恋愛でも道悪巧者のサトノクラウン   作:メトロん

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今回もよろしくお願いします


新たなプラン、そして違和感

放課後になりトレーナー室に向かう。今日は今後の出走プランの調整とそれに合わせた基礎練習を予定していた…のだけれど。

「お昼のことがまだ頭から離れないわ…。」

 

トレーナーとお互いにあーんして、間接キスした…そのことを思い出すだけで顔は火照るし思考も回らないわ…彼と顔を合わせて二人っきりで喋れるのかしら。

 

しかしそんな緊張していた私と違って全然トレーナーは落ち着いていた。

「来たね。じゃあ、次のプランを考えていこうか」

思わず笑ってしまいそうになる。そうよね。それくらいで意識してくれてたらこんな苦悩もしないし、張り合いもないものね!いいわ!絶対に意識させてあげるんだから!

そう決意し直すと共に緊張した表情を隠してトレーナーの横に座った。

 

「…クラウン?俺の横に座るのか?」

「私も画面を見ながら意見がしたいの。それに…」

「パートナーだもの。当然でしょう?」

これには流石のトレーナーも緊張したのか、ピシッと背筋を伸ばした気がした。ふふっ!

 

「今年は世界に挑むと決めたからには、凱旋門賞を目指すのは確定でいいかな?」

「緊係啦!(もちろん!)外せないわ!」

「となると今年も中距離レース中心で組むとして…」

こうしてトレーナーと意見を出し合った。そして…

「今年の目指すレースは宝塚記念、凱旋門賞、ジャパンカップ。この3つでどうかな?」

「パーフェクト!これで行きましょう!」

「じゃあ、早速プランを練ろうか!」「ええ!」

トレーナーと二人で笑い合い、どんなトレーニングを中心にするか、どんなライバルがいるかとお互いに意見を出し合う。互いの距離が近いことなんてお互いもう気にしていなかった。こうして彼と笑いあいながら努力を重ね、勝利に向かって積み上げていく。そんな日々がこれからも続けば良いと思っていた…。

 

 

違和感を覚えたのはその後、トレーニング時に居合わせたダイヤと並走をした時だった。

2400m、久々に本格的に走るには少し長い距離の並走だった。

「クラちゃん!久しぶりのトレーニングとはいえ手加減しないから!」

「いいわね!正面から受けて立つわ!」

そうして二人で走りだした。走法はお互いに差し。私より得意な距離が長めなダイヤの方がスタミナがあることから、早めにスパートを掛けるでしょう。そうなると第4コーナーが仕掛け時ね。そこで私が一気に仕掛ければ、ダイヤも追いつかれまいと速度を一気に上げるはず。そうしてスタミナを必要以上に消耗した時こそが勝機!

 

…おかしい。足がいつもより重く感じた。仕掛けるタイミングは完璧。ダイヤもより速度を上げて少しブレ出した。後は更に速度を上げて追い抜くだけ…なのに

(速度が…上がらない?)いや、上がる。でもそれ以上に体力の消耗が激しい。速度以上に身体が重くなり今まで以上に私の息が上がっていた。

…負けるものですか。まだまだ私は負けられない!もっと先へ!前へ!行くんだから!

「うあああああああ!!!」

 

結果は、私の勝ちだった。アタマ差で私の勝利だった。だけど…

「ハァー…ハァー…ゼハッ…ゼェ…」

「大丈夫かクラウン⁉︎」

「クラちゃん!大丈夫⁉︎」

勝ったというのに今にも倒れそうな姿をみんなから心配されていた。

「無問題っ…久しぶりの並走で、ちょっとペースを乱しただけ…だから…はぁ…」

「大丈夫か?本当に?」

「ええ…問題ないわ。なにもね!」

「そうか…なら良いんだが。」

そういうと、トレーナーは口元に手を当てて考え出していた。彼がああする時はなにかを深く考えている証拠だ。心配かけちゃったわね…。

「クラちゃん。時間も遅いし今日はもう終わりにしよっか。」

「そうね。そうしましょうか…いいかしら?トレーナー?」

「ああ。上がっていいよ。久しぶりの並走お疲れ様。また明日。」

そうしてトレーナーと別れてダイヤと帰っていった…。

 

 

sideトレーナー

…あのクラウンの疲れ方は普通じゃなかった。怪我や見えない疲れが溜まっているものでも、初めて重賞に出た時のような気持ちの問題から来る疲労でもない。もしかすると…

「今後のプランを再考しなくちゃいけないな」

そう呟くとトレーナーは手元にあるノートにいくつか走り書きをした後、自室へと戻って行った…。




今回もありがとうございました。
またよろしくお願いします。
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