BuilD_Dream!!   作:ツナ缶マン

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色々とありまし…遅くなってしまって申し訳ないです

さーてと、ここまでやれば後は…分かるね?
と言うことで初投稿です



第22話-ぶつけ合うハート

「「「「「「えっ…」」」」」

 

 

 

 

 

 

紗夜がリサの顔面を殴るという余りにも信じられない光景を前に、襲撃によって負傷しているあの黒服たちすらも含めた殆ど面々が目の前の状況を受け止められずにいたが、殴られていたリサ本人が状況を一番理解できておらず背中を預けたまま紗夜を呆然とした様子で見上げていた。

 

「紗…夜…なんで…?」

 

 

 

 

 

 

「今井さん、バカなんですか?」

 

「「「「「は?」」」」」

 

「ガンプラバカになっている紗夜さんが言える言葉じゃないでしょ…」

 

目の前にいる紗夜の名前を呟いたリサだったが、呼ばれた紗夜はそんな彼女に対して彼女らしからぬ言葉が飛び出した。

そして、この場にいた大半の人間の気持ちを蘭が代弁していたが、言われた本人も言われるだけでは終わらなかった。

 

 

 

「バカ…?だって、アタシがあんなこと言わなかったらこんなことになってなかったんだよ!!だから…!!」

 

「何をバカなことを言っているんですか? 今井さんがあの時にバカンスだと言おうが言うまいと、この状況は起こっていました」

 

「でも、アタシがあんなこと言わなければこんなことにはならなかったんだし…」

 

「単純に旅行先で事件に遭遇してしまったただの不運です」

 

「だけど…!!」

 

「それとも今回の事件は今井さんがあの人達と手を組んで、弦巻さんに皆をこの島に連れていくようにでも言ったんですか?」

 

「そんな訳ないでしょ…!!」

 

「でしたら、あなたのせいではありません」

 

 

リサがこの事件に巻き込またのは自分のせいだと口にしたが、紗夜はただの偶然が重なっただけの不運だと切って捨てた。

他の面々も完全に紗夜と同じ意見だったがその事を誰も口や表情には出してはいなかったが、今のリサはそんな風には考えていなかった。

 

「みんな口に出さないだけで―――」

 

自分のせいだと思っている。

そう彼女が口にしようとしたがリサがその言葉を最後まで言い切ることは出来なかった。

 

「っ!!」

 

 

 

「ぐっ…!!」

 

「勝手に今井さんの考えを押し付けないでください!!何時、誰が今井さんのせいだと言いました!!」

 

「あの時に紗夜だってその場にいたでしょ!!そんな紗夜にそんなこと言われたくない!!」

 

リサが言葉を言い切る前に紗夜がへたり込んだままの彼女の胸元を掴んで無理やり立たせてから今度は手の甲で彼女の頬を叩いてからリサの思い違いを強い口調で修正するも、リサはその言葉に逆上して紗夜へ掴みかかろうとしていた。

 

しかし、その手は紗夜を掴むことはなく―――

 

「ぐっ…!!」

 

 

 

 

「リサ姉!?転んじゃった…!!」

 

「自分のせいで事件が起きたと本気で思ってて、否定されれば逆上ですか」

 

「このっ!!さっきから!!アタシの気持ちも知らないくせに!!」

 

紗夜は掴みかかろうとしてきたリサの腕を難なく避けてから彼女の足を引っかけてそのまま床に転ばせてからリサに睨みを効かせたが、リサはそんな状態から立ち上がって紗夜へと向かっていく。

 

だが、彼女の手は紗夜に当たることはなく、その代わりに紗夜がリサに足を駆けたり、腕を掴んで体勢を崩してから背中を押したりを繰り返して、何度もリサを床に転がしていた。

 

「うぅ…」

 

「悲劇のヒロインにでもなったつもりですか!!」

 

「紗夜みたいに何も考えてない人には言われたくない!!」

 

「そうやって塞ぎ込んでも、何も変わりはしません!!」

 

 

 

 

「もう!!おねーちゃん!!止め―――ってつぐちゃん!?」

 

「ダメですよ日菜先輩。ヘタレたらそれを修正したり、見守るのも友達ですよ」

 

「羽沢さんの言う通りね。日菜、悪いけど待ってちょうだい」

 

「友希那ちゃんまで!!」

 

「本当に危なくなったら弦巻さんの家の人が止めてるはずよ」

 

何度も紗夜がリサを転ばせる光景を見て、日菜がその2人に割って入ろうとしたこのタイミングでつぐみが日菜にしがみ付いて止めると、その理由を聞いた友希那の言葉に納得した一同は苦々しい表情を浮かべながらも静観することにした。

