今までで一番長い話になってしまいました。本来12日に開ける予定だったのが、予定よりも長くなってしまい、時間がかかってしまいました。
おそらく誤字脱字が今まで以上に多いでしょうが、それでもよろしければ呼んでくださると嬉しいです。
4月11日
トリニティ学園
ティーパーティの場合
「さてと……先生の誕生日まで時間がないわけだが、二人とも何を渡すかは決まったのかい?」
「ええ、私はオススメの茶葉を送ることにしました……ミカさんは?」
「……フルフル……決まってない……ふぁ〜」
トリニティ学園の最高権力者であるティーパーティの3人組。
桐藤ナギサ、聖園ミカ、百合園セイアの3人組は集まり先生のプレゼントについて話し合っていた。
「ミカさん?寝不足ですか?」
「うん……ちょっとね」
「当ててみようか?……大方、贈り物を考えたはいいがマイナスの事ばか
り考えてしまい結局振り出しに戻って寝不足……と言ったところかな。」
「……さすがにカンがいいね……セイアちゃんは何を送るの?」
「私かい?……残念ながら君と同じで決まってないよ」
「そっか〜……ならさ、一緒に選ばないかない?」
「!?」カチャ
「おや、良いのかい?……思えば誰かと一緒に買い物だなんて暫くしていなかったね……良いよ、行こうか。」
「うん!」
(……私は!?)
ナギサは後悔していた……紅茶の茶葉、それも自分のお気に入りを贈るという無難な案が、まさか親友二人のプレゼント選びにハブられる結果に繋がるとは夢にも思っていなかったのである。
「ナギちゃんも来る?」
「!?……えっ……良いのですか?」
「ミカのセンスでは少し不安でね、君が選ぶのを付き合ってくれると助かるのだが、どうだろう?」
「一言余計じゃない?」
「なら君は何を贈ろうとしていたか聞こうじゃないか」
「……ネックレス?」
「……重くないか?」
「普通じゃない?」
「フフッ……先生なら心が籠った贈り物であれば喜んでくれますよ……ただ、あまり高価なものは贈らないように……先生が気を遣ってしまいますからね。」
「あ〜確かに。予算的にも高いものは厳しいね」
「そうだね……先生が喜びそうなもので、あまり値の貼らないもの……難しいな」
「それを探すための買い物です……さぁ、行きましょう!」
そうして3人の少女たちは並んでプレゼントを見つけに街へと向かっていった。
エデン条約をめぐる事件に色彩の襲撃……様々な問題が並んだ影響で会うことすら難しかった3人も、こうして青春を過ごしている。
先生にとって……彼女たちに慕われている彼にとってこの光景こそが最高のプレゼントであるが、それを本人たちが知るのは少し先の話。
ゲヘナ学院
給食部(美食研究部)の場合
「か〜え〜っ〜て〜!!!帰れ!今すぐ帰れ!私は何があっても、先生の誕生日ケーキを作らないといけないの!!アンタら美食研究会に作ってあげれる食事は一口だってない!!」
給食部部長、愛清フウカはいつも以上に荒れていた……明日に迫った先生の誕生日……先生がキヴォトスに来た時はすでに過ぎてしまって祝うことができなかったためか、異常なほどに気合いを入れていた。
そのため、パーティ料理を明日までに作って欲しいと頼みに来た黒棺ハルナにはいつも以上に拒絶を示していた。
(絶対に、失敗なんてしない!必ず先生を私の料理でもてなしてみせる……もう過労で倒れたらなんてしたく無いッ!)
