地球連合所属属性多め憑依転生者 in 世界平和監視機構コンパス   作:ガンダムおじさん(にわか)

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PHASE-50 120秒を駆け抜けて

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 『ゼフォー!貴方、大丈夫なの!?』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 動かないユークリッドの援護、つまりは対MS戦には小回りが効かず適さないと判断したのかミーティアをパージしてコチラへと合流したインパルスからの通信。

 ルナマリアさんの心配そうな声がスピーカーから響く。すぐに答えを返した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 『大丈夫っス!バッテリーは六割くらいなんで、十分戦え──』

 『そっちじゃないわよ!このおバカっ!!』

 

 『ひぃん……』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 凄まじい剣幕に、思わず情けない声が漏れた。……どうしてもこういう鉄火場では戦闘に関することに意識が向いてしまうのは、俺の悪いクセだ。

 俺自身へと向けられた心配を、勘違いのしようも無く感じているというのに。

 これではテロリストのフリをしてルナマリアさんを泣かせたシンさんのことを、どうこう言えないじゃないか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 『ただでさえ言いたいことがあるっていうのに、これ以上増やさないでよね!全く、もう!!』

 

 『ごめんなさい……』

 

 『とにかく、今はこの場を切り抜けるわよ。話はそれからッ!』

 

 『了解!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 言葉を紡ぎながらも、瞬く間にその手に携えたレールガンでこちらに向かってくる、もしくはユークリッドへと攻撃を加えようとするMSたちを撃ち落としていくインパルス。

 誰だよ、誤射マリアなんて渾名つけてまで射撃が不得意だ、なんて言ってたのは。

 

 

 そんな益体のない思考を重ねながらもショルダーキャノンや背中にマウントしているシュベルトゲベールのビーム砲での射撃でユークリッドへと向かうMSを牽制しながら、コチラへ斬り掛かってきたグフの剣を回収していたビームサーベルで捌いて受け流す。

 そのまま体勢の崩れたグフの胴へと、シュベルトゲベールを振り下ろした時だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 《この身に代えても、世界を……変える!》

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 飛び込んできた思念を受けて、モニター上に視線を巡らせる。そこに映る光景に、すぐさま口を開いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 『レインさん!ユークリッドから見て、四時方向!!』

 

 『ん?……ナスカ級が高速で接近!?予測コースは…………ハァ?ウッソだろ、奴さんカミカゼのつもりかよ!?ヤベェぞ、このままじゃ発射十秒前にタッチダウンだ!!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 俺の声に恐らくユークリッドに殺到する敵MSを捌くことに集中していたらしいレインさんが、ユークリッドに体当たりをしてでも砲撃を阻止しようとするザフトのナスカ級高速戦闘艦の存在に気付く。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 『そうまでしてオーブを……無辜の人々を焼きたいというのか、貴様らァッ!!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 マクシムさんの烈火の如き叫びとともに放たれたレールガンとビームライフル。その砲弾と閃光は、我が身を顧みずに射線上へと飛び込んだザクやグフによって防がれた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 『ゼフォー!』

 

 『了解っス!レインさん、インパルスがミーティアでナスカ級を迎撃に出ます!カラミティはその援護につくんで、後をお願いします!』

 

 『えっ……お、おう!そういう訳だ。ケン、ダフ、マクシム!気張ってくれよぉ!!』

 

 『簡単に言ってくれちゃってぇ!やってやるよぉ!!』

 

 『オレらだけじゃなくてお前も気張るんだよォ!レイン!』

 

 『チィッ、すまないが頼むぞ!カラミティ、インパルス!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 それを見て取って、俺に掛けられたルナマリアさんの声。その内の考えを読み取ってレインさんへと声を掛ければ、多少狼狽える様子を見せたもののすぐさまドラグナー隊の面々へと指示が飛び反応が返る。

 

 

 その言葉を背に受けながら、すぐさまミーティアへ向かうインパルスの後を追う。

 ポツリと、思わずと言った様子でルナマリアさんが言葉を溢した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 『今度こそ、超能力ってヤツ?』

 

 『っス!なかなか便利っスよ?忌憚のない意見ってヤツっス』

 

 『ッ…………。ふふっ。えぇ、そうみたいね?』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 軽やかにコチラへと撃ち掛けられる光条を躱しながら、あるいは反撃に撃ち返し撃墜しながらやり取り。

 少し触れない方が良かったんじゃないか?とルナマリアさんが思っているのを感じ取って、軽〜い感じで軽〜い言葉を返せば少しばかり心を軽くしてくれたのを知覚する。

 まぁ、ぶっちゃけ思った事を言っただけなのだから笑うようなことでもない気がするけども。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 『ゼフォー、コレを!後でちゃんと返してよね!』

