地球連合所属属性多め憑依転生者 in 世界平和監視機構コンパス   作:ガンダムおじさん(にわか)

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PHASE-48 死線上の協奏曲

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ダグラス少佐の率いる地球連合の部隊──対戦略拠点突撃強襲攻撃機動分隊と合流する為の移動の間、彼等との共闘の為に繋いだデータリンクによってカラミティの索敵性能以上の情報が表示されるレーダー上の機体表記──識別名が更新され書き換わっていく。

 

 

 

 先程俺に共闘したい旨の通信を投げかけてきたダグラス少佐の駆るユークリッド──"ドラグナーヘッド1"。

 

 オオトリストライカーとエールストライカーの合いの子のようなストライカーと、小ぶりな対艦刀とビームシールドを備えた恐らくは高機動近接戦仕様の白、赤、青(トリコロール)のウィンダム──"ドラグナー1"。

 

 ハリネズミめいていくつもの砲身が伸びるストライカーを背負った砲戦仕様の濃紺のウィンダム──"ドラグナー2"。

 

 円盤を頭に被ったような、というかアレってフォビドゥンのバックパックを流用したストライカーパックか?見た感じ正面のプラズマ砲を取っ払って前後左右にセンサー群を増設したみたいだ。

 そんな特異な見た目の、恐らく情報収集に特化したウィンダム──"ドラグナー3"。

 

 I.W.S.P.──記憶が確かなら、近距離から遠距離にまで対応できる代わりに偏った重量バランス故に扱いが難しいソレを装備してドラグナー1と互いをカバーし合う見事な操縦を見せた、いわば遊撃手とでも言うべき紺青色のウィンダム──"ドラグナー4"。

 

 

 

 

 

 

 

 

 『お疲れのとこ悪ぃな、うちのおっさんが。人使いが荒ぇんだよな、ったく……』

 

 『今に始まったことじゃないだろぉ?そんなのはさ』

 

 『おいよせよ、またどやされるぞ?』

 

 『あはは……むしろありがたいぐらいなので大丈夫であります。えぇとドラグナー1とドラグナー2に、ドラグナー3?』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 識別名と機体との認識を擦り合わせようとしている最中、繋がった通信から聞こえるノリの軽いやり取りに差し障りのない言葉と共に通信画面に表示される識別名で返事を返す。

 

 

 

 

 

 

 

 

 『ケンだ、ケン・リーフ中尉。ソレ使うのはそれこそおっさんくらいだからな、名前で呼んでくれよ。堅っ苦しいのは苦手なんだ』

 

 『俺はダフな、ダフ・オレガノ少尉だ。そもそも名前の方が短いし、呼びやすいってのにな』

 

 『まあ立場ってもんがあるんでしょ、あの人にもさ。あっ、俺はレイン。レイン・ネオマン少尉な』

 

 『……っス!よろしくお願いしますケンさん、ダフさん、レインさん』

 

 『おう。ところで……通信が声だけなのは、なんでだ?』

 

 『……あ』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ユークリッドに辿り着き側面から伸びるケーブルをカラミティ側のコネクタに接続しながら投げかけられた言葉に、思わず声が漏れる。

 クスリを使った状態で顔が見苦しいことになっているだろうからと、ムウさんとの通信の時に設定変えてたの忘れてた!?

 

 ……いや、これでいいのか?一応世間的にはミレニアムをジャックした、コノエさん曰くいわば海賊みたいな立場なんだし……?

 でもこれから共闘しようってのに、顔も見せないのは失礼なんじゃないか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 『貴様ら、黙って聴いていれば軍人としての自覚はあるのか!?特にケン!貴様、つい先程ヒューロン少佐に注意を受けたばかりだろうッ?!』

 

 『だーッ、うるせぇなぁ!あっ、このいかにも堅物って感じのコイツはマクシムな?』

 

 『誰が堅物だ!……だが、貴様の疑問には同意してやる。なぜ、貴官は身元を隠すような真似をする?』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そんな風に悩んでいれば、ドラグナー4──マクシムさんから鋭い視線と共に投げかけられたのは当然を超えた当然の質問。

 

 

 ……ええい、ままよ!

