遅れてしまって申し訳ない
あれ?
一線超えた有咲さん…?アナタ、一体なにしてんの…?
「はぁあああ!!」
「…」
紗夜はムラマサを振りかぶりながら有咲に向かって一直線に向かって勢いを乗せてムラマサを振り下ろす。
しかし、有咲はサーベルで難なくいなすとすぐさま紗夜はザンバーとの二刀流で攻め立てていくがその全てを有咲はサーベルで受け流していた。
「さっきよりも…早い…!! 」
「…」
「ですが、私よりは遅い…!!」
反応速度が目に見えて上がっている有咲に対して、思わず紗夜から愚痴めいた言葉が漏れるがそれでも紗夜は苛烈な攻めの姿勢を崩さないが有咲はそれを冷静に対応して見せていた。
「ここだな…」
「姿勢が崩れた…!!これで!!」
激しい近接戦での競り合いの中で、紗夜が振るったムラマサが有咲を大きく吹き飛ばすとそのまま地面へ向かって落下していくと紗夜は即座にシザーアンカーを放って追撃する。
このままならアンカーは右足首を捉えて更に追撃が出来ると思っていた紗夜だったが、彼女が放ったアンカーが有咲を捉える事は無かった。
「そう来ると思ってましたよ…」
「なっ!?」
有咲は膝から下だけの動きでシザーアンカーの根元の部分であるフロントスカート部分を蹴り上げることで対応して見せた動きに驚いていた紗夜だったが、有咲の行動は再び紗夜の予想を超えてきた。
「いくぞ…」
「っ!?地面に向かって突っ込んでいく…!?いや、これは…!!」
重力に引かれて地面に落ちていく有咲だったが、彼女は体勢を立て直すことなくそのままスラスターを全開にしていた。
この状況を見ている大半のギャラリーからは有咲がミスして落下速度を上げて地面へと突っ込んでいくようにしか見えていなかったが、紗夜は有咲の行動の意味を直感的に理解していた。
「市ヶ谷さんが渓谷に…少しでも加速をつけるためにわざと弾かれて…」
有咲は地面に激突すると思ったらそのまま機体を操って渓谷の谷間に突っ込んでいく。
彼女は紗夜の攻撃によってわざと吹き飛ばされてから少しでも加速しようと博打じみた策を選んでいた。
だが、渓谷に入るのは有咲の狙いで自身が誘われていると言うことは分かってはいたが―――
「明らかに罠ですが…虎穴に入らずんば虎子を得ずとも言いますからね…飛び込ませてもらいます!!」
紗夜の中には追いかけないという選択肢はなく、罠であることを承知で紗夜も渓谷へと飛び込んでいくと、彼女は有咲の機体をすぐに捕捉していたが、あろうことか有咲はサーベルの片方を腰部に戻した状態で渓谷の間で滞空して紗夜を待っていた。
「罠ではない…?ならどういう…でも、なんでサーベルを戻して?」
「呆ける時間はないですよ」
「バルカン!?」
罠があると思った紗夜に待っていたのは堂々と待ち構える有咲。
何か策があるのではないかと紗夜は考えたタイミングで有咲は紗夜に対して頭部のバルカン砲を放つが、そんなものは紗夜に放った所で全くダメージなど入ることはなく紗夜はそのままフルクロスで受けてバルカンを弾くと、有咲は数発でバルカンを止めると即座に紗夜へと背中を向けていた。
「ここからはレースとでもいきますか…」
「!!逃がしません!!」
有咲は紗夜から逃げ出すと紗夜は即座にそれを追いかけるが、紗夜にとってはこの状態はチャンスだった。
有咲の機体はビームを反射するアカツキだが、いくらビームを反射するとは言えども反射できるのは装甲がある箇所のみ。
彼女の背後をつけていると言う状況では反射する装甲がないスラスターと言う弱点を狙うには最高のポジションにつけていた紗夜は即座にムラマサを持ち替えてブラスターガンとして構えていた。
「狙いは背部のスラスター…これで落とします…!!」
「狙いが正確過ぎますよ」
紗夜は有咲のスラスターへとブラスターからのビームを放つ。
しかし、その射撃は正確過ぎるがゆえに有咲は機体を捻ってビームを腕の装甲で受け止めた。
と言うことはこの後に待っているのは――――
「反射が来る…!!」
「そこだな…」
「普通は撃った相手に返すはずなのにどうして…ですが、隙だらけです!!」
「そうきたか…だったらこうだな…」
有咲から来るビームの反射に備えた紗夜だったが、ビームは何故か紗夜の遥か頭上という明後日の方向へと飛んでいく。
この僅かな有咲の隙に一気に距離を詰めようとした紗夜だったが、有咲も紗夜の方へ接近していくが互いに速度を落とさない
「はぁあああ!!」
「それは…見えてます!!」
「やりますね…」
「どーも…じゃ…次はこうかな?」
「っ!!逃がしません!!」
