【完結】この素晴らしいまちカド世界に祝福を!   作:のろとり

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予約投稿です。

 どの話が伸びてるか各話のUAを調べてみたら、2話と3話と6話が前後の話と比べて高かったです。
 序盤から最新話にかけてUAが少なくなるのが一般的なんですがねぇ。てか6話は戦闘だから伸びるのは分かるけど、2話と3話が伸びてるのは分からぬ。マスターとリコ君が人気なのかな?


第十一話 ミカンの師匠誕生? 佐藤カズマの狙撃スキル!

「あ、カズマさん!」

 

「こんにちはカズマさん」

 

「よ。優子、ミカン」

 

 ショッピングモールまるまに置かれているベンチで、カズマが座っていると、何処か一緒に出掛けていたのだろう。私服姿のシャミ子とミカンが話しかけてきた。

 

「カズマさん! また異世界での話を聞かせてください!」

 

「分かった。今日は巨大なカエル、ジャイアントトードと戦った話をしよう!」

 

「やった!」

 

 この前異世界の話を聞いて現実を知ったシャミ子であったが、カズマの面白おかしく語る異世界話を気に入り、会うたびに「聞かせて聞かせて」と、寝る前の読み聞かせを楽しみにしている幼児のように、せがむようになったのだ。

 

「シャミ子、魔法とか魔王って言葉が好きなのね」

 

「だってワクワクしませんか!?」

 

 カズマの話を聞こうが、感性がそう簡単に変わることはない。現実を知ろうとも、シャミ子は魔法や魔王と言った言葉にワクワクが押さえきれない。

 

「アレは俺が借金を背負っていた冬の季節だな。色々とあって領主の家を爆破した容疑がかかった俺は、監視付きでジャイアントトードの討伐に行ったんだ」

 

「それは何があったの!?」

 

「そもそもカエルは冬眠するはずでは?」

 

 せかすシャミ子に落ち着けと一言語りかけ、思い出すようにして異世界の事を語り始める。予想していた通り、討伐に出掛けるまでの流れに突っ込まれたが、何回も異世界話を聞いて既に耐性が付いているシャミ子は、それまでの流れに関しては何も言わず、カエルについて質問した。

 

「まぁ色々とあったんだ。それとシャミ子の言う通りジャイアントトードは本来冬眠してる時期なんだ。だけど俺のパーティーメンバーのアークウィザード。めぐみんって言うんだが、そいつが爆裂魔法で冬眠してるジャイアントトードを起こしたから、それの尻拭いだな」

 

「「…………」」

 

 いくら耐性がついたシャミ子と言えど、まだカズマのパーティーメンバーの行動が予測出来る訳ではない。ミカンは言わずもがなである。

 冬眠から覚めた元凶がまさか身内の犯行だとは思わなかったのだろう。どう反応して良いのか分からず、思わず顔を逸らす。

 

「話は戻して、俺はパーティーメンバーのアークプリースト。アクアを囮にして弓でジャイアントトードを撃ったんだ」

 

「囮」

 

 アクセルの街では「またあの爆裂魔か」と、呆れ半分諦め半分となっているため、街の近くで爆裂魔法が起きようとも、誰も気にしなくなったため、カズマは二人の反応に新鮮味を感じた。

 

 話を戻してパーティーメンバーを囮にしたと話すと、シャミ子は囮とボソッと呟くと、カズマから一歩距離を取った。ミカンも思わずと言った所だろう。弓矢を取り出して、いつでも放てるようにしている。

 

 一応カズマの戦略も擁護しきれなくは無い。ジャイアントトードは補食中は無防備になるのだ。問題しか無いカズマ達がジャイアントトードを安全に狩るためには、囮が必要なのである。もしかしたら若干、いや大いに私怨が混ざってるかもしれないが。

 

「ちょっ、俺の行動に対して引こうとするなよ! そもそも、俺のパーティーは余計な事しかしない自称女神のアクア、1日に一発しか魔法が撃てないめぐみん、今回は居なかったが、攻撃が当たらないクルセイダーのダクネスだからな。カエル一匹倒すのでも苦労するんだ」

 

「よくそれでパーティー組もうと思ったわね」

 

 カズマ達のパーティーでの基本戦略はアクアが支援魔法と回復、ダクネスが前線に立って攻撃を受ける、カズマが知能を活かして場所を整える、そしてめぐみんの爆裂魔法でトドメとなる。

 

 良く言えば、盤面を整えて相手を一撃で吹き飛ばすパーティー。悪く言うと、マトモな攻撃が爆裂魔法一回しか無いネタパーティーとなる。それに加えてパーティー全員曲者揃いのため、それを指揮するカズマさんの苦労と戦術はかなりのモノと言えるだろう。

 

「俺の狙撃は命中率が高いからな。それでその矢はジャイアントトードに命中して……」

 

