地球連合所属属性多め憑依転生者 in 世界平和監視機構コンパス 作:ガンダムおじさん(にわか)
「ズビッ……お初にお目にかかります。大西洋連邦所属、ゼフォー・ローワン特務少尉であります」
どうにか目鼻から滴り落ちる液体が落ち着き人類の認識できる言語を使用できるようになったところで、面と向かって邂逅したのは初めてであるザラ一佐へと敬礼をしながら挨拶の言葉を紡ぐ。
実際アイサツは大事、古事記にもそう書かれている。何処ぞのクソガ……チンピ……ブラックナイツ共とは違うのだ。
なんだか周りから背中がこそばゆくなるような、生暖かい視線を向けられているような気がするけど脇に置いておく。
……そうしないとさっきとは別の理由でこの部屋から飛び出してしまいそうだ。
「アスラン・ザラだ……そう畏まらなくてもいい、キミにはエルドアで助けられたことだしな」
「えぇと、つまり……あのカニみたいなMSに乗っていたのは、ザラ一佐ということで?」
「カ、カニ……?」
「あぁ〜、確かに……」
「キラ、お前まで……ッ!」
俺の出した例えがキッカケで、さっきよりはマシとはいえ一悶着ありそうなところにクスクスと笑い声。
「まぁまぁ、さっきまでの言葉と比べたらアスランさんのMSがカニみたいだ……なんて可愛いもんじゃないですか」
「うっ……」
「それはそうなんだが……」
そんな二人を宥めたメイリン……あれ、階級ってどうだったっけ?……とりあえず、メイリンさんがこちらへと向き直りながら声をかけてきた。
「はじめまして、メイリン・ホークです。よろしくね」
「はい、よろしくお願いします……ところで、ホークってことは」
「そっ、ルナマリア・ホークは私のお姉ちゃんなの…………でもちょっと意外かも」
「何がですか?えぇと、メイリンさん」
メイリンさんの言葉に思わず疑問を返せば、何故か面白いモノを見つけたような好奇心を知覚する。……なんでぇ?別に変なこと言ってないはず……。
「あれぇ、アスランさんのことは階級をつけて呼ぶのに私のことはさん付けなんだ〜」
「あっ、えっと、その……ザラ一佐のことはここにくる前に耳に挟んだから存じていただけで、別に他意があるわけでは……」
「そういうとこ」
「えっ?」
「シミュレーター中とか、戦闘中の映像の音声だともっとオラオラな感じだったのに意外と真面目クンなんだなぁ……って」
「えっ、あっ……ウゥ」
不意打ち気味に伝えられた言葉に、思わず顔が赤くなるのを自覚する。
クスリのせいとは言え、無駄にテンション高い戯言を聞かれた……ってコト!?
「はぁ……からかうのはそこまでにしろ。メイリン」
「は〜い」
ザラ一佐によってメイリンさんのニヤニヤとした顔が遠ざかって、内心でホッと一息つく。
だが、こちらに向き直ったザラ一佐の顔に浮かんでいる表情に緩んでいた空気が引き締まるような感覚を覚えた。
「さて、ゼフォー・ローワン特務少尉。今から少し、キミに対して不躾な質問をさせてもらうが許してほしい。今後の方針を定める上で、どうしても知っておかなければならないことだ」
「……ハイ」
告げられた言葉に、神妙に頷き返事を返す。何を聞きたいのかもある程度は察しがついている。そして、それは純粋な疑問ではなくおそらくただの確認であろうことも。
機会がないと言い訳を重ねて逃げ続けてきたことに、腹を括って向き合う時が来た……ということだろう。
「ゼフォー、キミがあの時──エルドアでミラージュコロイド・ステルスを用いて潜んでいたMSの奇襲に気付けたのはなぜだ?」
「……ッ」
「連中、そんなモノまで……っ」
ザラ一佐の口にした言葉に、この場にいる人達が息を呑む。その軍事使用を禁じていたユニウス条約が事実上失効しているようなものであっても、衝撃を与えるには十分な単語だろう。
そして、俺にとっては自身の予測が当たっていたことを意味する。……覚悟こそ幸福、だなんてどこかの誰かが言っていたがとんだ嘘っぱちだ。
速くなる鼓動に内心毒づきながら、おそらく続けられるだろうザラ一佐の言葉を待つ。
「もしかしたら、キミは人の心が読めるんじゃないか?」
「……は──」
「待てよ、アスラン!あんた、ゼフォーが連中の──アコードの仲間だとでも言いたいのかよ!?」
ザラ一佐の言葉に肯定の言葉を返そうとして、それを掻き消すような剣幕でアスカ大尉が怒鳴りかかった。
…………アコード?