そして2人は互いに速度を落とさずに武器を振るうと、武器同士がぶつかり合ってそのまますれ違っていく。
自身の中でもトップスピードに近い状態でも反応してきた有咲に紗夜は驚いていたが、その言葉を聞き流して有咲は再び紗夜に背を向けて飛び出すが、今度はすかさず紗夜が反応して追いかけ始める
「今度は外しま―――っ!」
「反応はえーな…おい…。ビーム砲を少しだけ動かしただけだぞ…?これは予想以上だな…」
有咲を追いかける紗夜は先ほど同様にブラスターでの射撃の構えを取ったが、有咲のオオワシのビーム砲を構えようと動かし始めたのを見た紗夜は放たれるであろうビームを回避するために即座に有咲から距離を取る。
それを見た有咲は紗夜の早すぎる反応速度に驚きの言葉を零しながらビーム砲を元の位置に戻す。
そして、何事も無かったかのように飛ぶと即座に紗夜がその背後につけてブラスターを構えて撃つと、有咲は先ほどの様に装甲面でビームを受けることをせずに機体を前に倒すと放たれたビームは有咲の背中を通り過ぎていく。
だが、これで―――
「市ヶ谷さんの体勢が崩れた…」
「今の場所は射線上だ」
「背面撃ち!?Iフィールド!!」
「流石だな…いや、あの反応速度なら余裕か…」
体勢が崩れたと思った紗夜だったが、その状態で有咲はビーム砲の直線状に入ったタイミングで彼女はビーム砲を動かすことなく、そのままの状態で紗夜へ向けて放つ。
まさかの射撃に紗夜は驚いた物の即座にそのビームをIフィールドで受けることでダメージを防いでいた。
だが、先ほどの反応速度を見た有咲には紗夜のそれは完全に予想の範囲内。
有咲はすぐに機体を立て直し、紗夜は有咲よりも高度を取りながら彼女を追いかけ始めたタイミングで有咲は奇妙な行動を取っていた。
「市ヶ谷さん…どこにバルカンを撃って…しかも、10発だけ?誤射…?」
「ここ…!!」
「焦りですか?見え透いた射撃ですね…。このまま抜かして後ろを取ってから仕留めます」
何を思ったのか有咲は頭部を上げてバルカンを放つが、撃ち続ける訳でもなく10発のみの射撃に紗夜は誤射を疑ったタイミングで有咲は急減速させて機体と止めると、ビーム砲を構えつつ機体を反転させた。
それを見た紗夜はその行動が誤射からの焦りによるものと判断し、このままの速度で有咲を頭上を追い越して背後から仕留めようと決めると紗夜はそのまま突っ込んでいき有咲の後ろに回り込んだ。
「市ヶ谷さん…!!なっ…完全に止まってる!?」
「今だな…」
そして、そのまま有咲を仕留めようと紗夜は機体を反転させたが、そこには攻撃してくることは分かっているにも関わらず有咲は空中で完全に静止していた。
それに驚いた紗夜だったが、このタイミングで異変は起こった。
「画面が揺れ…。ダメージが…変わってない!?」
突如として紗夜の画面が揺れ始めた。
紗夜は機体のダメージによるものと思って情報を確認したが、機体は先ほど確認した時から全くダメージの状態は変わっていない。
その事に疑問を感じた紗夜だったが、彼女はすぐに異変に気が付いた。
「崖が!?さっきは何も…!?」
突如として画面が揺れたと感じていた紗夜だったがそれは彼女の錯覚で、実際に揺れていたのは彼女達の頭上にある崖が徐々に崩落し始めていた。
しかも、この場所は先ほど通った場所でその時は崩れるような様子は全くなかった。
だが、紗夜にはそうなっている理由が分からな―――いや、こうなった可能性が2つだけあった。
「まさか…!?先ほどのビームの反射とバルカンはこれを狙って!?」
「流石、紗夜先輩ですね」
その言葉を聞いた紗夜はこのタイミングで今までの有咲の理解できなかった行動の全てがつながった。
誤射と思っていたバルカンはこの崩落を引き起こすための意図的な物で、明後日の方向に跳ね返したと思っていたビームはそのための布石。
そして、最後の急減速しながらビーム砲を構えたのは紗夜を崩落する場所へと動かすための陽動。
今までの全てが完全に仕組まれたことだと言うことに驚いた紗夜だったが、同時に彼女はこうも思っていた。
有咲の詰めが甘いと―――
「見事です!!ですが、市ヶ谷さんがそこで静止しているということは、その直上から先は安全地帯です!!」
「それはどうですかね?」
「なっ!?崖を!?」
「紗夜先輩の反応速度でも無事で抜け出せないですよ。今、機体が私を追い越しましたね…」
有咲が完全に静止していると言うことは彼女より向こうの崖は崩れない。