心からの悲痛な叫びであった。
見ていていたたまれない。
「……?ハルナ、どうして黙ってるの?……普段からいつもの口八丁やいつものメンバーで私を縄で縛って攫ってる頃なのに……」
彼女はもう慣れてしまっていた。
「……フウカさん……私に料理を教えて下さいませんか?」
「……え?……なんで?」
「何故とは?キヴォトスで先生の味の好みをキヴォトスで最も熟知しているのは他でもないフウカさん、貴方です。美食を追い求める私にとって贈り物は最上の美食でなくては行けません。」
「そして、私にとって最上の美食とはフウカさんの手料理……それでは貴方が作って終えば私からの贈り物では無くなってしまいます。だから」
「……よくも恥ずかしげもなくそんなこと言えるね……でも、納得行った。だから私に教えて欲しいって話になったんだ……」
「はい……時間もありませんし、早速始めませんか?」
「なんでアンタが仕切るのよ!……まぁ、いいけど……私の言うことちゃんと聞いて、すぐに爆破なんてしないようにね?」
「はいっ!」
大丈夫かな?と訝しむフウカであった……
アビドス市街地
ショッピングモールにて
???と???の場合
一人の乙女は焦っていた。
明日はシャーレの先生の誕生日だと言うのにプレゼントがまるで選べていないことに……
「……何を買えばいい?……万年筆、筆入れ?……いや、先生はすでにお気に入りのものを持ってる……先生が喜ぶもの……先生の好きなもの……りんご?栄養ドリンクと一緒によく食べてるし喜んでくれるかな……アレは疲れてるだけか。」
風紀委員長空崎ヒナ……ゲヘナ最強の名を持つ彼女は今、迷走していた。どれくらい迷走しているかというと、
「そう言えば先生はよく私の匂いを嗅ぐけど……シャンプーの香りを気に入ってくれてるのかな?……お揃いのシャンプー送れば喜んでくれるかも……」
と、普段の彼の奇行によってヒナの思考は完全にショート寸前になっていた。そんな時、
「アレ〜風紀委員長ちゃんじゃ〜ん、久しぶりだねぇ」
「……!小鳥遊ホシノに、アビドスの対策委員会……ひょっとしてそっちも?」
「ん、先生の誕生日プレゼントを買いに来た。私はこれ」
「……手袋?」
「うん、サイクリングバイク用の手袋……これがあれば先生も気にせずサイクリングができるはず」
「なるほど……でも先生って右手義手だし……誘って大丈夫?」
「えっと……あの義手は特別丈夫だから問題ない……はず」
「そうなの?」
「そうだ!ヒナさんはどんなものを選んだんですか?」
「!……それが、まだ決まってなくて……私が選ぶものはどれもつまらないものばかりだから……何を選べばいいかわかんなくなって……」
「ヒナちゃんは真面目だなぁ〜……先生が喜ぶもののんて決まってるじゃん!ヒナちゃんが一生懸命選んで決めた物が先生にとって一番のプレゼントに決まってるよ〜」
「……そうかな」
「そうだよ〜だいたい、つまらないかどうかはもらった側が決めることなんだからし、思うままに選んで送ればいいと思うよ!」
「そうですよ……先生は思い出を大切にする方ですから……どんな些細なことでも覚えてくれます……だから安心してください」
「それにね、先生と一緒にいてつまらないって言われたことある?」
「……!無い……先生は私と一緒にいても楽しいって言ってくれてた…….ありがとう、みんな……おかげで何を買うか決まった。」
「そう?ならよかったよ……さてと、おじさんも早く決めないと……あっ……何にしよう……?」
「ホシノ先輩、自分の分は決まってたんじゃ無いんですか!?さっきはヒナさんの背中を押してたのに……!」
「あ〜ごめんってアヤネちゃん〜おじさんだって悩む時は悩むんだよ〜……おっ?いいの発見!」
そうして偶然にも居合わせたヒナとアビドス対策委員会のプレゼント選びは無事に終わった……
「そう言えばヒナ委員長」
「なに?」
「どうしてわざわざこっちまで買い物に来てたの?遠いでしょ?」
「……その、ゲヘナ地区は他の生徒がプレゼント選びしてて、私が行けば怖がられるから……ここなら知り合いも少ないし……」
「そっか」
そうして日付は変わり、ついに決行の日が訪れた。
藤丸立香のサプライズ誕生日パーティー
会場、シャーレオフィス
開始時刻……19:00
「待っていてください、貴方様♡」
仮面をつけた一人の少女が招待状を見つめながら微笑んだ。
藤丸立香の誕生日、午前。
現在時刻7:20
『先生!ハッピ〜バースデーです!キヴォトスにして初めての誕生日ですね!おめでとうございます!』
「……うん、お祝いありがとう……」
もう立派なアラサーになったなぁ〜……もうロマンと同い年なんじゃ無いかな。
「誕生日を祝ってもらうなんて久しぶりだな〜」
『そうなんですか?……いつぶりくらいです?』
「……だいたい2、3年前くらいかな……まぁ見た目はカルデアの時と変わってないけど」
『先生、童顔ですもんね〜女装とか興味ないですか?』
「良いかいアロナ、いくら歳を取らないと言っても精神的に辛いものがあってね?……アラサーだよ、私?」
『でも似合うと思うんですよ』
「アロナ?」
おかしい、なんでこんなに食いつきがいいんだ?少し怖いぞ?
