【完結】この素晴らしいまちカド世界に祝福を!   作:のろとり

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 元々の予定に無かった短編です。
 短編作った理由は単純に、危機管理フォームが出てなかったからですね。あとボロボロになったあすらのその後を書きたくなった。

・あすらを直すバイトカズマ
・危機管理フォーム!


第二十八話 シャミ子変身! 菓子折りと危機管理フォーム!(短編集その6)

【あすらを直すバイトカズマ】

 

「お、お邪魔しまーす」

 

「お邪魔ダ!」

 

「おう、ミカンとウガルルか。どうした? 店はまだ休業中だぞ」

 

 あすらがボロボロになった翌日。学校が終わり、一度ばんだ荘に戻ったミカンは、ウガルルを連れてあすらへと訪れていた。

 中に入るとカズマが腕捲りして店の至るところに釘を打っており、店を直しているのだと一目で分かった。

 

「ウガルルがお店を傷付けちゃったからね。改めて謝罪と菓子折りを持ってきたのよ」

 

「ボスのボス居るカ!」

 

「マスターはリコと一緒に店を直すための工具とか買いに行ったぞ。しばらくは戻らないかもな」

 

「そうだったのね。ならカズマさんに渡しておくわね」

 

 ミカンはそう言って、袋の中に入ったミカンの炊き込みご飯やミカンジュース、ミカンの饅頭などが入った袋をカズマへと渡した。

 本来なら、あすらの店長であるマスターに渡すのが礼儀だろうが、いつ戻るか分からない状態だ。店を直してる中ずっと待っていても邪魔だろうからと、カズマへと渡したのであった。

 

「ミカンの炊き込みご飯……?」

 

 一部ゲテモノらしきモノが混ざってはいるが、これはマスターに押し付けようと、カズマは密かに決めてカウンターへと菓子折りを置くのであった。

 

「ゲスマ、何してんダ?」

 

「だから俺はカズマだよ。見ての通り、店を直してんだ」

 

「これも何かスキルを使ってるのかしら?」

 

「いや、ちょっと異世界に転生した直後にしたバイトの経験だな。あの時は一文無しだったから、外壁工事とかの肉体労働のバイトで稼いでたな」

 

「異世界でも大変ね」

 

 本来ならば異世界に転生する前に、冒険者ギルドの登録に必要なお金、エリスが渡される。エリスとは異世界でのお金の単位であり、イメージとしては1エリス=1円と言うのが分かりやすいだろう。

 

 そしてそのエリスでギルドに登録してから、チート持ちの日本人転生者は高難易度クエストをこなして大金を手に入れて、冒険を進めるのが普通であるが、カズマは一歩目から既に躓いていた。

 

 元々はアクアが転生の仕事をしていたが、そのアクアを異世界へと連れてきたため、所持金が無い状態で異世界に来てしまった。ギルドの登録は気の良い人にお金を恵んで貰えたが、所持金が無いのは変わらず、泣く泣く冒険より先に生活費を稼ぐためにバイトを始めたのであった。

 

「アクアだったら一日も掛からず直してただろうなぁ……」

 

「アクアさんってあの女神の?」

 

 ボソリと呟いたカズマの言葉が気になるミカン。今までのカズマの話を聞く限り、正直言ってお世辞にも役に立つような場面は想像が付かない。活躍してる場面もあるのは聞いているが、それを上回るほど厄介事を持ってくる話が印象深い。

 

「水が神様なのカ?」

 

「俺の仲間に水の女神が居てな、そいつの名前がアクアって言うんだよ。アクアも俺と一緒にバイトしていてな」

 

「女神が外壁工事……」

 

「ミカン、オレの知ってる女神と違ウ」

 

「奇遇ね、私もよ」

 

 カズマの話を聞いていると、今まで女神や異世界と言ったワードに抱いていたイメージがガラッと変わる。当然、悪い方向にだが。

 それにしてもアクアが入れば一日も掛からないとは本当だろうか。もしかして、水の女神から工事の女神にジョブチェンジしたのだろうか。

 

「前に爆裂魔法を使える魔王軍幹部が、俺たち人間側の砦に毎日爆裂魔法撃ってきてな。アクアが砦の壁が壊される度に直して、いつしか壊される前以上の頑丈に強化したんだ」

 

