ガンプラバトルの話ですからこういうこともあるでしょ?
と言うことで初投稿です。
「「あー…疲れた…」」
「有咲、美咲。お疲れ…これお茶…」
「蘭ちゃんありがと…」
「全く、折角の休日なのになんでこんな研究所くんだりまで来ないといけないの?」
「奥沢さん。思ってても口に出すなって…」
「それはそうなんだけどさ。こう何回も呼ばれるのにもうんざりしてくるよ…」
都内某所の研究所に訪れた有咲と美咲。
彼女達は疲れ切った表情を浮かべながら廊下に設置されたベンチに座り込むと、背もたれに身体を預けながら天井を見上げて声を漏らした所に蘭から差し入れられたお茶を手に取って飲みながらぼやき始めるが、そんな2人に蘭が呆れながら応えていた。
「それはあの事件絡みだからでしょ?」
「クアンタとユニコーンがあたしと市ヶ谷さん以外に動かせなくなったことでしょ?大したことないでしょ」
「美咲、それは大した事だよ…」
「奥沢さんのクアンタだけでいいだろ…。動かせないことよりも機体の変質の方を研究しろよ…」
「動かすなら市ヶ谷さんの蔵でもいいけど、機材が無いからでしょ…」
「って言っても足がかりすら掴めてないだろ…。疲れるんだよな…週一で来るの」
美咲と有咲の2人が事件の際に使っていた機体はシステムが正常にも関わらず、2人以外に動かすことが出来なくなっていた。
その原因を調査するにわざわざ研究所に足を運んでいたが、未だに足がかりすら掴めない事が続いている現状に嫌気が指してはいたのだが――――
「でも、2人とも研究の手伝いで給料もらってるんでしょ?それもかなりの額で」
「まぁ…そうだね…。なんか危険手当とかも入ってるし…」
「このままのペースで通い続けると、私もお役所に申告しなきゃいけなくなるくらいだからな…」
「貰い過ぎでしょ…」
「貰える物は貰っとくべきだろ…って、今日は蘭ちゃん達もいるんだからさ」
「…ほら、今度はこっちだよ」
彼女達は研究の手伝いで貰える報酬に釣られて未だに通い続けていた。
高校生からしたら大金とも言える金額をポンポン支払う研究所側かそれに釣られる2人に対してかは分からないが、蘭は呆れた表情を浮かべながら2人を別の場所へと案内すると、そこから見下ろせる位置にあるバトルシステムに視線を落とすと――――
「「あぁあああああああああ!!」」
「うわぁ…リサさんも紗夜先輩も荒ぶってるな…」
リサと紗夜が絶叫していた姿を見た有咲と美咲は引いていた。
本来なら紗夜達や蘭がここに来る必要はないのだが今回は呼ばれた理由がちゃんと理由があり、それは彼女達の機体にあった。
「あたし達でいいのかな?世界大会のレプリカモデルの試運転」
「良いんじゃない?意図は分からんけど」
「紗夜先輩がビルドストライク、リサさんがガンダムフェニーチェか…」
「そりゃ荒ぶるだろうね…」
「ナイフが…ナイフがない…!!腰にビームサーベルは良いカスタムですが、ストライクにはアーマーシュナイダーでしょう…!!」
「ウイングベースなのに変形が出来ないのがモヤモヤする…!!武装構成は良い感じだけど、機体バランスが偏り過ぎてトリッキー過ぎる…!!」
「2人ともこじらせてるなぁ~…」
有咲達の研究とは別に蘭達は世界大会で活躍したレプリカガンプラの試運転に選ばれて研究所を訪れており、今は紗夜とリサの2人がシステムで機体を動かしていたが、ベースの機体からかけ離れたカスタム機体であることと、2人の変態的な拘りのせいで変な方向に思考がぶっ飛んでいた。
その光景に美咲は呆れながらも横にいる蘭に視線を向けると、蘭もあの機体を動かしたことを感じ取り素直に感想を聞くことにした。
「美竹さんはどうだった?」
「あたしは今回のレプリカの大半は動かしたけどフェニーチェの方は同じ意見かな?
