シャーレの藤丸立香先生   作:アズカバー

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兄貴が強すぎて難儀しましたが、なんとか完成!
兄貴って本編だとかなり不遇なんですけど、スペック見る限り弱いわけないんですよねあの人。

前回みたいに色分けして欲しいって方がいましたらコメントで教えて下さい。もしいたのならサーヴァントだけじゃなくて、キャラクター事に分けていきたいと思っています。

そんなわけで始まりです。



第三話:呪いの朱槍

 

 

 

 

 

???

トラック荷台の倉庫

 

 

 

 

 

「……ここは、どこ?……私確か……そうだ、確か変な全身青タイツに襲われて……!イタッ!?」

 

部屋が揺れて地面に頭をぶつけてしまった……どうやらここはトラックの荷台の中のようだ。

 

「おっ、目冷めたか」

 

「……!アンタ一体誰!?なんでアタシを攫ったの!?」

 

目を覚ました時、私を攫ったレーサーヘルメットを付けた男が暗闇の中、ランタンを持って胡座を描いていた。

 

「思ってたより元気そうで安心したよ……お前を攫ったのに大した理由はねぇよ……偶然見かけたから攫ってヘルメットのガキ共に譲ってやったんだ……安心しな、このまま砂漠に生き埋め……なんて事にはならねぇからよ。」

 

……何なのコイツ……!明らかに私たちとは別格のような……戦い慣れている感じもする……でも私に敵意を向けてるわけでも無い……わけわかんないわね、コイツ。

 

「……先生を殺すとか言ってたように聞こえたけど、ヘルメット団の狙いは私たちアビドスでしょ?……どうして貴方だけ先生を狙っているの?……依頼主はヘルメット団……て、わけじゃ無いわね」

 

「見た目夜によらず察しが良いな……にしても起きたばかりなのに情報収集なんて……寝起きが良いようで羨ましいね……それともアンタらキヴォトスの連中が特別なのか?」

 

「誤魔化さ無いでくれる?……知らないようなら教えてやるけど、疑問文に疑問文で返すと0点になるのよ……さっさと答えなさい」

 

「ハハっ、威勢がいいな!!……お前みたいな女は嫌いじゃねぇ……まぁそう警戒すんなよ。ウチの依頼主は薄気味悪い奴だが、小僧……いや、先生とは仲良くしてぇみたいだぜ?」

 

「……何それ?殺すとかなんとか言っといてどうしてそんな話になるの?……訳わかんないんだけど」

 

「……簡単に行っちまうと、テストだそうだ……ヘルメット団や一英雄の俺に負けるようじゃ、手を組むほどの存在じゃねぇ……だから試す、らしいわ。こんなまどろっこしいのは嫌いなんだが、ガチのアイツと殺り合うのは悪くねぇ……だから、今回の依頼は受ける事にした。」

 

「はぁ!?何様よアンタら!と言うかそんなことのために私捕まったの!?……くっだらない!!それにアンタらは知らないでしょうが、あの先生はアンタが期待してる強さなんて無いわよ」

 

「いいや?……アイツは俺の期待は裏切らねぇさ……」

 

男は食い気味で否定した。

 

「俺はなにも武芸百班なんて期待しちゃいねぇ……あいつの強みは心と場数だ……お前らもしばらく一緒に戦ってるとわかるはずだ……アイツがいれば勝てるって……例えば、俺の師匠やむかつく金ピカとかな?アイツがいればどんな奴にも必ず勝てちまうんだよ。」

 

「……なによそれ、わけわかんない」

「ガキにはまだ難しかったか」

「んだとこの不審者!」

 

「ハハっ!元気一杯だな!その調子で頼むぜ?……お前たちアビドスって奴らともやり合うのも楽しみなんだよ……じゃあ、またな。」

 

そうして男は煙のように消えてしまった、

 

「……なんなのよ、もう!せめてもう少し有用な情報残しなさいっての!!ばーか、ばーか!!」

 

あんなヤツの狙い通りになんかさせてたまるか!早く、みんなのところに……みんな、心配してるかな?……何してんだろ、私。一人だけで意固地になって、餌にされて……馬ッ鹿みたい!