「あれ、カンナからだ……ワカモが脱獄してこっちに向かってr」
ドッカーンっ!!!!
「……早いなぁ〜いらっしゃいワカモッ゛」
お腹に重い衝撃!こんなに派手な誕生日は初めてかもしれない!……いや、ホテル貸切にしたり、都乗り回したりしたこともあったわ。
オレの誕生日、結構派手だった。
「……貴方様、お誕生日おめでとございます。このワカモ、貴方様の誕生日を記念してささやかながら贈り物を用意させていただきました。」
「コチラを……」
そういうとワカモは小さな箱をコチラに差し出してきた。どうやら誕生日プレゼントをくれるようだ。
「ありがとう、ワカモ……これは開けてみても良いかな?」
「ッ!?……はい、できれば付けてくださると嬉しいです♡」
何くれたんだろう……手のひらサイズのプレゼントボックスを開けるとそこには綺麗なネクタイピンが入っていた。
「ありがとう、ワカモ……これ黒いコスモスかな……付けてみるね」
「はい♡……やはり貴方様に似合うと思いました……実は何を贈るかずっと悩んでいましたが、いつも身につけて私の事を思い出してくれるもの……その結果がそちらを贈ることになりました。」
「そっか、ありがとう。私のために選んでくれたんだね……大切に使っていくよ。」
「っ!!……なんという幸福感……!気に入っていただいたようで本当によかった……名残惜しいですが、今日は帰らせてもらいますね……そろそろ厄介なものたちが来そうですから。」
……そう言えばさっきカンナからメッセージ来てたような……
「それでは先生、またいつか会いましょう……そのネクタイピンを私と思って肌身離さず付けて頂くと、嬉しいです。」
そうしてワカモは去っていった……と同時に四人の足跡が響いてきた。
「先生!!」
「無事か、先生!」
「すっごい派手な爆発が見えたから来たけど、どんな爆薬使ったの?」
「先生!お怪我は無いですか?」
「あっラビット小隊のみんな、おはよう!」
「おはようって……襲撃を受けたくせに呑気だな!?……ハァ、いつも通り呑気で安心した。」
「……怪我がなくて良かったです」ペタペタ
ミヤコ、近い……気づいたらゼロ距離まで来て触診されていた、恐ろしく早い触診、私でなきゃ見逃していた(言ってみたかっただけ)
「?あれ〜先生ってそんなネクタイピンしてたっけ?」
「ああ、コレ?生徒から誕生日プレゼントで貰ったものなんだ……カッコいいでしょ!」
「……カッコ良いかは置いておいて、先生今日が誕生日だったのか……どんな物が欲しい?」
「えっ、良いよ無理しないで……みんな普段から大変なんだし……」
「そうはいきません、先生にはたくさんお世話になっていますし……あまり高いものは買えませんが……欲しいもの、教えてください!」
「……じゃあ肩叩き券で」
「えっそんなんでいいの?それプレゼントになる?」
「最近肩こりが酷くてね……」
「なら、私がやって良いですか?……私、同じ体制でいることが多くて自分でマッサージしてるんです……先生のことも解せると思います」
「ならお願いして良い?」
「本当にこんな事で良いのか?」
「先生本人は喜んでるみたいだし……私たちプレゼントできるものの方が少ないからいいんじゃない?」
「ミユが終わったら次は私がやりますね」
「お前はなんでそんなに乗り気なんだ?」
ラビット小隊のみんなに肩を叩いてもらい、肩が軽くなった!肩を揉んでくれた四人からは
「仏像かと思った」
「不安になる硬さでした」
「……疲れたら、休みなよ?」
「大理石の柱を揉んでる気分でした」
と、感想を貰った……エンジニア部にマッサージチェアを依頼しようか本気で考えさせられる時間だった。
解散時刻10:00
11:00
元アリウス自治区跡地
↓
新妖精國にて
「……お、おおっ……凄いなぁ!?だった数ヶ月でこんなに変わるものなんだ……!?」
アリウス自治区……ここはゲマトリアの一員であったベアトリーチェという悪党の手に落ち復興が出来ないほどの打撃を受けた地区だった……
だが、目の前にあるのは第六異聞帯であり、あの時見た妖精國……とハワトリヤにて建てられた
妖精國。藤丸立香が生前行った異聞帯の一つであり、モルガンはそこの女王であった。
彼の国は多くの街と巨大な障壁に守らられる強国であり、それを2000年間守護し続けたのが、モルガンである。
彼女を含む妖精騎士は元々敵対していたが、気づいた時には全員マイロードの天然ジゴロの力により頼り甲斐しかない仲間となっている。
いや〜モルガンすら惚れさせるとは流石は僕のマイロード……僕ですら不可能な事を平然とやり遂げてくれる……
……まずい、のぞいてるがバレた……ここで失礼!