「ねぇカズマさん。それって距離関係無く当たるの?」

 

「ん? あぁ、そうだけど、それがどうした?」

 

 話を続けようとすると、ミカンに質問をされる。パーティーの事ではなく、狙撃について質問されると思わなかったカズマは一瞬言葉をつまらせるも、距離関係無く当たると答える。

 

「カズマさん……私を貴方の弟子にしてください!」

 

「よし乗った」

 

「えええええ!」

 

 弟子入りを志願したミカンに、それを即答したカズマ。あまりにも意外な言葉、そして即答するカズマを見てシャミ子は思わず大きく驚きの声をあげるのであった。

 

 

 

 

 

「勢いで了承したけど、そもそもなんで弟子になりたいんだ?」

 

 シャミ子が大声をあげて、注目が集まってしまった三人。思わぬ注目が集まって感情が高ぶり始めたミカンを落ち着かせようと、その場を離れてばんだ荘のミカン邸へと移動した。

 

「実は私、近距離で狙撃しようとすると緊張して外しちゃうのよね。遠距離だと当たるんだけど」

 

「普通逆じゃないですか?」

 

 遠距離ならば以前あすらの結界を書き変えたように、魔力の動きから場所を特定すれば狙うことが可能だ。それこそ目では認識出来ない遠くであろうとも。

 

 しかし近距離ではダクネスのように攻撃を当てられない。それどころか緊張して、攻撃どころでは無くなってしまう。

 

「それに緊張すると呪いが出ちゃうし」

 

「呪い?」

 

「ミカンさんは動揺すると、周りの人をちょっとしたトラブルに巻き込む呪いがあって」

 

 唐突な雨風やゴミ袋の破裂、コンクリに埋めれたりとそのトラブルは多岐に渡る。そしてカズマは運が良かったのか、今回もそしてこれまでも、特に呪いに巻き込まれたことは無かった。

 

「帰らせてもらう」

 

「ちょっと待ちなさいよ!」

 

 呪いの説明を聞いたカズマは、そそくさとその場を後にしようとしたが、ミカンに腕を掴まれて動けなくなった。

 魔法少女の力はスポーツをすると簡単に道具を壊してしまい、自ら体育祭禁止にするほど一般人とは天と地ほどの差がある。一般人の領域を出ないカズマが、そんなミカンからの拘束を解けるだろうか? 否、解けない。

 

「離せ! 俺は毎回こういうのに関わる度に、面倒事に巻き込まれてきたんだ! どうせその呪いに関わると、ろくことにならないんだろ!」

 

 異世界での借金や魔王軍幹部と複数回の戦闘。さらにはパーティーメンバーが日常的に起こす問題。パーティーには自称女神のアクアが居るが、見えないメンバーとして、疫病神がついてるのかと錯覚する厄災続き。

 そんなカズマがミカンの呪い(厄介事)と関わりたくないと思ってしまうのは、当然だと言えるだろう。

 

「万が一怪我した時は治療費とか払うから!」

 

「怪我する前提じゃねぇか!」

 

「あの、ミカンさん。呪いが……」

 

 唐突に蛇口が破裂し、部屋中に水が溢れだした。しかし二人は呪いの影響に全く気付いていないのか、ひたすらに言い合いを続けるのであった。

 

「カズマさん、ミカンさん。話を戻しましょう」

 

 それから30分ほど。床がびしょ濡れになった頃にようやく呪いの影響に気付き、カズマが鍛冶スキルで蛇口の修理をし、一段落付いてから弟子入りの話へと戻るのであった。

 

「それで、俺に弟子入りしても狙撃の実力は伸びないと思うぞ」

 

 カズマはそう言うとミカンの魔法少女に変身時する時に武器使っている弓矢を借り、窓の外へ「狙撃ッ!」と声に出しながら狙いを定めて撃ち、それは電柱や塀の内角など、場所距離関係無く狙ったモノ全てに命中させた。

 

「おお~!」

 

「……カズマさん。実力が伸びないってのは、私の呪いがあるからかしら?」

 

 二人はカズマの腕前に感心を持ったが、ミカンはそんなカズマの腕前を以てしても、近距離は当たらないと遠回しに言われ、緊張して呪いが出てしまうのが理由だろうかと、自身の呪いに歯がゆい気持ちを抱く。

 

「そうじゃなくて、俺は『狙撃』ってスキルを持ってるんだ。これは幸運値が高いほど、それに比例して狙撃の命中率が上がるスキルなんだ」

 

 しかしカズマからの言われた理由は全く違い、それはこの世界と、異世界とでの『狙撃』の違いであった。

 この世界では当然の事だが、弓矢の知識や実力が無いと相手に当てられない。けれどカズマの異世界ではその実力を、自身の「幸運」でカバー出来る。運も実力の内とはよく言ったものだ。

