あんなにも問題児だったのに、Aクラスになれた俺の優等生を演じる生活 作:にこマリンフローラル
どうぞ!
Aクラスに戻ってきた。まあ、Fクラスが試召戦争することは回避できないだろうけどそれは別にいい。
「ああおかえり波風君。どう?」
自分の席に戻ると話しかけてきた。
どうってなんのことだ?
「どうって何が?」
「このクラスに馴染めそうかってことよ。」
もしかして、俺の過去を知ってるのか。愛子か誰かから聞いたのか?
「まあ馴染めそうだけど、どうして?」
「だっていかにも猫かぶってるからよ。それにあなたのことは少し秀吉に聞いてるし。」
木下はニヤけてそう言った。
秀吉から聞いたのか。もう俺はこのクラスで友達ができなさそうだな。
「普通に猫かぶっててもいいと思うけど、普通の喋り方で良いのに。」
あれ、惹かれていない。逆に安心したような顔をしている。
もしかして、
「木下も猫かぶってたりするのか?」
すると木下はさっきの安心したような顔とは逆に引きつった顔をしている。
図星か。
「そうよ。でもこれはアタシ達だけの秘密よ。だから、アタシはアンタに優等生ぶったりしないし、アンタもアタシに優等生ぶったりしない。いいわね。」
良かった。木下も猫かぶってたんだな。
「わかったよ。じゃあ俺からもお願いがあるんだ。」
「えっ、ちょっと何よ?」
「俺と仲良くして欲しい。」
なんか、木下はがっかりしていた。そんなに俺は嫌われてるのか。
「なんかごめん。こんな恥ずかしい話して。」
「別にそんなこといちいち言わなくてもいいわよ。じゃあこうしましょ。アタシのことは優子って呼んでちょうだい。」
木下は立ち直ってそう言った。
「わかった。じゃあ俺のことも風羅って呼んでくれ。」
一応、嫌われてはいなかった。
「じゃあよろしく、優子。」
「よろしく、風羅。」
「えっなになに、もう二人、付き合ってるの?」
「……まだ3時間も経っていないのに。」
声のする方を見ると、そこには愛子と代表がいた。しかも愛子はニヤニヤしている。
「いや、別に付き合ってはいないから。」
「ええ、じゃあ何のよろしくなの?」
そう言われるとなんて答えたら良いのか、わからないな。
「友達としてのよろしくよ。」
俺が言う間もなく優子が答えた。
「へえーそうなんだ。じゃあさあ、ボクとも友達になってよ。」
「……私も。」
「ええ、いいわよ。よろしくね愛子、代表。」
「よろしく、優子。」
「……よろしく。」
良かった良かった。皆、仲良くなって。
「……そういえば、波風。」
「ん?何?」
「……なんで猫なんてかぶるの?」
その話も聞かれていたか。
「そうだよ、別に猫かぶる必要なんてないじゃん。」
そうは言ってもな。自分を変えるためにやろうと思ってるからなあ。
「一応、去年の自分を捨てるためかな。」
「……そんなこと気にする必要ない。少なくとも私達には普通に接して。」
代表は、はあ〜と溜息をついて言ってきた。
まさかこんなことを言われるなんてな。でも正直嬉しい。
「わかったよ、代表。」
「……うん。あっ、そういえば、今日はやることがあるんだった。だから帰る。」
「そうなんだ、じゃあ俺も帰ろうかな。本屋にも寄りたいし。」
「本屋に行くの?それじゃあ、アタシも行こうかしら。」
優子も買う本があるのか。
「一緒に行こうぜ、折角だし。」
「それもそうね。じゃあ早く帰る用意して早く行きましょ。」
なんか、最初思っていたのとイメージが違うな。でもこうやって、優しい友達と一緒にいるっていいな。去年もそうだったが、また違う感じだ。
よし、本屋に行くか。
実際にこんな世界に入ってみたいですね。楽しそうです。
それではまた。