遅くなって申し訳ありませんでした。
なんとかかけたので初投稿です
紗夜の相手を引き受けるため、蘭達と別れた有咲は空を駆けていたが、その背後から猛スピードで紗夜が有咲に迫っていた。
「はぁああああ!!」
「ちっ!!」
「くっ…」
「反応早すぎんだろ…」
紗夜は有咲の背後からムラマサを振り下ろすが、有咲は咄嗟に機体を反転させてライフルにマウントされたサーベルでムラマサの軌道を逸らす。
それに合わせて有咲が頭部バルカンを放つが、紗夜はバルカンを撃つための動作に入ったのに反応してバルカンの射線上から一気に離脱して距離を取るが、その反応速度に有咲は思わず悪態をついていた。
だが、そんな有咲の悪態など気にすることが出来ないほどに紗夜には目の前にいる有咲の状態に困惑していた。
「おかしい…。機体本体は未だに問題ない状態でここまで攻めてるのにダメージが入らないなんて…!!」
彼女達が2人だけになってからこれまでの間に2人の両手では数えきれないほどに紗夜は有咲に接近してムラマサとザンバーを振るっている。
いかに有咲が待ってく責めてこない受けの立ち回りをしているとはいえど、有咲はオオワシに換装してから一切ダメージを与えられてない。
紗夜も装備の一部を失ったとは言えど、機体を動かすうえで大きな損傷はない上に――――
「”種”は割れている状態のはずなのに……!!」
紗夜は”種が割れた”と表現しているが、日菜とバトルした時の感覚について紗夜から話を聞いた有咲と美咲が、紗夜がガンプラバトル中にアスリートが言う”ゾーンに入った”状態を使用した機体の作品用語になぞらえて表現して紗夜もそれに倣ってそう言っていた。
今の紗夜は自分の意志で"種割れ”の状態にはなれないが、”種割れ”の状態に入っていることを完全に認識は出来ていた。
感覚が研ぎ澄まされて反応速度も上がっているのに紗夜の目の前にいる有咲には未だにダメージを与えられていない紗夜は何故かを考えていたが、その理由はすぐに思い付いていた。
「このイベントは長期戦だと思っているからかしら…」
今まで散々好き勝手暴れていた紗夜の頭の片隅にもイベントの事は残っており、彼女の頭の中ではここの戦いが終わっても次のバトルが控えていることを理解していた。
そのせいで種割れしている状態の全力を出せずにどこかで力をキープしていると考えていた。
とは言っても今の紗夜は種割れしていない状態の全力は余裕で越えているのだが、そんな彼女が周りの事を一切考慮しないで本当の意味での自身の全力を出すことを決めてしまった。
「だったら、後先考えるのを止めて…全力で仕留めます!!」
「来る…!!っ!!速えぇ!?」
紗夜が両手のムラマサとザンバーを構えて有咲へと向かっていく。
だが、後先の考えを止めた紗夜はこれまでの中で一番の速さを出してきた事に有咲は驚きつつもなんとか紗夜の攻撃を受け流すが、紗夜の攻撃は止まることは無かった。
「はぁああああああ!!」
「くっ!!追い付くだけで手一杯かよ!!」
紗夜はそのまま連続で有咲へと武器を振るい、有咲はサーベルとシールドでなんとか攻撃を流していくが、今の有咲に紗夜へと反撃する余裕は一切ない。
しかし、余裕がない有咲とは対照的に紗夜のスピードはどんどん増していき―――
「まだ上がんのかよ!!くそっ!!追い付かねぇ!!」
「これで!!」
「うわっ!?」
反応が間に合わなくなった有咲はムラマサの振り下ろしをシールドで受けたが無茶な体勢で受けてしまったことでシールドが弾き飛ばされてしまいそのままバランスを崩すと、そのままザンバーで有咲のライフルを両断した。
有咲はそのまま両断されたライフルを手放すものの、爆発を受けて機体はそのまま地面に向かって落ちていく。
しかし、有咲は地面に落ちる前に機体を立て直すと彼女の頭上からはゆっくりと紗夜が降下してきていたが、彼女の手元に残っているのは左腰にマウントされたサーベルとオオワシのビーム砲のみ。
「まともなのはサーベルのみ…。不味いな、これは…」
サーベルはともかく、オオワシのビームを撃てるほどの隙を作りだすことは今の状態の有咲には難しいと悟りながらサーベルを抜刀すると、紗夜は少し離れた位置から有咲サンバーを突き付けながら思いがけない言葉を口にしていた。
「市ヶ谷さん。これが全力ですか?」
「………これが、今の私に出せる全力ですよ」
「嘘ですね。以前の市ヶ谷さんなら、攻めてきて私を落とせたはずです」
「……紗夜先輩が強くなってるんですって…」
紗夜が口にした言葉を聞いた有咲は若干の貯めを作ってしまったがなんとかその言葉に応えて見せたが、紗夜は納得してはいなかった。
