白の袖口が赤い長袖のシャツに緋色のフリルが付いたポンチョ。黒色のロングスカートとむしろ天子以上に変化のない服装である。
しかし衣玖はこれで全く構わなかった。もとより、衣服は替えがあればよいと感じていたから、むしろ似たような服があって助かったくらいだ。
寝巻も勿論着替え、これも適当でよかったのでサイズさえ合えば問題なしと淡々と決めた。衣玖は元の服に着替えたが、しかし天子は始めに試着した服のままだった。
「総領娘様は着替えないんですか?」
「これ気に入っちゃったから、そのまま着ていくことにしたの」
「……いいんですか?」
「勿論、構いませんよ。なんなら、貴方もお着替えになりますか?」
「いえ、いちいち脱ぐのが面倒なのでいいです」
「分かりました」
従業員はパパッと服を折りたたんで持って帰りやすい形に整え直した。天子が着てきた服も一緒だ。
「……ああ、そう言えば下着を買うのを忘れていましたね。お願いできますか?」
「はい、かしこまりました」
替えの上下ばかりに目にいって下着のことをわすれていた、と衣玖は慌てて従業員にお願いした。替えの上下よりも、むしろ下着の方が重要度は高い。
最悪上着はずっと着続けてもまあ我慢できるが、下着はそうはいかないからだ。一日着ていれば確実に汗で蒸れてしまうからだ。
それに女性は男性とは違う部分も発達するから、そう意味でも下着の重要性はある。
「衣玖ってどんな下着つけてるの?」
「総領娘様よりも倍くらい大きいものですかね」
「喧嘩売ってんだな? 売ってんだよな!?」
「三分の二くらいは事実でしょうに」
「ま、まだこれからだもん! これからおっきk」
「どう考えたって無理でしょjk」
「むきーーーーーーーー!!!!!!!」
「で、では選んできますね……」
そんな雰囲気の中から逃げるように従業員は女性用の下着を選びに行った。
◇
「帽子ですか?」
衣服選びも終わり、天子は自分の本題を聞いてみた。
「そ。帽子! 何分頭の上が寒くって、ないかしら?」
「あるにはありますが……」
再び従業員が消えていき、いくつかの帽子を天子の前に並べていく。
テーブルに並べられたいくつもの帽子を見て、天子は真剣に吟味していく。
「当店は衣服の専門ですから、帽子に関しては残念ながらあまり数は多くありませんね。これが全部です」
「……うーーーーーん」
テーブルに並べられた黒色や白色、茶色の帽子。幅広の帽子やベレー帽のような形状のものや、ニット帽のようなもの。素材や形もマチマチで数が少ないと言っていた割にはそこそこの種類はあるようだ。
しかしこの中に天子の気に入った帽子は無かったようで、肩を竦めて首を横に振った。
「どれもイマイチピンとこないわね……こう、ズババーンと雷が打つような感触が湧かないのよね」
「服はあれだけあっさり決めたのに、帽子でそこまで悩みますか……」
「私たちにとって帽子は死活問題よ。帽子一つでキャラが変わると言っても過言じゃないわ」
「入れ込み過ぎ……」
仕方なしに帽子は諦めて他の店で買うことにして、その他の替えの上下と寝巻、下着を購入した。衣玖は皮袋から購入分のお金を支払い、店を出た。
「ありがとうございました。またのお越しを」
そう従業員は最後まで礼儀正しい対応を取って二人を見送っていった。天子は最初は気に入った服が買えて喜んでいたのに、今や帽子のことを考えてずっと難しい顔をしていた。
短い髪の毛をくるくるといじったり、ブツブツとつぶやいたり、いつもよりもせわしなさそうである。
「帽子ぐらい、さっさと決めてくださいよ」
「うるさい、気が散る。一瞬の油断が命取り」
「……なんかすいません」
そのあと何故か無駄に気合が入っている天子を筆頭に、通りの片端から帽子を売ってそうな店に出入りした。きちんと見てみたが、やはり帽子専門店というのはなく、大体が服屋で一応ということで申し訳程度に置いているのがほとんどであった。
で、そんなのしかなかったから、当然天子の気に入るようなイカした帽子は無く、どこも同じような品々しかなかった。
帽子を探している天子はともかく、帽子なんてさっさと決めろよと思っている衣玖にはしばらく歩き続けてへばってしまったのだ。丁度昼のいい時間帯だったので通りの外れにあった屋台で肉の串焼きを昼食として地面に座り込んで食べていた。
「なかなか(ハフハフ)いい(ハフハフ)帽子が(モグモグ)見つからないわね(ゴクン)」
「喋るか食べるかどっちかにしてください……」
そう文句を垂れつつ、衣玖は購入した何の肉か分からないが牛肉に近い味がする肉の串焼きを上品に少しずつ食べていた。鉄でできた串は少し熱を帯びていてほんのり温かい。
ちなみに天子は上品とかそんな言葉は知らないようで、大口を開けて肉に豪快に齧りついていた。男らしいといえば聞こえはいいが、単に雑なだけだな、と衣玖は思っていた。