そう判断した紗夜は即座に機体を飛ばして崩落し始めた崖の下から抜け出そうとしたが、有咲は構えたビーム砲で崩れていなかった崖を撃ったのと同じタイミングで紗夜は彼女の頭上を抜ける。
紗夜の反応速度を持っても崖崩しという奇策を無事に抜け出せないタイミングだと言った。
そして、反応速度に劣る有咲がそう言ったということは彼女が狙っていたのは――――
「まさか相打ち狙い!?いや、後ろに下がった!?」
「紗夜先輩…その疑問含めていくつか教えますよ…」
彼女の狙いは崩落する崖に2人で押し潰されるという形の相打ち―――
そう判断した紗夜の前で有咲は機体2機分ほど後ろに下がると言う奇行に紗夜は疑問を持ったが、そんな彼女の内心を見透かしているのか有咲は紗夜に語り始めた。
「紗夜先輩。今から崖が崩落しますけど、今紗夜先輩がいる方が若干、先に崩落します」
「っ!!」
有咲が語ったのと同じタイミングで崩落の勢いが増していく。
完全に逃げられないと悟った紗夜はダメージを抑えようとピーコック・スマッシャーとブラスターで落下してくる岸壁の破片を狙い撃ち始めた。
そんな中で有咲は更に機体1機分後ろに下がると、彼女の口からは信じられない言葉が飛び出した。
「それと最初に私が止まったあの場所はそっちの崩落に巻き込まれるポイントで、本当の安地になるのは今私がいるを中心に大体、機体2機分です」
「何を…!?」
有咲が自身がいる場所が安全地帯だと言ってのけた。
信じられない紗夜は岸壁の破片を撃ち落としているのを横目に有咲の方へと視線を向けると、信じられないことに有咲の告げたその場所には崩落してくる岸壁の破片が飛んでくるも機体のダメージにならないようなごく小さな物しか飛んできていなかった。
これだけでも理解できないが有咲はそれ以上に意味が分からないことを口走りはじめた。
「後はここにライフルにマウントしてたサーベルが飛んでくるのでここで回収します」
「はっ…?」
何を言っているのかが全く紗夜には理解できなかかった。
先ほど破壊されたライフルにマウントしていたサーベルを回収する?
仮に回収するとしても破壊した破片の中から拾うならまだしも、サーベルが飛んでくると言う普通に考えたら頭の中がイカレてるとしか思えない言葉を口にしたが、紗夜の目には再び信じられない光景が移りこんでいた。
「ほら来ましたよ」
「はっ…?」
有咲の言う通りに先ほど破壊したはずのサーベルが有咲のいる場所まで飛んできていた。
完全に理解が出来ない紗夜の前で有咲は腕を伸ばしてそれを掴み取ると柄の両端からビーム刃を発生させるとその刃は彼女が言った安地の外まで伸びるとそこに飛んできた破片を両断していた。
ますます何がどうなっているか分からない紗夜だったが、そんな紗夜へと有咲は淡々とした口調で話していた。
「紗夜先輩はこの崩落では撃墜になりませんけど―――
ひとまずは潰れろ」
有咲は予言めいたその言葉を聞いた紗夜は対応しきれなかった岸壁の破片に飲み込まれてしまうのだった。
「沙綾、珈琲頂戴」
「えっ!?おたえ!?」
「さーや、おにくたべたい」
「花ちゃん、話が噛み合ってないよ…えっと、ますき達が気になって来てみたんだけど…RASの残りはパレオだけみたいだね?ポピパは2人とも残ってるけど…」
「あっ!!おたえ!!レイヤさんもこんにちは!!いつ来たんですか!?」
「香澄ちゃん、こんにちは。私達は今来たんだけど、氷川さんにあんなこと言う有咲ちゃんカッコいいね」
「むっふー」
「おたえ…?胸張って威張るところじゃないよ…?とりあえず座って?レイヤも珈琲でいい?」
「うん。ってアレ?あっちにいるリサさん達、驚いてるね」
「レイ。でも盛り上がってるからいいんじゃない?それじゃ次回"What's?"」
「おたえ~!!それ私のセリフ~!!」
「あはは…そう言えば、おたえとレイヤはどうしたの?」
「花ちゃんが行くって言うから…」
「出番貰いに来た」
「「えっ…?」」
誤字報告・評価感想をお願いします。
判明チーム
チーム羽沢珈琲店2Pt
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チーム月ノ森1Pt
透子(NT-C装備)・ましろ(ターンエー)・そよ(デストロイ・小破)
チーム瀬田薫とお姫様達1Pt
薫(ギャン)・りみ(サイコガンダム)・ひまり(ヒルドルブ)
チームmedley(寄せ集め)1Pt
有咲(アカツキ)・蘭(ティターニア)・瑠唯(AGE3-ノーマル)
運営サイド
紗夜(クロスボーンガンダムX1フルクロス)・千聖(ケルベロス・バクゥ・ハウンド)
美咲・リサ・麻弥:解説