異世界緋想天 ~天子と衣玖の異世界旅行紀~ 作:火也(かや)
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ランデルを発った二人。かつて助けたドスランポスを仲間にし、護衛依頼を引き受けながら帝国と王国を行き来する関所へと向かう。
関所を越えたその先にあるのは、天高く、遥か地平の先まで白峰を連ねる山脈。
残雪が点座する霊峰を越えると、そこは大陸西方を支配する王国。美しき緑と水に湛えられた、歴史ある風土と穏やかな気候が二人を出迎えた。
しかしそのお出迎えは、決して温かさに溢れたものではなく、
「その子を放しなさい。女の子をさらうなんて、最低の下郎ね」
見てしまった犯行現場。平和な町の裏側に潜む影の部分を、二人は垣間見る。
さらわれそうになっているその女の子は、金髪碧眼で―――耳長の、エルフだった。
彼女こそが水面下で進行しつつある、争乱の種になろうとは、二人は知る由も無かった。
「王都なんでしょ? ドスランポスの一体や二体、入れる器ぐらいあるでしょ!?」
「モンスターを都に入れるなど言語道断。何があっても承服できかねます、お引き取りを」
王国最大の都、大君が鎮座する王都へと到着した一行。しかしここでも、ドスランポスの入城は認められなかった。
「……Ghostly Field Club?」
「ふふふ……『幻想の館』へようこそ、お嬢さん方」
「貴女方が私たちの依頼を受けてくださった冒険者ですね?」
ギルドで受けた妙な内容の依頼。指定された場所にいたのは、奇妙な瞳を持った、探偵業を営む二人の少女。
天子と衣玖は二人の少女に導かれ、古さびた古代遺跡へと赴く。古代の魔導に遭遇した四人はその奥深き場所で、ある“モノ”を見つけ出す。
天子は思う。
自分は、彼女の隣に立つに相応しい存在なのかと―――
衣玖は思う。
自分は、彼女を支えられ得る存在となれるのかと―――
「総領娘様、無茶しすぎです」
「平気よ。これくらい」
互いが互いを想い、しかしその想いの強さが鋭さを増した針となり、皮肉にも、想い続けた相手を傷つける凶器となる。
そんなこと、想ってもいないのに―――
「見え見えの嘘なんていいです」
「嘘じゃないわ」
ヤマアラシのジレンマ。
互いが互いを必要とし、求め合い、気遣っているのに、上手く言葉に出ない。言葉足らずの拙い言葉の針は、怒りという名の毒を盛った、相手を殺すに至らせる凶悪な毒針と化する。
それは、身を守る針山のせいで互いに近づくことができない、つがいのヤマアラシのように。
どうして、分かってくれないんだ―――
「衣玖の馬鹿! もうアンタなんて知らない!!」
「総領娘様こそ、勝手にどこへなりと行けばいいです!!」
そして二人は、決別する。
>>>第2章 波乱めく王国編
うわ……予告ってこんなんでいいのか?そもそも予告って必要なのか……?なんて思ってきました。やっちゃったよちくせう。
あくまで予告なので、今後シナリオ通りに進まないこともあります。というよりプロット書いてても予定通り進んだためしがないですはい。
まあ、そんなわけで、第2章は王国編です!
宣告通りモンハン成分は少なめです。後半にちょっとだけかな。あとドスランポスと。
天子と衣玖さん以外の東方要素もでます。本文にもあります。
余裕ができれば来週の月曜に投稿します。
年末年始は実家に帰りますけど、頑張って予定通り投稿……したいなあ。