「?今花の香りが」
「あのクソ夢魔め……無粋な事を……」
ああ、なんだマーリンか……オベロンといいモルガンといいいつも恨みかってるな、彼。
「それにしても、凄いねモルガン……前回来た時は前までのアリウス高校の面影が残ってたけど……元の学校の形になってる。」
「私にかかればこんなものです……それに家臣たちの働きもよかったので…….貴方が来た時は本当に準備段階であった事、理解しましたか?」
「うん……ちなみに許可の方は……」
外から見たら完全に妖精國だったけど……というか街中はほぼ縮小されたキヴォトスみたいになってる……生徒同士もチラホラヘルメット団やスケバンの子が歩き回ってるし……リンちゃんにどやされないかな、これ。
「許可?ああ、連邦生徒会にはすでに申請を出して認めさせてあります。他校の立ち入りも殆ど縛っていません……ゲヘナを除けば、ですが」
「は、ははは……ごめんね、ゲヘナの子たちは自由気ままなところがあって……」
「貴方の
「はい……返す言葉もありません……何度も質問してしまい、申し訳ないのですがモルガン陛下 」
「なんですか、我が夫。」
「これ、恥ずかしいんだけど……」
私は今、モルガンに膝枕をされている。カルデアでもみた事ないでかいソファに寝させられ、アリウススクワットのみんなに見られながら膝枕をされている……
お願いだよアリウスの生徒たち!そんな目でオレを見ないで!?オレだってこんなことになるなんて思いもしなかったから!だってこんな、もはや羞恥プレイだよ!
「……陛下、独占しすぎ」
「……」
「陛下、お戯もそこまでに……」
「まだ物足りませんが」
「陛下だけずるい!……私だってマスターとイチャイチャしたい!というかマスターをここまで運んできたの私だよ!?褒美は?」
「お前はこいつ連れてくるまで寝てたらろーが!このズボラ竜!」
「朝は苦手なんだもん」
「……お前たち陛下の御前だぞ!私たちは一応教師としての職についているのだ!少しは自覚を持て!」
「……殆ど授業してるの私だけどな……バーゲストは教えるの下手だし、メリュジーヌは寝てるし……」
「バーヴァンシーが抑えてるなら安心できるよ……」
「……別に。アタシはアンタのサーヴァントだし……アンタの尻拭いするのもアタシらの仕事だろ?……でもせっかく同業者になったんだし、お前後でツラ貸せよ?」
「え、いいけど……そういえばアツコたちは?アリウススクワットのメンバーと今日見てないけど……」
「……シラネ」
「……見てませんね」
「?そういえばいないね」
「……彼女たちは明日には帰ってくるでしょう……よくある事なので気にしないように」
「……?(露骨に話題を逸らした気が……)
「彼女たちの準備が終わるのは?」
「19時……結構時間あるわね……コイツをしばらくここに拘束してちょうどいい時間になったら向かわせる……おい、メリュジーヌ、ちゃんと覚えてんだろうな?」
「だ、だいたい?」
「昨日会議で話したばっかりだろうが!?何アンタ鳥頭なの?会議いたわよね!?」
「……てへ☆」
「マジでコイツ〜!!」
「もともと期待はしていない……では陛下と藤丸様。お食事の用意ができましたから、よろしければ食堂までご案内いたします。」
「……そうですね、行きますよ、我が夫」
「……オロシテ」
膝枕の体制から持ち上げられ、まるでお姫様抱っこをするように持たれて、困惑顔を浮かべる先生は、この場にいたアリウス生徒はこうも思った。
(何を見せられているんだろうか)
と、メイド服にガスマスクを付けた彼女たちの顔はよく見えないがきっと宇宙猫のような顔をしている事だろう。
(……アリウススクワットたちは上手くやれているでしょうか?……いや、彼女たち大……やはり不安になってきましたね……)
モルガンはモルガンで視線ガン無視でアリウススクワットたちが計画を上手く進められているか心配していた。
同時刻、連邦生徒会会議室
