本当は美咲ちゃんについて書こうと思ったんです…
でも、こっちの地獄を書きたかったんや!!
ってことで初投稿です
「……」
システムのコンソールを握りしめた彼女は自身に迫って来ていた敵機を縦に真っ二つに叩き切り、爆発の中を無傷のまま佇みながら武器を持った腕を力なく下ろして溜息を零す。
「「「はぁ…」」」
が、溜息を零したのは彼女だけでなく近くから別の2人も同時に溜息を零していたが、その中の1人はコンソールから視線を外してある人物へと語りかけていた。
「ねぇ、教えて?私は後何人倒せばいい…?」
「…」
「私は後、何機の敵を落とせばいいの?」
「あはは……」
だが、その人物はその事を全く教えてくれずに困ったような笑みを返していたが、そんな中で別の敵が彼女に迫って来ていたが、慌てる様子もなくビームライフルの一撃で倒してから再び彼女は問いかけていた。
「教えて……ロック?」
「明日香ちゃん…あはは…」
先ほどまで敵を倒していた明日香、そして彼女に名指しで呼ばれたロックは再び苦笑いを返していた。
彼女―――戸山明日香がこの状況に追い込まれることになった原因は週の始めまで遡る。
――――羽丘学園 2年A組・図書室
「課題…終わった~!!」
「あこちゃんお疲れ様」
「ろっかもあすかもありがと!!今日の期限に間に合ったよ~!!」
「お疲れ。それとここは図書室だから静かにしないと」
「あすか冷たい~!!折角課題終わったのに~!!」
課題を終えたあこが達成感から周囲の目を気にする様子もなく声を挙げる。
その様子を見たロックはあこを労うが、場所が場所と言うこともあって同じく一緒にいた明日香はさらっと彼女の事を流していた。
しかし、その事があこの気に触れたのか明日香に声を挙げるが、明日香は呆れたような表情を浮かべながら――――
「元はと言えばあこが小テストで0点なんてとるから特別課題を出されたんでしょ…」
「うっ…!!」
あこへと課題が出された原因を口にすると、あこは図星を突かれて机に突っ伏してしまっていた。
今回の課題はあこだけ―――休み明けの小テストで0点を叩きだしてしまった人達に対して出された特別な物。
しかも、何を思ったのかあこはこの課題を提出期限が迫ってから取り掛かった上に全く理解できずに燐子達に泣きついたが、紗夜とリサはガンプラの仕事燐子は大学の課題で断られ、友希那は課題を見て理解できずに逃げ出し、今はクラスメイトである明日香達に泣きついて今まで勉強を教えてもらいながら課題をこなしていたのだ。
「あこ、課題だしたら予定ないからみんなで遊ぼうよ!!」
「私はいいよ?さっき予習は終わったからロックは?」
「私もいいけど…あっ…」
課題から解放されたあこは課題を出してから遊びに誘うと、すんなりOKを出した明日香だったが、ロックの方もOKを出したのだがその直後で何かを思い出したかのような表情を浮かべていた。
「ろっか…?ダメなの?」
「ううん!!でも、生徒会室に言ってからでいい?昨日忘れ物したのを取りに行きたくて…」
「いいよ!!」
「なら行こっか…周りの目もあるから…」
「「あっ…」」
あことついでにロックの予定を片付けてから遊びに行くことを決めた3人。
だが、その彼女達―――とりわけあこが比較的大きな声を出していたせいで他の利用者から白い目で見られていたこともあって早々に図書室を出てからあこの予定を済ませるとそのまま3人で生徒会室の前まで辿り着いていた。
「あっ2人ともちょっと待ってて。スグ取って―――うわっ!?」
「ろっか!?」
そうしてロックが生徒会室の扉を開けようとしたその瞬間、生徒会室の扉が内側から開くとそこから知らない生徒の軍団が生徒会室から出てきていた。
「大丈夫!?」
「うん…なんだったんだろ…?」
「もうっ!!滅茶苦茶だよ!!」
ロックはそれに驚いて尻もちをついて呆気に取られていたが、その軍団が生徒会室から飛び出したのを確認してからすぐに明日香達2人はロックに駆け寄っていく。
目の前の光景が理解できずに戸惑っていたが半開きになっていた生徒会室の中からは生徒会長のつぐみの怒りを含んだ言葉が漏れ聞こえてきたが、室内にいたのはつぐみ1人だけではなかった。
「ひまり!!塩持ってこい!!塩!!アタシが撒いてくる!!」
「分かった!!」