 

「……しっかりしろ、黒見セリカ……!」

 

みんなはきっと先生を連れて助けに来る……あの男も先生が来る事を前提で動いている……散々先生を貶しておいて、皆んなに怒鳴って、足を引っ張ってるのは結局私じゃない!

 

「っざっけんなっ!!オラッ!!」ダンッ!!!

 

「壊れろ!壊れろ!!壊れろ!!!……ぶっ壊れろ!!!!私をここから出せっつーの!!!……私を舐めんな!」

 

ガンッ!ガンッ!!ガンッ!!!……ダンッ!!

 

壁も扉もびくともしない……でも、関係ない……あんな大口叩いておいて何もしないなんてありえない!

 

「ただの餌で終わらない!……私はアビドス高校一年の黒見セリカ!こんな所で諦めて!アビドス高校を守れるかっての!!」

 

ぶっ壊れるまで、何度だってぶつかってやる……!みんなが来るのを期待して待つなんて、私のキャラじゃない!!

泣いたなんていられない!!諦めてなんか居られない!こんなところで止まってられない!!

 

 

 

 

走る車、それも暗闇の中で、囚われの少女は決意を燃やして暴れている……その背中をクー・フーリンは見つめていた。

 

(……やっぱりいい根性してるよ、嬢ちゃん……おっ?)

 

ふと、その時輸送車に衝撃が走った!

 

ドッカーン!!ドッカーン!!

 

ギギギッ……と横転し、中にいるセリカもまたひっくり返ってしまった……

 

(来たな、小僧っ!!)

 

「わあ!!??……なに、なんなの!?車、ひっくり返ったてるし!?……この縄邪魔!!……いっ……痛゛ぐ゛な゛い゛!!……ぬぐぐぐぐっ!……うりゃぁ!!」ブチッ!

 

「っしゃ!取れたぁ!!」

 

(マジかよ、とんだ馬鹿力だ……ルーンで強化した縄だってのに……無茶しやがる……)

 

「……っ!眩しっ……もうお昼じゃない!」

「えっ!?セリカちゃん!!??」

「お、おお〜まさか自力で脱出するなんて……!さっすがセリカちゃん!いや〜元気そうでおじさん安心したよ」

 

「……遅れてごめんね、セリカ……助けに来たよ」

「ゼェ……ハァ……ま、間に合っ……た……た、助けに、来たよ……お姫、様!……ゴホッ!」

 

「なんでアンタはもう死にかけてんのよ!?この戦地よ!?敵陣よ!?本当にバカじゃないの!?……そんな姿で言われても嬉しくないってのこのバカ!!!!」

 

「ふっふっふ……馬鹿で結構!……愛する生徒のためであれば、たとえ火の中水の中砂漠の中でも走って助けに行くよ……!ゲボッ!ゲボッ!」

 

「は、はぁ!??!?あ、アンタ……な、何言ってんの!?……愛してる……とかば、馬鹿じゃないの……」

 

「?……!?セリカ、手!見せて……傷だらけだ……待ってて包帯は」

 

「セリカ、私にも見せてせて……皆んなには内緒ね」

「?……一応言っておくけど唾とか着けたらぶっ殺すから」

「流石に傷口にはしないよ……【応急手当て】」

 

セリカの傷口に手をかざし、礼装魔術を起動する。

魂が一瞬炙られる感触ののち、セリカの傷口は治っていく。

 

「……これで大丈夫……念の為、後で医者に診てもらおう」

「……今の、何?」

「……あとで話すね」

「はい、まずはセリカちゃんを連れて帰りましょう!」

 

「……いや、向こうさんはそうはいかないみたいだよ?」

『敵兵多数接近……!これは、未登録の兵器を確認しました!注意してください!!』

 

アヤネから送られてきたドローンの映像を見ると、前方から歩兵のヘルメット団、その背後には見覚えのあるロゴのついた戦車が三台向かってきている。

 

「セリカ、これ!……仕返しをしよう」

「私の銃!……ありがと、シロコ先輩……ホシノ先輩!先生の前に……私を攫った奴の狙いは先生の命だって……」

 

「ありゃ、先生人気だね……先生?」

 

兄貴が?……なら今は後でいい!

