【完結】この素晴らしいまちカド世界に祝福を!   作:のろとり

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 今更ですが、カズマさんが片仮名表示の理由は周りから呼ばれる時は原作小説が片仮名なので、そっち基準に合わせてます。

 アンケートをちょいちょい確認してますが、カズマさんとシャミ子の二強ですね。やっぱその二人は人気ですねぇ。

 今回はあまり出番が無い杏里ちゃん&小倉さんがそれぞれ登場する短編2本立てとなります。

・悪代官様と宝くじ
・マナタイト擬き


第二十五話 大金ゲット? 佐藤カズマの幸運(短編集その4)

【悪代官様と宝くじ】

 

「お、カズマさんじゃんか~」

 

「杏里か。今日も実家の手伝いか?」

 

 ある用事のため、商店街で歩いていると実家の精肉店の手伝いをしている杏里に声を掛けられた。学校や実家の手伝いで忙しそうだなと、他人事に思いながら返事をする。

 

「そうなんすよ~。肉、一つどうっすか?」

 

「金がたんまり入った俺に商売とは……お主も悪よのぉ」

 

「くくく、悪代官様には敵いませんよってあれ、カズマさん最近儲けてるの? 給料入ったの?」

 

 一瞬、引ったくり犯の持ち物を売却した話かと思ったが、カズマは「入ってる」ではなく「入った」と言った。ついさっき大金を手に入れたような言い方に、あすらの給料が入ったのか聞いたが、カズマは違うと返した。

 

「ちょっと宝くじを当ててな」

 

「へぇ~凄いじゃん。いくらいくら? 何等当てたの?」

 

「一等の五億」

 

「一等!? 五億!?」

 

 思わぬ金額に杏里は目を見開きながら大声を出す。以前、犬のお姉さんから貰った宝くじが当たっていたのだ。

 実は大金を手にした当初、大金が貯まると動かなくなるカズマは、あすらで働くのを辞めて自堕落な生活を送ろうとマスターに相談していたが、偶然あすらに遊びに来てたシャミ子が聞いており、無意識の上目遣いで「カズマさん、辞めちゃうんですか?」と言ったことで折れたのであった。

 

「カズマさん運が良いんだね~」

 

「ふっ。伊達に『運だけのカズマさん』と呼ばれてないからな」

 

「それは誇って良いの……? あ、そうだ。もしかしたら知ってるかもしれないけど、無事ウガルルちゃん誕生出来ました!」

 

 リコから肉料理と尻尾の毛を貰った後、桃やミカン、さらには杏里達クラスメイトの力を借りてウガルルを召喚する儀式を準備し、無事現世に召喚する事に成功したのであった。

 

「マスターの犠牲が生きたな」

 

「犠牲? まぁそれでウガルルちゃんを誕生させたら、ミカンが周りからミカンママって呼ばれてて」

 

「その話詳しく」

 

 ミカンを弄るネタが出来たと、悪い顔をしながら話を聞き出そうとするカズマもカズマだが、情報提供と称して面白そうなネタを振った杏里も杏里である。

 

 もし情報通の杏里と、人の弱みを見つけたらそれを弄ろう企むカズマがタッグを組んだら、どれほどまでに凶悪だろうか。

 

「詳しく聞きたいなら……200g買う? それとも300g?」

 

「くっ、商売上手めッ! なら400gだ!」

 

「毎度あり~」

 

「あぁそうだ、ついでに聞きたいことがあってな」

 

 カズマはミカンママの詳しい話と、シャミ子に関するある話を聞いてホクホク顔であすらへと脚を進めるのであった。

 

 

 

★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★

 

 

 

【マナタイト擬き】

 

「あ、カズマさ~ん」

 

「げ、小倉……」

 

 あすらへと帰宅途中、ウロウロとしている小倉しおんが目に入った。関わらないようにと、潜伏と逃走を使用して逃げようとしたが一足遅く、小倉しおんに見つかってしまった。

 

「ねぇねぇカズマさん。魔力を肩代わり出来る道具って興味ない? ない?」

 

「俺ちょっと用事思い出して……って待て、どうしてそんな道具について聞くんだ?」

 

 適当に嘘ついてその場から去ろうとしたが、小倉しおんの言葉に脚が止まる。魔力を肩代わりなんて、まるでカズマが欲しいと思っているマナタイトそのもののようだ。

 

 しかしカズマは小倉しおんにマナタイトについて喋った事はない。小倉しおん自体に会うのは今回で二回目であり、マナタイトはシャミ子達に魔法談義(第二十三話参照)でチョロっと話した程度だ。

 

「何でだと思う? 知りたい? ねぇ知りたい?」

 

「やっぱ良いです」

 

 思わず敬語で返してしまったが、よくよく思い返すとあの場には盗聴機の付いた御先像があった。どうせそこから聞いたのだろうと、一先ず納得するのであった。逆にそれ以外の場合は聞きたくない。流石のカズマでも、この世には触れない方が良いこともあるのは理解してるのだ。

 

「実はねぇ」

 

「止めろ! 俺の第六感が言ってる、そういうのは聞かない方が良いと!」

 

「それで、その道具があればカズマさんは帰れるようになると思うんだけど、作るにはお金が足りなくてねぇ」

 

「へーそうなんだ」

 

 この後の展開は察した。否、察してしまったと言うべきか。まるで自分が大金を手に入れて、この場を通る時を狙ったかのような絶妙なタイミングである。

 

「五億ぐらい必要でねぇ。誰かお金を出してくれる人は居ないかなぁ」

 

「…………」

 

 奇しくもカズマが宝くじで手に入れた金額と同じである。偶然と考えたいが、小倉しおんの性格的にカズマは偶然と考える事が出来なかった。

 

「どっかに宝くじを当てて、大金を持ってる人とか居ないかなぁ」

 

「はぁ……しょうがねぇなあああああ! 出せば良いんだろ出せば!」

 

「毎度あり~」

 

 ここで自分が大金を出さなければ、異世界に帰れるようにまでの期間が長くなる。異世界に帰りたい理由の建前は、パーティーメンバーが馬鹿やらかさないか不安であるが、本心はパーティーメンバーが自分抜きでも問題起こしてないか心配と寂しさで心が埋まっているカズマであった。




 思った以上に杏里ちゃんとカズマさんの相性が良かったでござる。一応言うと、杏里ちゃんから聞いたシャミ子の話は、スリーサイズとかでは無いです。

 そして物語は終盤へと向かってます。小倉さんがマナタイト擬きの作成に取り掛かります。何も無ければ完成してそのまま帰れますね。まぁあくまで「取り掛かる」なので、完成まで時間がかかりますが。

 ちなみに前にカズマさんが宝くじを入手したのは、小倉さんのマナタイト擬きに全額注ぎ込むするためです。

 次回の投稿は3月11日の24時、良ちゃんとウガルルが登場する短編集です。あと今更ながら気付いたことが。
 吉田良じゃなくて、吉田良子じゃねーか! 本人も周りも「良」や「良ちゃん」呼びだから気付かなかったわ! 本当にすみませんでしたあああ!

【第二回】この作品で好きなキャラ投票!

  • 佐藤カズマ
  • 吉田優子(シャミ子)
  • 千代田桃
  • 日夏樹ミカン
  • マスター
  • リコ
  • リリス
  • 吉田良
  • 吉田清子
  • 佐田杏里
  • 小倉しおん
  • 犬のお姉さん
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