「爆裂魔法ってカズマさん達の異世界にある最強の魔法よね……?」

 

 魔王軍幹部が爆裂魔法を使える点にも驚いたが、それ以上にあの爆裂魔法の威力を上回る修復力に、ミカンは聞き間違いかを疑う。

 

 カズマが以前語った通りの魔法ならば、爆裂魔法は周りの人物を巻き込み、地形すら変えるほど高威力で、それは魔王軍幹部すらも致命傷は避けられないと聞いた。それを受けた壁をたった一日で修復して、さらには以前よりも頑丈にするとなると、常人には到底不可能だろう。

 

「爆裂魔法!? カスマ、オレとその魔法、どっちが強イ!?」

 

「カズマだよ。ウガルルどころか、桃やミカン……いや、下手したらこの街が地図から無くなるレベルの威力だな」

 

「方法は兎も角として、理不尽さだけ見れば本当に神様みたいね。実際に女神だけど」

 

 頭の良さと運の低さ、性格面など残念な部分が多く目立つが、女神は女神なのだと再確認したミカンであった。

 

 ちなみにミカンの炊き込みご飯を食べたマスターは意外にも美味しかったようで、後日ミカンに販売している場所を聞いたそうな。

 

 

 

★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★

 

 

 

【危機管理フォーム!】

 

「カズマさん助けてください!」

 

「助けてって何があったんだゆう……こ?」

 

 ある日の朝、珍しい朝からカズマが外に居ると、シャミ子が後ろから走ってきた。慌てた様子ではあるが、それ以上にカズマは、シャミ子のある部分に目が行き口が止まる。

 

「桃が朝のフルマラソンに私も無理矢理連行しようと」

 

「…………」

 

「あの、カズマさん? どうしました? あと視線が胸の方に行ってるのバレてますからね」

 

「シャミ子よ、恐らくだがカズマはお主の危機管理フォームを見たことが無いだろう? あまりの凛々しさに言葉が出ないのでは無いか?」

 

「凛々しく無いです恥ずかしいです! ってそうでした、カズマさんには見せたこと無かったですね」

 

 シャミ子は何か付いているのかと、なんとかの杖を変形させて手鏡にする。しかし寝癖がある訳でも、ご飯粒が口に付いている訳でも無かった。

 今日は異様に胸を見てくるなと思っていると、持っていた御先像からリリスが危機管理フォームについて教えてくれた。

 

「これが私の危機管理フォームです!」

 

 危機管理フォームとは、シャミ子がマジの危機感を感じた時に変身出来る戦闘フォームである。言葉を選んで説明をすると、外を歩くには露出の多い恥ずかしい格好であり、二度見された挙げ句、警察に通報されそうである。

 

「痴女みたいな格好だな」

 

「ちっ……! ご先祖、やっぱりこの格好どうにかならないですか? 恥ずかしいですし寒いです」

 

「余達の種族は布の面積が少ないほど戦闘力が上がるから難しいな」

 

「なんですかその設定は!?」

 

 布面積を増やそうリリスに直談判したシャミ子であったが、断られてしまった。これはリリスが意地悪している訳ではなく、布面積が多い服に変身をすると、常に重りを背負っているような状態になるのだ。

 

 常に身体を鍛えている桃なら喜ぶようなオプションであるが、シャミ子からすれば邪魔以外の何物でもない。そのため、動きが制限されなく、そして戦闘力が増す今の格好になってしまうのだ。

 

「俺たちの世界にもそんな格好のヤツが居るから気にするなよ優子」

 

「一応ですけど、その人について聞いても良いですか?」

 

 シャミ子をフォローするカズマであったが、カズマの冒険している記憶を見たシャミ子からすれば、似たような格好をした人物を見た覚えがない。

 冒険している記憶以外となると、一つだけ心当たりがある。いや、それ以外の人物は有り得ないだろうと確信を持った。

 

「サキュバスのお姉さん」

 

「ですよねそう言うと思ってました!」

 

 逆にサキュバス以外にこんな格好をしている人物が居るなら、この目でしっかり確認した後に説教したいものだと、怒りながらカズマを睨む。

 