 

「大丈夫、彼の性格ならヘルメット団の後に来るはずだ」

「そうなんだ……ならまずはヘルメット団だね……」

『攻撃が来ます!皆さん、伏せて下さい!』

 

砲撃によって戦闘の火蓋は切られたのだった。

 

 

 

 

「戦車部隊、前進……あっそうだ、α1!お前たちが乗ってる戦車、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()壊すなよ!……全軍一斉放射!ネズミどもを炙り出せ!」

 

『了解!』

 

「あいつらどこでこんな兵器を!?」

「伏せて!」

 

近くの瓦礫を盾にして隠れ、一度作戦を立てる事になった……が、どうしてあんな物が……!?

 

なんであるんだNFFサービス!?……()()()()()()()()()()()()()()()けど、あまりにも早すぎないか?

 

前半にはNFFの高性能兵器と後半戦にはクー・フーリン……そしていずれどうにかしないといけないコヤンスカヤって……魔神柱が主犯と思ってたのに!……黒幕はもはや誰なんだ!?

 

「あの戦車、知らないメーカーだ……明らかに性能も高いし色も目立つ……あれが多分向こうの切り札かな。」

 

あんなドピンクな機体、そりゃ目立つよね

 

「……!ダメ、先生……!今の私たちの装備じゃあの装甲は貫かない!」

 

なるほど、硬い……いや、何かしらの加護が乗っているのか……向こうが英霊……というか獣だけど……その力を悪用するのならこちらも容赦はいらないな……

 

「先にズルしたのはそっちだし……【決戦強化】!……アヤネは爆薬をドローンで投擲!シロコはドローンで戦車の下部に攻撃!ノノミとホシノは歩兵を蹴散らして、戦車の注意を引いて!……弾道予測はアヤネと私で行うから、安心して戦って欲しい!………動かなくなった戦車の搭乗者をセリカが拘束!」

 

『「「「「了解!」」」」』

 

 

 

 

 

 

 

 

「撃てっ!撃って撃って撃ちまくれ!」

 

ドッカーンッ!!

 「ギャァー!」

 

『なっ、なんだこれ!??!戦車が横転した!?……あっ』

「おい、何があった?おい!……あれ?なんで?なんでこの戦車動かないの!?」

 

戦車の一番わかりやすい弱点として、車体下部はもっともわかりやすい弱点である。

 

そこはエンジンなどの重要な部分があり、そこを破壊に成功すると戦車は動かなくなり、ただの固定砲台となる。

 

「邪魔するわよ」

「え?……ごふっ!?」

 

「……兵器が凄いだけで中身はいつものヘルメット団。侵入できた後は視界が狭い分こっちが有利……確かに先生の読み通りね」

 

その後は各個撃破だ。歩兵はノノミとホシノが蹴散らしているので問題はない。

 

「!二人とも、一時の方向!戦車の砲撃がくるよ!」

 

『大丈夫、問題ないよ』

 

ホシノがそういうと砲弾を狙撃して空中で破裂させた。

「お、おぉ」

 

『流石はホシノ先輩!』

「こ、コイツら化け物だぁ!!??」

 

ヘルメット団の悲鳴が響き、無事に我々の勝利が決まった。

 

このまま行けば……だったが。

 

『ヘルメット団、交代だ……後は俺が引き受けよう』

 

通信機越しに男の声が聞こえると、銃撃戦によって起こっていた砂埃が突風と共に吹き飛んだ。

 

そして、こちらにゆっくりと歩いてくる……

 

朱い槍を持つ男が一人。

 

クランの猟犬、アルスターの大英雄……最優のランサーたる男。

 

「……クー・フーリン……!」

「なんだよ、つれねぇな。昔みたいに兄貴って呼べよ、立香」

 

 アビドスのみんなに囲まれる形でランサーは立っている……こちらの様子を伺うように……いつもの如く、戦を楽しんでいるようだ。

 

「……にしてもなんだ、お前のそのダサい仮面は?落書きじゃねー「ガンド!」なっ!?」

 

礼装魔術を切り替えて、ガンドを打ち込み兄貴に背中を向けて全力で走る……!

 

「フォーメーションA」

 

「「「「了解!」」」」

 

「え、何それ「良いから走って!!」わぁっ!?」

 

セリカをシロコがかつぎ、ホシノが私を担いだ……そしてアヤネが最後の爆薬を使って地面を吹き飛ばして、砂埃を起こし煙幕の代わりとする。

 

並の相手なら、これで十分逃げ切れるであろう……だか、彼は並などでは断じてない。

 

「……お前らしい動きだな……いつもなら、ここで見逃してるが……こっちもマスターからの命令でね……ここで死ぬならそれまでって事で……いつもの殺し合いだ!藤丸立香!!

