【完結】この素晴らしいまちカド世界に祝福を!   作:のろとり

5 / 44
凄い筆が進みます。
一応言っておきますが、あくまで不定期投稿ですので、急にパタッと更新が止まることがあるかもしれないです。


第五話 シャミ子を救い出せ! 突撃隣の喫茶店!

 時は戻って喫茶店あすらで戦闘が始まる数時間前。シャミ子は今日も今日とてバイトのため、朝から家を出ていた。

 

「行ってきまーす!」

 

「シャミ子ー、行ってらっしゃーい!」

 

「……やっぱりおかしい」

 

 桃色の髪をした女の子『千代田桃』はやけにテンションの高いシャミ子がバイトへと向かう後ろ姿を見て、目を細める。

 千代田桃は魔法少女ではあるが、無闇に魔族を狩ろうとはしない穏健派である。そして様々な事情により魔族であるシャミ子と街を守るため共闘することとなった。

 

 まずは街を守るため、10年前失踪するまでこの街を守っていた千代田桜を探そうと、古くからこの街に住んでいる魔族を探して情報を集めることにした。

 

 そうして喫茶店あすらに魔族が居ると言う噂を聞き、シャミ子があすらに訪れた事に繋がる。ちなみに、シャミ子は表に貼ってある結界を見て声をかけたが、表の紙違いでバイトの面接と勘違いされて、半強制的にバイトすることになって今に至る。

 

「シャミ子が喫茶店あすらでバイトを初めてから何日もたつけど、一向に情報が集まらない。それに最近シャミ子の様子がおかしい」

 

「確かに。帰ってからもウエイトレススイッチが入ったままだったのか、私の部屋に来て小一時間ぐらいウエイトレスごっこしてたわ」

 

 喫茶店あすらで何かあったと考える桃の疑惑に、ミカン色の髪をしているもう一人の魔法少女『陽夏木ミカン』はより疑惑を深める言葉をもらす。

 

「それはもう少し早く止めようか」

 

 ただの噂だったのかもしれないが、バイトをし始めてからシャミ子の様子がおかしくなっている。少なくとも常時ハイテンションで、家でもウエイトレスする状態は本来のシャミ子ではない。

 

 本来のシャミ子は嘘をついたり、何かを誤魔化そうとしても逆に怪しく見えるほど素直で、人を疑おうとしない感情豊かな優しい子である。

 

「喫茶店あすらで何かあったのかもしれない。ミカン、シャミ子何か言ってなかった?」

 

「うーん……あっ! あすらの様子について色々話していたわ!」

 

 ミカンはここ数日の記憶を掘り起こす。シャミ子が料理を綺麗に盛っていた記憶、サンドイッチを上手に切れたと自慢してた記憶、シャミ子の持った料理に蜜柑を入れたら怒られた記憶……一部関係無いのものが混ざってはいるが、記憶を掘り起こして幾つか心当たりのある場面を思い出した。

 

『マスターやリコさんは中々にパンチが強い見た目をしていました。カズマさんはパンチが強いわけではありませんが、色んな魔法を使ってました。カッコいいです』

 

『今日はカズマさんが水と氷を操る魔法を使ってかき氷を作ってました! 賄いとしてその魔法を使った料理を食べてきました、美味しかったです!』

 

『カズマさんがお客さんがそろそろお会計しようとするのを読心術で見抜いて、先にカウンターで待っていました。どうやらそういう魔法があるようでして、私も使えるようになりたいです!』

 

「そのカズマって人が怪しいね」

 

 大半がカズマの話であり、尚且つ魔法が関わるものであった。シャミ子の感性からすれば「魔法カッコいい」と純粋な憧れで話したのかもしれないが、桃からすれば「何してくるか分からない」と言う怖さがある。

 

 使える魔法は一人1個などの縛りがあるわけではないが、誰もかも自身の得意する特技がある。回復が得意なモノは回復魔法を、防御が自慢なら防御力を、桃なら筋肉、ミカンなら狙撃と言った具合にだ。だがカズマはどうだろうか。魔法と言う括りだけでも読心術、水、氷……と様々な魔法に使用している。

 

 本人が聞けば「いや、俺は器用貧乏だから」と初級魔法しか満足に使えないと判明するだろうが、話だけを聞いた桃からすれば、どんな魔法を使ってくるか分からない厄介相手であり、シャミ子に何かしら魔法を使った可能性が高い人物である。

 

 ちなみにだが、カズマは人を操ったりするような魔法は覚えていない。それに中級魔法すら満足に使えない魔力では、仮に覚えていたとしても使えないだろう。そして当然の如く桃達はそのことを知らない。

