テンポ重心してるので、ギャグすると長くなってしまうので。
今回はまちカドの説明のため、カズマさんの影が薄いです。
「お邪魔するよ~」
「邪魔するで~」
「お、お邪魔しまーす」
桃達との戦闘から翌日。あの後無事に桃とミカンは、シャミ子一家、そして自分達が暮らしてるアパートばんだ荘へシャミ子を連れ帰った。
シャミ子がおかしくなったのはリコが原因であったが、本人には全くといって悪気は無いと言う態度をするため桃達は多少なりとも怒りを覚えた。
しかし知らなかったとはいえ、リコが事の元凶だと知ったマスターとカズマはひたすらに土下座を繰り返した。そんな姿を見て抱え始めていた怒りは簡単に消え失せ、どう言葉をかけて良いか困惑が残った。
するとマスターが「迷惑をかけてしまったため後日、菓子折りを持って優子君の家に謝罪に行く」と言い、その場はお開きとなった。
ハイになっていたシャミ子は1日寝たら簡単に治り、あすら一行はシャミ子邸へと向かう、今に至る。
「優子はん、ウチお腹空いたわ~、お稲荷さん無い? 酢抜きのやつ」
「おいこらリコ! 誰のせいで菓子折り持って謝罪に来てると思ってるんだ!」
無神経と評価するべきか、図太いと評価するべきか。悪気無くて過ぎた事は忘れる性格と言えば、まだマシに聞こえるのかもしれないが、マスターとカズマが土下座したのにこの態度は中々の大物である。
カズマのパーティーにもトラブルメーカーのアークプリーストが居た。悪気は無く、むしろ本人からすれば「こうすればもっと良くなる」と善意の元に動いてるのだか、事あるごとにパーティーが危機に陥ったり、借金を背負うことになったりと、トラブルを持ってきていた。
そのアークプリーストはその行動で問題が起こり、カズマに怒られると「カ"ス"マ"さ"ーん"!」と泣きついていた。反省はしても懲りずに、結局はまた数日後にトラブルを持ってきては居るが。
規模の大きさは違えど、反省してる分、そのアークプリーストの方がマシと言えるだろう。
「すまないね、うちのリコ君が」
「あ、いえ。気にしてませんので」
マスターがリコの代わりに謝罪をし、シャミ子達が住む街の商店街、たまさくら商店街のマスコットキャラクター、たまさくらちゃんが印刷されている菓子折りを差し出した。
「桃、たまさくらちゃんです」
「たまさくらちゃん!?」
桃はたまさくらちゃんのを見て大きく反応する。桃はたまさくらちゃんのファンである。それが例えフォロワーが2桁しか居なくとも、特技がバク宙熱々おでんで、中毒性の高い飴で子供達を洗脳する設定があろうとも、その気持ちは変わらない。
「おねぇがガチャガチャで手に入れた猫さんだね」
「シャミ子が着てた着ぐるみのヤツね」
「たまさくらちゃんに中の人は居ない」
シャミ子の妹『吉田良子』は、家に置かれているたまさくらちゃんのフィギュアに目をやる。謎のレパートリーが多いたまさくらちゃんだが、シャミ子の家には肉に埋め込まれたたまさくらちゃんのフィギュアが置いてある。
また、シャミ子は一時期たまさくらちゃんの着ぐるみを着て、商店街で子供達の相手をしたことがある。バランスを崩したり、頭が回って前が見えなくなったりとハプニングはあったが、それはまた別の話である。そして桃はたまさくらちゃんに中身があることを認めようとしなかった。
「………」
「桃、どうしました?」
「あ、いや。たまさくらちゃんを見てたら、姉の事を思い出して……」
ふと、たまさくらちゃんを見て桃が悲しそうな顔をしているのが見えた。シャミ子は中の人が居るのがそんなに残念だったのかと見当違いな事を思い、話しかけたが悲しそうな理由は全く違っていた。
「私、桜さんの事が分からなくなりました」
「違う! パーツとか雰囲気の話!」
シャミ子はバク宙熱々おでんで魔族を翻弄しながら、中毒性の高い飴を相手に食わせて戦う桜をイメージした。全くもって意味が分からない。
しかし桃の言いたい事は違ったようで、たまさくらちゃんの付けているパーツや、その着ぐる……もとい、ゆるキャラ出される雰囲気の話であった。
「たまさくらちゃんは10年前の年末頃に見た猫をモデルにしていてね。その猫は僕を見て一礼したあと、商店街の壁をすり抜けるようにして何処かへと消えてしまってね」
「なぁ、そろそろ話を戻そうぜマスター。今日はこの前の謝罪と、桜って人を探すための手伝いをすると話に来たんだろ」
懐かしい記憶に浸っていたマスターであったが、謝罪と話しておきたい事があってばんだ荘に来たのに、いつの間にかたまさくらちゃんに関する雑談へと変わっていた。
カズマは話を戻そうと、ここに来たもう一つの目的を桃達に話した。それは桜の捜索の手伝いである。昨日は何も手がかりが無い状態で、桜を探すのは絶望的であったが、リコからある情報を聞いたため、桃達とその共有。及び桜の手伝いを申し出に来たのである。
「そうだったね。リコ君から聞いたのだけど、魔法少女は魔力が無くなるとコアになるんだってね。実は10年前桜殿は「厄災のようなものが街に来る」と言っていてね。それ以降姿を見てないから、その厄災とやらと戦って、コアになった可能性があると思ったんだ」