「誰もそうは言ってないだろう!シン、いちいちそんなことで話の腰を折るんじゃない!!」
「そんなこと……?そんなことだって!?ゼフォーをあんな、アコードの連中と一緒くたにするような言い方をそんなことで済ませるつもりなのかよ、あんたは!」
俺の為に憤ってくれてるのは分かるんだけれども、その……なんだかとっても話の続きが気になって気になって夜しか寝れなさそうなんですけどォ?
アワアワしている俺の目の前でヒートアップしていく二人に、声がかかった。
「シンにアスラン、二人とも落ち着いて」
「隊長、でもっ!!」
「まだ話の途中なんだから、ちゃんと最後まで聞いた上で判断しないと。……ね?」
「……っス、すみません」
「シン?!お前……ったく」
「アスランも。確かに今のはシンが遮ったのが悪かったけど、あんな言い方する必要あった?」
「それは、そうかもしれないが……」
「あのぉ、すいませぇん」
ヤマト隊長の取成しで二人が落ち着いたところで、おずおずと手を挙げながら言葉を発する。
「どうかした?ゼフォー」
「えっと、その……アコードって、何の事ですか?」
「「……あっ」」
「……そういえば、そうだな。キミにはまだ説明していなかったか」
俺の発した疑問にヤマト隊長とアスカ大尉を揃って声を上げて、ザラ一佐はポツリと言葉をこぼした。
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ファウンデーションの連中、面の皮が厚いどころかVPS装甲でできてるんじゃないのか?色を簡単に変えれるとこも含めて。
オーブのアカツキ島にある作戦会議室へと向かいながら、ザラ一佐の口から説明してもらった今まで──およそ俺が意識を失ってからの世界の動向及びアコードと呼ばれる存在とその目的についてを知った上で一番に頭に浮かんできたのは、大して上手くもない冗談だった。
言い訳にしかならないが、もちろんこんなモノ現実逃避の一環である。
核を用いてエルドアと首都を吹き飛ばす自作自演に、ユーラシア連邦の首都──モスクワへの何の宣告も通達も無くレクイエムを、コロニーを容易く破壊可能な超出力ビーム砲を使用し政府中枢を民間人含めて吹き飛ばす?
挙げ句の果てに、だ。
『ユーラシアによる核攻撃で地上のナチュラルには失望した。もはや世界に平和を翳すには我ら──人類の調停者として産み落とされたアコードの下でデスティニープランを全世界で実行する他ない。そして、核によって志を共にするコンパスの人員を失い失意に暮れる
ついでとばかりに、地球上の全国家に五日以内に武装解除しデスティニープランを承認・実行しろ──ですってよ奥様!
ご丁寧なことに、従わない時には
なんだァ、てめェ……。
これらの宣言を行う場にはクライン総裁の姿は影も形もなかったらしいことも含めて、何から何まで癪に障る。
「さて、少しばかり脇道に逸れてしまったがさっきの質問に答えてくれるか?ゼフォー」
「フゥゥ、はい。大丈夫です」
あまりにも厚顔無恥かつ胸糞の悪いアコード連中の情報を燃料に爆発的な勢いで燃え上がる怒りを、深く息を吐いて落ち着かせてから言葉を紡ぐ。
「心が読めるかという質問には、おそらくそうだとしか言えません」
「「「「「……ッ」」」」」
「おそらく、というのは?」
「心が読める、というか考えていることが分かるようになったのは……あー、ヤマト隊長を制止しようとした時が初めてです」
少しばかり空気が悪くなるのが分かるが、言葉を待つザラ一佐の様子に続けて口を開く。
「それまでは自分へと向けられる感情がなんとなく分かる程度で……特異な空間認識能力の派生のようなモノではないか──とミリカ中佐には言われていました」
「……そうか」
俺の言葉に、ザラ一佐は口元へ手をやり僅かに考え込む。
「なぁ、アスラン。まるで分かってたみたいな態度だけど、なんでゼフォーが心が読めるかもなんて突拍子のないことに思い至ったんだ?」
その間に、アスカ大尉が疑問をザラ一佐へとぶつけた。まぁ、確かに見えない奇襲から助けたってだけでは少しばかり根拠としては弱いかもしれない。
「そうだな……少しばかり長くなるから、まずは簡潔に俺が推測したゼフォーが何故アコードと近しい能力を持っているかについて言おう」
そう言ってザラ一佐は手元のコンソールを操作しながら、言葉を続けた。
「おそらくゼフォーは、
……つまり、俺の身体の持ち主は生まれついての超能力者だった……ってコト!?
なんでナチュラルにオカルト話が始まってるんですかヤダァー!