「ひーちゃん、あたしもやる~」
「気持ちは分かるけど、そこまでやんなくても…」
「この声、おねーちゃん!?」
「多分、Afterglowは全員揃ってるよね?」
「なんで怒っとるんやろ…?」
中から聞こえてきたのは蘭達Afterglowメンバー一同の声。
つぐみとの関係からいることは不自然には思わなかったが何故か全員の言葉には怒気が含まれていたことを疑問に思っていたところで、扉の隙間から中を見ていた明日香とつぐみの目が合ってしまった。
ただ目が合っただけなのにも関わらず明日香は突如として嫌な予感を感じ取っていたが、そんな彼女の想いとは裏腹につぐみは嬉々とした表情を浮かべて明日香の元へと駆け寄っていた。
「明日香ちゃん!!」
「はっ…羽沢先輩…?」
「再来週の土曜日って予定ある!?」
「えっ…ないですけど…」
唐突に明日香はつぐみからいきなり再来週の予定を聞かれていた。
先ほど嫌な予感を感じていたはずの彼女だったが、今は目の前のつぐみに圧されてしまい嘘をついて逃げることをせずに正直に予定について口にしてしまったが、それがいけなかった。
「戸山明日香さん!!」
「はっ…はい!!」
「あなたを生徒会の役員に任命します!!」
「「えぇ~~~!?」」
「はいっ?」
「後は蘭ちゃんと巴ちゃんも!!」
つぐみによって有無を言わさずに生徒会役員に任命された明日香。
余りにも唐突な言葉にあことロックは驚きの声を挙げるが、それ以上に言われた本人が事情を一切理解できておらず一番困惑していた。
「頑張ってね!!明日香ちゃん!!」
「つぐ~、ちゃんと説明しないとダメじゃない~?」
「モカの言う通りだね…」
「アタシと蘭は…話聞いてたから分かるけど…」
困惑していた明日香だったが、既に中にいたAfterglowの面々がつぐみを落ち着く様に言葉をかける。
その言葉を聞いてつぐみは我に返ると若干落ち着きが無いが、今まで起こったことを簡単に放し始めていた。
「さっきの人達はね。ある部活を新しく作ろうとした人達なんだけど、実績が無いと予算がつかない。って話をしたら怒っちゃってね」
「はぁ…」
「それに物を用意するにもお金がかかるのに学校で用意しろって滅茶苦茶なこと言ってるんだよ!!」
「あの…なんの部活を…?」
「そこで、戸山明日香さん。あなたの最初で最後の仕事です。
再来週の土曜日までにガンプラを用意してあの人達を徹底的に叩き潰してください!!」
「はい…?」
――――こうして明日香は臨時の生徒会役員として、バトルするまでに至るのだった。
目の前の敵を両断しながら、バトルすることになった出来事を思い返していた明日香だがバトルは終わる気配がない。
「これ、いつまで続くんですか?」
「明日香~後20分だってさ」
「そうですか…でも、何でこんなにやる気だけはあるんですかね…!!」
明日香がボヤきながらも自身のガンプラ―――デスティニーのビーム砲で複数の敵を纏めて撃ち抜くと他のシステムを使って別のグループを相手にしている蘭達が会話に入ってくる。
「前に説明されたでしょ?こっちの誰かが撃墜されればシステムを学校に設置する予算を組む。って事になったけど、こっちがハンデ代わりに1人で相手することになったって」
「それは覚えてますけど…」
「あの時の中継に映ってたアタシとか蘭とか見た影響だろ?まぁ、こっちは3人いるけどシステムが別だから1人だけだけどな!!」
事件の中継を見て長いものに巻かれる為にやっている相手のグループは完全に初心者で、あの事件で修羅場を経験した彼女達からしたら相手になる訳もなく、会話しながらも被弾することもなく余裕で相手を叩き落し続けていた。
だが、明日香の余裕は一瞬で失われてしまった。
「っ!!」
明日香が反射的に機体を横へステップ移動をすると、先ほどいた場所では何かが通り抜けていく。
「2つ目!?」
だが、回避したその先にも先ほどと同じものが迫って来ていたのに気がついたが回避するにはギリギリと咄嗟に判断した明日香は咄嗟に左腕の対ビームシールドを使って迫ってきたモノを弾き返すが、シールドには斬られたような跡が残されていた。
そんな形状の跡が残る武装は明日香の記憶ではただ一つ――――
「ビームブーメラン…!!こんなの…誰も…!!」