 

 『ッと……もっちろんス!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ミーティアに近づき、使わないと判断したからか反転しながらコチラへと投げ渡されたレールガンを、シュベルトゲベールをマウントして空けた右手で危なげなく受け取る。

 ……返してと言われたのだから丁重に扱わないと、だな。

 

 

 

 そのまま相対速度を合わせミーティアとドッキングするインパルスへと、隙ありと言わんばかりに群がろうとするMS群へとレールガンも交えた全射撃兵装を使って持て成して差し上げる。

 贅沢にもスキュラすら交えてだ。文字通りの大盤振る舞い、大喜びで綺麗な花火を咲かせていただき、持て成した甲斐があるというものだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 『さぁ、行くわよ!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 後に残った爆煙を、ドッキングを完了させたインパルスが突っ切って吹き散らす。

 コチラも当然、反転して後を追う。だが、ただ追うだけでは追いつかない。流れるようにスラスター類のリミッターを解除すれば、身体がシートに押し付けられる感覚。

 その最中、視線を走らせればモニター上のカウンターはもうじき一分を切るくらい。ナスカ級がユークリッドにタッチダウンするまでは、五十秒を切ったという事だ。

 

 

 猛烈な勢いでナスカ級へと吶喊するミーティア装備のインパルス、その後をリミッターを解除してまで猛追するカラミティ。

 そんな目立つ二機を、ナスカ級やその直掩についているMS群が見逃してくれるわけもなく。

 撃ち掛けられるビームやリニア砲。その後を追う、多数の誘導弾。

 

 残り、四十五秒。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 『ルナマリアさんは、前だけをッ!露払いは、俺がァァァッ!!』

 

 『任せたわッ、ゼフォー!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 心を開き、精神の触手を目一杯に広げてミーティアへと狙いをつけるMSや飛来する誘導弾。放たれるビームさえも全ての火器を総動員して叩き落とす。

 少なからずコチラへと向かってくるモノは、左腕のビームガントレットから発振したシールドを胸部の前に翳した上で最小限の動きをもって回避する。

 

 残り、三十五秒。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 『こん、のおおおぉぉぉぉッ!!!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 裂帛の気合い。とうとうナスカ級へと辿り着き、掠めるようにその船首の左側へとすり抜けたインパルスが、ミーティアの右アーム部からビームソードを発振して船体へと振りかざす。

 

 長大な刀身が船体の半ばから後部──中央のメインエンジンと右のエンジンまでを引き裂いた。

 大きな爆発、グラリとナスカ級が揺れるが生き残ったエンジンの出力と各部のスラスターを操作してそれでもユークリッドへの針路を維持しようとする悪足掻き。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「抹ァッ、殺ッ!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ソレを、遅れて到達した俺──カラミティが終わらせる。

 

 レールガンを腰へとマウントする事で空けた右手で抜き放ったシュベルトゲベールで、ブリッジを下から上へと斬り上げることで。

 

 

 だがそれでも慣性を得た大質量は止まらずに、未だにその針路はユークリッドにぶち当たるものだった。

 それを見て取って、見下ろすように位置取ったカラミティの胸部が光を湛える。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 『チェェェェェストォォォォォォッ!!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 放たれたスキュラがその紅い熱線でもって装甲を焼き焦がし、ついには大きな爆発を生じさせる。

 それはナスカ級だったモノへと下向きのベクトルを与えて、とうとうその針路を逸らした。

 

 

 

 フゥ、と細く息を吐く。モニター上のカウンターは、残り二十秒。繋げっぱなしの通信から、ユークリッドに乗るダグラス少佐とリズ少尉の声が漏れ聞こえる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 『ビームスパイク形成タイミング及び炸薬起爆タイミング算出、PPHE(Positron reflector Piercing High Explosive)への入力完了。エネルギーチャージ、クレイヴ・ソリッシュ*1発射可能域まで5、4、3、2、1。……発射シーケンス、オールグリー……待ってください!ナスカ級、射線軸上へ!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  そして、聞こえてきたそれに思わず目を見開いた。ヤッベ、やっちまった!?

 急いでスラスターを吹かして追い縋るが、間に合わない。モニター上のカウントが刻一刻と0へと近づく。

 

 9、8、7、6、5、4、3……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 『構わん、時間が無いッ!超大型多目的電磁投射砲クレイヴ・ソリッシュ、徹光榴弾……てーッ!!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 カウント、0。ユークリッド上部の大型砲が火を吹くと同時。射線上へとナスカ級が滑り込んだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

*1
ケルト文化圏の伝承にて語られる聖剣。その名はアイルランドの言葉で光の剣、あるいは輝ける剣を意味する。

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