ビルドストライクの方はあのままでもかなり使いやすいけど、あのデカい強化ビームライフルってのが使いにくいね。ガワをコピーしたレプリカだからかな?」
「あのライフル、本物はVガンダムのライフルみたいにパーツ分割だろ?」
「市ヶ谷さん。本物はそうだけど、レプリカはモナカでしょ」
「美咲の言う通りだね。あれ単発の火力は高いけど数発撃つだけで照準が安定しなくなるから、継戦を考えると別で再現してるビームライフルかビームガン持たせる方がマシだね」
「なるほどね~」
「レプリカだから本物通りとはいかないか」
「後はX魔王も良かったよ。
動きも問題クセがなくて使いやすいし、本物と同じように肩と足に装備追加出来るから、欠点はシールドバスターライフルが差し替えでライフルかシールドを差し替えだから片方だけしか使えないとこくらいかな」
レプリカゆえの問題をあげた蘭の言葉に有咲と美咲は納得しながらも言葉を返しつつも2人はしたでモヤモヤしている2人を見下ろしていたが、そんな3人の元へと別の人間が何気なく声を掛けてきていた。
「レプリカでもメイジンのケンプファーもかなり良かったですよ」
「麻弥さん。どもです」
「市ヶ谷さん達もお疲れ様です」
「巴さんもお疲れ~。なんか浮かない顔だね?」
「あぁ…美咲。そっちこそお疲れ」
3人の元へとやってきたのは麻弥と巴のドラムペア。
麻弥は満足そうな表情を浮かべていた一方で巴は浮かない表情を浮かべていた。
「浮かない顔してる理由は気になるけど…麻弥さん、どうでした?」
「美竹さんが良い機体だと褒めてましたがその通りですね。殆ど本物そのままですし」
「武装も差し替えで武装変更できるので種類自体は豊富ですし、ハードポイントも多いので後付けで装備を増やしやすいですからね」
「欠点としては本物にあったサーベルがオミットされてるのとバインダーへ武装を再格納が出来ないことでしょうか?
後はピストルにパーツを差し替えて武装を変更する設計ですが、基部のピストルは2つだけですからバトル前にどの武装を持ち出すか考えないといけないのも難しいですね」
「大和さんの場合は同じ射撃武器を切り替えるからそうなりますよね」
麻弥は自身が先ほどまで動かしていた”ケンプファーアメイジング”の出来の良さを語っていたが、かなり好評らしく機体を語るその言葉にもかなり熱が籠っていたその一方で麻弥と一緒に戻ってきた巴の顔は苦々しいものだった。
「それで、巴さんは?」
「あぁ…戦国アストレイ動かしてたんだけど…これ、使いにくいぞ。レプリカだから本物が使ってた粒子発勁も斬撃飛ばしも使えないからな」
「随分はっきり言うね…」
「使える装備は刀と背中の鬼の顔した盾だけだし、肩の隠し腕も通常の腕よりもリーチが多少伸びるくらいの意味しかないぞ?」
「巴の言う通りだね。
背中の盾も大きくないから防御しにくいから肩の隠し腕を盾代わりにした方がよっぽど攻撃防げるから、バトルであれ使うくらいなら素直にベースになったレッドフレームを使ってた方がいいよ」
「巴さんも蘭ちゃんもボロッくそに言うじゃん…」
「でも、その通りなんすよね…。本物の完成度とファイターの腕が凄くて、レプリカにするとイマイチなタイプなんですよ」
「「そこまで言うか…」」
巴と蘭が戦国アストレイに対してかなりキツイ感想を口にするが、レプリカだから仕方ないと麻弥ですら2人の意見に賛同した姿に、そこまでなのかと有咲と美咲の2人は言葉を漏らしてしまった。
――――――だが、それ以上の問題児がいることを2人はまだ知らなかった。
「有咲、美咲。悪いけど最後の1機頼むよ」
「なんでだ?」
「装備にビットがあるからだよ」
「リサさんもビットは少しを使えるけど…。複数のビットを同時に使えるかって言われるとな…?」
「巴さん、リサさんには荷が勝ちすぎてるよ」
美咲と有咲の2人は殆どと手付かずだった最後の1機の試運転を頼まれた。
だが、試運転だけならここに居るメンツだけで問題はない筈なのだが、その機体に搭載されていたビットが問題だったのだ。
美咲と有咲を除いてビットを使えるのはリサと麻弥の2人だけ。
しかし、リサは一応使える程度の物であってビットをメインに動かして戦うことなど出来ない。
