魔王になった少年と魔法少女たち   作:旅人H

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前半は悪魔城の物語(簡易版)
後半は本編
蒼真君の秘密を少しずつ明らかにしていくのでお楽しみください。


忌むべき力

  『魔王再臨事件』

 『()』が『()』で無くなった日。

 『()』が『()』になった日。

 

 

 僕は誰かに何度も呼ばれているような気がして、妙に怠い体を起こしつつ目を開けたんだ。ゆっくり周りを見渡すと、気を失う前のホラー観満載の城の前にいた。夢じゃないんだと、気落ちしていたら「目が覚めたようだな」って、後ろから声を掛けられびっくりしたんだ。声を掛けてきたのは銀髪で綺麗な顔をしたお兄さんでアルカードって名前らしい。僕は「アル兄さんって呼んでいいかな」って聞くと頭をなでながら「好きに呼ぶと言い」って言ってくれたんだ。

 

 アル兄さんの説明は少し難しかったけど、この城がさっきの骸骨みたいなお化けがたくさんいる危険な場所だってことは理解できたんだ。説明の途中で僕が「骸骨に襲われた時助けてくれたのはアル兄さんなの?」って聞くと少し驚きながら「違う」って言ったんだ。僕が覚えてる事をアル兄さんに説明すると少し考え事をした後で「怖い目に遭ったな、もう大丈夫だ」ってまた頭をなでてくれたんだ。

 

 アル兄さんが、今いる城門前の庭に結界?ってやつを張って「ここはもう安全だからおとなしく待っていると良い。必ず家に帰してやるから」そう言って城の中に入っていったんだ。

 僕はまた一人になって不安だったけど、気を失ってる時に聞いた声が『我が力を受け継ぐ者よ、王の間へ来るがよい』って呼んでいるんだ。何度も聞こえてきて少し懐かしい気持ちになった僕は、声に誘われるように城の中に入っていったんだ。

 

 

                             『待っているぞ、()()

 

 

_______________________________________________________________________

 

 

「どうした、お望み通り肯定してやったぞ。俺が『魔王 九鬼蒼真(ドラキュラ)』だ」

 

どこの厨二病だろうと考えながら、体中に『魔力』を満たす。あの城で大切な『半身()』を無くす代わりに手に入れた忌むべく力。使いたくはないけど、アイツ()との約束の為に『守る為、生きる為』に力を使う。魔力が体中に満ちた事を感じると一歩前に踏み出した。また一歩と踏み出すと黒服連中は少し後ずさりしつつ

 

「な、なんだこのガキ。手から火をだしやがった」

「こんなのが居るなんて、きいてねぇよ」

 

なんか喚きだした。いや、なんでさ。自分たちで俺を『魔王』って言ったんじゃなかったか?あ、あぁ『化け物』だっけ。つまり俺の力を正しく理解してないんだな。う~ん、これなら少し脅かせば丸く収まるか。そうすればリヒターにかかる迷惑も減るだろう。考えを纏めたら、もしもの為に後ろの二人の安全確保の為『使い魔』を呼び出す。

 

「我と契約を結びし仮初の命よ、わが声に応え此処に出でよ」

 

 ほんとは詠唱なんていらないんだが、雰囲気を出すため今回はしてみた。俺の左右後ろ側に二つの魔法陣が現れ(形式美、ほんとはいらない)、アル兄さんから貰った二つの『魔道器』が魔力を放出する。

 

「お呼びですかな、御主人様」

「御主人様の為、頑張りますね」

 

『小悪魔の素』からはプチル。『妖精の素』からはフェイが出てきた。プチルもフェイも身長30Cmぐらいの小型な使い魔だ・・・・・・・・・本当なら。俺が初めて呼び出した際に魔力の制御が出来ず、必要以上に魔力が入り込みフェイは160Cm前後(・・・・・・)、プチルにいたっては2M前後(・・・)の大きさで生まれてしまったんだ。まぁ、その後アル兄さんに変化の魔法を教えてもらい普通の使い魔の大きさにできるようにした(アル兄さんから魔力の制御ができないなら、先に言えって注意されたけど)。

 

「プチル、フェイ。後ろの二人の護衛任せるよ」

「かしこまりました、御主人様」

「お任せくださいな」

「・・・・・・後御主人様は止めてくれ、なんか恥ずかしい」

 

ちらっと後ろを見ると目を真ん丸にして、口を開けて呆然となっている二人がいた。その際金髪と目が合い

 

「な、な、な、な、なによそれ~~~~!!!」

 

大声で叫んでいる。ほんと俺が言えた道理じゃないがこの状況で叫べるって度胸が据わっているな。

 

「後で説明してやるからおとなしく待ってろ。それと巻き込んで悪かったな」

 

言いながら魔力を使い空間に歪みを生み出す。アル兄さんから教わった『魔法』の一つ【倉庫】を発動させる。名前の通りにいろんな物を入れて置ける便利魔法だ(アル兄さんは以前、父親のドラキュラとの戦いの際数十種類の武具や道具をいれていたらしい)。

 

 【倉庫】から取り出すのは血を連想させる様な真紅の鞭。『ベルモンド家』の家宝【ヴァンパイヤキラー】を元に、俺の魔力を込めて作った俺だけの武器だ。

 

「さぁ、行こうか。【クリムゾン・アニヒレイタ(紅の殲滅姫)】」

 

愛称【クリア】を構え、一番近くにいる黒服(同じ格好で見分けつかねぇ・・・)の足を【クリア】で絡め捕り、魔力で底上げされた筋力に物言わせ思い切り2,3人集まっている所へ投げる。

 

「ちょっ、ま、ぎゃーーーーーーーーーーーーーーーーー」

「ぎゃっ」

「ぐへぇ」

「た、たぁまぁがぁ・・・・・」

 

約一名急所に当たったみたいだが悪党だし気にしない、気にしない。一気に4人撃破して後はグラサン+雑魚4人。どうやら混乱から立ち直り武器を取り出そうと懐に手を差し入れているが

 

「遅い、秘儀見様見真似『サークル・ボンバー』」

 

おっさんが城で使っていた技(命名 俺)を真似して、連中の中心で思い切り【クリス】を振り回す。振り回す際に鞭に魔力を込め、相手に当たった瞬間爆発させる豪快な範囲技だ。ちなみに見様見真似なので今回は爆発はしない(爆発させるとたぶん廃ビル消し飛ぶし)。

 

「後は、ボスキャラのみって・・・・・あれ?」

「・・・・・・・・・・返事が無い。ただのグラサンのようだ」

 

範囲が広すぎてグラサンごとやっちまったみたいだ。えっと・・・・これで終わりでいいのかなと周りの気配を探ると

 

「な、なんやこの騒ぎは」

「ふん、使えない奴らだ。所詮は劣等種と言う訳か」

 

太った中年と妄想野郎を思い出させる冷たい目をした男がビルの入り口からやって来たんだ。

 

 

 




【クリス】の命名はリヒター。
蒼真君は【紅い鞭】と付けようとして止められた。
使い魔二人の名は・・・・・・・・・察してあげて下さい。
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