 

 

 

 

 

「うぅ…でも…だって……」

 

「はぁ…はぁ…」

 

静観を始めて少しした頃に肩で息をしている紗夜の目の前でリサの方が諦めたのかその場に崩れるようにしてへたり込んだ。

それを見た一同はようやく動き出してリサと紗夜の間に割って入ったことで紗夜の一方的な喧嘩のような何かが幕を閉じると紗夜はある人物に視線を向けていた。

 

「それにまだ打つ手はあるはずです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そうですよね。市ヶ谷さん」

 

「紗夜先輩、そこは自分で決めなきゃしまらないでしょ…」

 

「生憎、今井さんの修正に手いっぱいでそこまで考える余裕はありませんでしたから」

 

紗夜は自信を含んだ笑みを浮かべながら有咲へと視線を向けると、向けられた側は何とも締まらない先輩に小言を零すが、彼女は肩を竦めるような動きでその小言を聞き流していた。

 

「確かに打てる手はまだ残ってますよ…だけど、かなり危険な綱渡りをしてからの博打っていう最悪の手ですけどね」

 

「有咲ちゃん、この状況からまだ何か出来ることがあるのかい!?」

 

「有咲ちゃん!!教えて!!

 

「あーちゃん!!教えて!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

「んなもん決まってますよ。私達があのマフィアとか言ってるバカ達を倒して、弦巻さん達を助けるんだよ」

 

有咲の言葉に薫が驚く横で花音とはぐみの2人が、有咲が考えていることに食いついた。

そんなハロハピの姿を見て悪い笑みを浮かべた有咲は衝撃の考えを口にすると、それを聞いた全員が驚いて固まったが、一瞬にして彼女達は驚きの声を挙げ始めていた。

 

「そうだね~。このまま待ってるだけじゃ始まらないしね~」

 

「日菜ちゃんの言う通りね…私は賛成よ」

 

「ジブンも千聖さん達と同意見っすね。窓も壁も壊せない脱出不可能ですけど、さっきみたいにガンプラで抵抗できるならそれに賭けるしかないかと」

 

 

 

 

「あたしも賛成。つぐみ達もでしょ?」

 

「当然だよ!!ね!!巴ちゃん!!」

 

「当たり前だろ!!」

 

有咲の出した戦うという案を聞いて一部の面々からは賛同の声が挙がり、多くの面々は口にはしないものの彼女の案には好意的な態度を見せていたが、当然ながら有咲の案にはそんな危険な事をするということに反対する者もいた。

 

 

「本気なの有咲?マフィアって言ってる人達と戦うって…」

 

「危ないって!!それに人を傷つけるのになんの躊躇いもないんだよ!!」

 

「アリサさん!!危ないですよ!!」

 

「そうだよ!!千聖ちゃん!!隠れてたらいいんじゃ…ほら!!それに外から助けがくるかもしれないし!!」

 

 

 

「彩さん?この人数で全員が隠れると言うのは非現実的ですし、それにガンプラマフィアが言ってたエンボディシステムが本物だったら、本当に廃人に出来ますから時間が経過した分だけ弦巻さんが危険です」

 

「戦うのが危険っていうおたえと沙綾の言う事も分かる。だったら何もしないでこのままみんな仲良く嬲り殺されるかもしれないのを指を咥えて待ってる方がいいのか?私は嫌だね」

 

「「「「「……」」」」」

 

「反対意見はないってことで決定ね。そうは言ってもどうしましょうか?」

 

隠れたり外からの助けを待つという消極案が出たも、この人数が隠れられる場所は限られる上に相手が言っていたことがエンボディシステムが本物ならば時間が経つほどに捕まっているこころが危険だという対抗意見が挙がった。

しかし、有咲が”殺される”という最悪の事態を口にした途端に反対意見がピタリと止む。

 

無言は賛成だと言った千聖の言葉に数名は首を縦に振って答えた。

しかし、今後の明確な方針は全く決まっていないこの状況をどうしようかと考えようとしたが、ここで麻弥がとんでもないことを口にした。

 

 

 

 

 

 

 

 

「では、市ヶ谷さん。作戦立案はお願いします」

 

「ちょっと!?麻弥さん?何言ってるんですか!?」

 

「まやさん!!ここはみんなで考えた方がいいですって!!」

 

「麻弥、それは余りにも無責任じゃないかい?」

 

「本当なら色々と意見を出して作戦を練るべきですが、今回は悠長に考える時間はありません」

 

