地球連合所属属性多め憑依転生者 in 世界平和監視機構コンパス   作:ガンダムおじさん(にわか)

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 大変お待たせして申し訳ございませんでした。あと、若干アンチ・ヘイト的描写があります。ご注意ください。










PHASE-39 たったひとつの冴えた反論

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 《反則!インチキ!!このチートヤロー!!!先生!ガローテくんがズルしてまァす!!》

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そんな風に喚きながら、両肩下部のミサイルポッドから射出したミサイルをガトリングで撃ち抜いて爆炎を生み出す。

 ゾクリと走る悪寒に従って機体を翻し、いつの間に構えていたのか黒騎士が左手でこちらに向けた短銃身のビームライフルから迸る光条を躱した。

 そして、AIで大まかに照準されたショルダーキャノンで牽制のビームを放ちながら周囲を映すモニターに視線を走らせる。

 

 周囲を漂う爆炎が、不自然に逆巻く。同時に走る微かなチクリと刺さるような敵意に身体が動く。

 入力されたコマンドに従いスラスターが吹き出してカラミティの巨体が捻るように回転。勢いよくウォーハンマーが振るわれる。

 煙の動きが、射出・分離した上でミラージュコロイドによってカラミティのセンサー・カメラによる捕捉が不可能になった右前腕部の存在を伝える。

 感覚で振るったが故に僅かに届かないであろう槌頭を、握ったマニピュレーターを緩めてグリップを滑らせることで強引にリーチを伸ばす。

 当たれェッ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 《……ちィッ!》

 

 

 

 

 

 

 

 

 暗い虚空に火花が散る。掠めるようにしか当たらなかった鷲の嘴(アドラー)が、コチラに迫っていた毒牙をミラージュコロイドの隠れ蓑を引き剥がしながらその軌道を変えさせる。

 まるで蛇のようにうねって離れたソレはすぐさま闇の中へと溶けるようにその姿をくらませた。センサーに熱反応は浮かばない。低温ガスの噴射あたりが軌道調整の手段か?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 《反則だとかインチキだとか、不可視の筈の攻撃を難なく凌がれる此方が言いたい言葉なんですがね……ッ!》

 

 《ウルセェ!お前らもいつも平気でやってる事だろうが!今更御託を並べるな!便利に使ってるだろォん?こう、攻撃される前に感じる、あのゾワゾワした感覚でタイミングと方向を察知するなんてさァ?!》

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 再びコチラへと撃ち放たれるビームと共に叩きつけられる思念にエルドラでのブラックナイツどもを思い返しながら言い返せば、妙にわかりづらいが微かな疑念を知覚する。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 《なにを言ってるこのバカは?そんなモノ、我々でも出来ない芸当だぞ……いや、むしろ逆か?コーディネイトによる最適化がされていないからこそ、思念にすらならない微弱な精神波動を拾い予兆として認識しているのか?》

 

 《はェー、そーなのかー》

 

 《……ッ、盗み聞きとは感心しませんね!》

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 その考察に感心の声を上げれば、どうやらアイシュに伝わったらしく罵倒が返される。さりげなくバカ呼ばわりしてたくせに!

 そもそもさァ!!

 

 

 

 

 

 

 《勝手に考えをお漏らししたそっちが悪いんだろうがよォ!そんなにお漏らしイヤならさァ!?オムツでも頭に被ってなァ!!!》

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 走る悪寒を頼りにジャベリンに変形させたアドラーll(仮)を振るって虚空から迸るビームを切り払いながら軽口混じりの罵倒を返す。

 ……長身で細身、蛇を思わせるような目つきの神経質そうな男。それが、オムツを頭に被っている。

 ………………。

 

 

 

 

 

 

 

 《ヴォエッ!》

 

 《なんてお下劣なイメージを……ッ!》

 

 

 

 

 

 

 

 

 思わず頭に浮かんだイメージに、思わずえづけばアイシュにも伝わっていたのか強い怒りの思念と共にヴィジョンが頭を駆け巡る。

 咄嗟にジャベリンを振るいながら左手のビームガントレットでビームシールドを発振。

 突如現れた宇宙空間の闇を裂くサーベルの刃を弾き飛ばし、正確にコクピットへと迫るビームを間一髪で防ぐ。

 頬を伝う冷や汗を無視して、口を開いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 《あーらごめん遊ばせ、俺もお漏らししちゃったみたい!こりゃ俺もオムツ被んなきゃだなァ?!……オェ》

 

 《貴様ッ、一度ならず二度までも……ふざけているのか!?》

 

 《アァン?自国民を核で吹ッ飛ばした挙句、兵士たちに嘘ぶッこいてるヤツに言われる筋合いはないんだがァ!?》

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 意図的な軽口とそこから再び思わず頭に浮かんだふざけたイメージに、とうとう口調を取り繕うことすらせずにキレたアイシュに言い返す。

 コッチは端っからキレてるんだよなァ、挙句にここまでの道中でファウンデーション軍から伝わる思念──ごく普通の感性の人たちの、謂れのない攻撃に……失われた命に憤る内心を知覚するごとに、ボルテージ上がってるんだよォ!明らか嘘ついてるオマエらによォ!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 《失敬な。嘘なんてついていませんよ、キチンと伝えましたとも。イシュタリアはユーラシアの核ミサイルによって甚大な被害を被ったとね》

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そうだね、嘘はついてないね、核ミサイルはユーラシアが配備したヤツだからね。

 …………撃ったのが誰かを言ってねェよなァ?!