「……まさか一個人の誕生日を祝うためにこれだけの人が集まるなんて……少し驚いたわ。」
「……そうでもありませんよ。先生の日頃の働きを考えると少し少ないくらいです……私たちも準備を進めましょう」
「先輩、こっちの飾り付け終わったよ〜」
「こちらも無事にできました!」
「お疲れ様です、モモカ、アユム」
「これくらい普段の仕事に比べたら楽なほうですよ」
「はい!……といっても風船を膨らませて飾るくらいでしたが」
「仕事した事には変わりませんよ」
と、連邦生徒会メンバーですらこうして時間を作って準備を
行っていた。
アリウススクワットのメンバーも
「姫、何作ってるの?」
「折り紙でお花の飾りを作ろうかなって……ほらチューリップ」
「あっ良いですね……私も作ります」
「紙で作ったもので喜ぶのかな」
「わかんない々…けど先生なら嫌がらないと思う。」
「あの人は度を超えて優しいからな……心を込めた贈り物ならきっと喜んでくれる筈だ……ところでみんなのその服は?」
「「「職場の制服」」」
「そ……そうか……C&Cという組織も制服としてきていたし、普通のことか。」
「それよりも、私はサッちゃんの格好が気になるかな」
「確かに……そのドレスどこで仕入れたの?」
「ドレスコードが必要な所で護衛任務のとき報酬代わりに貰った」
「……リーダーも大変なんですね……もういっそ一緒にメイドになりませんか?美味しいご飯にベットもつきます……給料もいいです」
「……些細は嬉しいが、私にメイド服や執事服は似合わない。それにもう少しだけいろんなところを見て回りたいんだ」
「大丈夫、待てるよ……今日はみんなで先生を祝おう!」
「ああ」
「借りは返さないと、ね。」
「えへへ、陛下からアドバイスをいただきましたので、多分大丈夫だと思います……」
(ん、陛下?……ああ、メイドの主ならおかしくないか)
と、久しぶりに全員揃ったアリウスは楽しそうである。
16:45
誕生日祝いにバーゲストの手料理、バーヴァンシーからはお手製革靴を、メリュジーヌからは銀色のバックルをプレゼントしてもらった。
モルガンからはミサンガを貰った。
「私の加護を載せてある……何があったも外さないように……良いですね、我が夫。」
「うん、みんなからの贈り物、大切にするよ……ありがとう」
「……もうこんな時間ですか……我が夫、残念ですが今日はここまでです……メリュジーヌ、送っていきなさい」
「了解だよ、陛下。」
「それじゃあ、喫茶店で下ろしてくれる?」
「え〜近いよ、マスター。その距離だったらすぐに終わっちゃう〜」
「おいこら、明日はお前担当の授業があるんだから早く帰ってきて明日の準備をしろよ!教えるって立場は忙しいの!終わらすことのできる仕事はとっとと片付けて書類を作れ!」
「うぐっ、正論……仕方ないか〜ごめんよマスター、上空デートはお預けだ……」
「うん、また今度ね」
「おい、メリュジーヌを甘やかすな!……貴方がそうやって甘やかすから彼女は一向に変わろうとしないのです!」
「あ〜あ、メイド長がお怒りだ、早く行こうマスター」
「……待って、またその持ち方なのォォォ!!!??」
加速した……お姫様抱っこの状態から一気に加速して……そこで意識を失った。
17:00
喫茶店ティターニアにて
「……来たか、マスター」
「うん……アビーからメッセージ来てたからね……どうかしたの?」
「マスター、知っているのに惚けるなんて……いけない人……でも今日だけは許します!なぜなら主役は貴方だから!」
そう言うとアビーは黒猫のストラップをこちらに差し出してきた。
「可愛い!ありがとう、アビー」
「ええっ!喜んでもらえて良かったわ!……ふふ、お揃いね」
「うん、大事にするよ」
「あ〜あ〜、沢山の人に愛されてて流石はみんなのマスター兼先生ですね、マスターさん?」
「カーマもくれるの?」
「欲しいですか?」
"うん"◀︎
"嫌なら良いよ?"
