地球連合所属属性多め憑依転生者 in 世界平和監視機構コンパス 作:ガンダムおじさん(にわか)
『こちらゼフォー。……民間人護送完了直後、別働隊と思われるダガー1、ウィンダム1と遭遇。交戦し、撃破しましたが、まだいるかもなので、誰かにちょっとこっちに援護来て欲しいです』
『ハァッ!?おい、大丈夫なのか!?』
『なんて面倒なタイミングでッ』
報告しようと通信繋いだけど、ヤッベ。ヤマト隊長修羅場ってない?通信の画面背景見るに、ブルーコスモスと追撃してる現地軍のジン、双方を無力化してない?ここにさっきのこと放り込むの気まずい。
いや、言わなきゃもっとマズイが。いつもより早い気がするが、
『民間人の方々の被害は無いです。ただ、その……』
『いやっ、オレが言ってるのはそっちじゃッ』
『ウィンダムの肩、えと、画像送るのはこうか。
『『『『ッ!?』』』』
俺の報告と、共有した画像にヤマト隊の面々が息を呑む。
『オルドリンの司令部へこのことを画像と一緒に報告した上で、追撃の撤回、民間人保護と別働隊捜索の進言をすべきだと思うっス……』
『司令部へは僕が伝える。シン、アグネスと一緒に民間人の多い場所を主に警戒を。ルナマリアはゼフォーと合流、そのまま周囲の警戒を』
ヤマト隊長の言葉を聞きながら、深く息を吐く。思考すらままならない以前と比べれば、圧倒的に禁断症状は軽くなっているとはいえそれでもしんどい。
少なくとも夜明けまでは大丈夫だと踏んでいたのだが、熱っぽさに喉の渇きなんかがもう出てくるとは。……思い当たる節が無いわけでは無い。
それでも、俺のせいでは無いかと。
周囲、特にMSでも身を隠せるような建造物を中心に意識を向けながら警戒していれば、ゲルググが飛んできているのが見えた。
そのまま危なげなく隣立つように着地したとほぼ同時に通信が繋がり、ルナマリア中尉に声をかけられた。
『お疲れ様、そっちは大丈夫そ?』
『大丈夫っス、さっきも言った通り民間人の方々には被害ないです』
『…………はあぁぁ』
『……っス?』
返答すれば何故か大きな溜息が返ってきた。あれ、別に変なことは言ってない、はず?
『貴方のことを聞いてるのよ、あ・な・た・の・こ・と』
『俺っスか?別に大丈夫ですけど……?』
『喋り方、崩れてるけど……気づいてないの?』
『……えっ、アッ!?た、大変失礼しましたであります!!』
完全に気が抜けてたのか、作戦外のように崩れた口調になっていたことに今更気づく。慌てて口調を正して謝罪と敬礼を行う。
『謝らないでよ、気にしてないから』
『イヤ、でもぉ……』
『それをいったら、私やアグネスなんかひどいもんじゃない。シンのこと、呼び捨てにしちゃってるし』
『昔からの知り合いなんですから、それにアスカ大尉も気にしてないみたいですし』
『じゃあ、私も気にしないからわざわざ固い喋り方するの、辞めてくれるかしら?ローワン特務少尉?』
なんだか距離を詰められている気がする。いや、悪い気はしないのだけれど。まあ、階級まで持ち出されてしまった以上接し方……喋り方を固辞する理由もない。
『うっス、了解っス』
『普段はそんな感じなのに、出撃中は固くなるから気になってたのよね。……実際なんか言われてたりするの?』
『いや、個人的に区別っていうか……メリハリ?つけたかっただけなんで、別に指示があったとかではないっス』
『それならいいわ。シンも気にしてたのよ、連合の方から何か言われてるんじゃないかってね』
そんな話を聞いて、少しばかり自身の身の上の自覚が足りなかったか、と反省する。
『それにしても、体調悪そうよ。口調の崩れにも気づいてなかったみたいだし。なにか、あった?』
『大丈夫っス、
『問題無いわ。ここに来る時上から見た感じじゃ、この辺には敵影なかったから』
流石にザフトの赤服、抜かりはないと。いやちょっと待てよ。
『なら、他ん所にも行った方が良いっスよ。ここは俺がいるから、ヤマト隊長に言って……』
『何言ってんのよ、なんで私が来たと思ってるのよ』
『……っス?俺が援護を頼んだからっスよね?」
そう答えれば、しょうがない奴とでも言わんばかりのジト目が向けられた。
『心配してるのよ、ヤマト隊長もシンも。もちろん、私もよ?そんな汗ダラダラの顔で口調も崩れて……』
『いやぁ、そうは言われてもっスね……』
なんとなく視線を背けた先に映るのはウィンダム、
『やっぱ、気にしてる?』
『それはそうっス。下手したら、とんでもない事に……』
現状の、ブルーコスモスへの反撃に対する制止でさえ反発している現地軍は、
『少なくとも、貴方がいて助かってると思ってるわよ、私は』
『……あざっス』
『ほら、あの人たちもよ』
ルナマリア中尉が指し示したのは、ここまで運んできた車。その周りで
分かりやすい成果と、ルナマリア中尉の気遣いで割と簡単に暖かくなる心に、なんて現金な奴なのだろうだなんて自嘲する。
破壊と惨劇と憎悪、うずたかく積まれた家だったもの、命だったモノ。それでも、そこからわずかでも救い上げることの出来た人達。
それらを平等に照らしながら、朝日が昇りつつあった。