「なぁ優子。いっその事ぜ」

 

「全裸になんてなりませんよ!?」

 

「『ステ━━━』」

 

「私の格好を剥ごうとしないでください!」

 

「ちょっ暴れるな! 照準がずれるじゃねぇか!」

 

「シャミ子、酔う……酔うから振り回すの止めて」

 

 シャミ子はスティールで自身の格好を剥ごうとしてくるカズマに襲いかかり、スティールを中断させる。一方で御先像は振り回されるような形となっており、リリスは目をまわしているが、誰も話を聞いていなかった。

 

「あ、シャミ子居た。ほらシャミ子、今からフルマラソン」

 

「よし今だ! 『スティール』」

 

「ここです!」

 

 するとフルマラソンをしようと、シャミ子を探していた桃がカズマ達を見つけた。しかし、カズマ達は全く気付いておらず、端から兄妹のじゃれ合いのように争っていた。

 

 そしてシャミ子の隙を付いてスティールを発動させたカズマだが、シャミ子は目の前の対象から(・・・・・・・・)ランダムに持ち物を奪うスキルだと知っている。つまりはカズマの正面から離れれば、スキルは喰らわないと。

 

「フハハ! カズマさんの行動は既に読めてますよ!」

 

「…………」

 

「どうしましたカズマさん、スティールを躱されて言葉も出ないんですか?」

 

「なぁ優子、一つ確認したいんだけどさ」

 

 スティールを破ったと、高笑いしてテンションが上がるシャミ子。一方で、テンションの低いカズマ。そんなにスティールが外れたのが悔しいのかと思ったが、何故だろうか。カズマはシャミ子自身ではなく、もっと奥の方を見ていた。

 

「はい? なんですかカズマさん」

 

「優子は何も取られてないんだよな」

 

「はい。杖も御先像も手元にありますし、服も問題ないですよ」

 

 身に付けているモノが無くなったとあれば簡単に気付けるだろう。特に肌が多く出ている服装に加えて、御先像や杖と言った大事なモノもちゃんと持っている感覚がある。この状態で盗られたのに気付かないのは逆に難しいだろう。

 

「じゃあ俺の手にあるコレは」

 

「カズマさん、シャミ子」

 

 ふと、シャミ子は後ろからした声の方向を振り向く。そこにはカズマの正面に立つような形で、桃が居た。シャミ子はスティールを攻略した喜びで、逃げていた事をすっかり忘れて、桃に近付いた。

 

「あ、桃! 聞いてください、私カズマさんのスティールを」

 

「『逃走』『潜伏』ッ!」

 

「待て!」

 

 カズマは桃が何かする前にスキルを発動し、その場から逃走した。そして桃は変身をし、逃げるカズマを追うのであった。

 

「え? え? え?」

 

 そしてその場には呆然とするシャミ子と、酔って何も喋れないリリスの二人が残るのであった。

 

 頑張れシャミ子、カズマさんの犠牲を乗り越えて立派な魔族になるんだ!




 カズマさんは何を盗ったんでしょうねぇ……(すっとぼけ)。あくまで何を盗ったかは明言しません。答えがバレバレだろうと言いません、カズマさんが女性にスティールをすると高確率で盗るものだとしても言いません。

 真面目な話をすると、まちカド世界の住民からアレを盗むと結構ヘイト集まりそうだなぁ……と思いまして。あまりカズマが暴れまわると、まちカド側のキャラがカズマさんの引き立て役のような立ち位置になってしまいますし。

 なので明言はしませんし、カズマさんか何かしたらちゃんと反応しますし、ゲスな行動をしたら引いたり、反撃したりします。

 次回は未定です。誕生日回は? と言われそうですが、ちょっとまちカドの原作読んでから考えます。

【第二回】この作品で好きなキャラ投票!

  • 佐藤カズマ
  • 吉田優子(シャミ子)
  • 千代田桃
  • 日夏樹ミカン
  • マスター
  • リコ
  • リリス
  • 吉田良
  • 吉田清子
  • 佐田杏里
  • 小倉しおん
  • 犬のお姉さん
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