「ウチが戦った巫女はんは」
「今は魔法少女だよリコ君」
リコの言葉を補足するかのように、横から話しかける。今は魔法少女と呼ばれている光の一族ではあるが、昔は巫女と呼ばれていた。時代と共に呼び方が変わったのか、はたまた別の理由があるのか。少なくともここに人物達はその答えを知らない。
「せやった。魔法少女はんのコアは、お猿さんや蝶々のような動く形をしとったよ~」
「……リコ君。この街に来るまで何してたの?」
繰り返すが、魔法少女は魔力が無くなるとコアになる。つまりリコは少なくとも二人、魔法少女をコアに変形するまでに戦ったことがあることになる。
この街でリコと知り合ったマスターだが、少なくともこの街で揉めるような所は見たことがない。あくまで本人から揉める場面であり、空気が読めない性格が災いとなって相手を怒らせて揉めている場面は多々あったりする。
リコの事は、あくまで住み着いた野良フェレット程度の認識であったが、少し認識を改める必要があるかもしれないと、マスターは今後の魔族や魔法少女との関わりに頭を抱えた。
「私が知っているのは動かないコアでしたので、それを探していましたが……そうか。動くコアもあるのか」
「桃、どうしましょう。コアが動くのなら、今頃動物園の中で飼われてるかもしれません」
「流石に動物園にコアは無いと思うわよ」
盲点であった。自分の知っているコアの情報は動かないモノであったため、それを中心に探していた。だが、動くコアもあると分かった以上、1から探し直した方が良いだろう。
一方のシャミ子は、リコの話を聞いてコアが猿などの動物になることがあると聞き、動物園で「ウチ魔法少女、魔法少女だよ~」や「魔力ゥ、魔力ゥ~」と鳴いている動物を想像した。当然だがそんな動物は存在しない。
「ねぇバクさん。さっきの猫さんを消えていったのはどの方向だった?」
「えっと、此方の方向だったね」
ふと、マスターが先ほど話していた猫の話を良が掘り返していた。何か気になる部分があったのだろうかと、広げられた地図を指差して方向を教える。
「ありがとうバクさん!」
「いったいどうしたんですか、良?」
マスターから話を聞いた良子は、ノートパソコンの前へと座り忙しそうにキーボードとカタカタと鳴らし始めた。
シャミ子がヒョコっと良の後ろからパソコンの画面を覗くと、この街の地図や色んな猫に関する目撃情報の数々、今まで話していた情報が纏まっていたりと、シャミ子からすれば情報量が多く、頭がグルグルと回るものであった。
「さっきバクさんが話してた、壁をすり抜ける猫は普通じゃないよ!」
「そうか? 俺の居た世界だと火を吹く猫や、空飛ぶ野菜、畑からサンマが取れてたから、壁をすり抜ける猫なんて……」
「ここはそんな摩訶不思議な世界では無いです!」
カズマからすれば、壁をすり抜ける程度で驚いてることに不思議である。それだけ異世界に毒されてるのだが、少なくとも現代日本の常識を根本からひっくり返すような、そんな摩訶不思議な現象はこの世界には無いだろう。
「桜さんが消えた年とバクさんが猫を見た年は同じ10年前。その10年前に桜さんがコアになったとすれば、動くコア━━━つまりその猫さんが桜さんのコアである可能性が高い!」
その言葉に全員がハッとする。確かに時期は一致する。そして動くコアの存在と、普通ではない猫の証言から考えると、良子の言葉には説得力がある。
「バクさんの証言から照らし合わせると、猫さんが向かった方向は━━━せいいき記念病院」
「なら早速、そこに行こう!」
「落ち着きなさい桃、10年も経ってるのよ。そこに情報があるかは正直怪しいわ」
「けど……!」
手がかりがありそうな重要な情報が出揃った。今からその手がかりを元に、桜の痕跡を探そうとすぐにでも桃は動こうとしたが、ミカンに止められる。
たった10年、されど10年。長い年月が経っているため、そんな前の出来事を覚えている人間は少ないだろう。それに、病院に直接出向いて「猫知ってますか?」と聞いても、すぐに追い返されてしまうだろう。
手がかりが見つかったと思ったが、進んだのは1歩も行かない進捗であった。姉の手がかり見つかったと思ったら手詰まりとなり、立ち往生するはめになった。桃は一刻も早く姉を探そうと焦りを見せる。
「その猫は優子がよく知っていると思います。その病院は優子が入院していて病院で、10年前に優子は病室で猫を見たと言っていました」
しかし、そこに女神の手が舞い降りた。シャミ子の母親『吉田清子』が話を聞いていたのだ。そして重大な話を知る。猫が病院に居たのは事実であり、尚且つシャミ子と話していたのだ。
「シャミ子、お母様に座布団とお茶を!」
「合点承知!」
「優子、お茶は俺に任せろ! 俺のスキルを使えば熱いお茶にも冷たいお茶にも調節可能だ!」
「じゃあ良は座布団と用意するから、おねぇはお茶っ葉の準備をお願い!」