 

 

 

 

 

 

 

 『じ、自分恥ずかしがり屋なんです!そう、言うなれば、Shying boy *1……ッ!!』

 

 『…………はあ』

 

 『ええ…………』

 

 『どう間違ってもシャイなヤツの言動じゃないだろ、それは……』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ん!?間違ったかな……。冷えっ冷えな空気に冷や汗が流れる。そんな空気の中、ただ一人口を閉じていたケンさんが口を開いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 『プッ、ククッ、アハハハッ!嫌いじゃないぜ、そのセンス。そうか、恥ずかしがり屋か!それじゃ、しょうがねぇーな?』

 

 『いやまぁ、愉快な性格ってのは分かったけどよぉ……?』

 

 『敵じゃないのは分かってるし、これでいい……のか?』

 

 『しょうがないわけないだろうが!何を流されている!?』

 

 『総員、傾注!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ケンさんの寛大な言葉に続いて話が広がりそうだったところにダグラス少佐の一際大きな声が響き、俺も含めて通信を開いている者は皆一斉に口を噤んだ。

 その様子を見てとったダグラス少佐は、そのまま厳めしく言葉を続ける。

 

 

 

 

 

 

 

 

 『親睦を深めているところ悪いが、これより状況の再確認を兼ねた簡易ブリーフィングを行う。また、カラミティについては本来ならばオーブでミレニアムをジャックした海賊一味として速やかにこれを確保しオーブに引き渡すべきだろう。

 だが、状況が状況だ。俺の判断でレクイエム破壊の為の戦力として協力を要請した。また以後、呼称はカラミティとする。そのつもりで扱うように』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そのコチラをフォローするような言葉に疑問を覚えるが、そういえば大西洋連邦──厳密にはフォスター大統領か、コンパスとの関係を断つ旨の発言をしたとか聞いた……気がする。

 それを考えたら、俺の身元を確認──コンパス関係者と認識しないのは向こうとしても都合がいいのか……?

 

 ダメだ、政治的なことはよくわからん。とりあえず、話が有耶無耶になったことを素直に喜んでおくべきか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 『そして現状だが、グリオン艦隊とそれに合流した第三班は未確認MSと接敵し戦力の大多数を喪失。オーブ・連合艦隊及び第二班は戦力差を考えれば奮闘しているが、ファウンデーション・ザフトクーデター軍の防衛戦力に押され気味だ。非常に不本意だが、レクイエム破壊の任を遂行できる可能性が高いのは我々ドラグナー隊第一班だろう。

 その上でカラミティに確認したい。先行しているミレニアムのMS各位にはレクイエムを破壊し得る程の火力の持ち合わせがある、その認識で相違ないな?』

 

 『サー!デスティニーはレクイエム中継リングを一撃で破壊した特殊装備を、インパルスはミーティアユニットを装備しております。レクイエムの破壊には十分な火力を備えている、そう自分は愚考致します。サー!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 コンパスがザフト主体でその辺が緩いせいか。ダグラス少佐の話し方を聞いていると新兵訓練所(ブートキャンプ)の鬼軍曹を相手にしているみたいだぜ、テンション上がるなぁ〜。

 思わずらしくもない軍人っぽい喋り方になっちゃう。なんか珍獣を眺めるみたいな三対の視線が気になるけど。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 『ハッ、それはゴキゲンだな?よろしい!なら俺たちがやる事は簡単だ!

 これより我々は先行するミレニアムのMS各位に最大戦速にて追随し、その背中にちょっかいをかけるだろう破廉恥な連中のケツを思い切り蹴り飛ばしながら防衛戦力を引きつけ、彼等のレクイエム到達及び破壊の援護を行う!

 また、万が一の場合には我々の用意したゴキゲンなオモチャである対光波防御帯特殊兵装を使う。カラミティも含め、通信は常に繋げておけ!