「仕っ方ないですね〜!!マスターさんは私のこと大好きですもんね〜!!そんなに欲しいなら、しょうがないので恵んであげます!」
可愛い……カーマはこちらに細長い箱を渡してきた。
「ありがとう、カーマ……早速開けても良いかな。」
「どうぞ」
「……ネクタイ!早速付けても良い?」
「えっ!?……どうぞ……そんなに気に入りました?」
「うん」
「そうですかそれは良かったです!」(絆レベルアップ:15→16)
顔が真っ赤だ……藤色にハスの花が描かれたネクタイ…….なんだかカーマを連想するデザインで、付けてるだけで落ち着く感じがする。
「大切に使うね」
「……ここに来る時それ付けてきてくださいね」
「いいよ」
「フッ……特に物は用意していないが……奢りだ」
コトッと目の前に淹れたてのコーヒーが置かれた。
「熱いうちに」
「ありがとう、マスター」
「いいや、俺はどんな姿になろうとも、どんなに時間を変えようとも、お前の共犯者だ……その呼ばれ方はお前にこそふさわしい。」
「彼、そう呼ばれるのが嫌だから僕に店主の座を譲ったくらいだ……でも彼の威厳がありすぎて僕じゃなくてみんな彼をマスターって呼んでさぁ〜」
「オベロンはくれないの」
「……そう言うと思ってコレ」
「ウォッカ?」
「生徒からの押収品でね……どこの誰のものかはわからないけど危なそうだから引き取ったんだ。」
「そ、そっか」
誰ノコトダロウナォ〜ワタシ、シラナイ。
「……要件は済んだ…….お前はお前の居場所に戻るが良い……運命に抗い生徒を導に行け。」
運命……か。それはきっとあの時の……プレナパデスのことを言っているのだろう……あの時サーヴァントは市民を守ることを優先し、プレナパデス本体との戦いには参戦せずにいた。
理由は恐らく……
「今日はもう店じまいだ、先生」
「……そっか……時間か。また来るよ、みんな。」
「またね、先生」
「約束は守ってくださいよ、立香先生!」
「またね、先生」
「またのご来店を……」
「うん、今日はありがとう」
そうしてティターニアを去り、シャーレへと帰路についた。
シャーレビル廊下
17:55
夕方にしては廊下は薄暗く、故意に光が入らないようにしているようだ……廊下からも人の気配がする。
振り返ることなく自身のオフィスの前に来た時、
「!?後ろ……わっ」
目隠しをされ、左右の手をそれぞれ別の生徒に引かれて、席に案内されたようだ。
書類仕事なさの時に使う椅子に座らされ、目隠しを外された。
カチッカチッカチッ……
?……あれ、なんもない?
「なぁまだなのか?」
「時間まであと3分ほど残ってます」
「……細かくない?先生待たせるのも良くないし始めちゃおう」
「……それもそうだけど、クラッカーこの人数で鳴らしても良いの?」
「僕様が調合した特別性のクラッカーを信用すると良い、先生の体に万が一が起きても大丈夫なようイジってある。」
「不安」
パチッと電気がつくと同時に
パンッ!パンッ!パンッ!