「お母様、お茶と一緒にたまさくらちゃん饅頭はいかかですか?」
「お稲荷さん一緒に食べる~?」
「ミカンもあるわよ!」
「余が大事にしてるお酒もあるぞ!」
「この家、私がホストなのでお構い無く」
思わぬ所からの収穫に、全員が急いで清子を聞くために、もてなそうな動こうとしたが、この家の主は清子である。ホストをもてなそうと動かれても逆に困ってしまう。清子は全員に座るよう促した。
そうして全員が落ち着いた頃、清子は話を始めた。シャミ子が昔病院で猫を見たこと、呼吸器に問題が起こったら大変だと病院中駆け回ったが猫の痕跡が無かったこと、これらのことから、シャミ子が見た猫は桜のコアの可能性が高いことを。
「私、猫を見たと言ってましたか? 全然記憶に無いです」
「10年前の、それも弱ってた時期の話ですからね。覚えてないのも無理は無いでしょう」
シャミ子は揺らせばカラカラと鳴るような、無い頭を捻り出しながら昔を思い出す。けれど猫と話したような面白とんでも話に心当たりは無かった。
「一旦は手詰まりか……。でも、姉は病院で何かしらの理由でシャミ子と接触していた。これだけ分かっただけでも充分な進歩だよ」
手詰まりではあるが、清子の話を聞く前と後と比べると充分前に進んだと言えるだろう。先ほどまでは桜の行動理由が分からず、そもそも病院に来てたのか。もしかしたら病院もすり抜けて、何処か別の場所へ行ったのかと不明な部分が多かったのだから。
「手がかりが見つかったようで良かったよ。さて、僕たちはそろそろお暇しようかな。優子君もまだ寝不足だろうから、長居するのは悪いからね」
「そうだな」
これ以上居ても邪魔になるだけだろう。本音ではありつつも、建前半分ほどの言葉を口にしてばんだ荘を出ようとする。話を聞くだけのカズマだったが、マスターに続くようにして帰るのを賛成する。
「え~、ウチまだお稲荷さん食べ終わってなんだけど~」
「だから帰るつってんだろ! そっちがその気なら『ドレインタッチ』」
「あぁ。帰るからこれ以上魔力を吸わんといて~」
シャミ子邸に居座り、尚且つちゃっかり出されたお稲荷さんを食べているリコは、皿が空になるまで食べようとしていたが、カズマに止められる。
そして無理矢理帰らそうと、ドレインタッチで魔力を吸っていく。ある程度吸ったところでリコは降参して、トボトボと、ばんだ荘の外へと歩いていく。手に幾つかお稲荷さんを握っている辺り、反省はしてないのだろうが。
「お邪魔したね。それじゃあね」
マスターの挨拶と共に、一人と二匹はあすらへと帰っていく。今日は臨時休業としたが、明日からは営業開始である。明日の仕込み、店の掃除など、やることは多い。
桜の捜索ばかりに力を入れる訳にはいかない。生きていくために働かなくてはならないのだから。
バク宙熱々おでんしながら、中毒性の高い飴を食べさせる桜さんってなんだろ。
今回のカズマさんは茶々入れと話題修正役に徹してもらいました。
まちカド側の事情なんてカズマ殆ど知らないので、中々話に食い込めないんですよね。
この後リリスさんがシャミ子の能力を説明する回が原作でありますが、カットします。カットします!
理由としては、カズマさんやマスターが居ても展開変わらないんですよね。それどころかカズマさん的にはマスター達に着いてきた感じなので、マスターが帰ると行ったらそれに着いていきます。
そもそも夢の中に入れないし、学校にも入れないので、カズマさん達が居ない=原作丸々の流れになるので。次回に後日談的なモノで、何があったのか説明する予定です。
【第二回】この作品で好きなキャラ投票!
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佐藤カズマ
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吉田優子(シャミ子)
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千代田桃
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日夏樹ミカン
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マスター
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リコ
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リリス
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吉田良
-
吉田清子
-
佐田杏里
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小倉しおん
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犬のお姉さん
-
犬