「仮にそうだったとして、先ほどまでの攻撃を全て無傷でやり過ごし続けられるとは思えません」
「さっき私のライフルぶっ壊したでしょう…」
「以前に美竹さんと2人で戦った時だって…!!」
「あれは蘭ちゃんがいたからですって…」
以前の記憶に引き摺られている紗夜は問い詰めるが、有咲はそれでも彼女の言葉をのらりくらりと躱していく。
しかし、そんな煮え切らない態度を取り続けていた有咲を見て紗夜は動き出した。
「でしたら…!!」
「間に合わねぇ…って抜けた?まさか…」
「はぁ!!」
「やっぱりフェイントかよ!!」
「ビーム…!!」
話しかけていた紗夜がいきなりのザンバーで切りかかって来たと思ったら彼女はそのまま有咲の脇をすり抜けた。
そう思っていた有咲だったが、紗夜は即座に振り返ってザンバーを振るうが、有咲はそれを抜刀したサーベルで受け止めると、そのまま背部のビーム砲の砲門を正面に向けようとしたところで紗夜は再び有咲から距離を取っていた。
「今のフェイントに反応できていて全力ではないと?」
「最初に横を抜けたのに反応できてなかったでしょ?」
「ですが、2撃目には反応していましたが?」
「たまたまですって…」
「…私とまともにやる気がないみたいですね…」
「今の状態での100%だって言ってるじゃないですか」
脇を抜けるフェイントを挟んだ紗夜の攻撃を受け止めた有咲だったが、攻撃を防げてはいたが彼女が言うように紗夜が脇を抜けた時に彼女は反応が出来ていなかったが、それでも攻撃を止めて見せた有咲を見た紗夜は口では全力だと言っている彼女がまだ全力ではないことを確信すると思わぬ言葉を口にしていた。
「やる気がないなら…私は羽沢さん達と戦っている美竹さんを全力で撃墜します」
「なっ…!?」
有咲と蘭の2人と一緒に練習していた紗夜は2人がこのイベントに参加している目的を知っていた。
本当にそうするつもりなど紗夜には全くないが有咲と全力で戦うためにあえて嘘をつくと、その言葉の真偽は分からない有咲は紗夜に怒りを覚え始めたが、なんとかそれを押し殺していた。
しかし、有咲は今の状態での100%は既に出しているが、それでも有咲にはまだ打つ手は残っていた。
「だから、これが今の100%だって言ってるじゃないですか…」
「そうですか…ならば、美竹さんを落としに…」
「そこまで言うならやってやる…!!本当の意味の全力ってのを…!!」
「っ!!そうですか!!だったら準備が終わるまで待ちます!!」
「…」
本当の意味での全力を出すと言った有咲の言葉を聞いた紗夜は全力でバトルできる嬉しさが顔に出てしまい、獰猛な笑みを浮かべてしまい声色にもそれが現れており完全にキャラが変わっており準備を待つとまで言ってしまっていた。
有咲からしたら準備らしい準備は一切なく待たなくてもいいのだが、紗夜の変化に若干の戸惑いを覚えながらも言葉に甘えることにして、有咲は自身の気持ちを落ち着かせてから自身の意識を内側へと向け――――
有咲は自身の意識の内側に存在している”種”の存在をハッキリと認識し、そして――――
彼女はそれを”自らの意志”で弾けさせた。
「っ!?これは…!!今の私と同じ!?」
「お待たせしました…って言っても1秒もかかってないですけど…」
有咲が自身の内側に意識を向けてから1秒も経たないほどの僅かな時間で、種が割れている紗夜はハッキリを理解していた。
自身が危機的状況にならなければ越えられないその一線を有咲は自身の意志1つで越えたということを――――
「紗夜先輩。こっからが紗夜先輩が言ってた全力ですよ」
「…!!えぇ!!私はこれを待っていました…!!ここからが本当の勝負です!!」
「これ使うと大変なことになるからやりたくなかったけど、やっちまったもんは仕方ないか…」
完全に先ほどまでと別人のような空気を纏う有咲。
空気が変わったのを肌で感じた紗夜は調子が上がったような錯覚を覚えながら嬉々としてザンバーとムラマサを構えると、有咲もビームサーベルを分割して二刀流のスタイルで構えを取り直す。
「市ヶ谷さん…行きます!!」
「何時でもどうぞ!!」
その言葉と共に紗夜は有咲へと突撃し、ここから2人の本当の意味でのバトルが幕を開けた。
そして、その状態になっていたことは実況席に座っていた面々もハッキリと認識していた。
「えぇ~市ヶ谷さんも紗夜さんみたいになるんすか!?」
「あの~…有咲ちゃんどうなったの?なんか雰囲気違うような…」
「それはあたしが…」
