この作品は物語的にまだ夏休みだから、カズマさんがこの世界に来てから半月経ったか経ってないぐらいなんですね。
ま、まぁダイ大は作中時間3ヶ月だったし、あの長さに比べたら短い方ですね!
「ところでカズマ君。リコ君と桃殿を見なかったかね?」
「リコと桃? いや、俺は見てないが」
久しぶりに、本当に久しぶりに平和な動物達を見て癒されていたカズマ。あの異世界にいるモンスターのように、敵対的で攻撃してきたり、食べてきたりするような事が無く、日本で平和に暮らしてた日々を思い出してると、マスターに桃とリコについて聞かれた。
そうえばと、周りを見たが2人の姿が見当たらない。見えるのはマスター、シャミ子、ミカンの三人である。桃とリコが一緒に行動するのは想像が付かない。
マイペースで空気が読めないリコと、その空気が読めない行動が苦手な桃は、水と油のような存在だろう。その2人が一緒に居るだろうか。否、それは無いだろう。
「そうか。桃殿に話があったのと、リコ君が変な事をしてないか気になったのだが」
「話?」
何か話すような事があっただろうか。以前夏祭りでリコが着せていた浴衣が、葉っぱを化かしたモノだった話だろうか。それとも桃に「栄養しっかり取らないと大きくならないぞ」と、顔より下を見て発言してシバかれたのがマスターにバレたのか。
「前に桃殿が闇落ちした話は覚えているかね」
「シャミ子が話してたヘソ出した桃の事か」
しかしカズマの考えていた事は全て外れていたようで、シャミ子が前に話していた
「あの時は一時的な闇落ちだったようで、強い衝撃を加えて元に戻ったようだったけど、そのせいかコアが不安定な状態となっていてね。そんな状態だと、何かあって精神的に不安定になった際にまた闇落ちする危険性があるんだ」
「でも闇落ちするだけなら、また戻せば良いんだろ?」
光の一族からの闇落ち……真逆の属性となったことで、光属性で構成されていたコアが不安定に。闇属性になりやすく、つまりは闇落ちしやすい体質へと変わってしまっていた。
また闇落ちするかもしれないと聞いたが、そもそも戻せる方法があるのなら、またその方法を使えば良い。マスターがそんなにも深刻そうに事態を見ている理由が、カズマはあまりピンと来ていなかった。
「戻せるのならね。何度も闇落ちを繰り返していく内に戻りが悪くなったりする可能性があるんだ。実際に闇落ちした魔法少女を見たことがある訳じゃないから、あくまで可能性だけどね」
「つーかそもそも闇落ちの何が悪いんだ? 光の一族って言うんだから、光から闇になるのは身体に悪そうってのはなんとなく分かるけどさ」
闇落ちを何度もすると戻りにくくなるのなら、闇落ちするのは避けた方が良いのは分かった。分かったのだが、闇落ちの何が悪いのかが分からない。
ゲーマーだったカズマからすれば、闇落ちは「闇の力を得てパワーアップする」的なイメージだ。仮に身体に悪いと言っても、光の一族から魔族へと転生するんだろう程度と言う、軽く捉えている。
「闇落ちは身体から全魔力を解き放ってる状態だからね。その状態を続けると、身体を構成してる魔力が尽きて、桃殿はコアの状態……いや、それすら通り越して消滅するかもしれないんだ」
通常でならば
ここで思い出してほしいのが、魔法少女の特徴である。魔法少女は自身の身体を魔力で構成させているため、その魔力が無くなるとコアとなり、いつしか消滅してしまうのだ。
そして闇落ちはその魔力を全力で身体から放出しているため、その状態が長く続くと魔法少女は消滅。つまりは死亡することになる。
「やべぇじゃねぇか。それで、何か解決策はあるのか?」
「リコ君が闇落ちを抑える葉っぱを作ったから、それを飲んでもらおうと思ったけど、その肝心の葉っぱはリコ君が持っているんだ。桃殿とリコ君が一緒にいて、素直に葉っぱを摂取してくれれば助かるが、リコ君は性格面でちょっと難が……」
「あぁ……」
桃とリコを探してた理由が判明した。
桃の闇落ちは防ぐためには、リコが作った闇落ちを抑える葉っぱが必要。だけどその葉っぱはリコが持っていて、リコが飲ませるとなると何かやらかす可能性がある。
カズマはリコが何かやらかす姿が容易に想像が付き、頭を抱える。どうせシャミ子に化けて桃に近付いて、弁当と騙して葉っぱを食わせるだろうと。
「兎に角、その事を桃殿に」
「そういう事だったんですね」
桃に早く伝えようと、シャミ子とミカンにも協力を仰ごうとした時、桃がリコを引き摺るような形で2人の前に姿を表した。
「桃殿! リコ君!」
「危うくリコさんに騙されて葉っぱを食べさせられる所でした。素直に言ってくれれば、ちゃんと食べましたのに」
