地球連合所属属性多め憑依転生者 in 世界平和監視機構コンパス 作:ガンダムおじさん(にわか)
「アンタねぇ、さっきのも大概だったのに……」
「それは、ごめん……イヤでもホントなんだって!」
コノエ艦長──いや、今は副長か。彼からの
それをハーケン少佐に尋ねようと思い立ち、ひとまずレクリエーションルームに向かっていた。
そして、そこから聞こえるのはルナマリア中尉とアスカ大尉の話す声。そういえば、まだルナマリア中尉に無事を伝えてなかったな。
「失礼するっス!ゼフォー・ローワン特務少尉、恥ずかしながら生還いたしました!!」
「相変わらず、元気そうでよかったわ。お帰りなさいゼフォー」
「そうだ!ゼフォーからもルナに言ってやってくれよ!」
「つまんない冗談に人を巻き込もうとするのやめなさいよ……」
少しだけふざけながら、声をかけて敬礼。ルナマリア中尉は小さく笑って言葉を返してくれた。
……目が少し赤いのに触れるのは、まぁ、流石に野暮ってヤツだろう。
それはそうと、アスカ大尉はどうしたんだろうか?そもそもなんか……傷増えてない?
「どうかしたんスか?」
「それがシンってば、あなたが心を読める超能力者だっていうのよ?冗談にしたって、もうちょっと面白いやつがあるでしょ……」
「マジっスよ?」
俺の言葉に一瞬目を見開くルナマリア中尉。だが、すぐに呆れたように肩をすくめた。
「ハイハイ、口裏はもう合わせてるってワケね」
「えぇ…………多分、後でザラ一佐からも話あると思うっスけど」
「…………アスランから?えぇ、ちょっと……マジなの?」
「なんだよ、アスランなら信じるってのかよ……」
「ど・の・く・ち・が!言ってるのかしら?だいたい、あの人ならそういうこと言わないってだけだし」
妙に圧のある笑顔で詰め寄るルナマリア中尉に、タジタジと言った様子のアスカ大尉。……ごちそうさまです。
とはいえ、二人の間で何かがあったようで気になる。
「ホント、なんかあったんスか?……あっ、ひょっとしてさっきのアレでアスカ大尉がテロリストごっこでもしたとかっスか?な〜んて……」
「…………」
「……今のはひょっとして、超能力ってヤツ?」
「……えっ」
「えっ」
口にした冗談に対しての反応に、思わずアスカ大尉を見れば実に気まずそうに視線を逸らしていた。
「アスカ大尉」
「な、なんだよゼフォー」
「流石にそれは掛け値なしに最低です。忌憚のない意見って言うやつです」
「どうしたゼフォー、語尾がおかしいぞ?!」
「それだけ真面目に言っているということなんですけれど?」
「そこまでにしてやんな、少なくとも言われた側からは散々にとっちめられてんだからさ」
あまりに笑えない冗談に、思わず真面目に糾弾すれば後ろから肩に手を置かれハーケン少佐に宥められる。
視線をルナマリア中尉に向ければ、肩をすくめての苦笑い。
「っス。……あんまりひどいこと言って、泣かせちゃダメっスよ?」
「だとさ、坊主」
「すいません」
ハーケン少佐の言葉に、アスカ大尉が蚊の鳴くような小さな返事。その様子に満足して、とりあえず当初の目的であるハーケン少佐に尋ねた。
「すみません、ハーケン少佐。ちょっと聴きたいんですけど…………ラインハルト大尉とシメオン大尉の部屋ってどちらっスか?」
口にした言葉に、レクリエーションルームの空気が少し重くなるのを感じる。
彼らがどうなったのかは、すでに周知だったようだ。流石にもうすぐ行動を開始するこのタイミングで尋ねるのは、空気が読めなかったか……?