早々と一本食べ終わった天子は買っておいたもう一本目を齧った。噛むほどに肉汁が溢れ出るこの料理は机の上に出される下手な料理よりは遥かに美味しかった。素材もいいのだろうし、このタレも肉によくマッチしている。
「私疲れたんでリタイアしていいですか」
「ダメよ! 最後まで付き合ってよ」
「そうは言ってもですね総領娘様。私もいい加減疲れてきてるんですよ。何も買わないでついて行くだけの私のこともちょっとは考えてください。まだ買うものあるんですよ」
「む、むう……」
衣玖は、珍しく不機嫌さを隠さないで命令口調の強い言葉で天子を窘めた。流石にこれ以上は別行動したい、と衣玖は暗にそう言いたいのだ。
確かに、既に帽子を探し続けて一時間以上経過している。たった一つの帽子のためだけに、しかもそれが天子の好みに合わなければダメという条件で探し続けるのは天子の判断に流される衣玖の立場からすれば誰で嫌がることだ。
天子も、今ようやくそのことに思い至って、じゃあこれからどうしようかと悩んでいた。
真剣に一人で回ろうかなと考えているとき、天子は少し向こうの露天商が出している出店の商品を置いているシートの上に帽子っぽいものが置かれているのを目にした。
天子は肉を急いで食いちぎって串だけにすると肉串屋台のおっちゃんに串を返却してその露天商のところに駆けた。
「ちょ、総領娘様?」
「向こうに帽子が売ってある!」
「こんなところにですか? ここら辺は露天商の通りなのに……」
そうは言ってもあるもんだから仕方がない。
「お、お嬢ちゃん。いらっしゃい」
そこはどうやらアクセサリーを売っている店のようだ。ブレスレッドからネックレス、指輪など装身具などを中心にシートに広げて商売しているらしい。
その中に、何故かポツンと帽子だけが端っこに置かれている。一応商品なのだろうが、どう見てもアクセサリーでも何でもないよな、と天子は思った。
「おっちゃん、この帽子って売り物?」
「おう勿論! 一つ600チップだよ」
「今まで店で見た来たものより安いわね」
「あったりまえよ! なんたってこりゃ拾いもんだからな!」
「へー……って拾い物を商品にしてるの!? 持ち主困ってるでしょ」
「心配すんな! これを拾ったのは違う町だからばれる心配はねえぜ」
「そーいう問題じゃないでしょ……てか、拾い物に値段をつけて売るのね」
「商品にできるもんは何でも商品にする、それが俺のモットーだ」
なんだか会話がずれているような気がする。というか、この男の感性がどこかおかしいというのが正しい表現だろう。普通拾い物を商品にするかとか、その事実を客に伝えるかとか。
この人商売向いてるのかなーというか前職は盗賊だったんじゃないかと怪しくなってきたが、この人の正体を暴いたところで何が変わるわけでもない。
(……帽子は、綺麗だけどね)
それは俗に言うカウボーイハットという種類の帽子であった。夜空のような黒色に巻かれた白い帯、デザインとして二つの桃色の珠と細長い作り物の葉っぱを片方だけにアクセントとしてつけている。
それは奇しくも、天子が無くした帽子と酷似するものだった。大きさは若干大きい気もするが、それは紐で顎に巻けるから問題ないだろう。
前の帽子が気に入っていたこともあり、天子はこの帽子が無性に懐かしく思えてきた。
これはもう、買うしかない。
「おっちゃん、この帽子頂戴」
「文句言ってたのに結局買うんかいな。まあいいけど」
天子は借りていた皮袋から600チップ取り出して露天商に渡した。
「毎度ありー」
天子は早速買った帽子をかぶってみた。
すっぽり頭に嵌る大きさ、曲線を描くツバ、濁った桃色の珠。
元からかぶっていた帽子と、なんら違和感はない。
「おっ、嬢ちゃんよく似合ってるぜ」
「そ、そう?」
「ああ。元々可愛らしい顔してるからな、何でも似合うぜ! 黙って服もちゃんとしたもんに着替えればどこかの貴族の娘って間違われるだろうよ」
「……えへへ~」
似合うと言われて嬉しくない人などいない。さらに生来すぐに調子に乗るタイプである天子は露天商のおっちゃんの言葉に乗せられてとろけたように破顔していた。
「ありがと~」と間延びした声を出した天子は露店を離れて、座ってこっちを見ている衣玖のもとに駆け寄った。
「衣玖衣玖!」
「……なんですかその気持ち悪い顔つきは。変なキノコでも拾い食いしましたか」
「あのおっちゃんにね、凄く可愛くて、美人で、似合ってて、貴族の娘に間違われるって言って、ナイスバデーだって言われた!」
「そのおっちゃんは頭がヒットしてますね。早急に頭を冷やすべき死にたくなければそうすべきです」
ともかく、帽子は天子が気に入ったのを買えたわけだからこれでようやく買い物が再開できる。衣玖は最後の一欠けらの肉を口に入れて鉄串を屋台に返却した。
「じゃあ行きましょうか」
「はーい」
天子は購入した帽子を早速かぶって位置を細かく修正していた。やがて気に入ったかぶり方を発見すると「よし」と満足したように笑った。
二人の買物は続く。