A.良いのが思い付かなかったから、本編内で出てきた言葉を適当に使った
「さっきの放送はなんですか!? 私は小柄でもコンパクトフォルムでも無いです! でも配下って響きは嬉しかったです!」
「コンパクトフォルムは言ってないんだけど」
放送によってシャミ子は小柄である事と、カズマは変態である事が拡散された。急いで迷子センターへと向かって桃達と合流して、カズマはゴミを見るような目で見てくる、放送のお姉さんと目を合わせないようにしてその場から急いで離れていた。
「まぁまぁ落ち着けよ優子。ほら、お面やるからさ」
「……ありがとうございます」
「カズマさん、シャミ子の扱いに慣れてきてるわね」
小柄扱いされた事にご立腹であったが、約束していたお面を渡されたシャミ子は渋々ながらもお面を受け取り、宝石のように目を輝かせてお面を掲げるのであった。
「ところで、お前らも夏祭りに参加しに来たのか?」
「私たちはシャミ子の
「そうそう。浴衣を貸してくれて、シャミ子とカズマさんが夏祭りに来てるって教えてくれたのよね。お礼として、今度ミカンの美味しい食べ方を教えようかしら」
桃とミカンは朝早くから二人で出掛けていた。日が沈み始めた頃にばんだ荘へと戻ったが、シャミ子の姿は無かった。あすらに遊びに行っているのかと顔を出したら、リコに浴衣を着させられて今に至る。
「なぁ今ご飯って」
「言ってないよ」
さらっと流していたが、カズマは桃が「シャミ子の帰り」を「シャミ子のご飯」と言っていたのが気になった。まだシャミ子にご飯を作らせていたのかと少し呆れつつ、桃を少し問い詰めたが知らん顔された。
「いや今言って」
「言ってないよ」
「帰りの事をご飯って」
「ミカン、カズマさんがレモンを掛けてほしいみたいだよ」
「焼きそばにミカン掛けるわけ無いだろ!? ちょっ、やめ……」
らちが明かないと思った桃は、ミカンに嘘をついてカズマの注目を別に向けることにした。なんにでもレモンを掛けると言われているミカンは、カズマもレモンの美味しいさに目覚めたのだと、騙されていると知らずにグイグイ勧めていく。
焼きそばにレモンなんか掛ければ、酸っぱい味と乾いた麺が水分でべちゃべちゃとなってしまう。シャミ子に目線で助けてもらおうと思ったが、
「行こうかシャミ子」
「そうですね」
あっさりと見捨てられた。
すき焼きだろうと、タコ焼きだろうとレモンを掛けようとするのをシャミ子は知っている。実際、それで被害に合いかけたのだから。
ここで声を掛けて止めるのは簡単だが、油断するといつレモンを入れられるか分からない。ここはカズマに身代わりになってもらうことにした。それと、胸を見てきた事のちょっとした仕返しも兼ねている。
「俺の焼きそばが……」
「美味しかったでしょう?」
ミカンに無事敗北し、べちゃべちゃした焼きそばを完食したカズマ。次レモン掛けてきたらスティールで下着を剥ぐと心の中で決意した。
この世界では理不尽な出来事が起きる事はそうそう無いが、人々の我の強さはカズマの仲間達と引けにとらないほど濃いのである。
「美味しいわけねぇだろ! お前アレか、なんにでもレモン掛ければ旨いと思ってんのか!」
「なんにでもじゃないわ。美味しいと思ったものだけよ!」
「嘘つけ!」
どうして何かをやらかした時のアクアのように、自信満々に言えるのだろうかこの魔法少女は。スティールだけでなく、ミカンの恥ずかしい話を街中に流す程の事をしないと、この恨みは晴らせないとカズマは思った。
「あ、射的がありますよ! やっていきましょう!」
そんなカズマの邪悪な気配を感じ取ったのか、シャミ子は話題を変えるように射的を指差す。たまさくらちゃんぬいぐるみ、肉に埋め込まれたたまさくらちゃんフィギュア、バク宙熱々おでんをするたまさくらちゃんのポストカード、アニメ1期のOPを踊るたまさくらちゃん……等々、たまさくらちゃん関連のモノが多かった。
「たまさくらちゃんが多いな。もしかして売れのこ」
「売れ残ってなんか居ないよ。第一、たまさくらちゃんは認知度こそ低いものの、その見た目はゆるキャラ本来のモノを踏襲していて、尚且つバク宙熱々おでんや、子どもを洗脳する飴だったりと、他のゆるキャラと一線違う特徴的な個性を持っているんだよ。定期的に商店街に遊びに来てくれるし、この前はゆるキャラが多く登場する映画にも出てたから、決してマイナーでは無いんだよ。それにたまさくらちゃんには熱狂的なファンが多いから、人気でいったらかなりのモノだよ。だからそんなたまさくらちゃんが売り切れることは無いんだよ。カズマさん分かった?」
「分かった、分かったから落ち着けって」
たまさくらちゃんキチの桃の話を聞いていると、爆裂魔法を一心不乱に話続けるめぐみんを思い浮かべる。これ以上深く追求するのは止めようと、逃げるように射的屋へと向かった。
「へいらっしゃい!」
「親父、俺とコイツらの四人分で頼む」
「良いんですか? カズマさん」
店主へと自身とシャミ子達三人分。計四人分のお金を出して、銃を持って商品へと狙いをすますカズマ。奢ってもらって良いのかと、カズマの懐事情を心配するシャミ子であったが、その心配は杞憂である。
「ちょっと臨時収入があったからな、これぐらいは出すさ…………それに、俺が元の世界に戻ったらここの金は使えなくなるからな」
以前、引ったくり犯の持ち物を売却した際のお金が未だに多く残っているのだ。それに、夏祭り前にマスターに渡されたお金も使いきっていない。四人分程度の金額なら、今のカズマにとっては痛くも痒くも無いのだ。