 

「でも幸運値が高いほど命中率が上がるんですよね? さっきもそうでしたが、カズマさんは狙撃を外したりしないんですか?」

 

「ふっ……俺は運が良いからな。ギルドのお姉さんにも『冒険者より商人の方が向いてる』と言われるほどにな」

 

「それ、褒められてるんですか?」

 

 カズマの運の実力は、これまでの人生で一回しかじゃん拳に負けたことがない。その一回も幸運の女神が相手であったため、ノーカンとして良いだろう。

 最も、幸運の女神だろうと、カズマだろうと打ち消せないほどに知能と幸運が低いアクアを筆頭に、カズマの周りが問題児ばかりが多いから、何かと面倒事(不幸)に巻き込まれるのだろうが。

 

 そんなカズマの運から放たれる狙撃は、言わばオートエイムのようなモノだ。オートで撃ってるのに実力ある人に「鍛えてください」と言われても何も教えられないのだ。

 そしてオートエイムと言っても、明後日の方向に撃っても勝手に敵の方に曲がって、撃ち抜いてくれるような便利なモノでは無い。

 

「それとミカン。外しやすいのなら、手札を増やしたらどうだ?」

 

「手札?」

 

 思ってもみなかったアドバイスに、ミカンはオウム返しのようにカズマの放った言葉を返す。

 一芸のみに秀でたように聞こえるカズマ一行であるが、意外にも自身が得意としてるモノ以外にも役に立つ部分はある。

 

 カズマは多数のスキルや悪知恵など言わずもがな、ダクネスは硬い他にも剣よりもステゴロが強く、めぐみんは爆裂魔法の他にも高い知力、アクアは回復や蘇生の他に食っていけるほど芸達者と。

 最後の一名を除き、得意な部分以外にも戦闘で使えるステータス(手札)を持っている。問題としては、プライドや維持を優先するために、その部分を全く活かす事無く腐ることだが。

 

「俺は職業は、色んなスキルを覚えられる代わりに、ステータスが低い最弱職の冒険者だ。だけど色んなスキルを使って、相手の魔力を吸ったり、相手の口に水を含ませてから凍らせて窒息させたり、持ち物を奪ったり、味方に成りすまして相手の背後から騙し討ちしたり……色んな戦略で渡り合ってきた」

 

「今恐ろしい作戦が聞こえた気がするんですが」

 

「気のせいだろ」

 

 シャミ子は魔族に目覚めようと、シャドウミストレス(闇の女王)の名を背負っていても、優しく悪事に走ると言う発想が無い少女である。

 自身にはとても出来ない恐ろしい発想、しかも発言的にこの男は実際に行動に移している。シャミ子はそんな真似しないようにしようと心に深く刻み込み、カズマから一歩ほど離れるのであった。

 

「手札を……」

 

「そもそも俺の狙撃は、パーティーメンバーの火力を補うために覚えたスキルだ。威力は筋力や素早さに比例するから、威力は殆ど無いけどな」

 

「桃がそのスキルを持ってたら、街にクレーターが出来そうですね」

 

「考えたくもないわ」

 

 もし桃が持っていたら「狙撃!」と魔族を狙ってして、どんな強力な魔族も原型どころか塵すらも残さずに、その場にはクレーターのみが残る事になるだろう。

 

「まぁもし手札を増やすのが厳しいなら、ウチの爆裂魔(めぐみん)みたいに、一つの事を突き詰めるのも良いかもしれないな」

 

「それはどうかと思うけど、参考にさせてもらうわね」

 

 何処ぞの爆裂魔みたいに1日に一発しか魔法が撃てないのは兎も角として、カズマが異世界でしていたように、その得意を活かす盤面を作るのを参考しようとミカンは思った。




 今回の話では、狙撃スキル持ちのカズマさんと、ミカンさんを絡ませてみました。そしてシャミ子かわいい。

 次回の話は少し悩んでます。なんなら構成は頭の中にありますが、一文字も書いてないのでストック0です。
・夏祭り回(原作回)
・人気(?)なあすら組とカズマさんが絡む回
・カズマさんの話をするまちカド組の回
・小倉さん登場回
・その他

 のどれかですかね。説明回は後回しにして、日常系の話や原作話を進める予定ですね。説明ばかりでは面白くないでしょうし。
 それと次回の投稿時期は未定です。元々不定期更新ですしおすし。それではまた次回!

【第二回】この作品で好きなキャラ投票!

  • 佐藤カズマ
  • 吉田優子(シャミ子)
  • 千代田桃
  • 日夏樹ミカン
  • マスター
  • リコ
  • リリス
  • 吉田良
  • 吉田清子
  • 佐田杏里
  • 小倉しおん
  • 犬のお姉さん
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