と、火薬の音と共に花吹雪がまい、現れた沢山の生徒たちが一斉に
「先生、誕生日おめでとうございます」
「「「おめでとう!!」」」
そこには、ゲヘナ、トリニティ、山海、連邦生徒会、ミレニアム、レッドウィンター、ヴァルキューレ、ラビット小隊のみんなにアリウススクワットまでもが!みなこちらに笑顔を向け、祝福をしてくれていたのである。
「……?先生、どうかしましたか?……耳とか無事です……!?」
涙が止まらない……こんなに祝ってもらったのは久しぶりのことだった……何よりも自分の教え子に……
なんて言葉にすれば良いのかわからない……お礼を言わないといけないのに、上手く言葉を発せなくて……前が歪んでよく見えない……
「ど、どうしようノア!先生泣いちゃったー!?」
「え、ええ?!……やはり音が大きかったから……」
「いや、流石にそんな子供みたいな理由じゃないでしょ……大丈夫、先生……サプライズだったんだけど……あ、お面汚れるから外すね」
フルフル……と弱々しく首を横に張る。
「ごめん、嬉しくて、みんなにお礼を言いたいんだけど……上手く言葉が思いつかなくて……なんで私、泣いてるんだろうね?」
「ごめん、わかんない」
カヨコを困らせてしまったようだ……申し訳ない。
カルデアにいた時、逆のことが2回あった。
ロマンの誕生日にマシュと一緒にケーキを作ってプレゼントした時、泣かれてしまったんだ……彼は「感激だ!」と言っていたかことから悲しみで泣いたわけではないと、マシュに話して、3人でこっそりケーキを食べたことがあった。
そしてもう一つがゴルドルフ所長の誕生日ご馳走を用意したら……また泣かれてしまった……彼は「今日食べた食事は今まで食べた食事の中で一番温かい」とそう言っていて……作った自分とマシュ、ダ・ヴィンチちゃんはもらい泣きしてしまった事もあった。
二人の気持ちが今なら……一人の大人となった今ならわかる……自分にとっての子供に祝ってもらえることがどれだけ幸福かを……今この瞬間がどれだけ暖かて尊いものかを……今なら、痛いほどわかる……
(私は、彼女たちを……今日まで守ってこれたんだ……!)
自身はずっと無かった……生徒みんなを守れたことなんて一度もなかったから……だからこうして祝福されることが……まるで、生まれてきてくれてありがとうと、そう言ってもらえたようで嬉しかったんだ……!
「み゛ん゛な゛あ゛り゛が゛と゛う゛!!!」
と……また、涙が止まらなくなり、みんなが駆け寄ってきて、背中をさすったり、寄り添ってくれたり、涙を拭いてくれたり、中には頭を撫でてくる生徒もいた……本当に助けてもらってばかりで……でも、寄り添ってもらえることがどうしようもないほど嬉しかった。
カルデアもキヴォトスも……オレは、みんながいるから大好きなんだって改めてそう思えた。
「……みんな、大好きだよ……最高の誕生日を、ありがとう」
「「「「……!!??」」」」
藤丸立香は素顔のまま、数多の英雄を落とした微笑みを浮かべ生徒たちに特大の爆弾発言を発したのだった。
始めに倒れたのは早瀬ユウカ……先生と最も長い付き合いの彼女であった。
バタンッ!
「ユ、ユウカ先輩が倒れた!?」
「い、委員長、しっかりしてください!チナツまで!」
「……次々と生徒が倒れていってしまっている……何故?」
「先生!気軽にそんなことを言わないで下さい、心臓に悪い。」
「あっリンちゃん!」
「今日は許しますが、明日以降はその呼び方はダメですからね」
「リン先輩も堕ちてる!?」
「エヘヘ、先生が大好きって」
「ミカさん!?しっかりしてください!パーティまだ始まって序盤ですから!?……セイアさん!ミカさんを起こすのを……!?」
「……」ニコヤカ
「き、気絶している!?」
「……プチパニックだ」
「だ、誰のせいだと……!もう」
「仕方ない、先生は鈍い上にタラシだから」
「シロコさん!?中々酷い言い草だね!?」
「ん、事実……ほら、これ以上は収集がつかなくなるから、パーティの続き、しよう?」
「うん、そうだね。」
こうしてにぎやかな誕生日会はみんなの門限ギリギリまで行われたと言う……
マイロードに僕も何かプレゼントしてあげたかったんだけど、怖い監視役に見られていて何もできないのが辛いなぁ……
でも、こうして幸せな空間を見つめることで僕も我慢することにしようかな……マイロード、君の未来は僕の目を待ってしても見通せない……ほんと、見ていて飽きることのない子だ……
いかがでしたか?今までの作品最多の文字数となりました。
最高新記録です。
藤丸立香はプレナパレスがトラウマになっています。理由はまぁ最終決戦までやった人なら察してると思います。
自分に生徒を最後まで導くことができるのか?という不安を抱えていたら……という考えで今回のストーリーを作成しました。
よろしければ感想、出して欲しいキャラなどがありましたらコメントしてくださるとモチベーションにつながります。
ただ自分の文章力では期待通りのものを書けるかわからないため、そこはご了承ください。