そしてカズマはいつか元の世界へ帰るのだ。それが何日、何ヵ月、何年経つか分からない。もしかしたら、一生この世界で暮らす事になるかもしれないが、カズマは元の世界に帰るのを諦めていない。
「何か言いました?」
「何も」
カズマが呟いた元の世界に帰る云々の言葉は聞こえていなかったようで、シャミ子は聞き返したが惚けられてしまった。気のせいだったかと思い、射的屋の商品へと銃口を定めるのであった。
「やっぱり私は銃よりも拳の方がやりやすいな」
「全然当たらないですね」
一発ぐらいは当たるだろうと軽い気持ちで撃ってみたが、撃った弾は全て明後日の方向へと飛んでいってしまった。運良く一つだけその明後日の方向にあった商品へ当たったが、倒れる事無くスカで終わってしまった。
「ミカン、カズマさん。そっちの方は……」
「おち、落ち着くのよ私。大丈夫、ただの射的なんだから」
「落ち着けミカン。俺と同じように呼吸して落ち着くんだ。ひっひっふー、ひっひっふー」
「ひっひっふー、ひっひっふー」
「何してるです!?」
近距離を狙うのが苦手なミカン。そんなミカンを落ち着かせるため、そして呪いが出ないようにとカズマが勧めたのはラマーズ法であった。
ラマーズ法とは、出産の際に使われる呼吸法の一つである。出産の痛みを和らげて、出産に対して不安定な精神的にも安定すると言われているが、少なくとも射的屋でする呼吸法ではない。
「何って、近距離狙うのが苦手なミカンを落ち着かせてるんだよ」
「その呼吸法は違うヤツです!」
「シャミ子、この呼吸法落ち着くわね。まるで何かが産まれるような不思議な気持ちになるわ」
「ミカンさん正気に戻って! それで産まれるのは赤ちゃんだけです!」
もし何かが産まれたら、高校1年生でママと呼ばれるが本当に良いのだろうか。少し顔が赤くなっているミカンを正気へと戻し、落ち着きを取り戻したミカンは狙いを定めたのであったが……
「当たらないわね」
駄目であった。狙いこそ全て外れてしまったが、近距離でも緊張せず、呪いを出す事無く撃てたのは、今までよりも一歩前進と言えるだろう。
「よっしゃ、また当たった!」
「兄ちゃん上手いねぇ!」
「え、カズマさん全部当てたの!?」
全員外れで終わったと少しガッカリしていたが、横を見るとカズマが景品を次々に撃ち抜いていた。それまるで、熟練のスナイパーのようであった。
「ふっふーん。俺には『射撃スキル』があるからな。異世界の祭りで射的屋の店員を泣かせた過去を持つ俺にとって、この程度朝飯前よ」
「それは誇って良いことなのかしら」
他にもカズマは持ち前の幸運を使って、異世界のくじ引き屋の店員を泣かせた事がある。揃いも揃って「店仕舞いだ」と言っていたが、アレは相手が悪かったのだろう。
「ほら、色々ゲットしたからやるよ」
手に入れた景品を全員で分けて、カズマ達は夏祭りが終わる時間ギリギリまで、短くも思い出が多く詰まった楽しい夏を充実するのであった。
最近、カズマさんとシャミ子が兄妹に見えてきます。てかこの二人のシナジーあって仲が良いので、絡みが凄い書きやすいです。
ま、いくら仲良くてもカズマさんの目的は異世界に帰ることなので、いつかは別れが来ますが。ただ現状だとカズマさん、帰る手段見付けられてないですからねぇ。いつになったら帰れるんでしょうね。
ちなみに「アニメ1期のOPを踊るたまさくらちゃん」はまちカドまぞく1期のネタです。
ミカンさんが何か産まれると言ってますが、きっと気のせいです。そら新しい命を創造するわけじゃないんですから、ミカンママになったりしないですよ。
【第二回】この作品で好きなキャラ投票!
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佐藤カズマ
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吉田優子(シャミ子)
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千代田桃
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日夏樹ミカン
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マスター
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リコ
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リリス
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吉田良
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吉田清子
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佐田杏里
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小倉しおん
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犬のお姉さん
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犬