 

「ミカン、あすらの結界を書き変えるよ。付いてきて」

 

「分かったわ」

 

 結界を書き変えて自分達(魔法少女)でもあすらに行けるようにする。そしてシャミ子を返してもらう、断られた場合は最悪、戦闘に入ることを視野に入れて、結界を書き変えるための準備を終わらし、見晴らしの良い場所へと移動した。

 

 書き変えるだけならすぐ側でした方が楽なのかもしれないが、無理に書き変えると自衛のため、近くに居る書き変えたモノに攻撃を加える性質を持つ。

 

 そのため遠くから結界を書き変える必要がある。作戦としては、ミカンが結界を弓矢で狙撃して無理矢理結界を書き変えて、桃があすらへと入りシャミ子を連れ戻す。

 

「それと、一応穏便に済ます予定だけど、相手が反撃する可能性がある。警戒して店に突入するけど、結界を書き換えたら念のためミカンもあすらに来て」

 

 しかし相手が友好的か不明だ。シャミ子があすらで何かあった可能性を考えると、敵対的な魔族が居る事が考えられる。

 

 ミカンが狙撃、桃が連れ戻す予定であったが、相手の強さが分からない以上、ミカンが近場に居てフォローしてもらえるようにした方が良いと考えた。

 

 ここが見晴らしが良いと言っても、あすらの場所は目に見えている訳ではない。魔力の動きから場所を特定出来てるのであって、ここでは桃に何かあってもすぐに動けないからだ。

 

「カズマって言う魔族(・・)が何をしてくるか分からない。注意して」

 

 なにやらカズマが魔族と勘違いされているが、元々この世界で魔法が使える生物は闇の一族(魔族)光の一族(魔法少女)である。

 魔族が経営している店なのだから、魔法使えるカズマとやらも魔族だろう。そう思う桃は悪いとは言えないだろう。流石に異世界から転移してきた人間とは普通思わないのだから。

 

 そうしてミカンはあすらの結界を書き変えて、桃はあすらの前へと移動した。勿論、相手が攻撃してくる可能性も考えて敵意を出して警戒している。

 ミカンは遠くではありつつも、あすらの様子が見える場所へ待機。桃の援護や一緒に一時退却などいつでも動けるようにである。

 

「お邪魔しま━━━」

 

 桃が扉を開けた瞬間に目に入ったのは、此方に身体を向けている人間のウエイターであった。魔族の店のはずが人間が、しかも働いていると言う光景はあまりにも予想外であり、桃は動きを止めてしまった。

 

「『ウィンドブレス』」

 

 だからこそだろう。本来ならかわせたであろう、風の魔法で巻き上げられた土が目に入り、目潰しを喰らってしまった。

 

「くっ!」

 

 魔族の店に人間が居たこと、その人間が魔法を使ってきたこと、物理的な攻撃ではなく目潰しと言う搦め手を使ってきたこと、目潰しで目使えなくなったこと。様々な要因が重なり、桃は少なからず動揺した。

 

「さぁ、戦闘開始だ!」

 

 人間もといカズマの声を共に開始された戦闘は、不意打ちと動揺によって、魔法少女側が不利な状態からスタートしたのであった。




 ご先祖出すと長くなりそうなので全カットです。
 ごめんねご先祖。でも貴方を出すと、像に封印されてる理由、シャミ子が魔族になった理由、よりしろの説明と長くなるんだ。
 描写が無いだけで原作通り、桃の肩にくっついてあすらに来てます。

 まちカド世界って使える魔法一つだけかなぁと思ったんですが、シャミ子の夢魔の特性+魔力を球として出すのを考えると、違うのかなぁと思ったり。
 考えた結果、色んな魔法を使ってるカズマさんが異端としました。まぁ異端と言っても、魔王倒した時点でも、中級魔法も満足に使えない器用貧乏なので実際は異端と言えないかもしれませんが。

 カズマさんの存在によって、ミカンもあすらへ一緒に乗り込むことになりました。話だけ聞くと臨機応変に様々な魔法を使う人だからね。そら警戒もしますよ。

【第二回】この作品で好きなキャラ投票!

  • 佐藤カズマ
  • 吉田優子(シャミ子)
  • 千代田桃
  • 日夏樹ミカン
  • マスター
  • リコ
  • リリス
  • 吉田良
  • 吉田清子
  • 佐田杏里
  • 小倉しおん
  • 犬のお姉さん
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。