『海祇島の防人』   作:珊瑚宮専属の下っ端

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珊瑚宮心海生誕祭記念…!&心海メインのスシローコラボ!
精神的不調やリアルでの不調なんて気にしてる場合じゃねえ!と思い超久々に書きました。

色んな意味で拙いと思いますが、温かい目で読んでいただけるとめちゃくちゃ嬉しいです_|\○_

ちょっと書き方思い出せてない上に納得もいけてないので、場合によっては都度修正していきます。


プロローグ

 

「…どうやらここまでのようですね、私に無想の一太刀を抜かせた事だけは賞賛すべきでしょう。」

 

千手百目神像前。

その広場にて、紫髪を編み込んだ女性が、目の前の片手剣を手放し血溜まりに倒れ伏す青年を見下ろしながらそう告げる。

その声に感情が全く感じられず、ただ機械的に言葉を発するその姿に周囲で見ていた民衆たちは目の前の光景と相まって、声を発する事すら忘れ顔を青褪めながらただ見ていた。

 

「…では、彼の神の目を以って目狩り令の本格始動と参りましょう。」

 

倒れている青年から()()に光る神の目を回収し、千手百目神像にはめてから将軍は周辺に待機していた配下へと告げた。

後に様々な所で大きな波紋を呼ぶ出来事の1つである「目狩り令」の始まりであった。

 

 

 

 

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「そちらの資材は望瀧村に持って行き、民達に分け与えてください。

 では次を。…はい、その書類はそちらの机に置いといてください。後で私が目を通しておきます」

 

──稲妻という複数の島が集まって成り立つこの国は、現在とても不安定な状態にある。

 

片や幕府側。

稲妻の本島とされている鳴神島に稲妻城という城を中心とした都市を展開している。

また、そこを治めるテイワット七神の一柱──雷神──である雷電将軍を初め、その将軍を支える天領奉行の当主である九条孝行やその娘である九条裟羅、同じく社奉行の当主の神里綾人とその妹の神里綾華、等といった有力かつ有名な者が多く存在している。

現在は鎖国状態とはいえこれらの人物や民衆達の創意工夫と尽力、そして少なくない土地によって彼ら彼女らは裕福とは言い切れずともそれなりに豊かな生活を送れていると言えるだろう。

 

片や海祇側。

本島から西の端に存在する海祇島にて珊瑚宮という御殿を建て、その麓に村を展開している。

決して()()()()()()()()()のだが、かといって豊かとも言い切れない生活を送っているのだ。

また、そこを治める珊瑚宮家の当主であり『現人神の巫女』とされている珊瑚宮心海を除くと、名や実力のある者は海祇軍の大将であるゴローくらいしか現在は存在しない。

彼女らは様々な要因あって本島の幕府側とは敵対関係となっており、お互いに関わることすら片手で数えれる程しか行っていない。

その関わりも、海祇島の所有権での争いなどが殆どではあったが。

 

「では次を。…管理していたフライムの暴走、ですか?」

 

そんな海祇島にある日、本島側から人が流れ着いてきた。

 

「困りましたね…ゴローは、いえ…彼には軍の方に暫くいてもらわなければなりません。となると…」

 

それは後に海祇島のあらゆる面で珊瑚宮家を支え、多大な貢献をした存在。

 

「…仕方ありません、そちらに『彼』を派遣します。この時間であれば彼は見回りに行っているはずなので、ルートを逆走してください。念の為、例のものを持たせます。…それと、彼に決して無理をしないようにとお伝えください。」

 

珊瑚宮心海をして「海祇島に、ひいては珊瑚宮家になくてはならない存在」と称され、ゴローに「武勇のみならばいざ知らず、それ以外の分野では俺は彼に頭が上がらない」とまで言わしめた者。

 

これは、そんな彼の物語。

 

 

 

 

 

 

 

