これがやりたかった…
と言うことで初投稿です
事件を解決した美咲達一同は島から返ってくると早々に病院に叩き込まれ、一部の面々は説教の嵐を耐えきった。
そこまで良かったのだが――――
「くっそ…暇だな…」
「市ヶ谷さん 、検査とはいえ入院中だか仕方ないでしょ…。学校の課題は?終わってるんだ…」
「あれ解く時間よりも答えをペンで書く時間の方が長かったぞ…」
「あはは…紗夜先輩の何かいってください」
「ギターもない。テレビも無い。食事もそんなにおいしくない…拷問ですか?」
弦巻の手によって本来なら個室に入院する予定だったのだが、見舞いにやってくる面々が殆ど一緒と言うこともあって、事件のこともあって美咲達
「紗夜先輩元気じゃん…。市ヶ谷さん、紗夜先輩が頭空っぽとか少ししか思ってないからね」
「奥沢さん。思ってても口に出さなかったことを、思考を読んで口にするのはやめろ…。頭の情報流し込むぞ…」
「ごめんて…」
「あなた達、私、一応は先輩なんですよ?」
「あ~…その…紗夜先輩は思考してから口にするのがほぼ一緒なので…」
「それ殆ど考えてないのと一緒じゃ…?」
「市ヶ谷さん、折角ボカシて言ったのに…」
「バカにしてます…?」
「「ガンプラ絡まない時は全く…」」
「ガンプラ絡めばバカだと言ってるじゃないですか…」
「「はっはっは…」」
後輩2人のボケにツッコんでいた紗夜。
だが、言われた紗夜自身も思う所があったのかあまり強く言う事が出来ずに呆れた表情で睨むが、後輩2人はこの程度では何とも思わず笑い声で紗夜の言葉をやり過ごす。
そんな軽いノリで過ごしていた一同だったが、彼女達は扉の向こう側へと意識を向けていた。
「…足音ですね。7人…多いですね」
「誰だ…?数が微妙だし…弦巻さんの家の人達が変な連中を通すとは思えないし…」
「…数は合ってるね」
彼女達は病室に向かって誰かがやって来ていること事を感じ取ると、そこから少し経った頃に病室の扉が動き出した。
「みんな、いるわね?」
「どーも白鷺先輩。花音さんとお揃いでご苦労様です」
「ふえぇ~気が付いてたの!?」
「紗夜~。元気してる~?」
「今井さんも…ここは病室ですよ?」
「一応は入院患者と言う扱いですから元気と聞くのはどうなのでしょうか…?」
「でも、お見舞いの挨拶ってどうしたらいいか分からないっすけどね…」
「2人の言う通りですね…」
3人の元にやってきたのは事件の時に一緒に戦ったメンバー達。
そして―――
「う~ん…紗夜さんに話があったのですが…お邪魔ですかね…?」
「晴海さん。お疲れ様です」
「あぁ、大丈夫ですよ。別にヒミツの話じゃないので…!!」
Roseliaのマネージャーとして働いている晴海が病室にやって来ていた。
様子を見ていた彼女達はそそくさを部屋を後にしようとしたが、晴海は出て行こうとしていた一同を引き留めていた。
「実は紗夜さんにお話が来ていまして…」
「話…ですか?」
「はい…。それで知識がないので皆さんにも話を聴けたらと思いまして…」
「知識…?アタシは大丈夫ですよ」
「あ~とりあえず資料より先に話を聞かせてください」
紗夜への話―――
それが何なのか分からないが皆がいても構わないが、意見が欲しいという事を言われた一同はその場に残ると、美咲が晴海に話を進めるように促し始めるとそのまま話が始まっていた。
「実は…紗夜さんのガンプラ?を制作したいということで…」
「私の…?いえ、自分で作りますので…」
「えっと。そうじゃなくて…えっと…その~…」
「紗夜先輩が使うんじゃなくて、紗夜先輩のガンプラを売りたいという…ですよね?」
「はい!!えーっと奥沢さんの言う通りです!!」
紗夜は最初の説明を聞いて断ったが、美咲がすぐに晴海の思考を読んで誤解を修正して話を正しい方向へと戻していく。
その修正された話を聞いた一同は話の意味を理解したが若干気になることがあった。
「紗夜ちゃんのガンプラ…?そうは言っても…」
「作るとしたら紗夜さんが一番使う頻度の多いストライクですよね?」