そうなると麻弥1人で動かすことになるが、それでは試運転の感想が偏ってしまうため巴達は2人にその機体の試運転を丸投げしていたのだった。
「それで私達ってことか…いいけど…」
「別に構わないけど…世界大会のビット機体って…あれか…?」
「うん…有咲が戦ってたキュベレイだよ。有咲は止めとく?」
「蘭ちゃん、構わないよ。機体に罪は無いからな」
試運転を丸投げされた2人はその依頼を引き受けた。
だが、その残る最後の1機はあの事件の時に有咲が戦っていたキュベレイのカスタム機である”キュベレイパピヨン”だった。
流石に機体を聞いて有咲には拒否されると思った蘭だったが、有咲は特に何も気にしておらず、美咲と2人で言われた通りにキュベレイパピヨンの試運転を行ったが――――
「操作感は…ベースのキュベレイと殆ど一緒…かな?」
「奥沢さん。肩のバインダーだけどベース機はスラスターで本物はクリアファンネルの格納場所だったけど、このレプリカはクリアファンネル格納場所がモールド再現だけでスラスター撤去されてるだけになってるぞ…」
美咲が動かしてみて操作感の感想を口にしたが、その言葉に対して有咲は妙に刺々しい言葉で機体を酷評をし始めていた。
「単純にスラスター減っただけ…ってこと?操作性が良くなった…ってことじゃない?」
「単純に機動力が落ちただけだよ。
最も本物の基本戦術は動かないでビットをメインで戦闘だったからスラスター削るのは問題なかったけど、レプリカにはクリアファンネルが無い上にバインダー表面も形状もベース機体と比較しても見た目以外で影響ないから、これただの劣化だろ」
「…後は追加されてる手持ちの槍がビットにもライフルにもなるってのは面白いけど?」
「これ手持ちで使う意味あるか?自衛するって意味なら元々の腕についてるサーベル兼用ビームガンと役割被ってるよ。
ランスの方がサーベルよりも近接のリーチが伸びるのとビーム射撃の威力が向上する位だけど、そもそもとしてこれを手持ちで使う時点で基本戦術が破綻してるだろ。
だったら、そうなる前に距離取れるように機動力上げた方がマシだな」
「…ランスはビットとして使ってレジェンドのビームスパイクみたいな使い方をメインにした方が基本戦術と噛み合いそうだね」
「バカデカいランスのビットって他のビットの移動速度と足並み揃えられないだろうからその使い方も難しいだろ。
考えれば考えるほどクリアファンネル頼りの機体だなこいつ…」
「市ヶ谷さん。さっきの巴さん達以上にボロクソに言うじゃん…」
「完全にコピーされたこの機体とガウェインのデビルガンダムの1vs2で追い詰められたんだ。レプリカだけど同じ機体だからどうしても その時の機体と比較しちまって厳しい言い方になっちまうんだよな…」
「確かに…そうかもね…」
有咲が酷評した言葉に対して美咲が何とか機体の良いところを上げようとしたが、有咲はその言葉に対して欠点をメインに意見を飛ばしていく。
溜まらず美咲は有咲の物言いを指摘するが、有咲の方もあの事件の時に戦ったキュベレイ達に追い詰められた時の記憶と重ねてしまい、劣化を感じずにはいられずに厳しい物言いになっていることを自戒するが、それを見た美咲にはそれ以上の指摘をすることは出来ずに微妙な空気になってしまった。
だが、美咲はその空気の壊すことを決めた。
「よし。折角だし、この機体でみんなとバトルでもしますか…!!」
「奥沢さん1人vs他全員な?」
「こっちは自分の機体じゃないのに無茶言うよ…」
美咲は有咲にバトルを提案するとトンデモな提案を返されたことに苦笑いを浮かべてしまうが、バトルと聞いてジャンキーがすぐに動いていた。
「ならば最初は奥沢さんと市ヶ谷さんvs他全員にしましょう…!!」
「紗夜、良いじゃん。それでやろっか!!」
「面白そうですね…アタシはいいですよ…!!」
「ふへへ…ジブンもいいですよ!!こういうデータも必要ですからね!!折角ですから機体を入れ替えながら色々試してみましょう!!」
「機体が1機足りないからあたしは最初は見てますから、次は誰か変わってください」
こうして7人は機体やチームを入れ替えながら文字どおり日が暮れるまでバトルに勤しむのだった。
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