有咲の変化に気が付いた麻弥は思わず席から立ち上がって驚きの声を挙げるが、一緒にいるまりなは有咲の空気が変わったが何がどうなっているのかが全く分からずに3人に尋ねると美咲が代表してその疑問に答えだしていた。
「まりなさんは”ゾーンに入る”って言えば分かりますか?」
「えっと…それってスポーツ選手とかがなるあれ?集中力が高まって感覚が鋭くなるとか言う…」
「そうですね…そんな感じです。あたしと市ヶ谷さんは紗夜先輩の話を聞いた時に、紗夜先輩が最初に使った機体にちなんで”種割れ”って読んでますけど」
「そう言えば紗夜言ってたなぁ~…なんかああなる前は頭の中で種みたいなのが弾ける感覚があるって」
「まんまSEEDじゃないっすか!?」
美咲の説明にリサが紗夜から聞いた話を2人に語ると聞いた麻弥思わずツッコミを入れてしまったが、まりなは今の説明の頭の部分だけで何となくの状況を理解することは出来た。
「すっごい集中してるってのは分かったけど、なんか微妙に違うと思うんだけど…」
「そう言えば紗夜はピンチになんないとならないって言ってたけど。有咲は紗夜が目の前にいただけだよね?」
「待ってください…まさか!?それって…!!」
「大和さん。ピンチにならないと発動しない紗夜先輩に対して、市ヶ谷さんは自分の意志で発動出来ますよ」
「えぇぇえええ!?」
自身の意志で発動出来ない紗夜に対して有咲は自身の意志だけで発動できるという事に麻弥は再び驚きの声を挙げたが、リサは今の2人を何事もなく説明できている美咲のことが気になっていた。
「美咲、詳しいね」
「リサさん‥‥まぁ、あの状態の2人とバトルしたことありますからね」
「へぇ~。どうだった?」
「紗夜先輩の方はクロスボーンを中破させた時に入って、ベアッガイを中破まで追い込まれましたね」
「うっそ!?マジで!?あの理不尽の権化みたいなのを!?アタシは片腕だけが限界なのに!?」
「それ、市ヶ谷さんにも言われました…」
「奥沢さん。ジブンも動画だけは見ましたがアレはそう言われても仕方ないかと…」
紗夜が美咲のベアッガイを中破させたという話を聞いて、リサも以前の有咲同様に美咲にとんでもないことを言うが美咲はそれに苦笑いを浮かべて答えていた。
だが、美咲の話にはそれ以上に恐ろしいことが待っていた。
「それで、有咲ちゃんの方はどうなの?」
「まりなさん。市ヶ谷さんはバトル開始と同時に使ってきましたけど、紗夜先輩よりもスゴイですよ?」
「美咲、スゴイって紗夜よりも早い時間で中破させられたとか?」
紗夜よりも凄いと聞いたリサだったが、美咲が大破させられることなど微塵も考えらず早い時間で紗夜と同じ状況まで持って行ったのだと予想したが、その予想は大外れだった。
「リサさん、違いますよ。市ヶ谷さんは――――――
あたし相手に一方的に勝ちましたからね」
「「「えっ…?」」」
美咲は自身が有咲に負けたというとんでもない爆弾を投下した。
その爆弾によって実況席にいた面々だけでなくイベントを見物人も配信コメントもその言葉が信じられずに参加者以外の空気が完全に凍り付くのだった。
「市ヶ谷さん!!あなたの全力、見せてもらいます!!」
「紗夜先輩?キャラ変わってません?」
「ずっとこの時を待っていました!!恥ずかしいですが、興奮を隠せません」
「おい、言い方考えろ…」
「はい?」
「…調子狂うな…まぁいっか…んじゃ、次回”ゼロ”」
「ゼロ!!ゼロ!!ゼロ!!ゼロ!!ゼロ!!」
「さーや?どうしたの?」
「はっ!!なんか言わなきゃって思って…」
「面白そう!!立希ちゃんも!!」
「何言ってんだこの先輩」
誤字報告・評価感想をお願いします。
判明チーム
チーム羽沢珈琲店2Pt
つぐみ(バルバトスルプスレクス)・イヴ(ゴッドガンダム)・つくし(ジム・ストライカー)
チームドラマー2Pt
ますき(エクシアリペアⅡ)・巴(辟邪)・花音(スローネドライ)
チーム2年A組1Pt
あこ(デスヘル)・ロック(マドロック) ・明日香(デスティニー)
チームパレ町1Pt
パレオ(SDゼロカスタム)・七深(ハシュマル)・燐子(エアリアル)
チーム月ノ森1Pt
透子(NT-C装備)・ましろ(ターンエー)・そよ(デストロイ・小破)
チーム瀬田薫とお姫様達1Pt
薫(ギャン)・りみ(サイコガンダム)・ひまり(ヒルドルブ)
チームmedley(寄せ集め)1Pt
有咲(アカツキ)・蘭(ティターニア)・瑠唯(AGE3-ノーマル)
運営サイド
紗夜(クロスボーンガンダムX1フルクロス)・千聖(ケルベロス・バクゥ・ハウンド)
美咲・リサ・麻弥:解説