「紗夜のストライクってナイフ以外は普通のHGだよね…?」
紗夜が使うストライク。
だが、その機体は設定と同じように腰部にアーマーシュナイダー―――ナイフを装備しただけで他の改造は一切ないそれを紗夜のガンプラとして売ると言う余り理解が出来なかった。
「ナイフ以外だとマーキング位ですが…あれは自分でやれる範囲の物では?」
「瑠唯、Roseliaのマーキングって意外と面倒なんだよ。薔薇の花びらが全部バラバラだし、シール作るのもね~」
「なるほど…ファングッズとしての需要があるという事ですね。それなら水転写デカールとかでもいいかもしれませんね」
「そう言われると…納得できるような出来ないような…」
「ですが、それを出してRoseliaの活動に影響が出るかもしれないですが…?」
改造はないがマーキングなどのシールやデカールはそれなりの需要がありそうだが、それを販売したところで売れるかどうかも分からない上に、音楽活動に影響が出るのではないかと口にしたが――――
「紗夜先輩。それは無いんじゃないですか?むしろ物販の品が増えるからプラスにはなると思いますよ?」
「奥沢さん…ですが…」
「その通りですね。これを出したからと言って音楽活動に影響が出ないと思いますよ…」
「紗夜ちゃん!!最初の販売で手渡しイベントなんてのも面白そうじゃない?」
「少なくとも日菜さんは仕事被ってなければ行くでしょうね…」
「紗夜先輩のパートでサイリウム代わりにガンプラ振り回すのか…」
「有咲!!その絵面は怖いからやめて!!」
美咲を筆頭に活動に影響が出るということを否定していくと、徐々に部屋の空気が販売を許可する流れになり始めていく。
それを感じ取ったのか何も考えていないのかは分からないが、紗夜が遂に判断を下していた。
「アーマーシュナイダーは絶対につけてください」
「あの~…資料は見なくてもいいんですか?」
「晴海さん。ファングッズ…と言う事ですし、サッカーチームとか特定個人向けの色替えセットもありますから構いませんよ」
「紗夜先輩、本当にいいんですか?資料確認しなくて」
「奥沢さんそんなに心配しなくても大丈夫ですよ。晴海さんは早く先方に連絡してきた方がいいのではないでしょうか?」
「あっ…はい…」
紗夜は晴海が持ってきた話にOKを出した。
その光景に殆どの面々が微笑ましい笑みを浮かべていたのだが、一方で美咲は何か含みのある笑みを浮かべると、晴海は微妙な顔をしながらスマホで連絡を終えると紗夜に向けていた。
「紗夜、良かったの?」
「そうですよ…資料も見ないで…」
「今井さんも晴海さんも大丈夫ですよ。私のイメージされたガンプラですから。
まぁ…ストライカーパックが無いのは気になりますが…」
「それ以外に…ほら、美咲が悪い顔してるし…」
「それじゃ…持ってきてもらった資料を見ますか…」
「えっと…こちらです…試作なので色は付いていませんが…」
紗夜の事を心配していた晴海とリサだったが、その空気の中で始めて晴海が持ってきた資料に皆で目を通し始めていた。
そこにあったのは
「「「「えっ…」」」」
―――伸びる4本のブレードアンテナ
「「「はっ…?」」」
―――腰のスカートパーツから伸びる細身の足
「何ですかこれは…!?」
そして、驚くべきことにその機体の胸部は―――
―――紗夜本人の胸部同様に慎ましいものだった。
「これ!!MS少女じゃねぇか!!」
「待ってください!!なんなんですかこれは!!」
溜まらず有咲が渡された資料にツッコミを入れ、紗夜が声を挙げるとリサはあっけからんとした表情で紗夜の言葉に応えていた。
「何って…紗夜のガンプラじゃん」
「待ってください!!私のガンプラって”私が作ったガンプラ”ってことじゃないんですか!?」
「紗夜先輩。晴海さんでしたっけ?マネージャーさんは”紗夜先輩のガンプラ”って言ってましたよ?だから、資料見なくていいのか?って聞いたじゃないですか…」
リサと一緒に美咲が紗夜を宥め始める。
だが、すぐに宥め始めた様子から紗夜は1つの結論に至っていた。