 

ダッ!

 

一瞬だけ砂が舞い上がると、空高く飛んだランサーがこちらに槍を投げてきていた……だか、まだ様子見のようで、ゲイボルグの真名解放はまだしていないらしい……運が良かった。

 

「おりゃ!!」ガンッ!

 

ホシノの盾で弾き返した。

 

「やるな、小娘!!」

 

槍を回収して、そのままホシノに追撃する。

「(早い……!)全く、しつこい男は嫌われるよ!!」

 

ダンッダン!!

 

ショットガンをランサーに向けて放つが、ランサーに弾丸が当たることはなく、軌道がズレて弾丸は全て外れてた、

 

ガンっ!と金属音が響き、ホシノの盾とランサーの槍が拮抗している。

 

「……今のが矢避けの加護ってやつ?ちょっとズルいんじゃない?」

 

「いや、そうでもねぇよ……聞いてるだろ?回数制限があんのよ……で、だ。いい加減本気を出せよ、こんなもんじゃないだろ、お前?やる気出してくれると俺ももう少し楽しめるんだがね……」

 

「……いや〜おじさん年だからね〜これ以上はキツイんだけどなぁ……よっとッ!」ダンッ!ダンッ!

 

「そうかよ、なら嫌でも本気出させてやるよ!……シッ!」

「ッ!」

 

ガンッ!

 

盾で受け止めてすかさず反撃をするが、また外らされる。

 

「私たちの事も忘れないで」

 

ホシノとランサーの攻防が続く中、シロコがランサーの背後に周り、脇腹に鋭い蹴りを叩き込んむ。

 

が、

 

「……良い蹴りだな、犬耳娘!」

 

片腕でシロコの一撃を受け止めた。

 

「(受け止められた!……なら)セリカ!」

 

「オッケー!」バンッ!

 

セリカの狙撃がランサーの頭に当たる。

 

「!……やるな!」

 

 当たったが、ランサーは額から血を流しながら狂気じみた顔で笑う……クランの猛犬クーフーリン。

 

戦いを本気で楽しむ姿にアビドスたちは萎縮してしまう。

 

 ……ただし、一人の青年を除いて。

 

「期待通りだな、アビドス……俺とここまでやれるとはなぁ……だか、センセイよ、お前は何してんだ?」

 

「……」

「らしくねぇな、おい!いつものお前ならとっくに反撃に出ているはずだ!武器をもて!俺と戦え!……このままだと目の前で大事な生徒が死んじまうぞ、藤丸立香!!

 

「……やる気が出ねぇなら、そのまま縦に並びな……俺の槍でまとめてあの世に送ってやるよ!」

 

「……舐められてる?」

 

「シロコちゃんストップ……雰囲気が変わった。向かうもここからが本気出すみたいだよ」

 

魔力が荒ぶり、ゲイボルグに収束する。

 

空間が歪み、呪いの呪槍は鈍く光る。

 

───猛犬は駆け出した。

 

「赫い棘は茨のごとく」

 

 

「ごめん、兄貴。期待には答えられないや。」

 

右腕の手袋を外し、黒腕の義手を起動させる。

 

擬似宝具起動……根源接続(セット)……投影(インストール)完了(クリア)……!!それは全ての傷、全ての怨恨を癒す我らが故郷───」

 

義手から漏れ出す青白い魔力によって一つの盾が作り出された。

 

「上等!!その心臓、貰い受ける!…… 刺し穿つ死棘の槍(ゲイ・ボルグ)!!!」

 

「っ!!!顕現せよ───今は遙か遠い理想郷(ロード・キャメロット)!!」

 

疑似宝具"今は遙か遠い理想郷"《ロード・キャメロット》

円卓の騎士ギャラハットの宝具にして、藤丸立香のファーストサーヴァントであるマシュ・キリエライトが使った宝具。

 

心が折れない限り決して壊れることない最強の盾……の疑似再現

 

本来の性能には劣るが、あらゆる厄災を退けてきた自身の後輩の宝具の再演はたとえ因果律兵器だろうと受け止める。

 