「本ッッッ当に申し訳無い!」
「すみませんでしたあああああ!」
時既に遅く、リコがやらかした後であった。
マスターとカズマは2人並んで綺麗な土下座をした。突然土下座をするバクと人が注目を集めない筈が無く、四人の周りに人が集まり始めた。
「あの、小さい子も見てるので頭をあげてください」
その騒ぎに気付き、シャミ子とミカンが駆けつけるまで、2人は土下座を続けたのであった。
「そんな事があったのね」
「桃、そんなに危険な状態なら早く言ってください!」
「私自身もよく知らなかったからね。正直、マスターさん達に教えてもらってなかったら、打開策を考える暇も無くもう一度闇落ちしてたかも」
その場から逃げるように離れて、動物園に設置されている机とベンチでお弁当を食べ始める6人。闇落ちに何も言わなかった事を怒る2人であったが、桃自身も知らなかったのだ。そんな状態で教えるのは無理だと言えるだろう。
桃のコアが不安定だと気が付いたのは、リコとマスターが動物を模した魔族であり、人とは違う違和感を感じ取れるからである。もし知らずにまた闇落ちしてたとなると、背筋がゾッとなる。
「ほら、桃はん。あ~ん」
「結構です」
そんな桃を気遣う訳でもなく、ただひたすらに空気が読めていないリコは、桃に葉っぱを食べさせようとするが、拒否される。
リコとしては「正直に渡せば食べてくれるんやろ?」として、闇落ちを抑える葉っぱを食べさせようとしてるが、そういう意味ではない。理由を説明すれば、と言う意味である。
「そう怒るなって桃。あ、唐揚げ貰うぞ」
「ッ! その唐揚げは私が狙ってたのに……!」
「桃、まだありますから」
「申し訳無い。本当に申し訳ない……!」
桃を宥めたいのか、それとも怒らせたいのか。桃の近くにあった唐揚げを取ってムシャムシャと食べる。カズマの所にもまだ唐揚げは残っている辺り、この男はわざとやってたりする。
またしても土下座するような勢いで謝るマスターであるが、リコとカズマの問題児2人を抱えているマスターは、いつの日かストレスで禿げそうである。
最もバクに髪の毛が無いため、仮に禿げると言う表現を使うのであれば、体毛が全て抜けるの方が正しいだろうが。
「あ、言い忘れ取ったけど、効果が出るまで数日ほどかかるから、その間は注意しないとアカンよ~」
「そう言うのは早く言ってください!」
マイペースなリコに桃は振り回され、シャミ子が作った弁当をあまり味わえないのであった。
いつ頃かに説明をかっ飛ばした闇落ちについて&シャミ子のお弁当を食べる回です。マスターが苦労人過ぎる……パーティーメンバー揃った非には、マスターの胃に穴が開きそう(小並感)
次回は小倉さんが出ます。楽しみですね、書くの自分ですけど。
【第二回】この作品で好きなキャラ投票!
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佐藤カズマ
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吉田優子(シャミ子)
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千代田桃
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日夏樹ミカン
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マスター
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リコ
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リリス
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吉田良
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吉田清子
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佐田杏里
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小倉しおん
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犬のお姉さん
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犬