「この反応…!!晴海さんもですが…今井さんと奥沢さんも知ってましたね!!」
「うん!!」
「2人の思考が入ってきたので分かりました」
「ならどうして止めないんですか!!」
「アタシの場合は…紗夜の意志を尊重しようかな~って」
「面白がってるだけですよね?あたしの場合はRoseliaの問題なので深入りするのもどうかなって…」
「なっ…!!」
「紗夜さんだけではなくて、他の皆さんも商品決定されてますよ?」
「「「「「はい…?」」」」」
「えっと資料もありますよ?」
紗夜は至極当然のツッコミを入れるが、リサと美咲は何気なく答えていた。
それに呆然とする紗夜は驚きで完全に固まってしまったが、あろうことか他の皆もプラモデル化されるという爆弾発言が飛び出したことで地獄の苛烈さはさらに増していく。
「すいません。えっと八潮さんは実家との兼ね合いでこれからオファーと言う段階ですが…」
「そうですか…実家の方と検討させてください」
「パスパレはアイドルだから商業的に考えれば乗るわよね…。これ、立体化される時はウエスト絞って胸は盛ってもらいましょう」
「千聖さん。カルラは胸部ビームの関係で不可能かと…」
「麻弥ちゃんのは随分と胸が…これ殆どそのままね…」
「ジブンよりも千聖さんの方は面白いですね。花音さんの顔と髪パーツと花音さんカラーの千聖さんの髪型パーツですか…」
「ふえぇ~!?私もぉ~!?」
他の面々は自分達のプラモデルの資料に視線を落として各々が反応を見せていたのだが、その中―――有咲だけは明らかに様子がおかしく、自分の資料を見て震えていた。
「待て!!なんで私はアカツキで!!着色まで済んだサンプルモデルとパッケージデータあるんだよ!!」
「えっ!?市ヶ谷さんからはもうOKを貰ってると聞いたんですけど…!?」
「はぁああ!?」
有咲は大声で叫ぶと同時に自分の事が書かれている資料を突き出すが、他の面々と違って有咲だけはサンプルだけは他とは進捗の度合いが違い、既に発売寸前と言う状況まで進んでい
た事に声を荒げていた。
だが、晴海曰く有咲の機体は既にOKが出ていたと言う発言に当の本人は困惑していたが、誰が有咲のをOKを出したのかその犯人はすぐに語られていた。
「えっと。お祖母さんと一緒にいた人がOKを出していたらしいですが…?」
「かぁああああああああすぅうううみぃいいいい!!」
「ふふっ…市ヶ谷さん。落ちる時は一緒ですよ…」
「それにしてもなんで有咲ちゃんはアカツキなのかしら…?」
「千聖。それは原型を担当された人がRiNGのイベントを見に来ていたらしくて、”あの娘の始めてはアカツキ”と言って譲らなかったらしいよ…。
胸が盛られてるのはマリュー・ラミアスが好きだから寄せたらしいけどね~」
「あはは…あれ?美咲さん達は余裕そうですね?」
「麻弥さん。あたしの場合はこころ次第なんで…多分花音さんのがパーツである以上は出てくると思いますけど…」
「あはは…そうかも…。こころちゃんが出すって言ったら出てくるかも…」
犯人は香澄―――
溜まらず有咲は絶叫したが、その姿を見た紗夜は諦めた表情で彼女に視線を向けたが、この中でリサは余裕の表情を浮かべて病室に最初からいた最後の1人である美咲に声をかけていたが、瑠唯はそんなリサの様子が気になっていた。
「それにしては今井さんは余裕ですね」
「アタシ?アタシのは商品化無いから」
「「「「「はぁあああ!?」」」」」
「えっと…いくらプラモデルとは言えども股関節を弄って脚を開くというのは…イメージ的にもそれは事務所NGです」
「今井さん!!ずるいです!!ジャスティスもありますし、最悪は可変無しでもいいじゃないですか!!」
「アタシのイメージはセイバーとAGE-2らしいから可変無いのは論外でしょ」
こうして彼女達は面会時間が終了して、病院のスタッフが止めるまで自身がプラモデルになるという事実に阿鼻叫喚と言った声を挙げ続けるのだった。
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