 

 

 

 

 

 

 《はいッ、クズ確定。ぶっ殺します》

 

 《フフ、荒れている内心の割には随分と慎重な動きですね?》

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 返された言葉は、正鵠を射たものだ。正直に言ってしまえば、荒れている内心を抑えずに闇雲に突っ込んだところで勝機は無い。

 相手が全身にフェムテク装甲を備えているわけで無いと分かったところで、少なくともバイタルパートはフェムテク装甲。思考を読むアコードであることも加えれば、遠距離からビームを打ち込み勝ちを拾うのは困難だろう。

 

 転じてコチラは、相手のあらゆる攻撃をマトモに受ければそれだけで致命傷だ。エールカラミティの強み──高い機動力によるすれ違いざまのアドラーによる一撃を活かす為か、防御手段はTP装甲とビームガントレットから発振される小規模なビームシールド。

 強みの筈の機動力でさえ相手に軍配が上がる。ここまで戦闘が成立しているのは、アイシュがあくまで工作員であるが故に正面戦闘に慣れていないことと慎重な行動ありきだ。

 

 ……だが、それでいいのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 《そっちこそ、俺に構ってて良いのかァ?もうムウさんも離脱して、こォんな三下に拘ってる場合じゃねェんじャねェの!?》

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 少なくとも、ミラージュコロイド・ステルスで完璧な不意打ちを行える──キラさんやアスランさん、シンさんも落としかねない戦力を釘付けに出来てる時点で戦略的には大勝利って寸法よォ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 《ふふふ、それはどうでしょう?》

 

 《なにを余裕ぶってるんですかァ?少なくとも多勢に無勢はソッチだぜェ?》

 

 《私がムウ・ラ・フラガを追ったのは、あくまで貴方たちの悪足掻きを防ぐ為なんですよ?》

 

 《フッ、また強がっちゃってェ》

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 コッチの考えを読んだ上での、意味深な言葉に煽りを返す。コンパスにオーブ、果ては地球連合の艦隊だってレクイエムに攻め込んでるんだ。強がりだと鼻で笑っていれば、モニターの一角。

 極めて広範囲に、爆炎が広がった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 《なんの光!?》

 

 《ハハハハハ!あの程度の数、オルフェが動けば蹴散らされる程度でしかありませんよ!》

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ソレは、地球連合の艦隊が展開していた方向だった。たったの一瞬でその数は半数以下になっている。

 アイシュから伝わる思念が、ソレを為した存在は一機のMSとそれに追随する三機の小型MA……イヤ、大型のドラグーン?!たったそれだけで成し遂げたと告げる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 《フオオォォォアアアァァッ!?》

 

 

 

 

 

 

 

 コチラの動揺を見逃さず放たれた複数の光条、咄嗟に回避するも躱し切れずに左肩のショルダーキャノンが吹き飛ぶ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 《私の思考を読めるのならば、分かるでしょう?あの圧倒的な性能を!貴方が最も強いと思っているキラ・ヤマトであろうと敵わないと!オルフェならば安定した平和な世界を築くことが出来る!キラ・ヤマトと違ってぇ!!それが運命というものなのですよ、覆すことの出来ないねぇ!!!》

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ……確かに、アイシュが頭に浮かべているオルフェ・ラム・タオの駆るMS──ブラックナイトスコードカルラの性能はフリーダムすら凌駕しているだろう。

 真っ当に、論理的に考えれば勝ち目は無い。運命は覆せない。そう考えて良いだろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 《……それは、どうかなァ!?》

 

 

 

 

 

 

 

 

 運命?論理的に考えて?…………そんなもん、クソ喰らえだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 《なにを根拠に、そんな戯言を!》

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 アドラーll(仮)を振りかぶって全速力で突っ込む姿を、頭に浮かべている感情的な思考を鼻で笑いながら迎え撃とうとするアイシュの駆る黒騎士。

 そんなに知りたいのなら、言ってやるさァ!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 《そんなの決まってる……愛だ!!》

 

 《愛ぃ?そんな不確かなモノで、何が出来る!!》

 

 《……フッ、ククッ、ハハハハハ!!!》

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 アイシュのトンチンカンな言葉に、思わず笑いがこみ上げる。()()()()()ゥ?バカ言ってんじャねェーよ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 《あの日(ミケール捕縛作戦決行日)あの時(キラさんが精神干渉された時)あの場所(ユーラシアとの国境付近)でェ!アンタらご自慢の精神干渉を、ラクスさんとキラさんの愛が跳ね除けたろうがよォ!!》

 

 《それは貴方が……ッ?!》

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 残念ッ!俺に出来たのは、ちょっとばかし緩める程度!!最後に跳ね除けたのはァ、あの二人の愛なんだよォ!!!

 強がりは意味無いんだよなァ?!なら分かるだろォ、コレが大マジだってさァ!!

 

 

 

 

 

 

 《滅ェェェッ殺ッッ!!》

 

 

 

 

 

 

 叩きつけられた感情論に動揺したのか動きが鈍った黒騎士へ、渾身の力を込めて俺はビームスパイクを展開したアドラーを叩きつけた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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