完全に防ぐことは難しいが、軌道を逸らし威力を減少させることは今の彼でも出来ないことはない。

 

だか、藤丸自身はただの人である。

それも特大級の爆弾を抱えた状態の。

 

藤丸立香の義手であるブラック・バレル《レプリカ》は使用するたびに彼の魂を燃焼する。

 

 言ってしまえば、体を内部から蝕む呪いとなってしまっている。

 

今の彼はカルデアにいた時のようにサーヴァントを簡易召喚で呼び出して戦うことが難しい。

 

それをして終えば、自分の寿命を縮めることになる。

 

教師として、生徒を救うと決めたからには、責任を全うするまで生き残らなければならない義務がある。

 

故に、彼はリスクが取れないでいる。

 

(今は、この槍を受け止める!……キャメロットにアロナのバリアを足すことで威力を更に下げて防ぐ!防いで見せる!!)

 

「ッッあ゛あ゛あ゛!!!!!……みんなッ!!」

 

声を荒げながら、指揮を送る。

 

叫んだ時、唾液に血液が混ざっていることから、もう長くは疑似宝具を持たせることができないだろう。

 

 

 

だから、魔力が切れて盾が崩れた時、威力の落ちたゲイボルクなら隙を作れる。

 

「なっ!?バカかお前!?」

 

ゲイボルグをバリアで受け止め、義手で掴む。

 

「……今だ!!」

 

 

「無茶しすぎなのよ、アンタは!!」

「火力、集中!!一斉放射!」

「覚悟して下さいね!!」

「さっき本気でやれって言ってたっけ……望み通り、マジでやらせてもらうよ!」

 

アビドスの集中放火をうけ、クー・フーリンは後方へと吹き飛んでいった。

 

電車の亡骸の中に生まれながら、クー・フーリンの笑い声が聞こえ

てくる。

体を引きずりながら、クー・フーリンの元に近づく。

 

「ハ、ハッハッハッ!!!……なんだよ、ちっとも腑抜けてねぇじゃねぇか……」

 

「……こっちは肝が冷えたよ、兄貴……ゴフッ…」

 

足に力が入らない……ちょっと出血もしたな……痛い。

 

「……簡易召喚はリソースが足りなくて兄貴相手には切るわけにはいかなかった……だから、消費リソースが少なく済むように防御に全振りして、攻撃を彼女たちに任せる事にした……兄貴のゲイボルグ、投げて来なくて正直助かったよ……威力重視にされてたら防ぎきれたからわかんなかった……」

 

「……よく喋るな……いや、テストつったからか?お前にしては無茶を……いや、そこも昔と変わってねぇか……勝てる博打になら迷わず掛けるやつだったしな、お前……容赦なく弾薬浴びせやがって……霊核掠ったしゃねぇか。」

 

「なら、引いてよ……俺たちの勝ちだ……もうアビドス襲っちゃだめだよ?」

「さてな、それは依頼主次第だ……楽しかったぜ、またな。」

 

「やるなら釣り勝負にしよう」

「へっ、悪くねぇな」

 

そうして、槍ニキは霊体化し、消えていった。そして兄貴がさるのと同時にアビドスのみんなはこちらに追いついてきた。

 

「「「「「先生!!」」」」」

 

「みんな……お疲れ様……あっ」

 

足に力が入り切らずにふらついて、倒れ込んでしまったが……みんなが受け止めてくれたようだ。

 

「ズタボロじゃない!!先生は弱っちいんだから無茶しちゃダメでしょ!!」

 

「《font:156》ごめんね」

「今回は流石に無茶がすぎるよ、死んだらどうするつもりだったの?……私たちを支えるんでしょ?」

 

あれ、思いの外ホシノが怒ってる……心配かけすぎたかな?