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明るい陽射しが海祇島を照り付ける。

その陽射しによって、島中に浮かび上がる泡や滝などで元々幻想的な雰囲気を醸し出している島内が更に明るく輝く。

そして優しく穏やかな風が、草木のゆったりと揺れる音と共に舞い込んできている。

 

「よし、ここも大丈夫…っと。」

 

そんないかにもピクニック日和と言えるような日に、俺こと望瀧湊音(ぼうろうみなと)は日課の点検をしていた。

点検というのは、俺の神の目を使った土地の活性化…のようなものだ。

 

海祇島という俺達の拠点のあるこの土地は、お世辞にも豊かとはとてもではないが言えない。

俺が立て直し続けて漸く目に見える成果が出てきているとはいえ、立地からして作物を育てれる場所が少ないだとか、昔から居続けているファデュイや幕府との関係の島内の情勢だったり、そもそも崖やら意味不明なオブジェクトが多いなどの改善点がこれ以上ないほど多数存在する。

 

そんな問題しかないこの島を、俺はここに来てからずっと自身の元素をフル活用して内外共に豊かな土地にできつつある。

そう、全てはあのお方、この海祇島をニ千年以上も治めておられる珊瑚宮の現当主にして現人神の巫女、我らが主の珊瑚宮心海様の為に──!!

 

「望瀧様!」

 

とかなんとか考えながら次の点検ポイントまで歩いていると、その行き先から走ってきたであろう珊瑚宮様の使いの巫女様こと望月様が息を切らしながら俺のもとまでやってきた。

お?これは漸くやってきた新しい仕事か?

内心大歓喜ものではあるが、それを表に出して望月様の出鼻を挫くわけにはいかない。

嬉しい気持ちをグッと堪えながら冷静に対応する。

 

「どうなさった?」

 

「海祇島で管理しているフライムが暴走したようで、珊瑚宮様が貴方に対処に向かってくださいとのことです!」

 

フライムの暴走?

ふむ…と使いの望月様の言葉を自身の脳内で復唱しながら、自身の顎に手を当てて少し思考する。

俺の記憶が正しければ、フライムが暴走するほど地脈や環境に変化があったわけでは無いはずなのだが…?

それにこの話を俺にということは、今私以外に動かせる人がいないという事か…。

 

「了解した、すぐに向かうとあのお方に伝えてください」

 

「は、はい!それと、珊瑚宮様からの言伝で「どうか無理をなさらないでください」とのことです!そしてこちらを必ずお持ちくださいと…」

 

「どうか無理をなさらないでください」…!!?

下っ端風情の私になんて部下想いで優しいお方なのだ、珊瑚宮様…!!

たくさんの部下を抱えながらも1人ひとりに適切な言葉をかけ、纏め上げるという素晴らしいカリスマと能力の高さを見せてくださるだけでなく、俺のような端くれにまで気遣ってくださるのか!

 

はあ…もう最高、幸せ。

 

おっと、大事な仕事前に気を抜きすぎてしまった…緩みかけてしまった表情を一度引き締め直す。

何れにせよ珊瑚宮様の大事な仕事であり命令だから今すぐ向かわねば…と返事をしながら急いで支度を始めようとしていたところに、望月様から渡された小さな袋を受け取る。

これは……久し振りに受け取った気がするな。

 

(珊瑚宮様は俺の事を過度に気にしておられるようだ…フライム程度で必要になるわけでも無いのだが、せっかくのご厚意だ。使わせてもらうとしよう。)

 

「有り難い、しかと受け取った。私の事は気にしないでくださいともお伝えください」

 

「はい!では失礼します!」

 

そう言って、珊瑚宮様の使いの望月様は慌ただしく元来た道を戻って行った。

さて…管理されている魔物の分際で珊瑚宮様に逆らう愚かなフライムには、俺の久々の運動相手になってもらおうかな。

 

俺は例えほんの少しであっても珊瑚宮様の思考を煩わせているフライムに内心苛立ちながら、早急に仕事を終わらせる為に()()を取り出しながらフライムを管理している場所へと駆け足で向かった。

 




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