それとみなさんお気づきかと思いますが、こと短編に限っては時系列はバラバラです。
前回と話が全く変わって来たりもしますので、苦手な方はそっと閉じてください。
シャーレオフィス
ジメジメとした天気が続くなか、キーボードを叩く音と紙を捲る音がやけに部屋の中で響いている。
普段のシャーレはもう少し賑やかなのだか、生憎ひどい悪天候のため当番の子一人だけのなっている。
「先生はさ、生きるのに疲れたことってある?」
「……え?」
ふと、今日の当番であるミサキからの質問に戸惑う。普段自分からあまり話さない彼女からの急な質問だったため、妙な間が開いてしまった。
「……えっと」
「……やっぱりいい……作業に戻る」
と、先ほどの質問がなかったかのように作業に戻ってしまった。
(……困った、)
自分の旅路を思い出す。
永久凍土アナスタシアにて心は一度折れ、再起するために友達を失って……それの繰り返し……何度か鏡の自分を殴ったこともあった……その場の怒りにのた身を任せて、命を投げ出すところまで行ったこともある。
理不尽な理由で神や英霊、魔獣に……時には現住人に命を狙われることもあった。
ああ、それと……目の前で大切な人が焼き殺されるのを見ていることしか出来ない事もあった。
目の前で友達が、恩人が、仲間が……!命を落として守った居場所を呆気なく漂白された時は心が折れそうになった。
……家族として過ごした人が惨殺されたこともあった。
何度も俺を守って、導いた英霊たち……彼らとの縁を断ち切ること……それは思い出すと今も泣きそうになるくらい辛いものだった。
旅は確かに楽しいものだった……けれど、楽しい事よりも辛いことの方が多かった。
「……私にも、あるよ……生きてるのが辛かった時期がね」
「……!……そうなんだ……意外だね。本だと先生にそんな様子はなかったから」
「……男の子はね、女の子の前だとカッコつけたがるものなんだ……特に、自分を慕ってくれている人の前だとね。」
「へぇー」ペラッペラッ
あっ、すっごい興味なさそう。書類の整理に戻ってるし
「……先生は、いつも死ぬかもしれない中で戦ってた」
「うん、いつも必死だったよ。」
「……なんか、今とあんまり変わってないね」
「そうかな?」
「うん……昔の先生も今と変わらない……」
「……ううん、変わったことは確かにあるよ。」
「?」
「子供の頃よりも、空が綺麗に見えるんだ。」
特異点の空、異聞帯の空、カルデアスで見た空……マシュと、みんなと取り戻した空……終わりの空はいつも綺麗だった。
澄み渡る、見惚れるくらい素敵な青。
ただ、今の私にはもう一つ新しく見える青がある。
「……先生、手止まってる……何でこっち見てるの?」
「ねぇ……ミサキ、雨が止んだでピクニックに行こうか」
「?何で急に……嫌だけど」
「まぁまぁ……!綺麗なものは、誰かと一緒に見てこそ楽しいからね……」
「……命令なら従う……けど、雨が止まなかったら?」
「知らないのミサキ?止まない雨は無いんだよ!止み次第行こう!」
「はぁ……好きにして」
冷たいなぁ!……そうだ、念の為ミサキが風邪を引かないように温かいものと上着を持っていこう……あとは、
「まずはアツコたちに連絡だ!青春という青は見過ごせない!」
「……どうでもいいけど、まずは手元の書類から終わらせたら?」
「て、手厳しい……!」
その後、二人で作業を進めていき終わる頃には雨が止んでおり、ミサキ、アツコ、ヒヨリの3人でピクニックを行った。
ピクニック用にお菓子やお弁当をみんなで食べた。
その日の虹ははっきりとした色合いで出ていて、青空と彼女たちによく映えるものだった。3人が映るよう写真を撮り、モモトークで共有する。
少し不機嫌そうなミサキに、朗らかに笑うアツコ、カメラには目もくれずお菓子を頬張るヒヨリと三者三様な良い写真となった。
なお、サオリも誘ったが、バイト中とのことでら参加できない代わりに3人の写真の虹を背景にした写真を送ったら
『感謝する』
と、一言モモトークに送られてきた。
サオリを入れてまたピクニックをしよう。
と約束をして、この日は解散したのだった。
本編も書きながらのため短めでしたがミサキと藤丸先生の二人の絡みを想像して書いてみました。
ミサキ可愛い。
早くエデン編書きたいけど……先が長い!
ということで、ちょっとずつの亀更新ですが、がんばりますのでこれからもよろしくお願いします。