恋愛でも道悪巧者のサトノクラウン   作:メトロん

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アプリのウマ娘は史実やアニメとも異なりたった3年に成長やメインの物語が凝縮されています。それに対する私なりの考察をしております。
今回もよろしくお願いします。


巻き返しのプラン

宝塚記念後、トレセン学園に戻ってきた私達は改めて今後の出走計画やトレーニングプランを話し合うことにした。

トレーナーが全て考えてくれていたというのは本当に嬉しいけど、私が彼の負担になりたくないのも事実。

お互いの納得のためにもトレーナーに詳細なプランを聞いていた。

 

「トレーナーは私がピークを過ぎても勝てると断言してくれているけど、それはどうしてかしら?」

「その信頼はとっても嬉しいし応えたいわ。でも、昨日も言った通り私1人に付き合わせ続ける訳にはいかないもの。貴方がどうしてそう感じたのか、貴方の考える勝利へのプランを教えて?」

 

「ああ。ずっとクラウンにこの話をしたかったんだ。」

 

彼は待ってましたと言わんばかりにノートを取り出した。そのノートは以前私がトレーナー室で見た、付箋の着いたあのノートだった。

 

「それはクラウンの成長が他のウマ娘より早かったからだ。」

 

「それは一体どういうことなのかしら?」

「3年間一緒にいて感じたんだが、同期の子達と比べてもクラウンの成長速度は凄まじかったんだ。特にクラシック後半からシニアにかけて。」

「…まるで他の子よりも1年早く進んでいるかのように。」

「どのタイミングでピークを過ぎるかは個人によって違う。早ければ5年で迎える子もいれば、7年近く走り続ける子もいる。ピークを過ぎてから衰えていく早さも様々だ。」

 

「理解したわ。つまり私は他の子より1年分早く成長した。その分衰え出すのも早かった…と。」

 

「そう俺は思った。…仮説だけどね。」

 

「嗯…それだと私は後は衰えていくだけじゃないかしら?」

尚も不安気な私の気持ちを察するかのように、彼は自信と確信に満ちた語り口で話を続ける。

 

「いいや。春先から見ていて確信した。まだまだクラウンは成長できる。」

「さっきピークを過ぎたって言ったけど訂正しよう。正確には衰え始めてはいるけど、成長も続いている。」

「今のクラウンは1歩進んでは2歩下がっている状態だ。なら、3歩成長していけばいい。」

 

「そんなことが可能なのかしら?」

 

「君と俺ならできる。その為の方法を春先からずっと調べてきたんだ。」

トレーナーのその話を聞いて思い出す。春先から彼が仕事以外にもベテラントレーナーやウマ娘と話をしていたことを。

「貴方が学園内でもベテランのウマ娘と話をしていたり1人で忙しそうにしてたのはそういうことだったのね。」

 

「気付いてたのか?」

「話していたりなにか調べているのはね。まさか私のピークアウトに関してとは考えもしなかったけれど。」

「ピークを過ぎても活躍しているウマ娘と担当トレーナーから教わったんだ。自覚した時どう感じて、どう乗り越えたか。トレーナーはどんなトレーニングとメンタルケアをしていったかを。」

 

「これからは特に体力と加速力のトレーニングが重要になってくる。序盤中盤は長距離を走るようなペースでゆったりと走り、終盤にマイルのように急加速して差し切る走り方だ。」

「そしてそれを成すには周囲に飲まれない冷静な心と末脚が必要になる。それはクラウンが今まで1番の武器として磨いてきた物だ。」

 

胸の中が熱い気持ちで包まれる。私を力強く見つめるトレーナーの視線から信頼と思いが伝わってきた。

「本当に貴方は…私のことを信じてくれてるのね。」

「信じてるさ。今までもこれからもずっとな。」

 

もう!またそんな人をときめかせるようなこと言って…

「ズルいわよ…ホント」

彼に聞こえないよう小声で呟いた。

「ん?なにか言ったかクラウン?」

「なんでもないわよ!もう!」

 

 

「その上で今年の出走計画なんだが、凱旋門賞は外してジャパンカップと香港ヴァーズを目指す方針で行くのはどうかな?」

「体力と加速力を更に鍛えていく上で新しい走法をマスターしていくとなると、凱旋門賞までには仕上げられないと思う。」

「…悔しいけど私もそう感じたわ。仕上がってない状態で慣れないレースに挑むよりは、しっかりと準備をかけた方が良いもの。」

「ジャパンCと香港ヴァーズは走る距離も同じだ。ジャパンCで最終調整をした上で、香港ヴァーズに臨めると考えたらこれがベストだと思うんだが、クラウンの意見を聞かせてほしい。」

 

「私からはなにも異論はないわ!貴方のプランでいきましょう。」

「良かった!じゃあ、これからのトレーニング方法なんだが…」

そうしてトレーナーが今後のトレーニング方法を話してくれた。その上で私に更に意見を求めてくれて、それに対して私も『ここのトレーニングはもっと深めたい。』『その分この課題はもっと短くこなせるかも』と意見を述べていく。

こうして互いの意見を擦り合わせていると実感する。(ああ、やっぱり私にはこの人しかいない)と

ずっと貴方と歩みたいと心から思う。

 

 

そうしてトレーニングプランも纏まった時

 

「それともう一つ考えがあるんだ。」

「なにかしら?なんでも言ってちょうだい。」

 

「さっき言ったことを全て実践するだけじゃまだ足りない。日々成長しているライバル達に並ぶことはできても、追い越すには至らない。」

「…そうね。トレーナーの言う通り、そこまでやって私はようやくスタートライン。ピークに向かって成長し続けているみんなを越えるには至らないということね。」

 

「そこで提案なんだが…」

 

「9月から活動の場を香港に移さないか?」




今回もありがとうございました。次回もよろしくお願いします。
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