明日香が使うデスティニーにも装備されているビームブーメラン。
単純に投げても戻ってくる軌道で意表を突いた攻撃が出来るが、ライフルなどに比べても圧倒的に速度が遅く射程も短くて初心者が使うにはハードルが高いものだと、以前の自分を完全に棚に上げた事を考えていた。
しかも、今回飛んできたブーメランは初心者が単純に投げただけの物でなく、1つ目で機体を動かしてから2つ目で仕留めるように考えられた軌道は完全に初心者ではないことは明日香の目からしても明らかだった。
「誰…!!」
明日香は画面に集中すると彼女の前から見たことのないような速度を出した戦闘機が明日香の脇を通り抜けて、先ほどのビームブーメランすらも追い越してからMSへと変形して両手で2本のブーメランを回収していた。
その圧倒的な動きに外野が驚いていたが、明日香はその機体のある一点に視線を奪われていた。
「その機体…!!その模様は…まさか!?」
「やっほ~明日香」
「リサ先輩!?」
ブーメランで攻撃を仕掛けていたのは明日香にバトルを仕込んだ1人であるリサだった。
明日香からしたら完全に予定外の人物の登場に驚いていたが、当の本人であるリサは軽い空気で挨拶を交わした。
「何で!?」
「あこから話聞いて、たまたま予定が空いてた千聖と2人できたんだよね~。千聖は今、蘭の方にいるけど」
「いやいや、状況分かってます?」
「学校にバトル部作るって話は聞いたよ~」
明日香が今バトルをしているのは学校の事を決めるためにバトルしていたはずだが、呑気に話すリサはOGであっても今は羽丘の生徒ではない。
それにも関わらずこのバトルに入ってきた意味が全く理解できなかった。
「なら…」
「出来る出来ないはアタシはどっちでもいいけどさ。3人をバラバラに戦うよりもみんなで1人を戦った方がいいってアドバイスしたんだよね~。そしたら巴にみんな行っちゃってさ~」
「これ、今私が負けたらどうなるんですか?」
「あっ、アタシと千聖はノーカンだから。つぐみが「こんくらい出来る様になってから出直せって」っていう見本を見せてあげてほしいって言われてさ~」
OGとはいえど部外者が学校の事に割って入ってきたことをついてサラッと流したリサだったが、今の状況を明日香は何とか飲み込めた。
―――要するに他を牽制するために完全な見世物だ。
それが分かった明日香は若干イラっとしたが、何とか自身の中に押し込んでいた。
バトルをする流れになったが、リサは全く動かない。
何故動かないんだろうと疑問に感じた明日香へとリサはある言葉を投げかけていた。
「それじゃ、見本を…って言いたいけど、明日香」
「なんですか?」
「その機体でいいの?麻弥から聞いたけど新しいのあるんでしょ?」
「…そうですね。一応あるにはありますが…」
「それでやろうよ。あの時は紗夜ので教えてただけであの事件でバトルしてからめっちゃ強くなってそうだしね」
リサは明日香がデスティニーでいいのか尋ねると同時に新しい機体があることを口にされ、それでやろうと提案されると明日香は考えていたものの、あまり乗り気ではないがリサが凄くバトルしたがっていると分かった明日香は―――
「分かりました…」
「そうこなくっちゃ」
その提案を受け入れる事にした。
明日香はそう言ってシステムを落としてからガンプラを回収すると、持ってきた荷物から新しい機体を手に取っていた。
「へぇ…それなんだ…!!ある意味予想はしてたけど…よく作ったね」
「そうですね。千聖先輩と麻弥先輩の2人が準備したのを教わりながら作りました。ホントしんどかったですけどね…」
明日香は苦々しい笑いを浮かべてリサの問いに答えてから新しい機体をセットすると、その向かい側にはリサも先ほどの機体をセットし直していた。
「15分って言われたけど…全力で来なよ?」
「なら、全力で行きますよ…?」
「オッケー !!でも、RG相手かぁ…紗夜のストライクとも出来てなかったから楽しみだなぁ…!!」
「トヤマ・アスカ!!デスティニーインパルス…!!」
「イマイ・リサ、イモータルジャスティス…!!」
「「行きます!!」」
そうして、明日香とリサという始めての子弟での真剣勝負の幕が開くのだった。
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