「ご、ごめん……次は、もうしないよ」

「……なら、良いよ。」

「流石に焦ったよ、先生」

 

怒りホシノの次はムスッとシロコがこちらを見ている。

 

「心配かけちゃったね……」

 

「……先生を運んできた時、少し違和感を感じたんだ……この手だったんだね……」

 

「あ〜これはちょっと色々あってね」

 

「そうなんだね……」

 

「とにかく、先生もセリカちゃんも無事で安心しました!……本当に、本当に……良かったです」グスッ

「あ〜だめですよ、二人とも!アヤネちゃんを泣かせたら!」

「「あっ……ごめんなさい」」

「本当に、本当に……心゛配゛じ゛だ゛ん゛で゛ず゛か゛ら゛〜!!……うぅ……」

 

「お、大泣しちゃった!?ごめんねアヤネちゃん……ほら。先生も!」

 

「う、うん……」

 

セリカと一緒にアヤネを撫でて泣き止んでもらった。

 

「……先生、みんな……その、改めて言うけど……助けたきてくれてありがとう……あの青タイツは先生がいなかったら私たちじゃやばかったと思う……先生のおかげ……」

 

「ううん、私はみんなの先生だからね……助けになれてよかったよ」

 

 それにセリカは自力で脱出が出来ていたし、むしろオレが行かなければクー・フーリンとの戦闘だって避けれたかもしれない。

 

サーヴァントのマスターをしている奴が裏にいる……おそらく聖杯も手にしている事だろう。

 

……それも、カルデアが集めていた物を。

 

 みんなはただでさえ学校のことで大変だし、この件は私だけで……私だけでどうにかなるわけないよなぁ……どうしよう。

 

「……ねぇ先生……助けに来てくれてありがとう……これからもよろしくね」

 

「……えっ?」

 

「だから、これからもよろしくって言ったのよ!一回で聞け!」

 

「お〜セリカちゃんの久しぶりのツンデレだ〜」

 

「久しぶりってほどでもないと思いますよ、昨日も見ましたし」

 

「……セリカはこうでなきゃね」

 

「そこ!茶化すな!!」

 

変だなぁ、前が見えないや……なんでだろう……

 

「大変です、今度は先生が大泣きしてしまいました!」

「アヤネちゃんの次は先生か〜ほら大丈夫?どこが痛い?」

 

「……嬉し泣き」

「なんだ〜」

「良かった……セリカにずっと冷たくされてたからかな」

「わ、悪かったわね……ほんとに」

「はい、先生ハンカチです。

「ありがとう……イイニオイ……ブランドものだこれ」

 

中々高い値段するやつじゃないっけこれ?

 

「どうかしました?」

「……ううん、なんでもない」

親切には甘える事にしよう。

 

「先生の素顔、初めて見ましたね……」

 

「そういえばそうね……気にした事なかったけど、なんでいつも隠してたの?」

「……さっきのクー・フーリン?ランサー?だっけ?……知り合いみたいだったよね、どこかで会った?

「…昔、ちょっとね」

「ケチくさいな〜素直に話しちゃえよ〜先生……こちょこちょこちょ!!」

「アッハハハ!!??ごめん、ごめんって……機密情報なんだて……!!許して……!!」

 

「なんだ〜残念……私たちとの仲ってことで、特別にさ〜」

「も〜ホシノ先輩先生を困らせちゃだめですよ〜」

 

ごめんねホシノ……流石に聖杯のこととか、前世のこととかは言えないんだ……あまり私のことが知られすぎると守護者が出張って来るかもしれないし……本当にごめんね。

 

こうして、セリカも無事に取り戻すことができ、正式にアビドスの顧問として皆んなの一員になることができたのでした。

 

でも、私は後で後悔する事になった。

 

この時、もし素直に話していたら、あんな事にはならなかったのではないか……と。

 

 

 

 

 






と言うわけで三話です。
本当に書くの遅くて自分のこと嫌いになりそう……
兄貴の攻略はぶっちゃけ一番の鬼門でした。
この男スペックを振り返るたびに化け物やんってなりましたよね……

ブラックバレルでゲイボ相殺……っていうのも考えましたけど、それだと藤丸先生の寿命がマッハで削れちゃうから。
あと、出来るかわかんなかったんで
防ぐ事にシフトチェンジしました。 

ちなみに先生はブラックバレルを使ったり、簡易召喚したりするとベディヴィエール卿と同じように魂が全焼するような痛みを感じてます。

相性の悪い宝具を使うと血反吐吐いて倒れちゃうので攻撃的な宝具ほ使用は控えています。
だから、クー・フーリン相手にゲイボルクで相殺とかをしませんでした。

次回、便利屋登場でお会いしましょう。それでは
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