「……悪いね、ド忘れしちまったよ」
「えっ、ハーケン少佐……?」
「だからまた後で…………そうさね、ファウンデーションの連中をぶちのめした後にしな。そん時には私にもあいつらに言いたいことがある、ついでにそっちの用事に付き合ってやるよ」
「……あざっス!」
ハーケン少佐の、まるでファウンデーションでの戦いの直前にラインハルト大尉とシメオン大尉が口にしていたような冗談混じりな験担ぎ、あるいは激励にお礼を伝える。
「さぁて、そろそろミレニアムが出るよ。準備しな!ゼフォーもやること、あるんだろう?」
「っス!それじゃあ、失礼します……あ、そうだ」
ハーケン少佐に促され、次の目的地──格納庫へと搬入されたカラミティのコクピットへ向かおうとして、ふと思い立ち三人へと振り返った。
「ミレニアムが出航したら、ちゃんと体を固定してた方がいいかもっス。それじゃ、今度こそ失礼するっス!」
そう一言伝えて、今度こそレクリエーションルームを後にした。
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『十分後、貴国に向けレクイエムを発射する』
『待ってくれ!ミレニアムは何者かにハイジャックされたのだ!先程プラントにも──』
東の空が白み始めるオノゴロ島の港を出航したミレニアム内の格納庫、オーブ軍のイージス艦やムラサメ達の派手な
そのモニターの一つには、オルフェとアスハ代表の通信でのやり取りが映し出されている。
『言ったはずだ。少しでも動きがあれば撃つと』
『誤解だ!我々はこの件に何も──』
アスハ代表の弁明に耳を貸さずにオルフェの側の通信が切断され、遅れてアスハ代表側の通信も切断される。
さて、
パイロットスーツの胸元は開かれ、2枚の金属プレートを通したチェーン──首から下げられた大西洋連邦所属であることを示すドッグタグはハッキリと刻印まで見えるように露出している。
顔は、まぁ、普段通りだ。少しだけ髪を整えるだけでいいだろう。さっきの通信でのやり取りも聞こえていたし、耳元のインカムも大丈夫。
手元にはタブレット端末、画面を触れればスリープモードからすぐに復帰出来るようになっている。
準備はこれで大丈夫だろう。そして、多分そろそろ──。
『ファウンデーション、聞こえるか?こちらはミレニアム、キラ・ヤマト』
国際救難チャンネルからの通信を受けて、モニターにヤマト隊長の姿が映りインカムからは声が聞こえる。
『残念だったね、僕は──僕たちは生きている。自分の国民を見殺しにして、ブルーコスモスと戦っているその背中を撃ってまで殺そうとしたのにね』
ヤマト隊長にしては珍しい皮肉たっぷりの口調での、挑発するような喋り方。
否、コレは挑発そのものだ。
ファウンデーションはまず間違いなくミレニアムに対して注意を払い、何か動きがあればレクイエムをオーブへと撃ち込む。
ラミアス艦長やコノエ副長達はそう考え、その上での対抗策を考えた。レクイエムの矛先をオーブから変える為に、さらには連中の大義名分・正当性を貶める為にヤマト隊長が世界中に発信される国際救難チャンネルでファウンデーションを糾弾する。
それを補助する為に、俺もコノエ副長からの頼み事を実行に移す。
スイッチを入れ、カメラを起動。国際救難チャンネルでの映像を映すモニター、ヤマト隊長の姿がテレビ番組によくあるワイプのように小さくなり片隅へ。
代わりにコクピット内のカメラで撮影された俺の姿と、ドッグタグ。手にしたタブレットが映る。
そこに映し出されるのは、ブルーコスモスと戦っている最中にブラックナイトやファウンデーション所属のMSに襲われ撃破されていくコンパス側のMS達。
少し前まで、俺が熱心に見ていた映像だ。
映像の向きやキチンと映っていることをモニターで確認して、タブレットをカメラへと近づけて映像が見やすくなるようにする。
『君たちは、人類を導く者なんかじゃない。デュランダル前議長が考え出したデスティニー・プラン、それを利用して世界を支配しようとしているただの欲深い殺戮者だ!』
正直、この映像をヤマト隊長の糾弾──それを裏付ける証拠として映すだけなら機械の操作でどうにかなるだろう。
それなのに、わざわざこんなやり方をするのは多分何か理由があるんだろう。
コノエ副長からの指示を考えれば、ドッグタグあたりだろうか。まぁ、ぶっちゃけその辺のことはよく分からないから頼み事をこなすだけなんだけれど。
『僕たちは真実を知っている。証拠だってある。世界中にそのことを訴える!』
俺がそんなことを考えている間にも、ヤマト隊長のファウンデーションへの
『僕は彼──デュランダル前議長を討った。けどそれは、あまりにも強引なやり方だったからだ。彼が平和を求めていたことを否定するつもりはない。でも君たちは違う!彼が平和を求めて考え出したデスティニー・プランを、ただ自分達が支配者になる為の道具として使うような虐殺者の企ては絶対に潰す!』
『月の裏側に高エネルギー反応』
小さく、ハインライン技術大尉の声が聞こえた。それが意味するのは、レクイエムの発射だ。
急激な進路変更に備えて体勢を整えようとした俺の耳に、続け様にラミアス艦長の声が届く。
『タンホイザー起動!緊急制動!』
……え"?大きく迂回して避けるって感じじゃないんですか?!
次の瞬間、オーブ軍による派手な見送りを受けた時でさえあまり揺れなかったコクピット内が激しく揺さぶられる。
それだけで今現在、ミレニアムがどれだけ無茶な挙動をしているのかを察する。
「〜〜〜〜〜〜ッ!!!!」
思わず口を開きそうになるが、必死に押さえ込み。けれども声にならない悲鳴が漏れ出る。
もはや国際救難チャンネルでの放送を気にする余裕もない。
片手でタブレット、もう片方はコクピットのアームレストを必死に抱え込んで未だに収まらない激しい振動に耐える。
ようやっと振動が落ち着いたコクピット内で、バクバクと早鐘を撞く心臓を深呼吸で落ち着かせる。
いつのまにか、国際救難チャンネルの放送は終了していた。
さ、流石は実質世界を相手取った三隻同盟の中核メンバーと、その行動を予測してみせて受け入れの準備をしていた方々だ……ここまで常識では測りきれない行動をやってのけるとは、思わなかった……ぜ(ガクリ)