「それですが大和さん。こういう時は年長者が指揮を執った方が円滑に進むと思いますが?」

 

「ほら、瑠唯ちゃんだってこう言って…弦巻さんの家の人達は…?」

 

 

 

「いえ、私達はガンプラについては素人なのでそちらにお任せします」

 

「そうなると次点で大学生組でこういうのが得意なのは麻弥ちゃんだけれど…」

 

「流石に人数が多すぎてジブンには厳しいですよ…。複数人で考えるのも”船頭多くして船山に登る”という言葉もありますから頭は1人だけの方がいいですね」

 

「それに言い出したのは有咲ちゃん、あなたじゃない」

 

あろうことか麻弥は作戦の立案を有咲に完全に丸投げするというとんでもない案を出していた。

指名された有咲や他の面々からも指摘が入るが、麻弥は真面目にこの意見を出していた。

 

だが、年長者が指揮を執ったほうが円滑に進むという正論が飛ぶと、この部屋にいる中での年長者と言えば間違いなくこころの家の黒服達だが、彼女達の視線は黒服たちに集まるがガンプラについてほとんど知らない彼女達は指揮権を彼女達に投げ、次点の大学生達から指名を受けて腹を決めていた。

 

「あの…私、研究所のパンフレットを持ってますけど使えますか?…そうはいっても見学者用のですけど…」

 

「それ貸してくれ!!」

 

「そよりん、やる~!!大手柄じゃん!!」

 

 

 

「では、私達は周辺の捜索をして生存者を…」

 

「分かりました。黒服さん達は居なくても5分以内に戻ってきてください」

 

「承知しました」

 

「よし…これで大枠は考えるから大和さんと巴さんの2人はそれを聞いて意見をくれ!!他のみんなはすぐに動けるように準備だ!!」

 

指名を受けた有咲はこの危機を乗り越えるべく、手元にある少ない情報から動くために行動を起こし始めていく。

そんな光景を呆然と見ていたリサに対して、先ほどまで生身でボコボコにしていた紗夜が何気なく声をかけていた。

 

「今井さん、何時までそこで腐ってるんですか?」

 

「…」

 

 

 

「今井さん。先ほどあなたに言った” あなたのせいではない”と言いましたが、あの言葉は取り消します」

 

「えっ…?」

 

「すいません。言い方が悪かったですね」

 

動き出していた有咲達を呆然と眺めていたリサに対して紗夜からの言葉を受けて彼女は目の前が真っ暗になる錯覚を覚えたが、言葉を誤った紗夜は即座に謝罪をいれてから自分で考えていることを語り始めていた。

 

「確かに今井さんがあの時にあんなことを言わなければここに私達はいなかったし、弦巻さんもあんな目に合ってないのは間違いないです。

 

 

 

 

 

ですが、そうなっていたらこの研究所の人達はどうなっていましたか?」

 

「それは…」

 

「仮にそうなっていたら弦巻さんが無事でも、確実に今以上の多くの人間が一方的に傷つけられていたのは間違いありません」

 

「それは…そうかもしれないけど…」

 

「結果的に言えば私達はピンチに巻き込まれたが、あの一言があったから結果的に研究所の人達を助けられるチャンスが出来たんです。

だったらこの後は簡単です。あの犯人と倒してから弦巻さん研究所の人達を助ける。それで全て終わりです」

 

「紗夜…」

 

「助けましょう。弦巻さんやみんなを」

 

「出来るのかな…アタシに…」

 

「出来ますよ。私達なら…」

 

ここまで沈み切っていたリサだったが、今の紗夜の言葉を聞いて彼女はようやく顔を上げるとそこには柔らかい笑みを浮かべた紗夜がリサにそっと手を差し伸べており、紗夜の言葉を聞いたリサは覚悟を決めると差し伸べられたその手を取って立ち上がるのだった。

 


 

「ん~熱い友情ですな~」

 

「友情…?モカ、あれって紗夜さんが一方的にリサ先輩をボコボコにしてただけじゃない?」

 

「ひまり、アレはガンダムごっこだから」

 

「まぁ、使ってる機体的にはボコボコにされる側が逆だけどな」

 

「それにしても紗夜さんはよくリサ先輩をあそこまで…日菜先輩で慣れたのかな…?」

 

「「「つぐ、それはおかしい」」」

 

「バカばっか…」

 

「蘭、アタシ達も人の事言えねぇからな?」

 

「ふっ…確かに…」

 

「それじゃ!!次回”自由への狼煙”」

 




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