 レクイエムまでの距離が2000を切ってからはフォーメーションD3A2──周囲警戒及び管制はドラグナーヘッド1、リズ少尉からドラグナー3へ。指示を聞き間違えるヘマはするなよ?』

 

 『了解です』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 俺の返事にダグラス少佐はよく言えばワイルドな、悪く言えば野獣めいた笑みを浮かべながらスラングを交え今後の作戦行動を妙に説明口調で口にした。そして響いた、聞き覚えのない女性の声。恐らくこれがリズ中尉の声だろう。

 …………あぁ、俺に対する説明か、この一連の流れは。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 『我々だけでレクイエム破壊を遂行しようとした場合と比べれば、欠伸が出るほど簡単な状況だな!だが、油断は禁物だ!防衛艦隊との戦力差はどう甘く見ても三倍以上だ、少しの気の緩みで簡単に墜とされるだろう!

 ここまで言えば舐めてかかるようなバカはいないだろうが、もし墜とされるような情けない様を晒してみろ。代わりに配属されるひよっこ共に言って聞かせる笑い話のタネにしてやる!

 分かったのなら、ケツの穴を引き締めてかかれ!さぁ、歯を食い縛れ……最大戦速、総員突撃だッ!!

 

『『『『『『了解ッ!!』』』』』』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 カラミティにケーブルを譲ったドラグナー2がユークリッドの機体上部、まるで角のようにも見える馬鹿デカい砲にしっかりとしがみついたタイミングでダグラス少佐の声がスピーカーから響いた。

 

 間を置かず俺を含めた六人分の返事が大きく響けば、グンと身体がシートへと強く押し付けられモニターに映る景色が凄まじい勢いで後ろへと流れゆく。

 

 

 

 圧倒的なスピードで、ユークリッドはレクイエムへと目掛けて宇宙の闇を引き裂いて駆けて行く。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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 猛スピードで駆けるユークリッドの目の前をレクイエム目掛けて飛翔するデスティニー、ミーティアの大型ビームサーベルで立ち塞がろうとしたザクを両断しながらインパルスがその脇をすり抜ける。

 いつの間に乗り換えたのか、キャバリアーの上に陣取ったジャスティスが駆け抜ける二機と並びながら援護を行なっていた。

 

 

 

 

 

 それを遠方から狙うガナーザクをユークリッドがビーム砲で撃ち抜き、更にはガトリングから撃ち放たれた数多の弾丸で形成された弾幕がミレニアムのMS達に抜き去られた防衛線のMS隊の足並みを乱して追撃を妨害する。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 『ミレニアムのMS各位に通達する!こちらは地球連合軍所属、対戦略拠点突撃強襲攻撃機動分隊!これよりヒューロン・ダグラス少佐以下六名、ならびにミレニアムのカラミティは貴官らのレクイエム破壊を援護するッ!!』

 

 《なっ、ゼフォー!?アイツ、なんで!》

 

 『また、ミレニアムのカラミティは我が方からの協力要請を受け行動を共にしている。事後報告となり申し訳ないが了承願いたい!』

 

 『そういう訳っス!ごめんなさい!』

 

 『〜〜〜ッ!ああッ、もう!後でちゃんと話を聞かせてもらうからな!?死ぬんじゃないぞ!?』

 

 『っス!!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ダグラス少佐の通信に動揺するシンさんの思念を感じて通信を開けば、苦虫を噛み潰したような唸り声の後に心配が返される。

 力強く返事を返して通信を切った。裏表の無いそれに口元を緩めていれば、スピーカーからケンさんの声が響いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 『へー、随分と仲がよろしいじゃあないの』

 

 『っス、自慢の仲間ってところっス!』

 

 『へっ!なら力を貸してもらってる手前、無事に帰してやらないとな!』

 

 『いやいや!助けてもらった身ですから、粉骨砕身頑張るっスよォ!』

 

 『……なんとなく、あの兄ちゃんの気持ちが分かった気がするぜ』

 

 『距離2000を切った!ケン、マクシム、カラミティ!1500でMS戦だ、準備よろしく!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 茶化すような言葉に返事を返していけば、管制を引き継いだレインさんからの指示がスピーカーから響く。

 

 

 

 

 

 

 

 

 『『『了解!』』』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 レクイエム近傍の激戦区という死線の上で、共闘という協奏曲(コンチェルト)の幕が開く。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

*1
シャイ(Shy)と、シャイニング(shining)のシャイを掛けた親父ギャグ

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